続・黍生山の村夫子(きびゅうやまのそんぷうし)

黍生山の村夫子が「蜂を追いかけた」とか「山が笑った」とか言ってます。

白楽天

2021年08月16日 04時18分28秒 | 日記

今日は白居易(白楽天)の七言律詩です

昨日李白をUPしたとき李白は太白とも言ったことを思いだしそこからこの詩を連想しました

 

   王十八の山に歸るを送り、仙遊寺に寄題す   白居易

  曾於太白峰前住  曾て(かって)太白峰前(たいはくほうぜん)に於いて住み
  數到仙遊寺裏來  數(しば)しば仙遊寺(せんゆうじ)の裏に到りて來たる
  黑水澄時潭底出  黑水澄める時 潭底(たんてい)出で
  白雲破處洞門開  白雲破るる處 洞門開く
  林間暖酒燒紅葉  林間に酒を暖めて紅葉を燒き
  石上題詩掃綠苔  石上に詩を題して綠苔(りょくたい)を掃う(はらう)
  惆悵旧遊無複到  惆悵(ちゅうちょう)す 旧遊複た到ること無きを
  菊花時節羨君廻  菊花の時節 君が廻る(かえる)を羨む

 

  かって太白峰の前に住み               太白峰:長安の南20㎞、秦嶺山脈の峰、標高3767m

  しばしば仙遊寺を訪れた                   仙遊寺:お寺の名前

  黒水が澄めば淵の底が見え                 潭:淵

  白雲が途切れれば洞門が開いた              洞門:洞穴の入り口


  林間で酒を温めるため紅葉を焼き   

  石の上に詩を書こうとして苔を払った

  悲しいのはもう二度とこのような遊びができないこと   惆悵:嘆き悲しむ

  菊花の季節に故郷へ帰る君を羨む

 

 

林間に酒を暖めて紅葉を燒き

石上に詩を題して綠苔を掃う

有名な対句ですが倒置法がカッコいいです

この詩は二十代の頃覚えたのですが

その頃は調べると言ったら平凡社の百科事典か現代用語の基礎知識くらいでした

太白峰を知らなかったので太白(李白)が峰の前に住んで居たのかと思っていました

李白が亡くなって10年、白楽天が産まれます

だからそんな詩を白楽天が作っても不思議ではないのです

兎も角その頃は丸暗記が先でした

今のように簡単に色々調べられたら返って漢詩を覚えられなかったかも知れません

 

コメント (7)
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