包み込むように押し寄せ
飲み込む雲
青紫色の廃棄煙がたなびく
確実に動き始め 混ざり合い
空を消していく
ちいさな 小さな飛行機と
スリガラス色の三日月
黒いカラスが
並行に弧を描き
窓から遠ざかる空には 戯れる子羊たち
走り出す準備は出来てるつもり。
さて
明日は どっちだ?
どんなに スペシャルな カメラでも
こんな 広いひろい アオ を
切り抜くことは 叶わないから
だから
この身に 全てを 焼き付けたいんだ
想い出の あの日の 蒼 を 求めて。高校の修学旅行で見た、あの深い深い 沖縄のアオ。
いつか
捕まえてみたいな。
両手で形作るファインダーから
見えた未来
追い詰められた頭に住むのは
あなたじゃない
助けなんていらないよ
“がむしゃら”という快楽は
麻薬のリズム
手持ちの札が根性と意地だけだとしても
結構役に立つんだな これが
足掻き続けた者だけが手にする称号プライド
ちょいと遅めのエンジン フル回転
残されたのはあと6時間
自分次第の結末だなんて
かなり わくわくするじゃない?
このイメージは
文字にしたとたん
その場に縛られてしまう
焦って傷つけないように
自身の周りに そっと配置して
ゆったりと回り始める想いは
使うべき時に 使うべき形で
目の前に止まるから
時間をかけて あたためて
言葉は人を包むためにある
球を成す前に取り出さないで
伝えたいその瞬間まで
この胸でちゃんと守ってあげて
いつの間にか こんなに心冷えて
困ったな
せめて 唯1つ想う事だけが
最後の砦でありますように
醒めきれない頭で願う
誰か この子に鎧を下さい
我が身を守る事の出来る力を
外界の全ての刺激を遮断する
頑丈な鎧を下さい
誰かを守る事の出来る力を
黙々と負荷に耐えて
目的へと足を運ぶしかないとしても
それでもまだ
何かを生み出すと
信じる
心持ち 明るくなる気がする空を見やり
数式と理論と眠気に 片足突っ込んだ僕は
乾いた目こすりながら 布団に入る AM3:45
着地したのは 綿雲の上
落っこちる前に 眠ってしまおう
白い壁に留めた 空の切り抜きが
ちりんと 一度 風を通した
今日が終われば 早々に君に会いに行こう
忘れないうちに 言っておこう
ごちゃ混ぜになる前に とりあえず 君を見つけに行こう
はじめまして と言った瞬間を 思い出してた
目を 逸らせなかった
その唇が 微笑へと形変えるのを 見てた
僕の名前を紡ぎ出すのを 見てた
助けて と 呪文のように繰り返してる
そのたびに君の手が
しっかりと僕を引き上げるんだ
暗闇が纏わり付くたびに
大丈夫 と 魔法を掛けるんだ
胸に宿る 1つの光
君という 希望
永遠の名の下に閉じ込められたとしても
高らかに 時を刻め
揺るがないもの
絶対的という存在
消し去る事の出来ない道は
1つ
強く握り締める 想いは
唯
1つ
星屑庭園
真夜中の噴水は
地上から天空へと 銀糸をつむぎだす
乳白色のひかりで 君のドレスを仕立てよう
色とりどりのキスで 飾ればいい
一等星を ひとみに浮かべて
つま先立ちの ワルツを踊ろう
その指の一振りでえがく 五線譜は 未完のまま
永遠を ささやき続ける
背後で星が 合図してる
この手を はなさないように と
2人をつなぐ糸は あまりにも細すぎるから
今宵 いとしさで この庭園を埋めつくす
月明かりをうけて
君はもっと きれいになる
睡蓮
僕の周りに見えるものは真実ではないのだと
若々しいキャンバスに向かい続け
求めるものは 最期まで 変わらなかった
水の中 風の音 空の色 光と影
ひかりと時間 ひかりと命
狂おしいほど溢れ出る この やさしさ
僕は佇み 太陽は高く昇り やがて沈みゆく
与えられる世界は 段々と細くなるだろう
案の定 陽を背に立つ君の顔は よく見えない
時が過ぎると共に 水面を白い靄が覆う
とうとう 夜が来る・・・
───だけど どんな眼鏡でも見ることのない世界は
絶望だろうか
紫も水色も赤も全て 溶けてしまえ
本質だけが 生まれる
ほんとうだけが ひかりを生み出す
風はいつも 僕を拾いあげる
君はいつも 丘の上で微笑む
僕はいつも ただ一人ここに居る
僕はいつも
・・・いつも ひとりだ
今でも ありありと思い浮かべることができる
混沌とした池に咲く 鮮やかな花
静かに凛と生きる 小さな花
それだけが ひかりを放っている───
Dedicated to C.Monet