12月21日(木曜日)2時半から、赤坂区民センターで行われたカザフスタン共和国大使館主催のミュージカル劇「アクタス村の阿彦ーカザフ人になった日本人」に行ってきました。阿彦哲郎さんご本人もいらしていて、最後に壇上に立たれた。この劇を、北海道に住む三浦正雄さんと伊藤實さんに見せたいと思いながら観劇した。
カザフ語はもちろんわからないのだけれど、同時通訳があると聞いていた。受付でイヤーホーンを渡された。音楽の音量が大きすぎて、時々同時通訳が聞き取れないところがあったが、初めての試みとの事。26日の公演では改善されているといいと思う。
内容は、実話とは微妙に違いがあるように思う。それでドラマとして成功しているのだろうと納得する。収容所で詩人から詩集は預かったけれど、その娘さんと結婚したわけではないのではないかと思う。(まあ、ここはドラマなので。)
終戦直後、阿彦さんはサハリンから、いわゆるシベリア送りになる。いくつかの収容所(ウラジオストック、ハバロフスクなど)を回されて、最後はカザフスタンのカルラグ収容所に。1956年には一緒にいた6人の日本兵は帰国することができたが、民間人の阿彦さんは帰国できなかった(三浦正雄さんも同じような経験をしている)。その後、現地の女性と結婚し、一男一女に恵まれる。1980年代に奥様が事故で亡くなり、現在の奥様とは再婚。1994年、64歳で、一時帰国が実現する。2009年に、以前取材したことのある伊藤實さん、三浦正雄さんの住む同じ団地に永住帰国をするが、日本に馴染めず(「特に奥様が」と聞く)、またカザフスタンに帰ることになった。
阿彦哲郎さんと同じように軽微な罪でシベリア送りになり、長い年月、日本に帰ることができずアフガニスタンで暮らした伊藤實さんと三浦正雄さんの半生も、是非多くの方に知っていただきたいと思います。伊藤さんは今年90歳になります。
私のホームページ「アーカイブス 中国残留孤児・残留婦人の証言」
伊藤實さんhttp://kikokusya.wixsite.com/kikokusya/about1-cyio
三浦正雄さんhttp://kikokusya.wixsite.com/kikokusya/about1-c1ghb