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70代後半のおばあさん・カラオケ歌謡教室

2011-09-20 | 思うこと

70代後半の女性の方・・・

とっても歯医者が怖いらしく、

いつも「痛いけど、どうしょうかな・・・となかなか足が向かないとですもん・・・」と言われる。

診ると虫歯から、歯が欠けて、使えなくなっていた。

老人性の心臓病があったのですが、主治医にコントロール状態をお尋ねし、

結局抜歯となりました。

歯が欠けた状態で相当痛みを長く我慢されてたようで、

とても緊張されてた抜歯も終わり、

家で麻酔がとれても痛みがほとんどないのがわかると、

うれしくて・・・とお電話を頂きました。

今日は抜歯後の義歯調整に来られました。

カラオケをされてると確か言ってあったので、

調整中はその話をすると

「私のおけいこ行ってる先生の教え方はたいへんしっかりしとるんです。

他の教室の方も合わせて、発表会ばするとです。

そしたらすーぐ聞いててわかります。

みんなで”あら、あそこの方、音の強弱やら音程のおかしかね”というとです。」

 

すごいですね、カラオケというか・・・歌の教室ですね、

と私が言うと、

 

「歌は言葉もよくわからないかんって、うちの先生は言うとです。

そして、私たちはカラオケの画面は見らずに、音符を読んで歌うとです。

自分でも人に負けたくないけん、練習するとです。」

と力強く言われました。

いつもの、歯医者嫌いのしょーんぼりした姿と変わった

生き生きとした会話。

 

最後に会計で次の予約をとっていたスタッフさんが、

慌てて私の方へやってきました。

「先生、次の義歯の調整は、カラオケの発表会があるから

ちょっとずらしたいそうです・・!」

 

それだけいまは義歯が痛くないということだろうな、と、

「来れる時でいいですよ」、と答えました。笑

 

 

 

 

 

 

 

 


80代のおばあさん・脳梗塞にタバコ

2011-09-20 | 思うこと

脳梗塞やらなんやらで、体重が三十キロ近くやせたので

入れ歯が合わなくなった・・・

というおばあさんがグループホームのような施設から、

同様な症状でに体の不自由な方につきそわれて

タクシー&杖をつきながら通院されてます。

 

後遺症で言葉がなめらかに出ないですが、しっかりとされてます。

今日は入れ歯の調整時に身の上話をされました。

 

「娘は遠くに嫁ぎ、お舅さんお姑さんの面倒を看ているんです。

でも嫁いだのだからそちらを看てあげなさいと言ってあるんです。

こちらには都合があって来たけれど、友達も町も知らないんです。

以前娘の近くにいた時は、

お弁当を作って娘が来てくれたんです。

孫はいないんです。

だから私が、世間で言うならここは姥捨て山のようだ、と

わざと言うと、娘が

”お母さん、話し相手がおらんくなるから、長生きしてよ”

と言って、遠くから週に二回位は来ます。」

 

私は、そうですか・・・・

と話を聞きながら義歯を調整します。

 

「施設はおなじような境遇の方がいて、同じように暮らしてるんです。

でも、山手だし、知らない町だから、することがないんです。

タバコを吸うもんが、何人かで外でタバコ吸うて話すんです。

それ位。」

私が、脳梗塞にタバコは・・・?と心配すると

「今の病院の先生が、もう老い先も短いっちゃけん、好きなように吸うたら?

と言うから吸うとるんです。」

私もスタッフさんも驚きましたが、楽しみを奪っても・・・と言う感じで言われたんでしょう?

と言うと

「そんなんです。食べることとか、そんなんしかないんです。」

と言われ、今日は娘さんの話も出たからか涙ぐんでおられました。

義歯は20~30パーセントしか通常の咀嚼できないと言われてます・・・

それでも何とか咀嚼機能を回復できたら・・・といつも思って調整してます。

 

今日は娘さんが来る日らしく、

付き添いの人が、今日は車であちこち行けていそがしいね、と言ってありました。

付き添いの方も杖が必要です。

「老・老」介護、というのを聞きますが、

さらに加えて身体が不自由なお二人です。

 

普段、大抵のことは辛抱できますが、

心に響く出来事には

私は涙もろいんです。

病後、老後、生活、家族、

いろんな話を聞き、

ばー・・・と涙が出そうだったのですが、

なんとかこらえました。

 

私自身も育児もありますが、

実は、今は病後の父とも一緒に生活しています。

幸い父は体力も思ったより回復が早く、最近は好きなことして平穏に暮らしてますが・・・。

 

自分の本当の、”現実的な”老後まで

考える年齢になってきました。