人は、考える葦である。天は自ら助けるものを助ける。

戦後の混乱から立ち上がり、文化的平和な国に成長した日本が、近頃反対の方向を向き始めた。偉人の言葉を考え直して見たい。

人は考える葦である 第五章 アラカルト - 親子

2019-06-03 16:41:30 | 随筆
 最近、親子関係の崩壊が深刻になってはいないでしょうか?非常に多いのがわが子に対する暴力です。子育ては、親の最高の喜びである筈なのに、命を亡くすまできびしい躾は何故起こるのでしょうか?親は、子育てのノウハウを学習するわけではありません。動物と同じ本能の愛で育てます。しかし、暴力的な父親は残念ながら多く聞かれます。母親はかなりナーバスになる危険性を内在しているので、中には育児ノイローゼなどになる例もあり、周りの人々の支えが壁を乗り越える力となることが望ましいと感じます。それができず、悲しい事件につながるのを避けるため、ママ友などの仲間作りができるといいのですが。家庭の中の協力は勿論ですが、それも母子にとって前向きの楽しい雰囲気が子育ての喜びにつながり、問題解決も気軽にできることでしょう。

 この度、登校途中の小学生と父親が非人間的な犯罪の犠牲になり、何度も繰り返される通り魔事件に驚かされました。そして引きこもりの実情が報道され論議をよんでいます。それは、大きな社会問題となっているからです。引きこもりは、その人の成育歴に大いに関係があることは誰もが知っています。今度の場合は、実の両親の愛情を受けていなかったことと、学校でも家でも孤立する状態にあったことがわかりました。普通に甘えて愛情を感じ、天真爛漫に育ったら・・・、誰とでもわけへだてなく話し合い、遊びに興じることができたら・・・。人生の中で性格が醸成される間、もうすでに楽しみのない暗いことに包まれ、人として生きがいから遠ざかっていたとしたらと社会人々みんなが考えれば、今いる自分の幸せに気づくに違いありません。
 
 そういう状態になる要因には、生育だけではなく望む学校に進学できない、望む仕事につけない、つけてもハラスメントに遭ったなど、社会的な要因も沢山あります。それらの障害を乗り越える力も必須条件となります。これも元をたどれば成長の段階で身につけられるといいのではないかと思います。思慮深い行動です。幼時から集団生活に移り様々な葛藤にぶつかった時に、親が丁寧に話したり読書で培うことができればと思います。子供のその葛藤を見極めるのも親ですから、本当にむずかしいことかもしれません。

 そして再び大事件が起きました。親が子を殺してしまったのです。金銭的に裕福に育った子は進学に強いと言われています。今度の場合もそれに当てはまっていたのではないでしょうか。ところが親はわが子の引きこもりを、今回の自殺希望殺人とリンクして、自分の子も社会に迷惑を掛けさせたくないと思いすごしてしまったようです。普段暴力的だったわが子を、どうして普通の素直な人格にしてあげられなかったのでしょうか。親が口を出せないほど親子関係が硬直してしまったのでしょうか。家庭の中は他人に知られたくないというのは共通の考えです。それが、こんな最愛のわが子を殺す最悪の事件になるのは、何と悲しいことでしょうか。大切な人生を、親の手で断つとは!わが子といえども、別の人格を持った、生きる権利のある人間だということを、高学歴の親は忘れていました。

1 コメント

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8050問題 (msato)
2019-06-07 14:28:03
嘆かわしい事件が続発し同じ年頃の子を持つ親にとってはやりきれないこの頃です。
私見では兄弟や親に優れた人が居て周りからことごとく比較されているように過剰に思い込んで精神のバランスを欠く事例が見受けられるようです。
根は真面目な性格なのでしょうむしろ真面目過ぎといったほうが良いかも知れません、親と或は兄弟と同じように優秀でなければならないと思い込み、頑張っても追いつけない虚しさジレンマそうしたものが内から外へと形を変えて行動となって自虐的になり、それがエスカレートするのではと感じています。
 優秀な親族であるがあゆえに、そうした出来ない子等の気持ちが理解できないという不幸ではないでしょうか。
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