人は、考える葦である。天は自ら助けるものを助ける。

戦後の混乱から立ち上がり、文化的平和な国に成長した日本が、近頃反対の方向を向き始めた。偉人の言葉を考え直して見たい。

人は考える葦であるー第5章  考えること 

2020-07-14 22:34:49 | 随筆
 最近の九州地方や各地の豪雨は今までにない被害を及ぼしていますが、人間の最低の暮らしのできなくなった多くの人々の苦労は想像を絶するものと心を痛めております。心からお見舞いを申し上げます。政府は早速予算を組みましたが、被害に遭われた方々に即刻有効に使われますよう祈って止みません。

 養老孟司氏が、週刊誌に載せたコメントに、短くはありますが私の常に思っていることと同じと思える部分がこのシリーズにぴったりと思いご紹介することにしました。今、大きく世界を揺るがしている新コロナウイルスの為に人類が大きく変化していることに、各名士がコメントを載せられた一つです。

 人は考えなければならない。考えの熟さない人は大人ではない。とおっしゃっていました。まさにその通りだと思いました。世の多くの出来事で、常識はずれなことがあります。それは大体考えの浅い人の行いです。このコロナの自粛に入ってからも新しい迷惑行為が取り沙汰されています。自主警察といって誰もいちいち言わないのに3蜜に反しているときにとがめたりするのです。いままでそういうことは取り立てて言わなかったことでも、人を咎めるのは、気持ちがいらいらしていたり、落ち着きがないときでしょう。それは、よく非常事態宣言とか、他県交流禁止とかを法律でなく自主的に気を付けて欲しいことが発表されるや、守らない人にイライラしてしまうようです。

 それから、昔からあるハラスメントがコロナの思わぬところで出てくるのです。指定を受けた病院では命がけで人の命を守っているのに、働いている人や家族にハラスメントをするのは、どうしても考えの熟していない人のやることではないでしょうか。普通の会話でも人を傷つける言葉を(心にあることをうっかり口にする)出さないように気をつけて話すのに、お構いなしに言ってしまうのは考えが熟していません。

 勿論、人と距離を置くとか、話をしないとかは人間社会での普通の状態ではありません。知り合いならば、すぐ立ち止まって話したり、知らなくても困っていたら手伝うとかは社会の潤滑油だった筈です。それを止められれば、小さなコミニテイでも会話のない風通しの悪い場所になってしまいます。 しかし今は国民一致してウイルスの蔓延を防止することで我慢しています。徐々にその規制がゆるくなると一気に羽を伸ばす人がいて、又感染者を増やしているようです。一般国民もイライラの極みに行きそうですが、考えの熟した方々はそこを冷静に対処しています。世界のウイルスの感染を見ても、日本は考えの浅い人は少ないように見えます。

 ここは今ある自分の位置で、できる限りの自分の楽しみを考え、心の乱れを起こさないように努力して行くのが得策です。世間を見ても、高齢化した方ががんばって歩いているのを見かけます。また外には現れなくても病魔と闘っている人、子育てに苦労している人、沢山の見えないところのご苦労があります。楽しみたくても楽しめない人が十分に羽を伸ばしている人より多いかも知れません。この度の水害で、家ごと苦労を背負った方がいらっしゃいます。そういう方々を思いやり、考え深い行動をとるようにしたいものです。