父の幼少時のおぼろげな記憶を、実家の隣の婆さまに語ってみた。
(きの)「今から15年前ぐらいに父から聞いた。終戦後、小学生達が先生の家に集まって持ち回りで朝ラジオ体操をしていた。
坂の途中に家があり、若い独身の女の先生が住んでいた。
朝が弱いらしく皆が集まってきた頃、眠そうに蚊帳を持ち上げて顔を出す。」
家で夫に聞いてみたらしい。
(爺)「自分の姉は坂の途中に家があったが、建てたのは昭和49年だから時期が違う。もう一人田村という教師がいたがこれも違う。
終戦直後に若い女性が1人暮らし???なにかの勘違いじゃないのか?」
その夜、
(爺)「(ムクッ)まてよ、坂の途中に校長の官舎があった。住む校長がいない時、単身の先生が住んでいた。
そしてそこの庭は広い。」
ビンゴ!
おそらくそれだろう。こちらは何も知らないから聞いたことをそのまま伝えただけで、合っているのなら正しい記憶ということだ。
自分は見ていないが、誰かの記憶の依り代となり
夏の朝の光景を今にお届けするとは楽しいね。
備考:これだから人間の脳は面白い。
そして隣のじいさんもまだまだボケてはいないな。