青空の広がる一昨日、私が子供の頃、家族で度々行ったことがある、前渡の不動尊に、ふと行って見たくなりました。
岐阜県各務原市にあり、愛知県とは木曽川を挟んで反対側です。
この坂道、今は階段になっていますが、昔は下から上まで全部、素朴な砂利道だったように記憶しています。
頂上の社です。
昔は、古色蒼然とした、子供心には、ちょっと不気味で、幽霊はこんなところに出るのかと思うくらいの怖い雰囲気のところでした。
壁に、古い生々しい戦争の絵馬等がかかっていたので、余計そう思ったかもしれません。今は他の絵がかけられ雰囲気も変わっています。昔の儘の設えを再び見てみたいと思いますが、今となってはもう見ることは出来ず、残念です。
屋根も綺麗に葺き替えられて、昔の印象とはかなり違います。
裏側の展望台に回ると、期待してきた御嶽山が見えました。枝に阻まれ少し見にくいですが、雪山が綺麗です。
その右方には中央アルプスの山並みが。
更に右手は恵那山がどっしりと。
西方には伊吹山が見えます。
その右手は金華山。天辺に岐阜城が見えます。
金華山の手前は岐阜市内です。
参道の途中、承久の乱の合戦の供養搭がありました。
昔もこの道を通ったはずですが、当時は気が付きませんでした。こんな史実があったことは、今回初めて知りました。
朝の雲一つない青空を見て、これならばどこかで山が見える、と思っての行動でした。
好天に恵まれ、望み通り、御嶽山、白銀のアルプスが見られ、常々望んでいたことが叶った日でした。
ただ、今回の前渡の不動尊のように、懐かしい思い出の場所は、当然のことながら建物の老朽化などにより改装され、その景色が変わってしまいます。昔見た景色は風化し、記憶の中で上書きされてしまうのでは・・・。
昔の儘の思い出を心に残したいなら、変わってしまったあとのものは見ない方が良いのかも・・・。
「思い出は、心の中に大切にしまってあるものを時々引き出して眺める」・・・そんなことを考えながら山を下りてきました。