超空洞からの贈り物

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製造中止、コダクロームが残したもの

2009年06月26日 06時46分57秒 | ガジェット・玩具
「Mama, don't take my Kodachrome away(ママ、僕のコダクロームを取り上げないで)」。1973年にこう歌ったポール・サイモン(“Kodachrome”、邦題「僕のコダクローム」)も、いつかその日が来るとは予想していなかっただろう。

 アメリカのフィルムメーカー大手イーストマン・コダック社は22日、74年にわたって世界で愛されてきた同社のカラーフィルム「コダクローム」の製造中止を発表した。商業的に成功した最初のカラーフィルムではあったが、デジタル技術の人気に押され、その歴史に幕を閉じることになったと同社は説明している。

 1937年の夏、ナショナル ジオグラフィック誌の専属写真家W・ロバート・ムーア氏は、オーストリアでの撮影の際に、出版物掲載用の写真として初めてコダクロームを使用した。これはその中の1枚。オーストリア南部マイヤーホーフェンの牛飼いの姿が映し出されている。

 この新技術により、同氏は35ミリカラーフィルムではそれまでは撮影不可能であった動きのある被写体を写真におさめることができた。

 彼の写真が同誌に掲載されると「誰もがその美しさに感激した」と、コダクローム現像所の技術者B・アンソニー・スチュアート氏は『The National Geographic Society: 100 Years of Adventure and Discovery』の中で当時を振り返っている。

 このフィルムによって表現できる色彩のすばらしさは、「カラーで写真を撮るカメラマンがそれまで夢見てきた以上のものだった」と同氏は語った。

 コダクローム終焉の発表から3日後、ナショナル ジオグラフィック協会本部があるワシントンD.C.では、同協会主催の展示会「Kodachrome Culture: The American Tourist in Europe」(コダクローム文化:ヨーロッパのアメリカ人旅行者)が2009年9月7日まで開催されている。ヨーロッパの色彩豊かなカラー写真に魅了され、アメリカ人のヨーロッパ観光が急増した時代を回想したものだ。

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