米国の衛星携帯電話用通信衛星「イリジウム」が10日、同じ軌道上にあった制御不能状態にあったロシアの衛星と衝突する事故を起こしていたことが明らかとなった。
地球の軌道上を周回している衛星同士が衝突事故を起こすというのは、1957年10月にスプートニクの打上げで始まり、50年以上の歴史を持つ宇宙開発史上で初の出来事となる。
別の衛星と衝突して破壊されたイリジウム衛星は1997年にモトローラによって打上げられた重量500キロの小型衛星。もう一方のロシアの衛星に関しては今のところ詳しい情報は明らかにされていないが、1993年に打上げられた重量1トンの大型衛星で衝突時には既に制御不能状態に陥っていた模様だ。
衝突を起こした2機の衛星は高度780キロの低軌道上を周回していたもので、NASAでは現在、この衝突事故によって生じたスペースデブリが他の衛星や国際宇宙ステーションに与える影響度の調査を行っているが、当面、直ぐに何かしらの影響を及ぼす可能性はないとしている。
NASAでは、かねてから危険視されてきたスペースデブリとの衝突が現実化したとした上で、同等な事故の再発を防ぐために「U.S. Space Surveillance Network」などを始めとするスペースデブリの監視網の強化を行うとしている。
画像はNASAがまとめた軌道上で観測可能なスペースデブリの数を示した時系列グラフ(出展:The Orbital Debris Quarterly News, Jan. 2009, Volume 13, Issue 1)。NASAによると軌道上には衛星やロケットの部品などを含めて13000個近い物体がひしめく状態となっており、衝突を起こす潜在的危険性は年々、増してきていると警告している。
地球の軌道上を周回している衛星同士が衝突事故を起こすというのは、1957年10月にスプートニクの打上げで始まり、50年以上の歴史を持つ宇宙開発史上で初の出来事となる。
別の衛星と衝突して破壊されたイリジウム衛星は1997年にモトローラによって打上げられた重量500キロの小型衛星。もう一方のロシアの衛星に関しては今のところ詳しい情報は明らかにされていないが、1993年に打上げられた重量1トンの大型衛星で衝突時には既に制御不能状態に陥っていた模様だ。
衝突を起こした2機の衛星は高度780キロの低軌道上を周回していたもので、NASAでは現在、この衝突事故によって生じたスペースデブリが他の衛星や国際宇宙ステーションに与える影響度の調査を行っているが、当面、直ぐに何かしらの影響を及ぼす可能性はないとしている。
NASAでは、かねてから危険視されてきたスペースデブリとの衝突が現実化したとした上で、同等な事故の再発を防ぐために「U.S. Space Surveillance Network」などを始めとするスペースデブリの監視網の強化を行うとしている。
画像はNASAがまとめた軌道上で観測可能なスペースデブリの数を示した時系列グラフ(出展:The Orbital Debris Quarterly News, Jan. 2009, Volume 13, Issue 1)。NASAによると軌道上には衛星やロケットの部品などを含めて13000個近い物体がひしめく状態となっており、衝突を起こす潜在的危険性は年々、増してきていると警告している。