HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

サンゴジュ(珊瑚樹)

2016-12-14 | 【独り言】

須磨での邂逅以来何年になるだろう、
今も折々に懇意にさせて頂いている「はなこ。」さんのブログに「サンゴジュの紅葉」が掲出された。
あくまで推論だけれど、常緑樹のサンゴジュも葉が入れ替わる訳で
その頃に赤くなっている葉を見ることもあったから稚拙な推論をした。
現物確認は観察には大切な事だと思っているので近所のサンゴジュを確認した。
赤くなった葉は、やはり離層が出来ているようで触れると簡単に枝から落ちた。
緑を残している葉はまだしっかりと枝に残り、次の春に新しい葉と入れ替わるのだろう。
既に枯れ落ちた葉の痕と冬芽が膨らんでいる。
画像下に、稚拙な推論とモミジのメカニズムの聞き語りを以下にコピーしておこう。


余り関心を持って見ていなかったサンゴジュの葉。
葉の入れ替わりの前には確かに「紅葉」している。

この樹は、春の芽吹の頃には悪名高きサンゴジュハムシの犠牲になる。
すっかり坊主状態になってしまう樹もあるのだが、この樹は無事だったようで
次の葉と春にはしっかりと新しい葉と入れ替わることが出来そうだ。


この枝の葉はまだ緑、葉柄もしっかりしている。

まだ緑の葉も多く残っているのだが、冬芽が上がっている部分の葉は彩りがある。
と言う事は、春を待たずに早晩落葉する。


赤い果実もすっかり萎びて黒ずんでそろそろお終い。



上の枝から落ちた葉。





この「顔」を撮っていてふと気がついた。
冬芽・葉痕は、落葉樹…とばかり考えていたけれど常緑樹にもあるのだ…と。
思い込みはやはりいけない。


片側は落ちて葉痕が見え、この葉も葉柄も色づいている…ように見える。
数日で落葉するのだろう。
しっかり冬芽も立ち上がっている。


頂芽は大きい。
側芽はまださほど大きくはなれていない。

頂生側芽を横に従えた頂芽は何枚かの芽鱗に包まれている。



頂生側芽を伴った頂芽、その下に幾つかの側芽が伸び始めている。
虫食いだらけの葉が多いから近寄りたくないサンゴジュだが、葉が落ちた痕は整然と冬芽・葉痕が並ぶ。

葉が枯れ落ちるとよく見えるが、枝葉はきれいな十字対生。
芽鱗痕もきれいに並んでいる。












サンゴジュ(珊瑚樹) レンプクソウ(=スイカズラ)科ガマズミ属
Viburnum odoratissimum var. awabuki (=Viburnum awabuki)

ガマズミ属はレンプクソウ科に編入された。
(2016.12.11 林)

「紅葉」という言葉は、落葉樹の葉が落ちる前に、地中から水分と葉に溜まった養分の通り道が
葉の根元辺りで遮断される事で起きる現象だと説明されています。

サンゴジュは常緑樹なので葉の入れ替わりは春先、だから厳密には「紅葉」の言葉は使わないかも知れません。
それでも葉には赤色が出ていますから「紅葉」なのでしょう。
推論ですが、サンゴジュの葉にも落葉樹と同じ事が起こっているのだとすれば理解出来そうです。

以下に、以前ブログに書いた【モミジのメカニズム 聞き語り】を転記しておきます。
 まずは葉の構造の説明から 葉は葉柄で茎と繋がっている。
葉には根からの水分や養分光合成で出来た澱粉を通す通路、葉脈がある。
前者は葉の表面にあり木部(もくぶ)と呼ばれ、後者は篩部(しぶ)と呼ばれている。
秋に気温が下がると、葉柄と茎との基部に離層と呼ばれる細胞の層が出来て、先ず篩部の通路が切れて遮断される。
その結果、でんぷんは葉に貯まったままになる。
 でんぷんは分解されて糖になる一方、葉の葉緑素は老化してアミノ酸に分解され葉を彩る色素が合成される。
この時、気温差や日照時間によって、合成されたでんぷん量やクロロフィルの分解の程度が異なると合成される色素が違ってくる。
アントシアンは鮮紅色フロバフェンは茶色に葉を彩ることになる。
ただ黄葉は、色素の合成による発色ではなくて、
もともと葉の中の葉緑体では吸収できない光を吸収して光合成するカロチノイド(黄色の色素)が、
クロロフィルの分解の結果によって現出する事で発色する。

 やがて離層に細胞膜を溶かすセルラーゼ、ぺクチナーゼのような酵素が出来て木部の通路をも切断する。
この結果、根からの水分補給も絶たれて落葉することになる。

以上が推論と紅葉のメカニズムの聞き語りメモです。
ただカエデ類と違ってサンゴジュの葉は肉厚なので葉全体が赤くなることはなく
一部に緑を残したまんだら模様になっているようですがこれが拙い推論です。


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サンゴジュの花と果実



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