サルトリイバラ(猿捕茨)
学名:Sarutori ibara(China root)
科名/属名:ユリ科 シオデ属 落葉蔓性低木 花期:4~5月
別名:サルトリ サンキライ サンゲラ ガンタチイバラ カカラ
道端や藪に生える 落葉蔓性低木。鋭い棘と巻き髭で他の植物に絡み
時に高さ3m程になる。
春若葉が開くと同時に黄緑色の小さな花が枝に球形集まって咲く。
雌雄異株で雌株には円い実が生り秋に熟しよく目立つ
赤い実は生け花やリースなどに利用される。。
西日本の柏餅はカシワではなくこの葉で巻く「茨餅」と呼ぶ地域もある。
根は漢方薬利用される。
名前の由来はサルトリイバラには棘があり猿が引っかかると
捕まってしまう事から「猿捕茨」と書く。
ただし棘の数が少なくサルが捕まるほど鋭くもない。
山帰来(さんきらい)山で病気になった時にサルトリイバラ根を
かじったら病気が治って山から帰る事が出来た事から「山帰来」と呼ぶ
生薬名も「山帰来」
花期4∼5月
葉は互生し円形又は楕円形で全縁。先端は僅かに突出し基部は円形。
質は厚くて光沢があり3~5脈が目立つ。葉柄は短く両側が翼状になり
一対の長い巻き髭がある。
鍵状の棘と葉柄の巻き髭で他の植物に絡み付き茎を伸ばす。
花は葉腋から散形花序を出し黄緑色の小さな花を沢山付ける。
雄雌異株花被片は6個で反り返る雄花に雄蕊が6個雌花は
仮雄蕊6個と花柱が3個ある。
果実は直径7~9ミリ程度の球形で液果は初め緑色熟すと赤色になる。
柏餅
端午の節句の習わしが始まる江戸時代以前西日本では身近に里山に
普通に生えているサルトリイバラの葉は食料を包むのに使われた。
サルトリイバラの葉で餅を包むのは柏餅より歴史が古いという。
江戸時代になると江戸ではサルトリイバラの葉を多量に集めるのが
困難な事からカシワの葉を代替品として使うようになったと言う。
和菓子屋さんではこの葉で包んだ餅饅頭を「山帰来餅」「山帰来饅頭」
の名で販売している。
生薬名サンキライ(山帰来)
10月頃根茎を掘り取り水洗いした後輪切りにして天日乾燥させる。
煎じて服用する。利尿 腫物 おでき 解熱に効果が有るとされる。
山菜
若芽若葉は天婦羅や和え物等山菜として利用される。
又大きくなった葉は湯がいてから刻み揉みながら干して保存しお茶として利用する。
樹木シリーズ145 森と水の郷あきたから