人は、考える葦である。天は自ら助けるものを助ける。

戦後の混乱から立ち上がり、文化的平和な国に成長した日本が、近頃反対の方向を向き始めた。偉人の言葉を考え直して見たい。

日本語教師ボランティアあれこれー③

2019-09-06 21:24:22 | 随筆
 スコットランドのお嬢さんは、ALTの教師として仙台市内の小中学校に行っていました。自分をモデルにした4コマ漫画を描いたり、結婚式に参列する時のドレスを仕立てる多彩な方でした。

 丁度東日本大震災に泉区の中学校にいました。その時、生徒に机の下に避難するように言ったけど、自分のもぐるものはなかったと言っていました。私は、車で6号線沿いに飛行場や荒浜海岸を案内しました。一度帰国して又戻って来て下さいました。

 ある時唐草模様のスカートを仕立てたと言って履いてきました。生徒に泥棒と言われたというので、唐草模様の一般的な説を教えました。その後は履いてはきませんでした。でも最近私は、この模様のほんとうの意味を知り、緑が多く作られたけれど誤解を生んでいると知りました。ちなみに私は震災の津波で犠牲になった方々を拭くタオルを、友人の地域に唐草模様の風呂敷に包んで送りました。宅配会社ではそれを大きなビニールの袋に入れて下さったのもうれしい心づかいでした。その風呂敷も、希望者に渡ったそうです。
 
 近所の小学校や中学校をバスから降りて徒歩で行った時のこと。周りが田んぼで緑のじゅうたんのようなところでした。農作業をしている人がいて、通りがかりに話をしたそうです。そのうち、「うちに嫁に来てくれないべか」と言われてしまったそうです。背が高く体格のいいお嬢さんでした。

 漫画をかいているので参考にと、仙台文学館で催していた葛飾北斎展を見学に行きました。とても熱心に見ていました。でも最後に買ったお土産はろくろっ首の絵葉書でした。私は、北斎の絵のカレンダーを捨てずに取ってたのでそれをプレゼントしました。ところが、それをいろいろに切り、私には封筒を作ってお礼の手紙と共に残してくれたのです。プレゼントはもう一つあります。私が学習の時手提げの中を探すことが多かったので、ポケットを3つ並べたデニム製の手作り手提げを頂いたのです。表には全く出さない方法で作られた、世界で只一つの苦心の作と重宝しています。

 メールをよこす時は、前より多くの漢字を使って来ます。あの時より確実に向上していると感じます。
遠いスコットランドで、幸せになってほしいと願いつつ当時を偲んでいます。

人は考える葦である 第5章 アラカルト  言葉

2019-09-01 21:27:28 | 随筆
 国際関係では、常によい関係を保つ基盤に言葉があります。翻訳は多岐にわたり、一つの言葉にも色々な解釈があります。誤解を招いたり疎通が図られない恐れもあり、そのままでは険悪な関係に進むことも懸念されます。この間、オバマ氏の広島訪問で述べられたメッセージは、人類の歴史を振り返りこれからの発展を願うものでした。それに比べ、現在の韓国の大統領のメッセージは、現在の身の周りだけを視野にした内容で、多くの人の眉をひそめさせるものではないでしょうか。

 アメリカの物語として、「万人は平等に創られ、生命、自由及び幸福追求を含む犯すことのできない権利を、創造主から与えられている」という言葉で始まったとおっしゃいました。これこそ、国境を越えて理解すべき大切なことと思います。兼ねてから私はいじめやハラスメントは、上のことを知らない人のやることであると考えてきました。生まれた時の祝福された状態は、一生続きます。いじめる方にもいじめられる方にもその権利はあります。だからこの基本がしっかりとみんなの心に根付けば、残酷ないじめは防止できるのではないかと、そこまで指導者は押さえて頂きたいと思うのです。

 韓国の大統領はよく報復という言葉を使います。報復というのは、自分が受けた被害に対して、相手に同等あるいはそれ以上の被害を与えないと満足しないという心情です。日本が未だにそういう考えで韓国に対処しているということなのでしょうか。それから、歴史と経済とを結び付けていると言いますが、それは、そちらの考えではないかと思います。合意をしても、それで済むと言うのはないというのが、それを表しています。ですから、嘘も方便ということなのでしょうか。わたしは、高齢になってから、人に裏切られたことがあり、あまりないことなのでびっくりしました。

 オバマ氏は、原爆の犠牲になった方々は私たちと同じで彼らは戦争を望んでいません。科学の感嘆すべき力を、人の命を奪うのではなく生活を向上することに集中するべきであると考えているでしょう、と述べられました。国の指導者がこの素朴な知恵を選択し、分かりやすい良識を反映すれば、広島の教訓が生きるだろうとも仰いました。

 オバマ氏のメッセージは未来を見据えて展望していますが、文大統領は、過去のことにこだわりそれに結びつけた報復と解釈しているところが大きな違いではないでしょうか。