9月9日、私は、日本自費出版文化賞の大賞を受賞し、少し浮かれていたようだ。それは、昨日、日本自費出版文化賞大賞受賞の報告をするため、9月9日の朝日新聞を手に叔母の家に向かうグリーン車(コロナ禍の混雑車両を避けるため)の中で、大きく新聞を広げている時に発見した。NHKのニュースは朝の7時、夜の7時、9時と見て、朝仕事をしながらテレビ朝日モーニングショーをつけ、夕仕事をしながらTBSのNスタを付けている。新聞は東京新聞をとっている。それなのに迂闊だった。まったく記憶にない。
社会30面の記事を読んで驚いた。政府が適切でないとして、従軍慰安婦の「従軍」を取るように閣議決定し、大手5社の教科書会社は応じたと言う。応じなければ採択を外され、倒産の憂き目にあうのだろう。どこも素直に応じたようだ。閣議決定で教科書が書き換えられる。教科書を書いた学者は、どのような思いだっただろう。
朝鮮半島の人々を日本で働かせた強制連行も、記述を訂正したという。河野談話はどこ行った?! ここは日本?! 頬をつねりたくなる。一党支配で思想統制された北朝鮮や中国じゃあるまいに!歴史学者ではなく、政治家によって教科書の歴史が書き換えられる。
びっくりし、がっかりした。受賞の喜びの報告のはずだったのに、意気消沈して叔母のお位牌に手を合わせて帰って来た。
拙著『WWⅡ 50人の奇跡の命 ー満蒙開拓青少年義勇軍・従軍看護婦・軍人・サハリン残留・沖縄・台湾・満州からの早期帰国者ー』
243頁には、従軍慰安施設(皇軍万歳 第六慰安所 桜楼、と書かれている)3か所と順番を待つ兵士たちの写真が掲載されています。私の住んでいる川越市には、満州の写真集『私の従軍中国戦線』(2005年)を出版した村瀬守保さんという元軍人が住んでいました。そのご近所に住む平松辰雄氏(中国文学研究者)が、生前、村瀬氏に託された膨大な満州の写真を持っていました。その一部をCDでくださいました。許可を得て、この本にもいくつか掲載させていただきました。時に写真や映像は言葉以上に大きな力を持ちます。
また、244頁には「揚子江に流れ着いたたくさんの中国人の死体」の写真を3枚掲載しています。あまりにもおぞましい写真なので、「よく見ればわかる」程度に小さくしてあります。これは南京大虐殺の1週間後の写真です。
私たちは民主主義の世に生まれました。しかし今、時の権力者によって、歴史が書き換えられる瞬間を目撃しているのです。こんな恥ずかしいことを、私たちは、ただ黙って指をくわえて見ている。
朝日新聞デジタルの記事をブログに残し、記録しておきます。
≪自費出版文化賞決まる≫
2021年9月9日 5時00分
第24回日本自費出版文化賞(日本グラフィックサービス工業会主催、朝日新聞社など後援)の各賞が8日、発表された。大賞には、812点の応募作の中から藤沼敏子さん(埼玉県川越市)のインタビュー集「あの戦争さえなかったら 62人の中国残留孤児たち」(上・下)を選出。賞金20万円が贈られる。各部門賞と特別賞は次の通り(敬称略)。このほか、同賞創設から20年にわたって選考委員長を務めて7日に亡くなった歴史家、色川大吉氏の「特別功労賞」受賞も決まった。
【地域文化】「粟国島(あぐにじま)の祭祀(さいし)―ヤガン折目を中心に―」安里盛昭(沖縄県中城村〈なかぐすくそん〉)【個人誌】「鍬(くわ)の戦士 父・前田定の闘い―満蒙開拓青少年義勇軍に消えた青春―」前田千代子(高知県安芸市)【小説】「ペリーの巣」あいちあきら(埼玉県日高市)【エッセー】「味覚喪失~人は脳で食べている~」元木伸一(静岡県伊東市)【詩歌】歌集「イーハトーブの数式」大西久美子(神奈川県鎌倉市)【研究・評論】「御冠船(うかんしん)料理の探求 文献資料と再現作業」ウ揚華(う・やんふぁ)(那覇市)【グラフィック】「土と緑と人間と―西阿波・祖谷(いや) 傾斜地に暮らす―」日浦嘉孝(香川県丸亀市)
【特別賞】「四国秘境物語」安森滋(愛媛県西条市)▽「お前の親になったる」草刈健太郎(大阪市)▽「墓仕舞い」荒川れい子(千葉県市川市)▽「阿波の福おんな」安部才朗(島根県隠岐の島町)▽句集「峡(かい)の畑」石井美智子(秋田県五城目町)▽「イタイイタイ病と戦争―戦後七五年忘れてはならないこと―」向井嘉之(富山市)▽「モリノコ」黒瀬麻美(松山市)≫https://www.asahi.com/articles/DA3S15037738.html
社会30面の記事を読んで驚いた。政府が適切でないとして、従軍慰安婦の「従軍」を取るように閣議決定し、大手5社の教科書会社は応じたと言う。応じなければ採択を外され、倒産の憂き目にあうのだろう。どこも素直に応じたようだ。閣議決定で教科書が書き換えられる。教科書を書いた学者は、どのような思いだっただろう。
朝鮮半島の人々を日本で働かせた強制連行も、記述を訂正したという。河野談話はどこ行った?! ここは日本?! 頬をつねりたくなる。一党支配で思想統制された北朝鮮や中国じゃあるまいに!歴史学者ではなく、政治家によって教科書の歴史が書き換えられる。
びっくりし、がっかりした。受賞の喜びの報告のはずだったのに、意気消沈して叔母のお位牌に手を合わせて帰って来た。
拙著『WWⅡ 50人の奇跡の命 ー満蒙開拓青少年義勇軍・従軍看護婦・軍人・サハリン残留・沖縄・台湾・満州からの早期帰国者ー』
243頁には、従軍慰安施設(皇軍万歳 第六慰安所 桜楼、と書かれている)3か所と順番を待つ兵士たちの写真が掲載されています。私の住んでいる川越市には、満州の写真集『私の従軍中国戦線』(2005年)を出版した村瀬守保さんという元軍人が住んでいました。そのご近所に住む平松辰雄氏(中国文学研究者)が、生前、村瀬氏に託された膨大な満州の写真を持っていました。その一部をCDでくださいました。許可を得て、この本にもいくつか掲載させていただきました。時に写真や映像は言葉以上に大きな力を持ちます。
また、244頁には「揚子江に流れ着いたたくさんの中国人の死体」の写真を3枚掲載しています。あまりにもおぞましい写真なので、「よく見ればわかる」程度に小さくしてあります。これは南京大虐殺の1週間後の写真です。
私たちは民主主義の世に生まれました。しかし今、時の権力者によって、歴史が書き換えられる瞬間を目撃しているのです。こんな恥ずかしいことを、私たちは、ただ黙って指をくわえて見ている。
朝日新聞デジタルの記事をブログに残し、記録しておきます。
≪自費出版文化賞決まる≫
2021年9月9日 5時00分
第24回日本自費出版文化賞(日本グラフィックサービス工業会主催、朝日新聞社など後援)の各賞が8日、発表された。大賞には、812点の応募作の中から藤沼敏子さん(埼玉県川越市)のインタビュー集「あの戦争さえなかったら 62人の中国残留孤児たち」(上・下)を選出。賞金20万円が贈られる。各部門賞と特別賞は次の通り(敬称略)。このほか、同賞創設から20年にわたって選考委員長を務めて7日に亡くなった歴史家、色川大吉氏の「特別功労賞」受賞も決まった。
【地域文化】「粟国島(あぐにじま)の祭祀(さいし)―ヤガン折目を中心に―」安里盛昭(沖縄県中城村〈なかぐすくそん〉)【個人誌】「鍬(くわ)の戦士 父・前田定の闘い―満蒙開拓青少年義勇軍に消えた青春―」前田千代子(高知県安芸市)【小説】「ペリーの巣」あいちあきら(埼玉県日高市)【エッセー】「味覚喪失~人は脳で食べている~」元木伸一(静岡県伊東市)【詩歌】歌集「イーハトーブの数式」大西久美子(神奈川県鎌倉市)【研究・評論】「御冠船(うかんしん)料理の探求 文献資料と再現作業」ウ揚華(う・やんふぁ)(那覇市)【グラフィック】「土と緑と人間と―西阿波・祖谷(いや) 傾斜地に暮らす―」日浦嘉孝(香川県丸亀市)
【特別賞】「四国秘境物語」安森滋(愛媛県西条市)▽「お前の親になったる」草刈健太郎(大阪市)▽「墓仕舞い」荒川れい子(千葉県市川市)▽「阿波の福おんな」安部才朗(島根県隠岐の島町)▽句集「峡(かい)の畑」石井美智子(秋田県五城目町)▽「イタイイタイ病と戦争―戦後七五年忘れてはならないこと―」向井嘉之(富山市)▽「モリノコ」黒瀬麻美(松山市)≫https://www.asahi.com/articles/DA3S15037738.html
日本がこんなにも 民主主義からかけ離れた国 になったとは!
何としても民主主義を守らねば!