身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

身近な自然散策 ~菊名池・白幡池・篠原池~

2013年12月21日 22時05分11秒 | 篠原園地
疲労がたまっていなくて早く起きられた休日は、健康のためのウォーキングを兼ねて、
身近な自然散策をしたいと思っています。
仕事柄土日完全週休2日ではないので、やりたいと思っていてもできない時が多くな
ってしまっていますが、今日はゆっくりと身近な自然散策ができました。

前回記事でも出てきた菊名池のことを記載したので、内容が重なる部分がありますが、
私の好きなこと、そして大切なことだと思っていることなので、今後も繰り返し載せ
ていくことにします。

●菊名池


キンクロハジロ(カモ目カモ科 昔はガンカモ目ガンカモ科と呼ばれていました。)
菊名池に1980年代から飛来するようになった冬の水鳥で、カモの仲間です。
似たカモの仲間にスズガモがいますが、キンクロハジロは頭にチョンマゲのような飾
り羽があるのと背中が黒いのが特徴です。
メスは白黒の体色ではなく全体的に茶色っぽい色をしています。


マガモ(カモ目カモ科)
アヒルの原種で、よくデゴイ(木製のカモの置物)のモデルになっているカモの仲間
です。
青首の愛称でも呼ばれるとおり、オスは首から頭部が光沢のある緑色をしています。
この日菊名池で見られたマガモも朝の陽光を浴びて、この緑色が綺麗に輝いていました。
メスはカルガモのように地味な茶色い色をしています。


カルガモ(カモ目カモ科)
ここで紹介している他のカモの仲間が冬鳥(冬に飛来する渡り鳥)なのに対し、留鳥
(渡りをせず、一年中同じ場所に住み着いている鳥)です。
そういうこともあって、やはり他のカモと違ってオスとメスの色や模様の違いがほと
んど見られません。菊名池よりもプールの方で数が多く見られます。


ハシビロガモ
大きなくちばしが特徴のカモの仲間で、菊名池公園のプールの方で見られます。
この日は3羽のメスが見られました。
オスはマガモのように光沢のある緑色をしています。


バン(ツル目クイナ科)
1980年代から菊名池に住み着くようになった水辺の留鳥。
元々は毎年のように菊名池のガマの茂みに巣を作りし子育てしていました。それが
外来種のハスが投げ入れられて増え広がったためガマの茂みが負かされて消失。
そのために7年間の間、子育てをしなくなってしまいました。
その後、ハスの駆除や水辺の草が植えられたいかだの島が設置されたため2011年に
7年ぶりに子育てを再開しました。
ガマの茂みがいかに水辺の生きものたちにとって大切かがわかります。
しかし菊名池ではガマはすっかり姿を消してしまいましたし、こうした水辺の草が
生えるような浅瀬もなくしてしまったのが残念です。


アオサギ(コウノトリ目サギ科)
日本で最も大きなサギの仲間。行動範囲が広く、菊名池は休憩場所や餌場に利用
しているようです。


●白幡池


白幡池ではカルガモが12羽、キンクロハジロのオスが1羽見られました。
そのまま隣にある篠原園地を歩きました。
秋の野草もすっかり枯れ、秋の木の実もすっかり落ちたようで見られませんでした。
野鳥はツグミとヒヨドリの声を確認しました。

●富士山とみなとみらい地区のビル群





篠原園地から篠原池(岸根公園)へと向かっている途中、住宅街の間に富士山が綺麗
に見える場所がありました。
横浜みなとみらい地区のビル群もよく見えて対比的な感じがします。
私は断然、富士山と丹沢・大山山系の山並みの方の景観の方が好きです。


●篠原池


オナガガモ(カモ目カモ科)
オスの尾羽が長いことからこの名があります。
菊名池でも白幡池でも見られず、篠原池でしか見られません。
それぞれ1㎞ほどしか離れていない池なのに、それぞれ飛来するカモに
違いが見られるのは興味深いことです。


篠原池にもバンが生息し毎年子育てをします。またカワセミも見られます。
私のようにカメラを持って水鳥の撮影のチャンスを待っている人と出会いました。
市営地下鉄岸根公園駅を降りてすぐの位置にある篠原池。
このような交通の便のとても良い場所に、このように色々な野生生物たちが見られ
大変良い場所だと話していました。


●再び菊名池へ


スタート地点の菊名池に戻ってみると、池の自然・生きものについて図示したパネル
をご覧になっているご夫婦がいらっしゃいました。
図を見ながら池にいる水鳥のことを話をされているようでしたので、声をおかけしました。
このパネルは平成のはじめに菊名池公園の大改修が行なわれた時に設置されたものなので、
菊名池で見られる生きものたちも変化が見られるからです。
ご夫婦は水鳥が見られ、たくさん木が生え桜もあって、いい所ですね。と話されていました。


葉の落ちた木々もまた魅力があるものです。
青い空に葉を落とした木々。冬の雑木林といった感じがとても良いと思います。


この樹林は武蔵野(武蔵野という言葉は雑木林の代名詞で、国木田独歩の雑木林の情景を
描いた随筆「武蔵野」にちなみます。)を再現するために平成のはじめの大改修のときに
工事の一環で植えられたものです。
当時は2mくらいしかなかったこれらの木々ですが、いつしかこんなに大きくなり、ドングリ
を実らすようになりました。


菊名池公園の自然・生きものを図示したパネルの中に、ドングリなどの木の実を示した部分
がありますが…


これらの木の実は対岸の生物保護区域の中にあるのではなく、この樹林の部分にあります。
再現された雑木林と親しめるようにちゃんと考えられて植えられたのだと思います。


この雑木林でツツピー(チュチュピー)と小鳥の鳴き声が…。
シジュウカラです。


枯れて朽ちたコナラの枝をくちばしでつついて砕きながら、中にいる虫を探しているようです。


ツツピーとないているシジュウカラ。


水鳥を観察する親子連れの姿も見られました。
野鳥図鑑を持って水鳥を調べている親子さんもいらっしゃったので、声をおかけしてみました。
お母様も息子さんも水鳥などにとてもご興味をお持ちのようでした。
こうした子供たち、若いお父さんお母さんたちが身近な自然や生きものたちのことをよく知って
もらえるように役に立てたら良いなぁと思う私でした。
そうすれば、きっと昔から地域にあった身近な自然が少しでも未来へと残っていくでしょう。
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