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芸術と医師



大分合同新聞2月19日朝刊の小さな記事。
音楽・文学・美術などに親しんだ医学生ほど
思いやりや忍耐力を備えているという。

もっと知りたいと思ってネット検索すると
一件しかヒットしない、それが下記です。

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「医学生に人文・芸術を」2018年02月02日

人文・芸術(arts and humanities)に触れあう医学生は
臨床において患者に求められる資質を高めることができる。
テュレーン大学とトマス・ジェファーソン大学の研究チームが明らかにした。

研究では、医学生を対象に、人文・芸術(音楽、文学、演劇、視覚芸術)への曝露状況と
個々のポジティブな性質(知恵、共感力、自己肯定感、あいまいさや感情への耐性)、
ネガティブな性質(物理的疲労、情緒的疲労、認知的疲労)に関するオンライン調査を実施。

全国のメディカルスクール5校から医学生739人の回答を得た。

分析によれば、医学教育の過程で人文・芸術に多くの時間を費やす学生は、
共感力の高さやあいまいさの許容、知恵、情緒的知性など、
医師としての正の属性に当たるレベルが有意に高く、
バーンアウトのような負の属性のレベルが有意に低かった。

シニアオーサーを務めたテュレーン大学の Marc Kahn 教授は次のように述べる。
「人文学は医学教育のカリキュラム外に追いやられがちです。
しかし、芸術への曝露は将来の医師としての大事な資質と結びついている
と研究は示唆しています。今回の研究はこの種の相関を示した最初のものです」

この研究は『Journal of General Internal Medicine』に掲載された。
Arts and humanities in medical school promote empathy and inoculate against burnout
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テュレーン大学のこの試みについて近日また話題にします。

先日ブログで話題にした「ポスト物質主義科学マニフェスト」が
そうであったように進歩的な最先端の科学や医学はもはや
「科学万能主義」の考え方ではありません。
優れた科学者・医師は瞑想の重要性にすら気づいています。

科学が最高であるという考え方は現代にあっては非常に危険です。
科学と政治家の暴走によって原子爆弾が生まれ
驚くべき非人道的な悲劇を生みました。
けれどそのあとも武器は科学のチカラによってどんどん進化しています。
いまや人工知能(AI)の戦争利用が実用化段階になっている。

「専門馬鹿」であってはならない時代になったと思います。
そういう意味では音楽・文学・美術の分野のひとも
医療や科学、社会と関わる・・・
そうでないと現代文明のテクノロジーの破局的な暴走を
誰も止められなくなる・・・