![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/79/46c45af6df0b654c0a7918c0df0a3817.jpg)
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小さい頃から、赤毛のアンやキャンディーキャンディーが苦手だった。
女の子向けの、なにかわからないが毎日のつつましくも温かい「日常の幸せ」
を題材にしたような話が無性に恐ろしく、見ることができなかった。
怪獣がいっぱい出てくるウルトラマンの方が面白かったので、ガッチャマンやゴレンジャーばかり見ていた。
アメリカの大学の寮で暮らしていた時、昼間、授業の合間に
他の日本人学生たちと一緒に寮のロビーにいて、次の予定の準備をしていた。
誰がつけたのかTVがついていて、「すごくよく落ちる!!」と連呼するだけの洗剤のCMや、
昼のしょうもないドラマをやっていて、アメリカにも昼のドラマがあるんだ、
と思いながら見るでもなくしばらく居ると、次のドラマが始まった。
粒子の荒い大昔の田舎の風景で、さえない作りだった。
一緒にいた超真面目な女子が「これは大草原の小さな家では」と言い出し、
なぜこんな記録フィルムのような映像を、一瞬見ただけでそう判断できるのか不思議だ。
女子たちが私も見てた、私も!と盛んに言い合うので、自分も話に乗ろうと思い、
おばあちゃんちかどこかで偶然たった1話だけ見た時の内容を、記憶から探り出してきて思い切って披露した。
村ですこし怖がられているようなおじさんが子犬を池に捨てるというので、
子供たちがこっそりついて行っておじさんが居なくなってから女の子が飛び込み、
袋を引き上げ救出する。
麻袋からどんどん子犬たちを出していき、最後の1匹になったところで「どうしよう、これだけ冷たい」と言って、
出してみたら重りにつけた石だった、めでたしめでたしという内容。
TVを見ているうちに画面の中で袋が投げられ、潜って行って子犬は助かった。
全員「・・・。」
なんだか変に予言したみたいになってしまったので、急いでなだめようとして、
「こういうことは、よくある」と言ったら、よけいに気味悪がられた。
それから時間が経ち、今になって思うのだが、もしかして大草原の小さな家って1話しかないのでは??
そしたらスーパーマンを見てて「この後地球が逆回転する」と言うのと同じでは。
娘の大学の図書館には、しかめつらしい本しかないそうだ。
大昔の名作とか、学術的な本とか、いわゆる「真面目な本」ばかり。
だったら、逆に今まで読んでみたいけどどこにあるかわからなかったような本
(レイチェルカーソンや竜の卵など)があるということではないのか。
と思い、いろいろ名作を読んでみたが、大草原の小さな家ももしかしてあるかもしれない。
早速、検証だ!検証だ!
借りてきてもらって読んでみた結果、子犬のくだりはなかった。 しかも、シリーズらしい。
一家が西部の荒野をさまよう話だが、あの父親の特異的な独立心は一体どうしたことだ。
せっかく築き上げたものを何もかも残して、平然と立ち去る心境とは。
あの時代はみんなこうだったのだろうか。
開拓民とは、そのような覚悟でなければやってられないということか。
母親も、脂ののったベーコンばかり食べて、子供たちの栄養の偏りについてや、
かつての暮らしに戻れない可能性について、何の不安もないのか。
そんなに家の中にインディアンが入って来てほしくないのなら、カギをかけるとか!
いつも来られてかぎタバコやらコーンミールなどを持って行かれている。
時にはコーンブレッドを焼いてあげたりして、 あまりにも、のんびりしすぎている。
カナリーズ・ソング(Black eyed Susan)の、すべてにおびえ、委縮している母親とはえらい違いだ。
だんだん読んで行けば、いつかは子犬の話が出てくるだろうか。
結局、TVはやっぱりシリーズだったのか?