歯科に限らずどこか新規に行きたいところがあるとします。
初めての場所に出向く、ということです。
初めての場所には期待が高まりますよね。
初めて出向く場所、それは何かを購入すれば済む場所ばかりではありません。
購入するだけの場所ならば、気に入らなければ買わなければいいわけですから...期待に応えてもらえなくても、ま、いいか、で終えれます。
ここで今言っている初めての場所は、何かの販売店ではなく、自分の体表や体内に触れる場所のこと。
つまり、食事をする、飲みに行く、髪を切る、ネイルをする、マッサージを受ける、
体内に触れるとは、脳に浸透する学びがある、心に響くものに触れる...
そういう風に自分が何かに触れ又は触れられて、好感触を持てればいいな、と思っている場所のことです。
そういう類の場所に初めて出向く時は、祈りに似た思い、期待が生じます。
もうすでに、行った後のことを想像している感じです。
上手く行くといいな、好きな場所だったらいいな、コミュニケーションがいい人々が揃っていたらな、いいお話が聞けたら、いい映画観れたらな...。
また利用したい、そう思える場所になるかな...。
そんな場所にできればたくさん出向きたい、出会いたいと思っているはずです。
"できれば初めての一回目でいい場所に出会いたい欲"
が湧くものかもしれません。笑
病院はそういう場所の一つ。重要な一つですよね...。
ケガや病気は上手く治療が運び、
楽になる必要があるのですから...。
症状や治療法にわかりやすい説明がある、
など、治療以外の付加価値も求められるものですから、医療を行うこちら側としてもいろいろなことに神経を使います。
話を元に戻します。
紆余曲折あり当院と出会った皆様の経緯を見ていると、三つに分けられる、と話してきましたが、
今回の焦点はこちら...。
お子さんで「うちではこれ以上診れない」と言われた患児さん、についてです。
「うちではこれ以上診れない」と言われたんです、と言われ転院された方には、
その診療所のドクターが変わる、やめることで、そのお子さんを診れなくなったと言われ、来られたケースがあります。
お子さんは泣いたり暴れたり手のかかるタイプのお子さんでも、重症な疾患でもありませんでした。
これは診療所側の都合です。
お母様はどうしたらいいかわからず、涙目で相談に来られました。
あるお子さんは、転院前の診療所と息が合わなかったのでしょうか...
大学病院へ紹介され、お母様からの相談で、
本当に大学病院に行かないと治療できない症状なのか聞きたい、とのことでした。
結果症状は軽いものでした。
こういうケースはかなり多いです。
お子さん自身が、診療所やドクターと息が合わないことがあります。
転院前は手をやいても、転院後は問題なく診療を受けれることも...子供さんはキマグレだったりします。
そうやって結果大学病院まで行き、大学病院側があまり治療が重症でないために受け入れが難しく、当院へ紹介されてくることもあります。
当院が、他の病院歯科と連携しながら診てもらいましょう、と患者さん側に他の機関をご提案することもあります。
それはお子さんの患者さんばかりではありません。
より精度の高い診断と診療設備が必要な時は、一人の目線と手だけでなく、他の目線と手も必要になり、紹介に至ります。
また、お子さんの場合、多数歯に虫歯が出来、神経の処置が必要な歯ばかりであると、低年齢のお子さんの場合には早急に全身麻酔下で多数歯を一気に治療する必要があります。
様々な必要な治療を行う観点からの紹介になります。
単に子供相手が苦手だから、診る人がいないからという意味で、うちでは診れない、と言うのは、
子供=小児の、お口の病気を診る入り口にも入れていない気がします。
小児という時代の、いわばそれも"人"とのコミュニケーションです。
それは大切な小児医療の入り口です。
文字ばかりで勉強していているだけでは務まらないだろうと思います。
小児を扱うことには、子供とたくさん触れ合った経験、実務が重要になってきます。
また、その子供さんの親御さんといかに話がスムーズにできるか、ということも重要になります。
そして、小児医療の環境はドクターだけが握っているものではありません。
医療を行う場やスタッフ間のすべての環境作りが大切です。
そんな環境情報を、親御さん以上に見ている人がいます。
それは診療を受ける本人、すなわちそれがお子さん方であれば、お子さん方はちゃんと見ています。
単なる室内装飾やおもちゃという色眼鏡もかけさせられることなく、ストレートに医療や人自体を見て感じているものです。
お子さんの状況を観察して歯科、そして医療機関を決めることは、
重要なポイントになるのです。