以前にも書きましたが、歯科の通院は長期にわたる場合もございます。
傷んでいる箇所、炎症を起こしているところを止めること、
歯の欠損部分を治療する段取りのためです。
しかし当院はなるべく患者さんの通院の負担にならないよう、短期間で治療を
終了できるような工夫をしています。
特にお子さんをお持ちの皆様が多いため、親御さんの通院時間の負担は、
親御さんご自身の治療の通院であってもお子さんの通院であっても
大変なものだとわかるものですから・・。
私は仕事をしながら三人の子供を育ててきました。
子供は耳鼻科や小児科などの病院通いはつきものです。
病気通院をしてない時期でも、子供が小さいうちはおけいこの送り迎えなど
何かと親の時間はとられがちです。
当院のスタッフに育児経験者が多くいますのは、そういう皆様の育児中の苦労を、
言わなくても経験上肌でわかる、という点を大切にしたいと
考えているからです。
当院としてはそういうふうに皆様への理解を深めたいと日々考えております。
しかし皆様にも、一度ご考慮頂きたく、悩ましく感じることもあります・・。
ご考慮いただきたいことですが・・。
それは、「歯科は時間がかかる」「歯科は長く(治療期間や通院)かかる」
と思いを一度払いのけて頂きたいことです。
それに囚われてしまって、本当に何のために歯科に来たのかを突然見失う方も
多いのです。
「歯を治したい」という思いの方へ、もう一度シフトチェンジして頂けたらと思います。
違う方へシフトしてしまったのは、痛かった歯の痛みが止まったからだと考えられます。
歯が痛かった時は、なんとしてでもこの痛みを止めたい!、是が非でも治したいという
思いでいっぱいになります。
けれども一旦治療を始め痛みが止まると、今度は
「いつまでかかるの?早く終わりたい」
という思いでいっぱいになられる方が多いのです。
治療期間については、概ね見当がつくことはお話はしております・・。
それは皆様の歯科通院以外の生活時間を考えた上の行為です。
ですが、歯が治り始めたらそういった説明も忘れてしまう方もいらっしゃいます。
痛い時→治してほしい
痛みが止まってもまだ通院しなければならない→まだ?早く終わってほしい
つまるところ、こういう図式にはどこかしら自己都合だけを考えるイライラが募っています。
本当にしないといけなかったのはどういうことか、本当に今すべきことはなんなのかを
見失わないで頂きたいのです。
誰かに何かをしてもらおう、早くうまいこと行きたいという合理的で機械のような発想は、
イライラした思いを生じさせます。
実際はそんなふうに事がうまく運ばないからです。
なんでもスピーディにうまくいってしまうデジタル社会が世の中を変えてしまったのでしょう。
心も体も人間。デジタルではありません。
自分でなんとかできる心の操縦ならば自分で出来る、自分でやろう!という
各々の心の持ち具合次第で小さなイライラから逃れられ、ご自身はもちろんのこと、
世の中全体も、もっと生きやすくなるのではないでしょうか・・・。
そういう思いで今日も皆様の歯と、皆様の生活時間と格闘しつつ
診療に励んでおります。。