きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

「江戸情話集」を読んだ(これも岡本綺堂)

2018-05-26 08:42:25 | 書評
 表紙はうつむいた青白い顔色の人達の絵。
これはホラーかなと思って選んだら、情話って、恋愛の話のことだった。
 
 さぞかし江戸時代の美しい話が書かれているのだろうと思いきや、
有名な「鳥辺山心中」など、結局買い物がしたいが資金が足りなく、
何だかんだで行き詰って心中という話に終始した。
 
 あの半さんという真面目そうな侍の死後の評価を考えると、いたたまれない。
簡単に言うと、将軍のお供で長期出張に出かけた先で怪しいクラブに入りびたり、
迎えに来た部下とケンカになり刺殺。
責任を取って自殺。
しかも有名な墓地で、ホステスと結婚式の衣装で心中って。
 
 どこにも、「う~ん。わかるわ~」と思うところがなかった。
江戸から京都に何をしに来たのか。
これは昔の話だからじゃなくて、商売をしている女の人との恋愛話は滑稽で無理がある。
 
 遊郭じゃなくて、そこら辺にいい人はいなかったのか??
修行に行く坊さんとの悲恋とか、金持ち銀行家VS苦学生、取った取られたで死んだとか死なないとか、
そういう設定ばかり過激なやつじゃなくて、
フツーの長屋で happily ever after では、ダメなのか。
 
 
 
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ひさびさの夢日記

2018-05-15 17:17:09 | 日記
 船の中で白い子猫の夢を見た。
まだ小さくて足元もおぼつかない歩き方で、
左手でつかんだら、あたたかかった。
 
こいつは生きている!(当たり前だ)と思った。
夢は触感もあるんだ。
 
備考:どこの猫さんだろう。
観光フェリーだから、枕に前の人の思念でも残っていたのだろうか。
 
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安倍晴明の家の井戸の水でコーヒーを淹れて飲んでみたいと思った

2018-05-15 17:07:48 | グルメ
  思いついてしまったので、さっそく休日の朝に散歩がてら訪ねて行って、
もらってきた。
 
念力で掘り当てたんだそうだ。
念力?勘てこと?
陰陽師なんだから占いで当てたらどうだろうか。
 
 飲用と書いてあるが、台座の石にコケが生えてますけど!?
「霊験あらたか具合い」は最高調だろうが、
ピロリ菌はコーヒーフィルターで濾せるだろうか。
あんまり文句ばかり言ってるとバチが当たってきそうなので、
すべるような足取りで速やかに持って帰って、コーヒーを淹れてみる。
 
 う~ん、なんとも。 えもいわれぬ、まろやかな風味。
淹れる時に少し白く濁っている気がして、
これは効きそうな(何に?)と思ったが、気のせいだった。
はっきり言って、普通の味がした。
 
そりゃそうだ。
見るからにとんでもない色や匂いがしてたら、
いろんな意味で危ない。
 
 
 しかし、確か夢枕獏の本では、源博雅が内裏の帰りか、
自分ちから来たか忘れたが、
一条戻り橋を通ったら、式神が何かささやいたとかなんとか。
昔の内裏は、今の御所とは清明の家をはさんで左右対称の方向にあるから、
回り道をしてこないと橋を渡れない。
それとも、博雅の家は、内裏から見て不吉な方角にあたる北東を守護していた陰陽師の屋敷よりも、さらに北東にあったのだろうか??
 
 比叡山などに行った帰りなら、自然にそこを渡るが、
普段あまり人が通らないような都の隅の橋の下に式神を飼って、
どうするつもりだったのか。
情報を得るなら、もっと真ん中の朱雀大路のあたりがいいのではないか。
 
よけいなお世話か。
 
 
 
 
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半七捕り物帳を読んだ

2018-05-09 09:29:48 | 書評
 江戸時代の推理小説?
まぁ江戸時代だから、科学的な証明がメインだとは思わないけど、
それにしても、見るなり(半七親分)「これはクマの毛にちがいねぇ」と断定。
 
って、それ捜査というか、ただの決めつけではないでしょうか。
 
 しかも、それを聞いたみんな「実は・・・」とかってベラベラ自分の事情を話しだすし。
怪しいやつがいて、あいつはどこの者だ?なんて聞くと、大体誰かが知ってて、
あいつはどこそこの店に奉公して裏の長屋に住んでる何とかだ、
ってすぐにわかってしまう。
 
 さすがに昔の刑事ドラマで、電話を取ったボスが「なにぃ!?何とかが誘拐されて〇〇円の身代金を要求してきただとぉ!!」って電話口で全部説明してくれるのは、いくら昭和でも嘘くさいとわかるけど、
江戸時代って、どうだったのだろう。
 
 指紋の照合とかもできないから、これは見た目が似ていると「断定」するしかないってのは、わかるけど、
いつの時代も、人はもっとみんな嘘つきで、
都市はどこの出身かわからない人であふれてて、
やった後で逃げちゃえば殆どの事件が未解決、みたいな、
そんな日常が現実だった気がするけどね。
 
 そもそも、ふすまと障子ではガラガラ開いていくらでも出入りできるから
密室も作れないし、日本家屋は推理小説に向いてない。
 
 それとも、もしかして本当に人の目が鍵の代わりとなってくれるような、
そんな平和な時代だったのかな。
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