版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

身近なシルクスクリーン技法(1)

2009-06-23 11:15:26 | その他 Other

ほとんどの版画 ー銅版画・リトグラフ・シルクスクリーン等ーは
最初から版画制作を目指して考えられた技法ではありません。

すべて大量印刷法として開発されたものです。

銅版画・リトグラフは今ではそれぞれグラビア印刷・オフセット印刷に発展し
初期の技法が「版画」に用いられています。

シルク印刷に関してはだいぶ以前に版画の話(3)として簡単にお話しましたが
今回からより具体的な例を挙げて 今でも印刷技術として
日常的に利用されている状況を見て行きたいと思います。

シルク印刷というと「Tシャツ」を
思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

確かにシルク印刷自体 古来の染め技術(型染め等)を参考に開発されたものなので
まずは染めの世界で大きく発展しました。




この浴衣地はシルク印刷以前の「型紙捺染」という方法で絵柄を染めています。
渋型紙をカットして刷毛等で染め付けてゆきます。
沖縄の「紅型染め」(びんがたぞめ)も同じです。

これらの伝統技法がシルク印刷の基本となったものです。




型染め捺染を原理として開発されたシルク印刷法でプリントされた生地です。
いわゆる「プリント柄」と称されているものですね。

染めの世界ではシルク印刷と言わずに「捺染印刷」として
様々な染めに利用されてきました。

風呂敷・スカーフ・着物地(京友禅の一部など)・Tシャツ・
カーテン地・ビニール製のブランドバックや靴・傘 等々 
もう数えきれない!程です。



(画像提供 DENTIST NORIKO)
この鯉のぼりもそうですね。


これからしばらくシルク印刷のお話 続けます。



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