ここ3年ほど特に見つめているものがあります。
それはお子さん達の生え変わり、かみ合わせです。
最近のお子さんは顎が小さく歯が大きい、つまり、小さめの長椅子に大きな身体の大人が座っていて次の人が座れない状況です。
特に生え変わりが遅いこと、生え変わりがうまくいかないことも心配する要因ですが、わかりやすく、かみ合わせで説明します。
下顎のアーチが上顎のアーチにパカッと入り込んでしまうのもよく見かけます。
また、右は噛んでいるのに、左は噛んでない、
左で噛もうとすると右側が空くというバランスの悪いかみ合わせもよく見かけます。
人は歯で食べ物を小さくしすりつぶして飲み込んでいます。
奥歯が生えない、歯の列が不揃い、上下関係も悪いと、それができない状態です。
つまり丸飲みしているということです。
これでは胃腸にも負担がかかります。
背は伸びているのに保育園幼稚園の頃の奥歯のままで、永久歯が生え揃わないままランドセルを背負って数年学校に行っている子供達も多く見かけます。
(学べるママカフェです)
これらが急激に増えてきています。
どうしてそれが生じるのか、いろいろと調べてきました。
健康咀嚼指導士の資格を取り、骨代謝学会
で気になる論文を読んでみました。
また、九州大学歯学部の教室に骨や歯の成長についての疑問視をお伝えし、現況を知っていただき今後の研究に生かしていただきたいと考えている旨をお伝えしたところです。
大変丁寧な解説を頂戴しました。
ありがとうございます。
どうやら歯というより骨、顎の骨に何かしらの影響が来ていると言えそうです。
骨は破骨細胞という骨を壊す細胞と造骨細胞という骨を添加させる細胞のバランスで代謝し常に新しくなっています。
つまり「あつ森」や「マイクラ」で、
ガシガシ地面を掘っては土建材料を並べ、その場に新しい建物を作るのに似ています。
それは正常に機能している状況ですが、
そのためには身体を動かす必要があります。
骨にはある程度刺激や衝撃が、大事な信号を発信するために必要だからです。
その信号により、骨は「さて骨を造るか〜!」と代謝して行くのです。
つまり歯で噛み、顎を動かし歯槽骨に刺激を与えることで、顎の歯槽骨は健全な回路が働く状態を保てていると言えます。
さて近年、身体を動かすというのはどうでしょうか?
以前も話したかもしれませんが、
赤ちゃんが歩こうとしているのに、
親御さんは忙しい環境で、ついつい抱っこすることが多いかも知れません。
ショッピングでもベビーカーに乗り、エスカレーターやエレベーターに運ばれて、
自力歩行の時間も短くなっています。
世の中の環境のせいかもしれませんが、
他力でなく自力で歩き、全身の骨へ振動刺激を与えるクセをつけた方がいいようです。
戻りますが、噛むことも大切です。
健康咀嚼指導士の推奨は1口30回噛むことです。
10回でも20回でも噛むことに努めて下さい。
歯を支える歯槽骨へ振動刺激が伝わります。
これも忙しい親御さん達の食生活では難しくなっているかもしれませんが、
少し気をつけてあげる、プラスアルファーすることをやってみて下さい。
まだまだ骨や歯の成長については未知の学問では在りますが、
何かしらのアクションは必要な時だと感じます。
コロナ禍で3月から5月と2ヶ月半ほども、お子さん達は籠の鳥のような暮らしになってしまいました。
紫外線も骨には重要です。
お家の中で浴びる紫外線には骨を強くする紫外線UVBは入ってきません。
そういうふうにコロナ禍での「おこもり」はお子さん達の歯や顎、骨の成長を妨げてしまいました。
外に出て紫外線を浴び、身体を動かすのにはいい気候になりましたので、お天気の良い時は外遊びをさせましょう。
小さなお子さんも安全な場所で沢山歩かせてあげましょう。
抱っこもベビーカーも卒業出来ればしましょう。
それが、歯や顎、骨の成長に大変重要なのです。
お子さんは何も知りません。
いわゆる可愛がりすぎ、愛しすぎで、生きているお人形さんと生活しているようになっていませんか?
海外では早くから自立心を促すようですが、日本の文化では親がいつまでもあれやこれやと面倒を見るような傾向があるのかもしれません。
しかし、
本来は子供側にも意志があり、自立して行く意気込みが年齢が小さくても存在します。
そのキラメキのような自立心とうまく調和し生活して行くのが子育てではないかと、大学生、社会人となった患者さん達を眺めて最近思います。
もちろんその背後には彼ら彼女らの親御さん達の様々なドラマがあると思います。
(自身の子育ても振り返る...遠い目...)
親としてはいつまでもお人形さんやペットのように可愛がっていたいですよね、
でも子供達はいつか巣立ち、社会に出ないといけません。
行き過ぎた子育てとなってしまう親御さんの子離れについて、それが現代の社会問題であると囁かれる時代です。
子供達はその自立のために、その子の身体の中には健康や成長を守る回路がひとりでに働いています。
それを、甲斐甲斐しいお世話や気遣いでなく、その子なりに自由にじゅうぶんに発揮できるサポートをするのが親側の役目ではないかと思います。
それは身体だけでなく心身ともにです。
一律のマニュアルはなく、俗に言う「取説」というものは一人一人違うのですが、
その子にとって自由に、しかし他の人に迷惑をかけないように、いい塩梅に精神的自立を促すということも当院では行ってきました。
もちろん歯科医院で可能な範囲です。
横道にそれました...。
昔はちまたに沢山あった、身体を動かすためのさまざま良い環境ですが、現代は普通に触れることが難しくなっています。
今は骨や歯のために、振動刺激にわざわざ触れにいかないといけない、そのための時間を作らないといけない時代です。
特に早期教育がうたわれるお子さん達には塾やお稽古の環境でなく、スクスクと動植物のように空の下で育つその環境を与えてあげることがまず大切です。
歯や骨は一生物です。
歯の生え変わりは6歳から15歳までつづきます。
歯や顎に刺激を与えるのに良い影響はいつから与える必要があるかと言うと、歯の卵は顎の骨に胎児の時から存在しますので、誕生からすでに始まっていると言え、離乳食をカミカミし、自力歩行の自主練を始めるように床をハイハイする頃から始まっていると想像します。
人間は哺乳類で動物の一種です。
特に幼児さんから中学生の間は、お子さんの知能や感性を育てる前に、健康な身体を作ることが第一ではないでしょうか。
健康を保つ意味では子供だけでなく大人にも、骨の代謝が上手く行くことは大切なことだと言えます。
次に来る感染症のためにも、どうぞご一緒に!
今、健康や成長のための骨振動を与えて「歯や骨の成長の貯蓄」をしましょう。
自転車やスイミングでは振動刺激になり得ません。
階段や縄跳びなど脚に振動を与えるものや、テニス、バドミントン、リフティング、和太鼓やドラムを叩くような動作もいいと思います。
(airゲームの運動は刺激への抵抗が少ないので骨刺激にはなりにくいと思います)
気になる歯や顎のご相談をお受けしてます。
早めにご相談下さいね。
「噛む食育」の講座も行っていますので、
お気軽にお問い合わせ下さい。
オンライン対応できます。
小さいグループなどの講座のご相談、幼稚園や学校の講演もお受けしています。