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洋梨の形が好きでよく買ってくる。中学の時に、美術室で静物画の見本に置いてあったプラスチックの置物を見て以来、「なんてキレイなんだ!」心を奪われてしまってもう大変。その梨たちは2種類あって、緑のずんぐりしたのと黄色の細長いやつ。当時日本に洋梨なんてどこにも売っていなくて、この世のどこかにはこんな美しいフルーツがあるのだなと、その絶妙なカーブを眺めまわしてはうっとりしていた。
ラフランス
おそらく緑のやつはこれだろう。一番汎用的な品種だろうから。緑の果物は珍しい。小ぶりでほぼ丸型。ゴツゴツしている。味はいいそうだが、最近見慣れてそんなにテンションも上がらない。10月~11月。たまにサビ色がつく。
洋梨はただでさえ追熟があってめんどくさいのに、ラフランスは熟しても色が変わらない。知らないうちにズルズルになっていたらどうしようかと、近年贈答品の1箱をもらって毎日押したりして確かめていたが、そのせいで柔らかくなったのでは?
音はどうだろう。(きの)「ぽこぽこ」人差し指の腹でペシペシしてみたが、何か違うのか。熟すとデンプンが酵素で分解されて糖分と水に変わるそうだから、もしかしたらぶよんぶよんした水っぽい音がするのかもしれない。スイカ?酵素で分解されて甘く・・・それって腐敗プロセスの第一段階では。
(きの)「ポコポコ・・・ポコポコ」買ってきた8個ぐらいを全部叩いてまわったが、とくに違いはわからなかった。絶対音感を持っていたら「ラからファに変わったら食べごろだ!」などとわかるかもしれない。
洋梨の食べごろは、品種によって違うから何とも言えない。他に肩の辺りに細かいシワが寄ったら、軸の付け根が柔らかくなったら(毎日グリグリやって確かめるのか?)、匂いがしてきたら食べごろというのもある。色づくタイプは黄色くなるか赤くなるかすればいいが、サビ色は何だかよくわからない。緑主体の毒々しい赤紫になった後で冴えない朱色になるのもいる。
キウイなどの熟した果実と一緒に置き、エチレンガスを漂わせる手法もあるらしいが、結局のところテーブルの上に置いてあきらかに果物の匂いがしてきたら食べるとちょうどよい。完熟するとねっとりとしたクリームのような格別の何かになるらしいが、もうそうなると水分だらけでつかめもしないし、むいている最中にズルズルになってきたならしい。フルーツと刺身は切り口が鋭くあってほしい。
温度については、収穫後10℃で何週間の後に4℃で何日で、店頭に並んで買ってきて室温で数日した後で3時間冷蔵すると一番いいのはわかるけど、めんどくさいのでもっと自然に考えて、北国で秋の終わりに霜が来るのでさっさと収穫して倉庫に置いといたらだんだん気温が下がって行き、数個ずつ暖かい居間に持ってきていい匂いのやつから食べると。店ではそれを人工的にやろうとしているのだな。ふむふむ。
カリフォルニア
大きくて赤い。スタークリムゾンも赤いが、ああいう赤黒いようなのとは違って、生麩や練り切りのもみじのような黄色と赤の紅葉具合だ。そして肌がデコボコ。ラフランスといい勝負。先も尖ってないし、カリンや鹿ケ谷かぼちゃのような大変力強い印象で、肩幅のあるアメフト選手のような体型の割に軸は細い。こんなんでは木から落ちてしまう。サビなし。10月。
マリゲット・マリーラ
超早生。9月~10月。黄色くて、いかにもといった洋ナシ型でやたらに大きい。量ったら500gもあった。ラフランスが200gなことを考えると1.5倍だ。そして、なんだか先が尖って全体がつるんとして、クリーム色の肌がのっぺり。首が野太いというのか、何に似ているかというと、はやと瓜とか博多のひよこという饅頭。それか洗ったジャガイモ?この梨特有の点々が少ないのが悪いのか。バーバパパみたいで全然美味しくなさそうだが、味はそれなりの洋梨の味がする。サビなし。
洋梨のデコボコに規則性はあるのだろうか。最初に買ったのは全面つるりとしてバランスがよかったが、2回目別の場所で買ったものは片方だけが盛り上がっていて、太い茎がU字に曲がっていた。どんな姿勢で枝からぶら下がっていたのか。洋梨は左右非対称だが、どうやら進むべき方向というものがあるようだ。最初に上を向いて花が咲いたところからのスタートだからなのかもしれないが、それならリンゴも和梨もグレープフルーツだって同じはずだ。なぜ洋梨だけが垂れ下がったロウソクのようになってしまったのだろう。
種がない。うぬぬ。おのれジベルリンをかけたな~(恨)せっかく庭に予定地まで決めて、もしこの絵がうまく描けたら植えていいと勝手に自分に約束して、精密なパステル画まで仕上げていたのに。
そもそも早生は暖地に向かなそう。実が重いから枝を吊ると良いらしいが、そんな磔刑みたいな姿はいやだ。もっと小ぶりの果実が自然に風に揺られているようでないと風情がない。11月の終わりまで霜が来ないから遅くまで収穫しなくて良い利点を考えると、マリーラのような超早生を植えるよりも、逆に超晩生を植えて、それがさらに年を越すことも可能なのではと夢想する。
コミスというクリスマス・ペアと呼ばれる晩生の種類があるが、お正月ペアというのも乙でよろしい。床の間や三方に巨大ポテトを飾りたい。マリーラの形はいいのになぁ。そういえば、胴体にうっすら紅い頬紅のような箇所がある。
フレミッシュ・ビューティー
11月になり、マリゲット・マリーラだと信じ切って何度も買いに行っていた店の洋梨が早生のマリーラの出荷時期を過ぎ、小ぶりになりだいぶ赤みが差しているのを見るにつれ、これは何か違うのではないかと思い始めた。値札に洋梨としか書いてなかったが、調べてみたら特徴的にフレミッシュ・ビューティーなのか。
日が当たったところが赤くなるから日面紅(ひめんこう)とも呼ぶらしいが、妖怪の名前みたいだ。フレミッシュはベルギーのフランダースから来たとかいう地名のようなもの。どうせならブラッシュ・ビューティー(Blush/テレで顔がポッと赤くなるような)という方が、見た目をよく現わしている気がする。
ボスク(Bosc)
小ぶりな茶色の縦長。北米でよく採れるそうだ。日本では売ってない。よく絵のモデルや写真撮影に使われるいかにも洋梨といったタイプだそうだから、美術室のオモチャはこれだったのか。とにかく細長いと訳もなくテンションが上がる。いつかアメリカのスーパーで夏の終わりに見かけて、ノドから手が出そうな勢いで近づいてすごい早さで買ってきてしまった。
ラフランスのずんぐり型もいいが、リンゴが丸くてもそんなに感動しないのに、どうしたことだろう。もしも、ものすごく長くてヒモのような洋梨があったとしたら、それを見て自分は大喜びするのだろうか??とにかく、庭で風に揺れているとしたら、こういうのがいい。特に色づいてきたらカラスに狙われるから、赤くならない方が。リンゴを植えた時も、赤くならない青リンゴを植えたりして植える前からカラスのことばかり考える。
王秋
滋梨(ツーリー)×新世紀梨に雪梨をかけ合わせた栽培の難しい希少種だそうな。本当は、中国梨は鴨梨(ヤーリー)が食べてみたかった。先が尖って茶色い。大きい。追熟の必要はなさそうだが、そうならそうでいつ食べたらいいのか。数日置いておいたが固いまま。ベシベシ叩いてもわからない。味は和梨と一緒。
後はコミスとアンジュ(D’anjou/フランス)が食べてみたい。
カベルネ・ソーヴィニヨン(Cavernet Sauvignon)
洋梨ではないが、ブドウの覚え書き。赤ワインの品種。いつもカメムシにやられて干しブドウのようになっていた。今年は思いついて袋をかけたら、まともな一握りができた。初めて食べれそうな房がなった。
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11月の初めに取ってまずは仏壇に供えてから食べてみたら、酸っぱくて甘くて渋い。最初に酸っぱさが来て皮の間が甘いなと思っていると口中に渋みが広がる。そして種多し。ワイン用の品種だからさぞかし素敵なものなんだろうと思い込んでいたが、食べているうちにこれは「加工用にするしかない」という言葉が浮かんだ。
そもそも巨峰のような大きさだと思っていたら、デラウェアのような小ぶりな粒だった。しかし養分が足りなくて小さくなっただけかもしれない。そう思った理由は実の付け根がやたらに立派だったから。スチューベンやキャンベルといった昔ながらの小粒の集合体がひしめき合うような雰囲気に似ている。それに比べるとデラウェアの軸は細い。
もう少し房の中身が増えたら、果汁100%ジュースができるかな。いつかもらった贈答用の津軽スチューベンをどんぶりの中で握りつぶしたらおいしかった。3房ぐらいでコップ1杯の飲み物になった。高かったのに!と怒られたが皮の部分が酸っぱいブドウをちまちまと食べる気になれない。
そういえばシャルドネ(白)が枯れてしまった。悲しい。植えてから10年ぐらいかかって規模縮小していって枯れてしまった。肥料をやったり水はけを考えたりしたが、元からソービニオンに比べて樹勢が弱かった。水が多すぎたのか。薄い茶色になりかかったような果皮が、秋の日差しに照らされて輝く美しいブドウであった。
ソービニオンの根元から最近変に力強い葉っぱが出ている。タキイか国華園かどっちだったか忘れたが、日本の気候に合うようにと山ぶどうに接ぎ木したらしいから、台木が勢力を盛り返してきてるのだろう。これを挿し木にすればヤマブドウがなるのかな。食べてみたい。ヤマブドウならまばらになって、そしてえも言われぬ魅力的な味がするはずだ。
山柿:
供えてあったので食べてみた。小さい。種の形が独特の縦長で、種の部屋が多い気がする。あまりに可愛らしかったので、きっとやさしい甘さがするのだと思い一口かじってみたら、(きの)「もぐもぐ・・・」一瞬遅れて口中にシブさが広がった。
(きの)「うおぇぇ」あまりのことに思わず立ち上がった。部屋の中をうろうろするがシブさはやはりついてくる。CMで油の中に洗剤を一滴垂らした時のように一瞬で広がった。下唇の内側まで渋い。以後膜のように口の中に貼り付いてどうにもならない。恐ろしい果物だ。こんなんではサルもカラスも一口も食べられない。
タネのまわりは甘かった。もう少し熟せば全部が甘くなるのかもしれないが、ぐちゃぐちゃのフルーツはいやだ。タンニンめ。うちの元からあった柿は多分富有だから、採ったらそのまますぐに食べれる。すべての柿はそうだと思っていた(泣)
選択肢はお湯、アルコール、エチレン、炭酸ガス、干す、燻蒸。パキっとしたい。かじる時に歯ざわりがぐにゅっとしたらとても嫌。このなかでお湯とアルコールと干すのは柔らかくなるからダメ。後はエチレンと炭酸ガスと燻蒸。硫黄は用意できないし、エチレンは結局熟すのを早めるだけだから残るは炭酸ガスか。木の下に石灰岩を山ほど置いて、酸性雨で反応し始終大量の二酸化炭素を発してくれないだろうか。そんなとこ人間が危なくないか??
グニグニは苦手だが、いつか 突き出し・・・先付けで出てきた柿バターのグルグル巻いたのが、どうしたことか美味しいとすら思った。あれはよく考えたら干し柿に固まった油を塗って食べただけだから、ちっともサッパリしてないし、体にも良くない。謎だ。あれを考えたの誰だろう。どうして柿とバターが合うと思ったのか。しかも、柿の生クリームや柿のパウンドケーキとかではなくて、直接隣接しようと思うセンスが画期的だ。
奈良県の食べ物は常温の寿司や黒い漬物など躊躇するものが多々あるが、柿バターなら喜んで食べれる気がする。自分でわざわざ買おうとは思わないが、だれか贈答でくれたらいいなー。
ゼネラルクラーク
まだまだ梨の探求は続く。大きい。450gあった。ちょいサビ。青森の南部と書いてある。南部鉄器のとこかな。においを嗅いでみたら、マジックペンのような匂いがした。シンナー?
そんな変な果物はあるのだろうか。揮発性にも程がある。11月下旬、店頭で一番シワの寄ったのを買ってきて、次の日に特にそんなに柔らかくもないし、いかにもといった芳香が漂ってきてもいないのに食べてみた(もうちょっと落ち着いて待ってみたらどうか)。
切ったらやわらかい。クリーミーで、これぞ洋梨という口当たり。今まで食べた中で一番洋梨として優れているように思う。そして実にも匂いがうっすらと健在。解せない。
種はない。なぜなのか。いつもいつも、これはというものにはまともな種は入ってないじゃないか!むやみに植えるなという天の采配か何か知らないけど、種無しスイカは甘くないというのが常識だろうから、種があった方が甘いと思うのだが。
ル・レクチェ
12月中旬に、ゼネラルクラークがちょっとゴツゴツしたようなのを見つけたから買ってみた。味は別に。匂いはよかった。コミスと同じぐらい晩生なのか。種がある。しかも中身の入った立派な種が。ちょっと植木鉢の土の上に置いてみよう。もしかしたら春になって何か出てくるかもしれないから。
追記:冬至の2,3日前から、あれ?日暮れが遅い?と思い、早くも四国は暖かくなり始めた。そして大晦日(芽)「ひょこ」何これ?
ソービニオンの鉢に蒔いた何の種だろう(いつものパターンだ)。そう思っているとヘーゼルナッツの鉢からも何やらズロォ~っとしたものが首をもたげてきた。
ヘーゼルこんなにぬらりひょんみたいなのかな。何しろ初めて植えたから知らない。ソービニオンの方はどう見てもブドウじゃない本葉が生えてきた。くっついてる種がバラ科だ。とすると暮れに蒔いたレクチェ?そんなに早く出る??今まで木になっていたものが!?それとも腐葉土に元から入ってた種か。
年を越して、ヘーゼルの鉢のは柿ではないのか。どう見ても何か・・・こう、ぬるっとしている。あの山柿?(きの)「何これ、お菓子の柿の種の形してる~アハハハハ。グサッ」と土に差したところまでは覚えている。
反省:ちゃんと名札を書こう。そして書いた鉢にはやみくもに何でもかんでも蒔かない。