普通なら前線の通過で、やり過ごせば、風もおさまるけれど、
旧暦の2月に起こるこの現象は「二月回り」「風回り」
方言で「カジマーイ」と呼ばれ、漁師がもっとも恐れる
風が吹く。西の空が黒くなり強く吹いていた南風が少しずつ
弱くなりながら南西、そして西、北風になったとたんに
暴風が吹き荒れる。上げ潮にして風が回ることが多いけれど
必ず上げ潮に変わるとは言い切れない。
以前にリーフの内側で漁をしていて、上げ潮までは大丈夫と
思っていたのが急変し船を数本の錨で固定してから船を捨て、
泳いでそして崖を上って逃げたことがある。
夜中の出来ごとで、通りかかかった車に乗せてもらったのは
良かったけれど宮古島本島まで帰るに帰れず、知り合いの家で
朝まで酒を飲まされた。
延々と出される酒を飲み続け、あのときは、せっかく助かったのに
酒に命を奪われるかと思った。
旧暦の二月に起こる「風回り」
天気がよくても、今までの経験から港へ引き返すことも
ある。必ずしもその後で風が強く吹くとは限らないが、
万が一の事を考えてやむをえず帰ることを判断する。
無茶をして何度も失敗した経験から判断しているので、
船長判断に理解してほしい。
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