きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

日本の古本屋

2020-05-15 10:19:33 | 書評
 最近見つけたのだが、「日本の古本屋」というサイトがあって、
日本中の古本の在庫がわかる。
洋書もたまにあって、面白い。
 
確かに便利なサイトだ。
古本屋といえば、お店に直接行って、
ホコリの匂いを嗅ぎながら探さなければならなかったものを、
居ながらにして頼めるとは。
 
最近は、図書館が休みだから予約した本が借りれない。
 
 
そうだ!日本の古本屋に注文だ。
 
 
 前から読みたかった岡本綺堂を数冊。
本は基本的に所持しないと決めているが、このくらいだったらいいだろう。
古典だし(何の言い訳だ)。
 
ついでに覚え書きをまとめておこう。
 
 
半七捕物帳1~6:
 江戸時代の推理小説。そもそも、なぜ江戸なのか。
明治のポーターのような制服の警官ではダメだったのか。
実際は岡っ引きの給料では暮らせないらしいけど、
部下や捜査対象におごりまくってる。
 
まぁいいや。
江戸の日常が見れて気分がすっきりする。
近松門左衛門みたいに説教くさくないし。
 
 
修禅寺物語:
 堕ちても生きようと決めた堕落論のような俳諧師の話が印象に残った。
古い戯曲のシナリオみたいな短編集だった。
 
 
江戸情話集:
 表紙の2人の沈鬱な面持ち、青白い顔色などから、
絶対ホラーだ!と思って読んだら恋愛の話だった。
しかも遊郭の人とは最後逃げるだけに終わるから、
何だろうと思う。
 
 
怪奇探偵小説傑作選1 岡本綺堂集:
 これが、そもそもの始まりだった。
京都に来るときに、うっかり家にあった未読の本を持ってきてしまった。
おどろおどろしいだけの話だったらどうしようという気もしたが、
読んでみると不思議に品があって引き込まれ、
用事も忘れてホテルのロビーで読み続けた。
 
 裏に亡き父の意味不明のメモ書きが。
あんなとこにさりげなく置いておくなんて、やりやがったなという思いと、
正直言って心強かったのも覚えている。
それ以来ちょこちょこ買っていき、蔵書の棚が一列できた。
 
 青蛙堂という主宰者が催す百物語みたいな構成の話だった。
その中で没落した子連れの武士が、明治になって自分ちの蔵から出してきた骨董を道端で売ってて、
 
向こうが3万(単位忘れた)でいいと言うのを、
無理に5万渡して買って帰ってきたと書いてあって、
そのシーンが記憶に残っている。
 
粋なおじさんて、そういうものだ。
そういえば、作者も氏族だったか。
どういう気持ちで書いたんだろう。
 
 
 
以下が、今回注文した本
 
中国怪奇小説集:
 まとめたというようなことが書いてあったが、
どこから引っ張ってきたのだろう。
もしかして、この人中国語が読めるのかーと感心したが、
昔の人にとって、教養とは漢詩が読めることだったりするから、
あり得るんだろうな。
 
 日本の昔話の元になった話がいくつかある。
鶴の恩返し的なやつとか、陰陽師の瓜の話に似たのもあった。
日本オリジナルだと思ってたのに、なーんだと失望するべきなのか。
模倣が当たり前だったということを受け入れて、
原型として内容のみを語るべきなのか。
 
 それにしても、前に中国の昔話を読んだ時にも思ったが、
中国の話はダイナミックで、なぜ?という展開が多くて面白い。
 
 個人的には虎の出産の話がお気に入りだ。
後で、たまに門の内に獣の肉が投げ込んであったとか。
お礼かな。
そう思って見ないとただの嫌がらせだ。
 
 笑ったのが、冒頭の説明文で、
その本を書いた理由は昔話の原点だとか、
中国の思想の大胆さだとかの他に、
編者の怪奇趣味だとかさらっと認めている。
 
 
鎧櫃(よろいびつ)の血:どうしてこんなに恐ろしい題名にしたのか。
 
 
鷲(わし):
 
 
 
 
次回注文予定。
 
白髪鬼:なんと読むのだろう。はくはつき?しらがおにじゃないだろう。
 
三浦老人の昔語り:これが半七捕物帳の7巻目にあたるそうだ。
 
ランプの下で:もう題名が美しい。
 
 
非常に楽しみだ。
 
https://bookmeter.com/users/767067
 
 
コメント