きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

トンネルの向こう側

2020-04-21 00:47:01 | 旅行

 ホームで下関行きの電車を待っていたら、

立っていた位置がちょうど先頭車両だった。


乗客はほとんどいなかったので、せっかくだから運転席の後ろに陣取って景色を楽しむ。
しばらくのどかな山や田んぼが続いた後で、いきなりトンネルに入った。
ふと、この運転手は怖いとは思わないのか?と疑問が浮かんだ。
 
トンネルの向こうに置き石があるんじゃないのかとか、
青信号が壊れているだけかもしれない。
もしかしたら、このトンネルの先は一反木綿のように先細りになっているかもしれないじゃないか。
量子力学的にいえば、見てみるまでは何でもありだ。
 
そういう心配はないのだろうか。
この新米のような運転手はずいぶんと平然としていたが。
 
まぁ日ごろからいちいちそんなことを考えてたら何も運転できないだろう。
誰かが整備していてくれる、何かあっても周りが通報してくれると、
社会を信じて暗いトンネルに猛スピードで飛び込んでいける世の中は良いものだね。
 
 
耳に響くゴーッという音と共に真っ暗な中を走って、
トンネルを抜けたら、思ったより外は眩しかった。
 
よくやったぞ!!無事着いたじゃないか。これからも精進するように。
心の中で大激励してから電車を降りたが、
たった一人の乗客が後ろから緊迫した面持ちで見つめてきて、さぞかし怖かっただろう。

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