
その9
2年ほど前のことになりますが、
その男の子は、4~5歳の頃
「痛くすると切るぞ~。」と
玩具の刀を私に突きつけるような、
「可愛い悪がき」でした。
大きくなって、治療に来る事もなくなったのですが、
それこそ、10年ぶりくらいにひょっこり
「御無沙汰しています。治療に来ました」
と現れました。聞けば、もう就職もして、
しっかり大人です。
いろいろ子供の頃の話をしましたが、
「子供の頃、先生に歯の汚れが赤く染まる
歯磨き粉を使って、よく注意されました。
でも、あれで僕の意識が変わりました」と。
又、「もう大人なんだから、他の所でも良かったんじゃないの?」
と聞きましたら、
「いや、ここに来たかったんです。」と言われました。
彼は調子よくお世辞を言えるような子ではありませんし、
多分彼にとっては、「口うるさいオバサン」だったでしょうが、
10年以上経っても、こうして来てくれたことに思わず、
目頭がウルウルに。
患者さんとの信頼関係のようなものを感じ
「技術だけが医者ではない」と
歯科医になりたての頃言われた意味を
少し理解できたような出来事でした。

Diana, Princess of Wales


その子はきっと「8020」を達成できるでしょうね。
私はもうだめです.........
(ちなみに 8020とは 80歳で歯が20本
残っているということです。そうですよね? )
NORIKO先生から送ってもらったバラの写真が
まだたくさんありますので 次回も引き続き
掲載します。



この子はちょっと削って薬を詰める程度の治療歯が
確か3本程あるだけでした。
歯ブラシの状態も良いので、8020大丈夫だと思います。
8020は仰るとおり「80歳で自分の歯を20本残す。」です。
この本数があれば、一応咬むことに
問題ないだろうという事ですが、私個人的には
24本ないと、「咬める」状態にはかなり厳しいのではと思います。
バラがフレームに入れて頂いて一段とあでやかになりました。