認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症(「アルツハイマー病」と呼ぶ学者もいる)の発病と本当の意味での早期の段階の症状(D-09)

2019-09-25 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

      年とれば 堰切るごとに 物忘れ    アレょアレょと 言葉を知らず

&1「アルツハイマー型認知症」(我が国では、両者の区別が分からなくてアルツハイマー病と呼ぶ学者がいる)の症状は、「三段階」に区分されるのが特徴 

(1)厚生労働省の発表によると、認知症のお年寄りの数は現在600万人超と言われています。600万人超もの認知症のお年寄り(90%以上が、アルツハイマー型認知症であることに注意)とは、自分が住んでいる家が分からなくて徘徊したり、同居の家族の名前や顔も分からなかったり、ズボンを頭から被ったり、トイレの後始末も出来ないで、セルフ・ケアに二も介助が要る末期の段階の人達、私たちの区分で言う重度認知症(「大ボケ」の段階)の人達だけの数なのです。

1)医学会の現状はというと、『DSMー4』の「第二要件」の規定内容が重大な誤りであることに気づいていない為に、末期の段階である「大ボケ」の更に後半の段階(11の「下位項目」により構成され、30点が満点である『MMSE』の総得点が、一桁にしかならない脳の機能レベル)に在る「お年寄り」に確認される失語や失認や失行と言った極めて重度の症状が、「アルツハイマー型認知症」の初期症状であると誤解したままで、それらの症状の確認を待って初めて発病と診断しているのです。もっと軽い段階があると、何故か考えようとしないのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能についての廃用性加速度的異常な機能低下が進行してきて、末期の段階である『大ボケ』になってしまうと、「脳のリハビリ」の実践による正常な機能レベルへの回復及び症状の進行の抑制、或いは緩やかな進行という治療の効果最早期待できなくなり、「セルフ・ケア」にも支障が出てくるので、日常の生活面での『介護』が不可欠となってしまうのです。本当の意味での早期の段階、認知症研究の専門家や専門機関が見落としている「小ボケ」、「中ボケ」を見落とした儘で、放置したままでいては、介護保険制度が財政面から破綻の危機に陥る事になるのです。「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つけ、家族の後押しによる『脳のリハビリ』の実践により「回復」させて、更には、「発病自体を予防」して、『大ボケ』は、全面的に介護保険が適用できる体制を目指すべきなのです。理論と実証と実務のマニュアルは提供したので、後は政治家の責任なのです。

2)「小ボケ」や「中ボケ」の段階自体が見落とされている現状で、『大ボケ』のお年寄りの『家族介護』を礼賛するかのような、「介護生活に関わる楽しさや、喜びや、生き甲斐」なるものを、テレビに出てきて語ったり、新聞に連載したり、ブログで発表したり、本まで出版している人達が大勢いるのです。『「大ボケ」の親に対する家族による介護』という「テーマ」に挑戦する事自体は、個人の自由であり、反対はしないのですが、そうした価値観の人達と言えども、『介護離職』が100万人を超えている現在の社会状況に目を背けてはならないのです。

(2)  更なる問題を指摘すると、専門家の医師達が見落としている『本当の意味での早期の段階』、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の「お年寄り」であれば、『脳のリハビリ』の実践(「注意の分配力」の機能と実行機能の出番が多いテーマを日々実践することにより、「前頭葉」の機能を活性化させること)により、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常な機能レベルに回復させることが出来る(アルツハイマー型認知症の症状を治すことが出来る)のであり、家族による関わりについての諸般の事情により、それがかなわない場合でも、症状の進行を抑制し、或いは、症状の進行を緩やかにすることが出来て、末期の段階である「大ボケ」にまでは落とさないことに因り、『介護の予防』という成果を獲得することが出来るのです(「中ボケ」の段階に留まる/維持できている限り、介護は不要だからです)。

1)『大ボケ』の段階に在る『お年寄り』の介護は、『前頭葉』を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行という要因の存在により、どれだけ介護に励もうとも、症状の更なる進行を緩やかにすることも、抑制することさえも、困難になってしまうのです。「アルツハイマー型認知症」を発病した「親に対する介護」に励むのであれば、回復の可能性が有る/或いは、症状の進行を緩やかにすることが出来る「小ボケ」/「中ボケ」の段階で見つけて、『脳のリハビリ』の実践の後押しに心を傾け、努力すべきだと考えるのです。「介護する側」にとって、その方が真の意味での価値ある喜びや、生き甲斐につながると思うのです。「大ボケ」の親に対する家族による介護を礼賛する発言や活動に注力している人達は、私が提起するこのテーマに正面から対峙して頂きたいと思うのです。末期段階の大ボケにまで症状が進行した発病高齢者の「家族介護」は、有ってはならない社会現象なのです。

2) 認知症が専門とされる医師達は、「失語や失認や失行(紛いの)症状」が、『11の下位項目により構成され、30点が満点であるMMSE』の総得点が一桁になって初めて発現が確認される極めて重度の症状であることを知らないで米国精神医学会が定めた診断規定である『DSM-4』の第二要件が「失語や失認や失行(紛い)の症状」が発病の初期症状であると規定(重大な誤りの内容)していることに疑いを持たないまま、それ等の症状の確認を待って、初めて発病と診断している』のです。

もはや治すことも出来ないし、症状の進行を緩やかにすることも出来なくて、『介護の途』しか残されていない末期の段階で発病を見つけて、「発病のレッテル張り」をしているだけなのです。医師達は、何故に、発病のレッテル張りだけの診断に満足し、そうした診断の在り方に疑いを持たないで居るのか/その方が一定規模の売り上げと利益が確保できからなのでしょうか。

早期診断と称して、CTやf-MRIやSPECTやPETを診断に用いることが多いのですが、実際には、CTやf-MRIやSPECTやPETを診断に用いようとも、早期診断は、不可能なのです。本当の意味での早期診断(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つける事)は、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定することによって初めて可能であるからなのです。 この早期の段階を見つける方法、『前頭葉』の機能レベル(実際の手法としては、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能レベル)を個別に及び総合して精緻に判定/鑑別することが出来る「手技」は保険点数が極めて低い『かなひろいテスト』しか存在していないので、利益を稼げるだけの必要な規模の売り上げが立たない為に、早期の段階で見つけることに、医師達の多くは、関心が無いようなのです。

(3) 世界中の認知症研究の専門家と言われる人達が気づかないまま見落としている本当の意味での早期の段階、『脳のリハビリ』の実践により症状を回復/症状の進行を抑制させることが可能な本当の意味での早期の段階であり、私たちが提起する「軽度認知症」(「小ボケ」)及び「中等度認知症」(「中ボケ」)のお年寄りは、厚労省が発表している「アルツハイマー型認知症」の発病者の数には、入っていないのです。

後述する『MCI(Mild Cognitive Impairment):軽度認知障害』という極めて曖昧な基準、外観から推測するだけで、客観的な判定要件が規定されていない基準を基礎として、副作用だけで、治療効果を有していない薬(症状を回復させる効能も、症状の進行を緩やかにする効能も有しない単なる対症療法薬であり、治療薬ではない)が処方されているのが医療現場の実態なのです。その問題を自覚している心ある医師達は、「アリセプトなどの対症療法薬」に対し、『健康保険の適用を除外すべきだ』と主張しているのです(仏国では、既に適用除外とされているのです)。

(4)  認知症とは、「一旦完成された脳機能が、何等かの原因で、全般的に機能が低下し、社会生活家庭生活セルフケア等に支障が起きてくる病気」と定義されます。つまり、もともとは正常な『社会生活』を営んでいた人に起きてくるものである以上、現在セルフ・ケアもおぼつかなくなっている人であっても、過去に遡れば正常であった時期があり、発病後に『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行したことにより症状が発現し、更には、症状が次第に重症化していった結果ということなのです。

アルツハイマー型認知症』(特定の遺伝子生まれつき異常が確認される人達だけが発病し、且つ、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」とは根本的異なる病気)は、老年発症が特徴なのであり、『第二の人生』を送る60歳を超える年齢の『高齢者』だけが(私たちが規定する発病の「第一要件」)、発病の対象となる特徴を有するのです(生まれつき特定の遺伝子に異常が存在する人だけを対象にして発病し、若年発症を特徴とする「アルツハイマー病」と廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎない「アルツハイマー型認知症」との区別が分からなくて、両者を総称して、まとめて「アルツハイマー病」と呼称する専門家達が我が国にはとても多いのです)。

(5) 廃用性の機能低下(『前頭葉』の使い方が不十分/『注意の分配力』の機能の出番が不十分な「脳の使い方」としての『生活習慣』)に起因して発病する「アルツハイマー型認知症」は、症状が徐々に段階的に進むのが特徴です。

昨日まで正常で、社会生活を自分なりに楽しんで暮らしていたお年寄りが、「アルツハイマー型認知症」を発病した途端に、同居の家族の名前や顔も分からなかったり、ズボンを頭から被ってみたり、トイレの後始末も自分で出来ないで、セルフ・ケアにも重大な支障があって、介助が要るようにはならないのです。『DSM―4』の「第二要件」が規定する失語や失認や失行の症状が初期症状であるとする考えは、「アルツハイマー型認知症」の無知からくる重大な誤りの内容なのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを「二段階方式」のテストで調べてみると、軽いほうから順に、「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の「三段階」に分かれていることが確認されるのです(14689例の症例のデータ)。

(6)私たちが独自に開発した『二段階方式』の神経心理機能テストを実施(前頭葉の機能レベルを「かなひろいテスト」で、左脳及び右脳の機能レベルをMMSEテストで判定)してえられたものであり、「アルツハイマー型在認知症」を発病した「お年寄り」の『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現するのを特徴とする症状であり、「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例に上る『脳機能データ』から、『アルツハイマー型認知症』の症状は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の「三段階」に区分されるのです。

私達が問題にするのは、「大ボケ」に先立つ「小ボケ」と「中ボケ」の段階の存在が見落とされていることなのです。年のせいと言われていたり、不活発病の名前を冠せられたままで居たり、MCI(軽度認知障害)という極めて曖昧な基準の適用対象にされたり、されなかったりする「小ボケ」と「中ボケ」とをあわせると、「大ボケ」と同じ程の数になるのです。「大ボケ」に「小ボケ」と「中ボケ」とを加えると、「アルツハイマー型認知症」の発病者達の数は、既に1000万人を超える規模になっていると考えられるのです。

小ボケ』は、「社会生活面」での支障が出てくる段階であり、『中ボケ』は、「家庭生活面」での支障が出てくる段階であり、『DSM-4』の「第二要件」が確認を要求している「失語や失認や失行(紛い)の症状」は、その欠片も確認されない段階なのです。「中ボケ」でさえも、それなりのレベルでの会話も行えるものなので(日常の生活面で、『家庭内の簡単な用事』程度の実行で、種々の失敗を重ねていても、それなりに言い訳を並べ立てることが出来る)、前頭葉の機能レベルを無視した診断を行う医師等の専門家達が、発病とは気づいていないのです。認知症研究の専門家達とは言え、学者も医師も、『前頭葉』の機能レベルを含む脳全体の機能レベルを精緻に判定出来る『手技』を持たないことが原因なのです。

アルツハイマー型認知症の発病の場合の上記三つの段階における脳の機能と生活実態との関係の概要を整理すると、以下の表のようになります。

〇「アルツハイマー型認知症」の症状の「三段階」と脳の機能レベルとの関係及び生活実態

『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル

生活実態としての症状

段階区分

正常レベル

正常

正常

前頭葉のみ異常なレベルに低下

但し、後半領域は正常レベル

社会生活面のみに支障

指示待ち人 

小ボケ 

前頭葉低下の更なる進行+後半領域も異常な機能レベルに低下

家庭生活面にも支障
言い訳のうまい幼稚園児

中ボケ

前頭葉低下の更なる進行+後半領域の機能の更なる低下の進行

セルフケアの面にも支障

脳の寝たきり児

大ボケ

2『脳のリハビリ』により、回復させることが未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)の症状とその特徴(「小ボケ」の症状は、前回「D-08」を参照)

(1)『中ボケ』の段階になってくると、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行しようとする際に不可欠の機能である『前頭葉』の働き具合が、廃用性の加速度的で異常な機能低下によって、「小ボケ」の時のそれよりも加速度的に更に衰えてきています。加えて、「小ボケ」の段階では正常な機能レベルにあった、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」までもが、異常な機能レベルに衰えてきているのです(「中ボケ」の段階から、前頭葉を含む脳全体の機能が、異常な機能レベルに衰えてきていることに注意して下さい)。廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行することに因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が『中ボケ』の段階にまで衰えてくると、食事、着衣、大小便、入浴等、身の回りのことは、自分で出来るので、セルフ・ケアの面で周りの家族に迷惑をかけることは無いのですが、『家庭内の簡単な用事』程度のこと(ex.炊事、洗濯物の整理、掃除、庭の草花の手入れ、簡単な畑仕事等)でさえ、満足にはできなくなるので、「家庭生活」の面で様々な支障が起きてくるようになるのです。

この場合、『DSM-4』の「第一要件」の規定や『4つの仮説』が発病を惹き起こす原因要素とする「記憶障害」が原因で、『家庭内の簡単な用事』程度の事案の遂行に支障が出てくる訳ではないことに注目して頂きたいのです。『前頭葉』の機能、就中、『注意の分配力』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、「小ボケ」の段階よりも更に異常な機能レベルに衰えてきていていることに加えて、「左脳、右脳及び運動の脳の機能」までもが異常な機能レベルに衰えてきていることが、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクしたものとしての、「中ボケ」の段階の症状が発現する核心的な要因なのです。

(2)『前頭葉』を含む脳全体の機能が「中ボケ」レベルのとき、日常の生活面で明瞭に発現が確認される「中ボケ」の段階に特有類型的症状について、その症状を列挙しておきましょう。「DSM-4」が「第一の要件」として規定している「記憶障害」の症状は、「中ボケ」段階となっても、未だに部分的に過ぎず、その中核となる症状ではないことに気づいていただきたいのです。『DSM-4』が第一要件で、「記憶障害に起因して」と規定していること自体が誤りなのです

何事に対しても「抑制」が効かなくなり、感情がもろに表に出てくるようになって、「ボンヤリと暮らしているだけ」の単調な日々を送るようになる

時の見当識」に、順次、以下のような支障が出てくるようになる

(「中ボケ」の初期には、今日が何日か、平成何年なのかが言えなくなります。MMSEの換算後の得点が19点以下となる「中ボケ」の中期になると、今の季節が何時なのかが言えても、今が何月なのかが言えなくなります。今の季節があいまいになる時から大ボケに入っていき、昼夜が分からなくなると、「大ボケ」の後半に入っていきます。「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、『時の見当識』には、衰えていく厳密な順番があり、季節昼夜の順番に言えなくなっていきます。「アルツハイマー型認知症」の発病者であるときは、『MMSEの下位項目について、出来なくなっていく厳密な順番があるのです)。

脳のリハビリ』の実践による回復の可能性についていうと、MMSEの得点が20点以上であれば(大まかな目安として今何月なのかが言える)、集団の中での「脳リハビリ」メニューが可能なのに対し、20点を切ると、個別での「脳リハビリ」メニューが不可欠となるのです。

箪笥の整理が出来ない、洗濯物の畳方が雑、食器も整理してしまうことが出来ない

ガスの消し忘れや水道の蛇口の閉め忘れが、週に数回起きてくるようになる

自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来なくなる

簡単な計算もできなくなる

料理の味付けが可笑しくなる(塩辛すぎて食べられないものを作り、本人だけが平気で食べる)

服を自分で着ることはできるが、季節に合ったものを選べなくなり、着方にだらしなさや可笑しさが目立つようになる

(セーターの上からYシャツを着たり、パジャマの上にズボンを履いたり、前後ろに着たり、裏返しに着たりするようになる)

家族のことを正確に言えなくなる(自分の子供が何人か、名前を何と言うか、どこで何をして暮らしているかが正確には言えない)

パジャマを着たまま平気で表に出たり、髪の手入れやお化粧を殆どしなくなる

昨日の出来事をすっかり忘れてしまうようになる(昨日の老人会の出来事を忘れているだけでなくて、昨日老人会に行ったこと自体を忘れてしまっている)

所の見当識」が衰えてきて、自分が今居る場所が何処だか分からなくなる(自分の家に居るのに、夕方になって「今日は、長いことお邪魔しました。そろそろ帰らせていただきます。」と言い出し、出ていこうとする)

お金や持ち物の仕舞い場所を忘れてしまい、「盗まれた」と言って、騒ぐようになる(「物盗られ妄想」は、初めのうちは、通帳、財布、証書類などのことが多いのですが、次の段階では、化粧品や食料品などの日用雑貨に及ぶようになります)

前回例示した(D-08)の「小ボケ」の類型的症状や今回例示した「中ボケ」の類型的症状を見ても、「DSM-4」が「第一要件」で確認を要求する「記憶障害に起因した症状」という要件の内容自体が、誤りであることに気づいていただきたいのです。正しくは、『「前頭葉」の機能障害に起因した症状(any disturbance in executive functioning )』という要件が正しい規定内容となるのです。

外観』からの観察に基づいただけの推測や憶測に頼っているだけで、『前頭葉』の個別認知機能群である『実行機能』の機能の発揮度を左右し、下支えている機能構造の関係にある「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能との関わり具合及び関わり方のメカニズム(“機能発揮上の二重構造”)の問題に気づかない限り、発病の原因を解明することは、不可能事であることを指摘しておきたいのです。その視点から問題点を指摘すると、世界中の認知症研究の専門家とされる人達には、『前頭葉』という脳機能も、『注意の分配力』という脳機能も備わっていない、マウス(アルツハイマーマウスを含む)の行動ばかりを、何時まで追いかけ続けるつもりなのでしょうかと問いたいのです。

3『軽度認知障害』(Mild Cognitive Impairment)という基準の問題点

(1)『軽度認知障害』の基準を取り上げる学者や医師達の共通した要点の概要をまとめると、以下のようになります。

記憶障害」というだけの単純な要件が中核をなしている基準であり、以下の要素の確認を要することとされている。『前頭葉』と言う最も肝心な「脳機能」に対して、全く注意が向けられていない、意味不明の基準。

主観的な「物忘れの症状」の訴えが、本人や家族からあること

年齢に比し、「記憶力」が低下していること

複雑な日常の生活動作に最低限の障害があっても、基本的な日常生活機能は正常であること

全般的な「認知機能」は、正常であること

上記に加えて、「軽度認知障害」の該当者は、「アルツハイマー型認知症」だけでなく、他の原因による認知症発病の「前段階」であるとされていて、『正常な状態からから認知症発病までの間に位置するグレー・ゾーンである』とされているのです。まったく、意味不明の基準であり、極めて曖昧な概念説明であるというしかないのです。これが診断基準になると主張する人たちの杜撰さには、あきれるしかないのです。 

(2) 『記憶障害の症状』というとき、「加齢」という要因に起因した「前頭葉」を含む脳全体の機能低下が原因で発現する記憶障害の症状とは、所謂物忘れの症状のことなのです。これに対して、「アルツハイマー型認知症」の発病として発現する記憶障害」の症状とは、「加齢」に起因した脳機能の低下という要因に加えて、「第二の人生」における脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下が加重されて起きてくる「前頭葉」を含む脳全体の機能についての廃用性加速度的で異常な機能低下の進行が原因で発現してくるものなのです。両者を鑑別する上での、最も重要な要件とは、物忘れの場合は、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在ることが確認されることであり、「アルツハイマー型認知症」の発病としての記憶障害の症状の場合は、『前頭葉』の機能が自体が異常な機能レベルに在ることが確認されることなのです。前頭葉の機能レベルという視点も無ければ、前頭葉の機能レベルが正常であるか/異常であるかを精緻に判定/鑑別する「手技」を持たない状況で、上述したような極めて曖昧で、客観的な基準を持たない、「軽度認知障害」(MCI)なる基準そのものが、有効で、有益な「物差し」であるかのような説明をする学者や医師達が多いという実態に、心から驚かされるのです。

(3) その原因は、専門家とされる権威ある彼ら自体が、『アルツハイマー型認知症』そのものについて無知であり、客観的で科学的な判定基準及び鑑別の為の必要な『手技』を持たないことに在るのです。

上記(1)の概説を読んでみて頂きたいのです。具体的な被験者を前にした場合に、「軽度認知障害」の考え方を適用するに際し、客観的な要件が殆ど規定されていないことについて、何の疑問も抱かないで、客観的で適切で合理的な診断を実施できる医師がいるのでしょうか。特に、客観的な『診断基準』自体が世界的にも存在していない「アルツハイマー型認知症」の発病の可能性の有無及び程度を、どのような客観的な証拠データに基づき判定して、診断を下すことが出来るというのでしょうか。

その上に重大な問題があることを皆さんにも知っておいて頂きたいのです。『軽度認知障害』に該当すると診断した場合、上述したように、医師達は、発病の予防とか、症状の進行を遅らせる為とか言いつつ、『』を処方するのです。症状を改善させる治療効果は無く、症状の進行を遅らせる治療効果さえも無く、単に、症状の発現の仕方に影響するだけの薬である『対症療法薬』に過ぎない「4種の薬」を「予防薬」と称して処方してもいるのです。

&4「アルツハイマー型認知症」の発病に関わる『意識的な世界』

(1)  様々な種類が数ある認知症の内の90%以上もの割合を占めていて、世界中の認知症研究の専門家達から、『発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ない』とされてきている 『アルツハイマー型認知症』、世界中の巨大な製薬会社が『治療薬』の開発に挑戦して、そのことごとくが失敗に終わっているのです(『治療薬』の開発はありえないのです)。世界的に通説の地位にある「アミロイドベータ説」を筆頭にして、タウ蛋白説や脳の萎縮説やアセチルコリン説と言った仮説の類ばかりが横行していて、未だに発病との間の因果関係を立証することが出来ないでいるだけでなくて、発病の原因(メカニズム)の解明を出来ていないのです。何故なのかというと、一つには、次に述べる『意識の世界』が関わる問題であること並びに専門家とされる人たちは「末期の段階」の症状、就中、失語や失認や失行と言った極めて重度の症状にしか関心が無いがために、加齢に起因した機能低下という要件と「脳の使い方」が不十分なことに起因した廃用性の機能低下が真の核心的な要件だと説明しても、納得しないし、そもそも理解しようとはしないのです。

(2)あれほどのどろどろとした、人間性の破壊にもとれるほどの重い症状を発現させる根本的な原因、発病のメカニズムには、もっと複雑な何かがあるはずだとの固定観念から逃れられないでいると考えられるのです。末期の段階の症状、就中、失語や失認や失行といった極めて重度の症状が発現していたお年寄りの死後の「脳の解剖所見」が共通に提示する老人斑、神経原繊維変化、或いは、脳の顕著な萎縮等を見ると、一層のこと、それ等に縛られることになるのではないかと憶測するのです。私たちの脳機能データ、特に、事象事実としての『MMSE下位項目の項目困難度』が示す、下位項目の衰えていく(出来なくなっていく)厳密な順番のデータが、「4つの仮説」の主張内容が誤りであることの客観的で絶対的な証拠となるのです。解剖所見が示すのは、発病の原因ではないのです。「アルツハイマー型認知症」を発病し、末期の段階にまで症状が進行したことに因る、『結果ではないか』と推測するのです。

(3)『アルツハイマー型認知症』の発病患者である場合、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していき、末期の段階である「大ボケ」の段階にまで重症化が進行していくとき、身体が持つ限り症状が更に重いものになっていき、最終的には、植物人間状態にまでなるのです。

その重症化の進行の具体的な変化の有り様をつぶさに観察していくと、「記憶障害」に起因して発病すると主張する「DSM―4」の第一要件の規定内容誤りであることが実感できるのです。失語や失行や失認以降の重い症状だけを観察するのではなくて、私たちの区分で言う本当の意味での早期の段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状に始まり、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状の具体的な変化を、経時的につぶさに観察してみれば、分かるのです。

(4)加えて、「アルツハイマー型認知症」は、発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズム自体が、「私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』に関わる認知症だから」なのです。『意識』については、古代ギリシャ、ローマの時代から現在に至るまで、それこそ数えきれない程の数の哲学者や心理学者や脳科学者などが、『意識の機能構造』の解明に努力してきたのですけど、未だに解明できた人が一人もいないという現実があるのです。ここを『クリック』してください。

独自の手技である『二段階方式』の手技を開発してこの「テーマ」に挑戦してきた私たちは、『意識的な世界』、『意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界』での『前頭葉』を含む脳全体の機能の関わり方の解明に挑戦することに因って、世界で初めて、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム、症状が重症化するメカニズムを解明し、類型的で典型的な症状の「三段階区分」と早期診断による症状の回復(症状を治すこと)の具体的な方法、更には、発病自体を予防する方法を確立し、1995年の活動開始以来、北海道から九州までに跨る地域の累計で452を数える極めて多数の市町村で、先駆的な実践、「アルツハイマー型認知症」の早期診断と回復、介護の予防並びに発病自体の予防を明確な目的とした『住民参加型の地域予防活動』として、その実践を指導し、私たちの主張が正しいことを、「疫学的方法」により実証してきたのです。

(5) 私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界は、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車の御者が運行する世界』と考えると、分かり易いかと思うのです。対象となるものが何であれ、私たちが意識的に何かを考え、発言し、行為し、或いは行動しようとする際に、無くてはならない脳機能、それが、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬と協働しつつ、それらを自在に操る三頭立ての馬車の「御者」、言い換えると、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』という脳機能であり、私たち人間だけに備わっている脳機能でもあるのです。『前頭葉』と言う脳機能は、私たち人間だけに特有の世界(マウスは愚か、DNAの98%が人間と同一であるとされるチンパンジーにも備わっていない脳機能であることに注意)である『意識的な世界』(意識的に何かをしようとする世界)を構築し、支配し、統括し、コントロールしている機能であり、自分が置かれているその状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った為すべき「テーマ」を発想し、発想したテーマの実行内容を組み立て、その実行による結果を推測し、シミュレーションして、必要な比較と選択を行って修正を加え、最終的な実行の内容、程度及び態様を決定し、実行の決断に基づいて脳の各部(三頭の馬)に対して実行の指令を出すと共に、実行の過程を終始観察し、統括し、監督し、コントロールしているのです。

(6)   その『前頭葉』の個別認知機能群(分析、理解、判断、発想、了解、了知、了承、考察、考慮、観察、監視、鑑賞、観賞、感動、抑制、反省、内省、忍耐、思索、思考、企画、計画、シミュ・レーション、創作、創造、洞察、推理、推察、推認、推測、推稿、構築、構想、構成、詮議、詮索、想像、空想、妄想、探求、追及、究明、創意、工夫、比較、検討、評価、判定、修正、選択、排除、除外、分別、分配、確認、確信、決定、決断、指示、指揮、采配、支配、統合、統括等)の総称である『実行機能』の『機能の発揮度』を左右し、下支えする働き(「二段階方式」の活用により集積した「脳機能データ」の解析により、私たちが独自に発見した『実行機能』の機能発揮上の「二重構造」の問題)を有する「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、「加齢」と共にその機能が直線的なカーブを描き乍ら緩やかに衰えていく』という生来的な性質(私たちが「正常老化の性質」と呼称する性質)が内在しているということなのです。そのデータによると、『意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能から成る「前頭葉」の三本柱の機能は、「18歳から20歳代の前半まで」の頃がピークで、「加齢」と共に直線的で緩やかなカーブを描きながら徐々に衰えていく(機能が低下していく)のです。そして、我が国での『第二の人生』が始まる60歳代の半ば頃には、ピーク時の半分くらいに機能が衰えてきていて、100歳代に向かって、直線的で緩やかに、更に衰えていくのです。『加齢と共に、物忘れの症状の頻度が増していき、その程度が重くなっていく現象は、上述の「正常老化の性質」のカーブを色濃く反映した結果なのです』。但し、上述した『正常老化のカーブ』自体は、100歳代になっても異常な機能レベルには衰えてはいかないことを示しているのです。学者達の一部には、『アルツハイマー型認知症の発病は、加齢の延長線上にあると考えられる』と主張する人達がいるのですが、「脳機能データ」から言うと、『誤り』なのです。

(7) 世界的に通説の地位にあるとされるアミロイドベータ説(アミロイドベータというタンパク質が蓄積して「老人斑」が形成され、その毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の 大量の細胞死を招くことにより、「記憶障害」の症状が惹起されることが「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす直接の原因であると主張する仮説)やタウ蛋白説(タウ蛋白というタンパク質が、蓄積して「神経原線維変化」が形成され、その状態が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死を招くことにより「記憶障害」の症状が惹き起こされることが「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす直接の要因であると主張する仮説)の主張は、それらの主張と「アルツハイマー型認知症」発病との間に存在する因果関係について、未だに立証が出来ていない単なる「仮説」であり、これらの主張の内容が間違いであることは、簡単に立証することが出来るのです。何故なら、「アルツハイマー型認知症」の根幹となる症状とは、『DSM-4』や仮説が主張している「記憶障害」に起因した症状なのではなくて、『前頭葉』の機能障害に起因した症状であるからなのです。「アルツハイマー型認知症」の症状について、認知症の専門家とされる人達は、外観から観測される症状を単に並べ立てるだけなのですが、私たちは、「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ生きた人間の「脳機能データ」と市町村での住民参加型の「地域予防活動」の実践指導の成果を根拠としているのです。

&5『アルツハイマー型認知症』の本態と発病するメカニズム(機序)

1.器質的な原因病変が何等確認されないのに、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す際に様々な支障が出てくるのがアルツハイマー型認知症と言うタイプの認知症の特徴なのです。ところで、脳の機能面から言うと、「意識的な世界」における脳全体の「司令塔」としての役割を担うのが『前頭葉』という脳機能なのです。「意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す」ことは、左脳、右脳及び運動の脳という「三頭の馬」が牽引する三頭建ての馬車を動かしていくようなものであり、御者なくしては、どんなに立派な馬をつないだところで、馬車は動きようもありません。御者の働きが、「前頭葉」の働きだと考えると、分かり易いと思います。馬車が動くときいつも、御者が手綱を引いて馬全体を制御しているように、毎日の様々な具体的な思考や生活行動や言動の場面で、必ず、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』」が、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、実行する為の行為や行動を企画し、計画して、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーションの結果を比較し、評価し、選択して、最終的に何をどのようにするのかを判断し、決定しているのです。意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す場面では、この機能工程に見られるように、『前頭葉』が脳全体の司令塔の役割を担っていることが極めて重要なのです。

2. 『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのです(複雑怪奇なものではないのです)。

(1) 私たちが規定する発病の第一要件」は、60歳を超える年齢の『高齢者』であることなのです。『加齢』に起因した脳の老化の進行という問題が、発病の第一要件なのです(加齢単なる延長線上発病がある訳ではないことに注意)。それゆえに、「アルツハイマー型認知症」は、『老年発症』が特徴なのです。

(2) 発病の第二要件」は、『第二の人生』を送る上で日々に繰り返されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方;脳の使い方としての生活習慣)の継続に起因した廃用性の機能低下の進行の問題なのです。即ち、『第二の人生』での生き方、言い換えると、脳の使い方としての『生活習慣』の質が問われる病気なのです(「食生活」とは無関係であることに注意)。

(3) 「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に存在し、充足されることの相乗効果により発病するのです。「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に存在し、充足されることに因る相乗効果により、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくその先に、発病(「小ボケ」の段階)及び症状の重症化の進行(「中ボケ」の段階を経由して、末期の段階である「大ボケ」の段階に至ること)が待っているということなのです。若年層(ex:30歳代や50歳代の人達)が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」を継続していても、発病することにはならないのです。逆に、60歳を超える年齢の「高齢者」であっても、現役で仕事を続けている限り(農業であれ、会社勤めであれ、職人であれ、現職で仕事についている限り)、「前頭葉」の出番が十分に確保された「脳の使い方」としての生活習慣が有り、それに付随して、『注意の分配力』の機能の出番が多い「生活習慣」が確保されていることになるので、発病することは無いのです。但し、「現職」と言っても、肩書だけの場合は、除外されることに注意してください。

&6 「アルツハイマー型認知症」からの回復及び症状の進行の抑制による介護の予防並びに発病自体の予防

『前述のように「アルツハイマー型認知症」は、『第二の人生』を送る上での日々の「脳の使い方」としての視点で言う『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が発病及び症状の重症化の進行を左右する最も重要で核心的な要因である『生活習慣病』なのです。「加齢に因る脳の老化」と「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続による廃用性の機能低下の進行」という「異なる二つの要因」が重なる(同時に存在し、且つ、充足される)ことに因り、その相乗効果によって、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性加速度的異常な機能低下を進行させることに起因して発病し、症状の重症化が進行していくものと考えられる「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の衰え方にも明確な特徴があるのです。

その『特徴』となるのは、

① 最高次機能である『前頭葉の働き』が最初に異常なレベルに衰えていくこと

次いで、高次機能である「左脳と右脳の働き」が異常なレベルに衰えていく

 更に、『MMSE』で判定される左脳及び右脳の機能には「衰えていく厳密な順番」が事象事実としての「脳機能データ」として確認されているのです。

従って、「前頭葉」を含む脳全体の機能がどこまで衰えているのか(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル)及びその脳全体の機能レベルでは、どんな症状を特徴的に示すのか(生活実態としての類型的な症状)並びに廃用性の機能低下を進行させた張本人である『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続』の確認により、「アルツハイマー型認知症」を発病している人の認知症のレベル(「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の段階)を精緻に判定することができるのです。

エイジングライフ研究所が開発し、市町村の保健師さんが使いやすいように実務化した『二段階方式』の手技は、御者の働きをする『前頭葉』の働き具合を『かなひろいテスト』で判定し、馬の働きをする左脳と右脳の働き具合を『MMSE』で判定し、両者の機能レベルを総合的に判定することにより、『アルツハイマー型認知症』の重症度を精緻に判定することができます。更には、回復が困難で介護するだけのレベルである「大ボケ」と回復可能な本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」とを区別して、脳の機能レベル毎に、回復/介護の予防という適切な対応ができるように工夫されているのです。

「小ボケ」と「中ボケ」に対しては、第一義的には、『脳のリハビリ』の実践指導による『前頭葉』を含む脳全体の機能の正常な機能レベルへの『回復(アルツハイマー型認知症の症状を治すこと)を達成目標とすること、第二義的には(何等かの事情により、回復させることが困難であった場合でも)、末期の段階である「大ボケ」には症状を進行させないことによる『介護の予防』を確保すること(認認介護や介護離職を失くすこと)を目標としているのです。こうした活動が一定の成果を挙げることに因り、日常の生活面での『介護』が不可欠となる「大ボケ」の段階の症状が確認されるようになる「お年寄り」の数を顕著に減少させることが出来、精神的、肉体的、経済的な負担が極めて大きい「大ボケのお年寄り」の「家族介護」の必要性を失くすことにもつながるのです。更に、『回復』及び『介護の予防』という命題についての「顕著な成果」の達成をもとに、『前頭葉が活性化する脳の使い方としての生活習慣』という考え方が浸透することにより、『発病自体の予防が達成されることになるのであり、その必然の結果として、『介護保険制度』が財政面から破綻する状況を失くすことにもつながると考えているのです。

本著作物「Dー09」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。

 

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アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのです(D-08)

2019-09-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

                                                                                       2019.09.01

           初心忘るべからず 我が座右の銘  ボケの発病 脳が居眠り

 政府大綱が、『アルツハイマー型認知症(正しくは、両者を区分けるべきものを総称して、アルツハイマー病と呼ぶ学者もいることに注意)の予防』というテーマを提示しました。『予防』というテーマをどのように達成していくのかについて、具体的な方策の提示が為されていない中で、「二段階方式」が、世の中に『対策方法』を提起したいと考えるのです。発病のメカニズムを解明し、早期診断による回復介護の予防及び発病自体の予防を市町村での住民参加型の地域予防活動により疫学的に実証しているのは、私たちの『二段階方式』だけ。

&1 「アルツハイマー型認知症」の発病原因に関する諸学説及びその問題点(重大な誤り)

 DNAの99%が人間と同一とされる「チンパンジー」にさえも存在していない世界、私たち人間だけに特有な『意識の世界』であり、私達の意識的な思考や行為、言動或いは行動の世界は、脳全体の司令塔の役割を担う『前頭葉』が、「左脳」や「右脳」や「運動の脳」と協働しつつ、且つそれらを主導し、コントロールして構築されています。

朝方目覚めて寝床から起き上がるにも、尿意を催してトイレに行くにも、顔を洗って自分好みにお化粧するにも、ニュースを早く知ろうと新聞受けに新聞を取りに行くにも、朝食の用意のため電気釜のスイッチを入れるにも、今日の行動予定に見合った服に着替えるにも、激変する日韓関係の先に到来する、核武装し我が日本を仮想敵国とする朝鮮族の統一国家の出現と言った近未来の予測をするにも、それ等『意識的な世界』は全て、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』の働きなしには、実行することが出来ない世界なのです。厳密な言い方をすると、「前頭葉」がちゃんと働いていないと、そうした行為を『必要とされるレベルできちんと実行することは出来ない』ということなのです。『前頭葉』が正常なレベルで機能していて初めて、目的となる行動を、意図したレベルで、きちんと実行することができるのです。言い換えると、前頭葉の機能異常なレベルに低下すると、思考であれ、行為であれ、発言であれ、行動であれ、それらの全てが異常なものとなってしまうのです(症状の程度に差異があり、小ボケ、中ボケ及び大ボケに区分するのが、二段階方式)。

世界中のアルツハイマー型認知症の専門家とされる人達は、このことに気が付いていないのです。心理学や脳科学の世界的な専門家達でさえ、意識の機能構造を考えることは不可能事であると主張されているように、『意識』の機能構造自体が、極めて複雑で、極めて高度なものであることもその一因なのです。前頭葉の個別認知機能群である実行機能の機能発揮上の二重構造の問題に気づくこと及び『注意の分配力』の機能構造についての深い理解が不可欠となるのです。「器質的な原因病変」が何等確認されないにも拘らず、意識的に何等かの「テーマ」を発想し実行に移す際に、「社会生活」の面や「家庭生活」の面でも、果ては、「セルフケア」の面でも、様々な程度及び態様による支障、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される認知症の類型的な症状が発現してくるのが『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症に特有な特徴なのです。

 従って、アルツハイマー型認知症の特徴、発病のメカニズム、症状の重症化が進行する機序等について、解明し、理解するには、意識的な世界、前頭葉の機能構造、注意の分配力(様々な程度及び態様により構築され存在する異なる複数の意識を同時に並行して統括しコントロールし並びに異なる複数の錯綜する「テーマ」を同時に並行して処理する機能であり、更には、脳機能の発揮及び処理のスピードの速さ及び遅さにも直接関わる機能)の機能構造、評価の物差し(意識の首座=自我)及び実行機能(分析、理解、発想、計画、洞察、推理、シミュレーション、創意、工夫、比較、検索、憶測、忖度、選択、決断、抑制、感動等前頭葉の個別認知機能群のことを言いますの機能発揮上の二重構造等の問題に対する深い理解が不可欠となるのです。認知症研究の専門家達、「4つの仮説」の内で通説の地位に在るアミロイドベータ仮説の提唱者達は、上記赤字表記した「前頭葉」の個別認知機能はおろか、注意の分配力の機能が備わってもいないマウス(アミロイドベータを注入したADマウスとて同じこと)が檻の中で餌を探して徘徊する行動の観察に基づいた「憶測の類」ばかりを世の中に提示し続けているのです。何年かかって、何処まで深く探求し続けようと、何等の成果なく、無駄なことに終わるとも知らないで。

自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、テーマの実行を企画し、計画し、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーション結果に基づき比較し、評価し、憶測し、忖度し、選択し、最終的な実行の内容及びその程度と態様を決定し、実行の決断を下して、脳の各部(左脳、右脳及び運動の脳)に対して実行の指令を出し、その後の進捗状況を管理し、コントロールしているのが、脳全体の司令塔の役割を担う『前頭葉』という複合機能体なのです。

赤字表記し例示している上述した前頭葉個別認知機能群のことを総称して『実行機能』(Executive Function)と呼んでいるのですが、その際に、『実行機能の機能発揮上の二重構造』という問題が、存在していることに世界で初めて気づいたのが、私たちなのです。『実行機能』の機能発揮の度合いは(前頭葉の個別認知機能群に備わる機能が、様々な場面で、どの程度及びどのように発揮されるのかという意味)、『意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能に左右され、下支えられている』(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能がどの程度及びどのように発揮されているかに、依存し、左右されている=評価の物差しについても同様の機能構造が存在している)という問題の存在に気付いたのは、私たちが世界初なのです(「意識的な世界」の機能発揮上の二重構造)。

この解明にヒントを得て、前頭葉の三本柱の機能、評価の物差し及び実行機能から構成されている複合機能体である『前頭葉』の機能の発揮の度合いを精緻に判定することが出来る『改訂版かなひろいテスト』の開発に成功したのです。意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の発揮度を個別に/及び総合して精緻に判定出来る手技である「改訂版かなひろいテスト」の開発の成功により、『アルツハイマー型認知症』研究の専門家達(学者、医師、研究者)達が見分ける為の「手技」を持たない為に見落としている本当の意味での早期の段階』、『脳のリハビリ』の継続的な実践により症状を回復させること及び/又は症状の進行を抑制することが可能である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を精緻に判定し、鑑別することが可能となったのです。

更なる問題を提起すると、『注意の分配力』という機能の存在なしには、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』(目的的な世界)、意識的に何等かの「テーマ」を発想し、何時までに・何を・どのようにして・どこまで・達成するかという「目標」を設定して、実行に移す世界は存在し得ないということなのです。世界中の認知症研究の専門家達から、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないタイプの認知症であるとされてきている『アルツハイマー型認知症』は、何等の器質的な原因病変が確認されないのにもかかわらず、私達が意識的に何かの「テーマ」を発想し、目標を設定して、実行に移す際に、『社会生活』面、『家庭生活』面及び『セルフケア』の面という風に、様々な生活のレベルで、更には、様々な程度及び態様により症状が発現してくるという特徴が確認されるのです(『脳のリハビリ』の実施により症状を回復させること/症状の進行を抑制することの可能性の有無及び程度により、小ボケ中ボケ及び大ボケ三段階(且つ、類型的な症状を例示)に区分するのが私たち二段階方式の考え方なのです)。

注意の分配力』の機能及びその機能構造については、世界中の認知症研究の専門家達の知識が、無知に等しいという程に未だに浅いことが、「アルツハイマー型認知症」の発病原因の解明方法として、(極めて重大な誤りであることに未だに気づいていない)『マウス』(ADマウスを含む)の行動の研究を基礎に置くといった方法を継続させているのです(誤った方法で、誤った場所を深く掘り続けている)。猶ここで言う『脳のリハビリ』とは、脳全体の機能が、更には、「前頭葉」の機能が、(就中、様々な「テーマ」を発想し、実行に移すに際して、「注意の分配力」並びに評価の物差し及び実行機能の出番が多くて活性化する脳の使い方としての『生活習慣』の改善策の継続的な実践を言います。

認知症研究の専門家達(医師を含む)からは見落とされていて、本当の意味での早期の段階である、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階から回復させるにも(症状を治すことを言います)、症状の重症化の進行を遅らせるにも、介護を予防するにも(セルフケアに支障が出てきて、日常の生活面での「介護」が不可欠となる段階、末期の段階である「大ボケ」の段階にまでは落とさないことを言います)、更には、発病自体を予防するにも、脳全体の機能が、更には、『前頭葉』の機能が、就中、『注意の分配力』並びに評価の物差し及び実行機能の出番が多くて、活性化する脳の使い方としての『生活習慣』の構築実践とその継続が必要不可欠であり、唯一の効果的な対策となるのです(どれほどに高度な機能を有する最近流行りの『AI』を駆使しようとも、此処に提示しているようなレベル及び品質での、正しいメカニズムの解析は不可能なのです(学歴や地中海料理が発病のリスク/予防に関係などと間違った要因を挙げることにもなる)。何故なら、此処に提示しているような内容を含む必要な項目自体が、解析の対象となる「様々な個人情報」には、そもそも入っている筈がないからなのです。「脳の使い方」としての『生活習慣』が鍵となる要因。

日常の簡単な挨拶や世間話程度の会話であれ、服を着る行為であれ、歯を磨く行為であれ、入浴したり洗顔をする行為であれ、それ等程度の行為であれ、『記憶』は、発病原因とは無関係の要因なのです。核となる要因は、『注意の分配力』の機能が【私たちが二段階方式の手技を活用して集積した脳機能データの解析結果によると、「加齢」に起因した機能低下の進行(正常老化)の場合であれ、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行の場合であれ、『前頭葉』の機能の内で最初に異常な機能低下が進行していくのが、『注意の分配力』の機能であり、更には、加齢に起因した機能低下の進行を原因とする『物忘れの症状』を発現させている張本人でもあるのです)】、正常なレベルで機能することが出来る『脳の機能レベル』に在るか/否かということなのです。

加齢に起因して発現するだけの「物忘れの症状」(正常老化現象)とナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続という要件が加重されたことに因り生じてくる廃用性の加速度的で異常な機能低下が加重されたことが原因で発現する『アルツハイマー型認知症』の症状としての「記憶障害の症状」とを区分ける条件が、『前頭葉』の機能が正常であるか/異常であるかに拠ることさえも知らないで、『軽度認知障害』(Mild Cognitive Impairment)とか言う概念(発病の前駆的状態と説明するもの)を持ち出し、テレビに出てきて、意味不明の根拠を並べ立てる専門家達が居るのです。『MCI』の基準内容は、余りにも抽象的であって、客観的な内容或いは条件が含まれていなくて、判定や鑑別に活用できる代物ではない。「MCI」の該当者の判定は、「重度の物忘れの症状」を外観から観察する程度のものなのです。

アルツハイマー型認知症』の発病の原因要素が、『記憶障害』という要素であると単なる憶測に基づいて想定しているのが、米国精神医学会が策定した診断規定である『DSM-4』の規定であり、その第一要件は、発病との診断に際しては、『記憶障害に起因』して症状が発現してきていることの確認を要求しているのです。「第一要件」の規定の内容が正しいものとの前提に立脚して、アミロイドベータの蓄積、タウタンパクの沈着、脳の萎縮、アセチルコリンの不足が、発病の原因要件としての「記憶障害」を惹き起こしている原因であると想定しただけの「憶測」に基づいた学説である『4つの仮説』(4つの仮説の各々が想定する各々の発病原因と発病との間の因果関係を未だに実証することが出来てもいない単なる推測の類)が提示されているのです。『アミロイドベータ仮説』は、世界的に通説の地位にあり、我が国では東大、京大、理化学研究所がその牙城なのです。とは言え、『その主張内容が重大な誤りである』ということに、自らが早く気づいて欲しいと願うのです。どれだけの権威が有ろうとも、『誤りは誤りなのであり、世間に与える負の影響も大きい』からなのです。廃用性症候群に属する老化廃用型の『生活習慣病』であるにすぎない「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症こそが、早期診断により治せるし、発病自体を予防できる性質のものであるにも拘らず、今回提示された政府大綱が、『予防』について、わざわざ意味不明の注釈を補足せざるを得なかった背景には、其れ等『権威の主張』を忖度せざるを得なかった背景があるのではと推測するのです。発症を遅らせる方法としては、『アミロイドベータの蓄積を出来るだけ早期に検出し、脳内から除去する方法の開発への挑戦』(ハーバード大学が主導し、東大が追随する新たなテーマ)とか、症状の進行を遅らせる方法としては、『ケースにより症状の進行を半年から1年程遅らせる効果が期待できる』とか主張する対症療法薬治癒効果は、存在しない)の存在等が影響しているのではと考えるのです。

後述する発病のメカニズム及び症状の重症化が進行するメカニズム(機序)に鑑みれば、症状を治したり、症状の進行を緩やかにしたり、或いは、発病自体を予防する効能を有する薬(「治療薬」)が開発されることは、未来永劫、有り得ない事なのです。肝心なのは、60歳を超える年齢の「高齢者」が、『第二の人生』を送る上での生活習慣、食生活ではなくて脳の使い方としての『生活習慣』の在り方が問われることになる、発病するか/しないかを区分ける真の要因となるということなのです。

& 2アルツハイマー型認知症発病のメカニズム(「二段階方式」独自)

二段階方式』の手技を活用して集積した『アルツハイマー型認知症』の発病患者(小ボケ、中ボケ、大ボケの全ての段階を含む)の『脳機能データ』を解析した種々の結果並びに北海道から九州までに跨る452の市町村で展開してきた地域予防活動の実践による疫学的証明の結果としての主張内容なのです。

憶測と直感的な想定だけに基づいた主張である「4つの仮説」の提示内容、或るいは、昨今急激に医学界で展開が目立ってきている「AI技術」を駆使した大量のデータ(発病者と非発病者との様々な生活要因データを比較し、解析)の解析結果としての主張等とは、主張内容の品質の次元が異なるのです。

アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行する真の原因(メカニズム、機序)は、一つには、『加齢」に起因した脳機能の老化の進行による機能低下(正常老化の進行)という要因であり、更に、もう一つ加重される条件としての、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した『廃用性異常な機能低下』の進行という要因なのです。

60歳を超える年齢の高齢者が(加齢に因る機能の低下という要因【発病の第一要件】)、『第二の人生』を送る生活過程において、「キッカケ」の発生と継続を契機に、心が折れて、意欲を喪失し開始され継続された単調な『生活習慣』、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な『生活習慣』の継続に因る要因(ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した「廃用性の異常な機能低下」に因る要因【発病の第二要件】)という過重要因により、即ち、第一の要件と第二の要件とが同時に存在し、充足されることによる相剰効果に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことの先に、発病及び症状の重症化の進行が待っているということなのです⦅発病患者14689例に上る事象事実としての「脳機能データ」が存在しているのです。『二段階方式』の手技を活用して、横軸に「前頭葉」の機能レベルを測定し判定したプロットを、縦軸に「左脳及び右脳」の機能レベルを測定し判定したプロットを連結させた『前頭葉を含む脳全体の機能レベルの推移を示す分布が描くカーブ』を示す図表が存在している)。

様々な種類が数ある認知症の内の90%以上を占めていて、世界中の権威(個人、機関)から、『発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ない』とされてきているアルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病(但し、無知な研究者が挙げるカレー、地中海料理、赤ワインも含めて、「食生活」とは関係が無くて、「脳の使い方」としての『生活習慣』であることに留意)であるというのが、和たち『二段階方式』の主張なのです(疫学的方法により実証済み)。

「社会生活」の面であれ、「家庭生活」の面であれ、「セルフケア」の面であれ、『前頭葉』が正常なレベルで機能していない限り、それらの生活面レベルでの様々な程度及び態様に因る支障が出てくることになる(「アルツハイマー型認知症」としての症状が発現する)のです。『意識的な世界』における脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常な機能レベルに在る「小ボケ」は、左脳、右脳及び運動の脳が正常な機能レベルに在ろうとも、アウトプットは全て、単なる老化現象ではなくて、『認知症の症状』の発現となることを理解すべきなのです。「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車』の『御者』の役割を担っているのが、意識的な世界に於ける『前頭葉の役割である』(脳全体の「司令塔」の役割)と私たち『二段階方式』は考えているのです。

このことに気づいていない上に、『DSM4』の規定の第二要件が確認を要求している失語、失認、失行(紛い)の症状自体が極めて重度の症状である(11の下位項目により構成されていて、30点が満点であるMMSEの総得点が一桁の得点にしかならない極めて重度の段階に在る、私たちの区分で言う末期の段階である大ボケの段階更に後半になって初めて発現が確認されるほどに極めて重度の症状であることに気づいていないで、逆にそれらの症状が初期症状であると規定している重大な誤りの内容である)ことに気づかないでいる為に、『脳のリハビリ』の実施により回復させることが可能である本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が発病の対象から外されている見落とされている)のが実態なのです。本当の意味での早期の段階を見落としていて、末期の段階であることも知らないで『大ボケ』の段階の症状や、頻度や程度が少し進んだ「物忘れ」の症状の確認や、果ては、僅かな「海馬の萎縮」などの確認だけを根拠に発病と診断していて、おまけに、『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ない』と公言してもいるのです。「アルツハイマー型認知症」も、症状を治す為には、早期診断【小ボケ及び中ボケの段階で見つける事】と早期治療【「脳のリハビリ」の実践】が不可欠なのであり、末期の段階【大ボケの段階】で見つけて居たのでは、治すことは出来ない見つけるのが遅すぎるだけ】のです。

二段階方式の手技を活用して集積した精緻な脳機能データ、『アルツハイマー型認知症』発病者の前頭葉を含む脳全体の脳機能レベルの分布を解析し、図示した『事象事実』としての「脳機能データ」が証明しているのです。脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能が、正常な機能レベルで働くことが出来なくなった時から(私たちの区分で言う小ボケ)、「アルツハイマー型認知症」の発病はもう始まっているのです。左脳、右脳及び運動の脳の全ての機能が正常な機能レベルで働くことが出来ていても、肝心の司令塔の「前頭葉」が正常なレベルで機能出来なくなったときから(異常なレベルに衰えてきた時から)、「アルツハイマー型認知症」の発病は始まっているのです。

前頭葉』が意識的な世界における脳全体の「司令塔」の役割を担っているという構造問題が存在している為に、「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルであることが、『意識的な世界』意識的な思考、思索、観察、理解、決断、発言、動作、行為、行動、言動)での『全ての種類及び態様によるアウトプットに対して、脳の機能構造的に必ず反映されることになるのです

           

&3  本当の意味での、アルツハイマー型認知症の「初期症状」(脳の機能レベルと症状の特徴)

アルツハイマー型認知症は、器質的な原因病変が何等確認されないにも拘らず発病するのです(私たちは、『加齢』に起因した機能低下の進行とナイナイ尽くし単調な生活習慣」の継続に起因した『廃用性の異常な機能低下』の進行という、「異なる二つの要因」が同時に存在し、充足されることに因る相剰効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことが、発病及び症状の重症化が進行していく、唯一で真の原因なのです)。

前頭葉』を含む脳全体の機能が異常なレベルにに機能低下したことにより、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移そうとする時、様々なレベルでの生活面に支障が出てくる病気のことを「アルツハイマー型認知症」と言います。どんな生活面で支障が出てくるのかは、高度なレベルから「社会生活」、「家庭生活」、「セルフケア」の3つの面に区分されます。どんな内容、レベルのものであれ、「社会生活」を行うのに要求される脳の機能レベルは、「家庭生活」に要求される脳の機能レベルよりも高いものが要求されるし、「家庭生活」を行うのに要求される脳の機能レベルは「セルフケア」に要求される脳の機能レベルよりも高いものが要求されるのです。「前頭葉の機能が異常なレベルに低下」していることが原因で、生活面に「支障」があると言うことは、支障が「認知症の症状」として認められると言うことなのです(「加齢」という要因だけの場合には、認知症の症状が発現してくることは無いことに注意が必要です:私たちが集積した『加齢』に起因した脳機能の低下のカーブ【正常老化のカーブ】がそのことを証明しているのです)。

)「認知症の発病」である為の確認されるべき要件として、『前頭葉』を含む脳の機能が全般的に機能低下したことにより』という要件が存在しています。私たちの区分で言う「小ボケ」の段階については、『「前頭葉」の機能だけが異常な機能レベルに在って、左脳、右脳及び運動の脳は未だ正常な機能レベルに在る』と定義しています。但し、「前頭葉」が脳全体の司令塔の役割を担っているという機能構造に鑑みて、「前頭葉」の機能が異常なレベルに在る限り、その全てのアウトプットは、異常なものとなるということから、『「小ボケ」の段階の症状は、認知症の発病としての症状である』と考えるのです。&4で、『小ボケ』の段階に特有な症状としての「類型的な症状」として例示したものの内容について、『脳の機能面』という物差しと視点で観察し、理解して頂ければ、それらの症状が単なる「老化現象ではなくて、「アルツハイマー型認知症」の症状であることが理解できると思うのです。専門家に対する注意を喚起しておくと、老化現象である場合は、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在ることが確認されるのであり、「小ボケ」の場合は、「前頭葉」の機能が異常な機能レベルに在ることが確認されるのです。

私たちは、こうした視点から、社会生活、家庭生活、セルフケアの3つの「生活区分」に対応した「前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状」について、二段階方式のデータを蓄積してきたのです。蓄積されたデータを分析し、「アルツハイマー型認知症」の脳の機能の衰え方とそれに対応した症状、「三段階に区分」され、且つ、それぞれに「グループ分け」された「段階的症状」をパターン化(類型化)してきてもいるのです(「改訂版30項目問診票」)。

脳全体の司令塔の「前頭葉」の働きが異常なレベルに衰えてきている人達、言い換えるとアルツハイマー型認知症の症状を示している人達は、脳の働き具合とそれに対応した症状のレベル及び正常なレベルへの回復の可能性と言う視点から区分すると、軽いほうから回復させることが容易な「軽度認知症」(「小ボケ」:社会生活面に支障)、回復させることが未だ可能な「中等度認知症」(「中ボケ」:家庭生活面にも支障)及び回復させることが最早困難な「重度認知症」(「大ボケ」:セルフケア面にも支障)の「三つの段階」に区分されるのです。世界中の認知症研究の専門家とされる人達は、「脳のリハビリ」(前頭葉が活性化する生活習慣への改善)の実践により回復させることが可能(症状を治すことが可能の意)であるという意味で、本当の意味での「早期の段階」(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の存在及びその症状の類型について無関心であり、無知であるだけでなくて、発病の末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)の症状の類型についてさえも不十分な知識しか有してはいないのです。「DSM-4」の第一要件及び第二要件の規定内容自体が重大な誤りであること並びに第一要件が正しいことを前提とした主張である『アミロイドβ仮説の主張内容が誤りである』ことに気が付かなくて、その権威に追随したままなのが、諸権威機関の現状なのです。

『アルツハイマー型認知症』だけに確認される特徴として、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が、最初に異常なレベルに衰えて行き発病する【小ボケの段階の症状】。次いで、『前頭葉』の機能が更に機能低下を進行させていく中で同時進行的に、左脳、右脳、運動の脳の順番に機能が異常なレベルに衰えて行く(中ボケの段階を経て末期の段階である大ボケの段階へと移行していく)こと。並びに、MMSEが左脳及び右脳の働き具合を判定する下位項目について、出来なくなっていく(機能が衰えて行く)厳密な順番が存在し、その順番は、必ず以下の通りとなること(『MMSE下位項目の項目の困難度の指標』という事象事実としての脳機能データが存在するのです)。

想起注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順

14689例に及ぶ『アルツハイマー型認知症』発病患者(小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階を含む)の脳機能データが示す事象事実について、「アミロイドβ仮説」では合理的に説明することは不可能なのです。内容的には、重大な誤りでありながら、「DSM-4」の策定者達及び「4つの仮説」の提唱者達に権威が有るが為に、それだけのことで、未だに世界を席巻していて、弊害だけをまき散らしているのです。治すことも予防することも出来ないとされる状況が継続したままで、治療薬が一向に開発されないままに、末期の段階の「大ボケ」(セルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠の状態のままで、身体だけが長持ちしている)のお年寄りの数が更なる高齢化の進行という社会状況下で、際限もなく増大することで、『介護関連の総費用』(CTやf-MRIやPETまで持ち出して、高額の診療費を稼ぎながら、「発病のレッテルを貼るだけ」に過ぎない診断費用、「半年から1年程度症状の進行が遅れるかもしれない」との説明の下で処方される「治療効果は無くて、単なる対症療法薬」でしかない薬の処方の費用、結局のところセルフケアにも重大な支障が出て来て介護が不可欠となる「大ボケ」の段階のお年寄りの限りない増加による介護費用)の額が、天文学的な規模に膨れ上がってきていて、更には、急激にとめどもなく増加し続けているのです。「一般会計」に載せられて、国会審議にかけられているものと「特別会計」で処理されて、国会審議にかけられていないものの両者を併せると、国民の皆さんが聞いたら泡を吹きそうになる程の巨大な額、天文学的な規模の数字になっていて、然も毎年膨張する一方で、留まることを知らない状況が放置された儘なのです。

&4 「脳のリハビリ」により、回復させることが容易な「軽度認知症」(小ボケ)の段階の症状とその特徴

認知症の専門家とされる人達は、米国精神医学会が定めた「アルツハイマー型認知症」の診断基準である「DSM4」の規定内容を基礎として「アルツハイマー型認知症」を捉えているので、言い換えると、「末期の段階」の症状である極めて重い症状だけにしか関心がないので、治せないものとの前提に立ってしか考えていないのです。私たちは、「二段階方式」と呼称する『精緻な神経心理機能テスト』を開発して、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとその直接のアウトプットとしての症状を正常なレベルから異常なレベルにまで連続したものとして、或いは、軽いほうから重いほうへと並べて類型化し整理しているので、更には、「脳のリハビリ」により治せるかどうかの指標の下に分類しているので、症状自体についても、専門家とされる人達とは症状の観察の仕方も根本的な相違があるのです。

私たちの区分で言う「小ボケ」は、脳の働きから言うと五感を通して情報を取り込み「前頭葉」に送る役割の左脳も右脳も運動の脳も正常な機能レベルにあってちゃんと働いているのに、三頭立ての各馬と協働し、且つ、それらを支配しコントロールしながら、状況を判断し、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、テーマを実行する為に必要な実行内容の企画や計画を行い、実行結果の推理や予測やシミュレーションの結果に基づく必要な修正を施し、最終的な実行内容とその程度及び態様を選択して決定し、三頭の馬に対して実行の指令を出す役割を担っている脳全体の司令塔、三頭立ての馬車の「御者」である「前頭葉」の機能だけが、廃用性の加速度的で異常な機能低下により、異常な機能レベルに衰えてきている状態を客観的な指標により判定し、捉えて言っているのです。とはいえ、「セルフ・ケア」は自分で何の支障もなく行えるし、「家庭生活」面での支障も何ら起きてきてはいないのです。家の外に出て行って、人と交わり、何等かの「テーマ」を共に実行する生活となる「社会生活」の面で支障が出てくるようになる、それが「小ボケ」(軽度認知症)の段階なのです。。

脳の働きが「小ボケ」レベルの時、日常の生活面で明瞭に発現する「アルツハイマー型認知症」の症状について、「小ボケ」の段階に特有な類型を参考までに列挙しておきましょう。世界的に権威があるとされている米国精神医学会の診断規定である「DSM4」が「アルツハイマー型認知症」診断の「第一の要件」として規定している「記憶障害」の症状はその欠片さえも確認されず、『「前頭葉」の機能障害に起因した症状ばかり』だということに注意を向けていただきたいのです。家の外に出て行って人と交わり何らかの共通の「テーマ」を実行する場である「社会生活」を送る際に、以前は出来ていたことなのに、今は、出来なくて、様々な支障が起きてくるのです。以下に例示する症状は、老化現象ではなくて、『アルツハイマー型認知症』としての症状なのです。「老化現象」であるか、アルツハイマー型認知症としての症状であるかを鑑別するには、『前頭葉』の機能が正常なレベルに在るか/異常なレベルに在るかを、精緻に判定し、鑑別できることが不可欠の条件となるのです。その為の有効な手技としては、私たちの『改訂版かなひろいテスト』しか開発されていないのが現状なのです。

○眼の光がどんよりしていて、表情に力がなく、無表情、無感動の様子が見て取れる

○問いかけに対する反応が遅くて、生き生きした笑顔が見られない

○何事に対しても、意欲がなくなる

(何かをしようとする意欲が出てこない様子)

(何をしたいのかを思いつかない様子)

(何をするにも億劫で、面倒がるようになる)

(何事につけても、直ぐに人を頼りにする)

(外出するのを面倒がり、嫌がるようになる)

(おしゃれに関心がなくなる)

(人付き合いを面倒がるようになる)

(新しい道具を使うのを面倒がるようになる)

○此処と言うときに、その「テーマ」についての「発想」が湧いてこなくなる

(会議などで、意見やアイデアを思いつかない)

(料理の献立が単調になる)

(いつも同じパターンの食材ばかりを買ってくる)

○肝心の「意欲」自体が出てこなくて、自分で「計画」して何かを始めようとしなくなる

(色々なことを自分で計画するのが面倒になる)

(買い物に行くと、お札ばかり使うので、小銭がやたらと貯まるようになる)

(料理の献立を考えるのが面倒になる)

(家人に指示されると、草むしりや洗濯や片付けなど家庭内の用事程度のことはこなせるが、自分から  やろうとはしなくなる)

○「根気」が続かなくなり、何かをやり始めても、すぐに投げ出してしまう(テレビを見ていても、同じ番組を続けて見ていられなくてチャンネルを直ぐに変えるようになる)

○機敏な動作が出来なくなる(歩く時も前かがみの姿勢となり、小股でトボトボと歩く)

○毎日ボンヤリとして過ごし、居眠りばかりするようになる

○食事の支度をしていて、鍋を度々焦がすようになる

○自動車を運転すると、軽微な自損事故が目立って増えてくる

(歩道に乗り上げる、こする、バックの確認をしないでぶつかる)

(信号無視や右折/左折のウインカーの指示を忘れる)

(流れに乗れなくて、同乗者が怖いほど、スピードが遅い):交通量が多い広い道を、時速30Kmで走り、車の列を従える。「前頭葉」の三本柱の機能である「注意の分配力の機能」が廃用性の機能低下により異常なレベルにまで衰えてきていることが原因【小ボケのケースが多く、稀に中ボケのケースがあるが、大ボケのケースは有り得ない)で、道路の状況、車や人の流れや交差点の状況等に目配りや気配りと言う「必要な注意を各対象に分けて配る」ことが出来なくなり、真っ直ぐ走らせるのが精いっぱいの状況にある為、道の真ん中寄りを時速30Km程度の速度でノロノロ運転することになるのです。『二段階方式』の手技を実施して、「前頭葉」の機能レベル(就中、注意の分配力の機能レベル)が正常であるか/異常であるかを判定してみれば、容易に鑑別できるのです。⇒車を運転していて、交差点に差し掛かって、信号が赤だと気づくにも、信号が赤である時は手前で車を止めることが要求されていることを意識するにも、ブレーキを踏んで白線の手前で車を止める動作を実行するにも、『注意の分配力』の機能が正常な機能レベルに在ることが必要不可欠の条件となるのです。

○話の流れに乗れず、話の輪にも入っていけなくて、主題とは関係のない話を自分勝手に唐突に話す

○オルゴール・シンドローム現象が起きてくるようになる(同じ話を何度も繰り返して話していて、本人はそのことに気付かないでいる)

○社会生活に支障が出てくるようになる(人と交わり、コミュニケーションをとりながら何らかの目的に沿った行動が要求される家庭の外での生活、「社会生活」に支障が出てくるようになる)

)「脳のリハビリ」の実施により症状を治すことが出来る本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」(回復させることが比較的容易)及び「中ボケ」(家族の心のこもった後押しが有れば、回復させることが未だ可能)の段階の『類型的な症状』について、次回のこのブログで、「中ボケ」について例示し、説明する予定です。

(エピローグ)『4つの仮説』だけが席捲してきた「アルツハイマー型認知症」の発病原因の主張内容について、スエーデンのカロリンスカ研究所が、「生活習慣が危険因子である』との研究論文を発表したことを皮切りにして、昨今話題の「AI技術」の活用による『生活要因』という新たな視点からの研究発表が相次いでいます。とは言え、検索及び解析の対象となる項目について、脳の使い方としての『生活習慣』並びに『注意の分配力』の機能の発揮の度合いが直接関わる生活習慣及びその在り方という視点からの情報が含まれていない限り、結果は、地中海料理を食するのが予防に効くとか、ココアや赤ワインの飲食が効果があるとかの『奇妙奇天烈な結果』が出てくることになることを、一般の皆さんにも、敢えて、注意喚起しておきたいのです。

本著作物「Dー08」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。

  エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)  脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

 


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アルツハイマー型認知症の発病と本当の意味での早期の段階の症状(D-09)

2019-09-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

年とれば 堰切るごとに 物忘れ   アレょアレょと 言葉を知らず

&1「アルツハイマー型認知症」(我が国では、アルツハイマー病と呼ぶ学者や医師もいる)の症状は、「三段階」に区分されるのが特徴 

(1)   厚生労働省の発表によると、認知症のお年寄りの数は現在600万人超と言われています。600万人超もの認知症のお年寄り(90%以上がアルツハイマー型認知症であることに注意)とは、自分が住んでいる家が分からなくて徘徊したり、同居の家族の名前や顔も分からなかったり、ズボンを頭から被ったり、トイレの後始末も出来ないで、セルフ・ケアにも介助が要る末期の段階の人達、私たちの区分で言う重度認知症(「大ボケ」)の人達だけの数なのです。医学会の現状はというと、『DSMー4』の「第二要件」の規定内容が重大な誤りであることに気づいていない為に、末期の段階である「大ボケ」の更に後半の段階(11の「下位項目」により構成され、30点が満点である『MMSE』の総得点が、一桁にしかならない脳の機能レベルに在る「お年寄り」に確認される失語や失認や失行と言った症状が、「アルツハイマー型認知症」の初期症状であると誤解したままで、それらの症状の確認を待って初めて発病と診断しているのです。もっと軽い段階があるとは何故か考えようとしないのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきて、末期の段階である『大ボケ』になってしまうと、本当の意味での早期の段階、「脳のリハビリ」の実践による正常な機能レベルへの回復及び症状の進行の抑制、或いは緩やかな進行という治療の効果が最早期待できなくなり、「セルフ・ケア」にも支障が出てくるので、日常の生活面での『介護』が不可欠の状態となってしまうのです。

1)「小ボケ」や「中ボケ」の段階自体が見落とされている現状では、『大ボケ』のお年寄り家族介護を礼賛するかのような、「介護生活に関わる楽しさや、喜びや、生き甲斐」なるものを、テレビに出てきて語ったり、新聞に連載したり、ブログで発表したり、本まで出版している人達が大勢いるのです。「大ボケ」の段階に在る「親の介護」以外に何等の目標となることも、生き甲斐や喜びを覚える「テーマ」も見いだせない人達が、『「大ボケ」の親の介護』という「テーマ」に挑戦する事自体は、個人の自由であり、反対はしないのですが、そうした価値観の人達と言えども、『介護離職』が100万人を超えている現在の社会状況に目を背けてはならないのです。更に問題を指摘すると、専門家である医師達が見落としている『本当の意味での早期の段階』、発病者が私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の「お年寄り」であれば、『脳のリハビリ』(自分なりに「注意の分配力」の機能の出番が多いテーマを日々実践することに因りにより、「前頭葉」の機能が活性化してきて、前頭葉を含む脳全体の機能レベルを正常な機能レベルに回復させることが出来る(症状を治すことが出来る)のであり、家族による関わりについての諸般の事情により、それがかなわない場合であっても、症状の進行を抑制し、或いは、進行を緩やかにすることが出来て、末期の段階である「大ボケ」にまでは落とさないことに因り、『介護の予防』という成果も獲得することが出来るのです。「大ボケ」の段階に在る「お年寄り」の介護は、『前頭葉』を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行という要因の存在により、どれだけ介護に励もうとも、症状の進行を緩やかにすることも、症状を治すことも困難になってしまうのです。「アルツハイマー型認知症」を発病した「親に対する介護」に励むのであれば、回復の可能性が有る/或いは、症状の進行を緩やかにすることが出来る「小ボケ」/「中ボケ」の段階で見つけて、「脳のリハビリ」の実践の後押しに心を傾け、努力すべきだと考えるのです。「介護する側」にとって、その方が真の意味での価値ある喜びや、生き甲斐につながると思うのです。「大ボケ」の介護を礼賛する発言や活動に注力している人達は、私が提起するこのテーマに正面から対峙していただきたいと思うのです。

注2)認知症の専門とされる医師達は、「失語や失認や失行等の症状」が、『11の下位項目により構成され、30点が満点であるMMSE』の総得点が一桁になって初めて発現が確認される極めて重度の症状であることを知らないでいて、米国精神医学会が定めた診断規定である『DSM-4』の第二要件が「失語や失認や失行の症状」が発病の初期症状であると規定重大な誤りの内容)していることに疑いを持たないままに、それ等の症状の確認を待って、初めて『発病と診断している』のです。もはや治すことも出来ないし、症状の進行を緩やかにすることも出来なくて、『介護の途』しか残されていない末期の段階で発病を見つけて、「発病のレッテル張り」をしているだけなのです。医師達は、何故、発病のレッテル張りだけの診断に満足し、そうした診断の在り方に疑いを持たないで居るのか。その方が、もうかるからなのです。早期診断と称して、CTやMRIやSPECTやPETを診断に用いることが多いのですが、実際には、CTやMRIやSPECTやPETを診断に用いようとも早期診断は、不可能なのです。早期診断(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つける事)は、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定することによって初めて可能であるからなのです。 この早期の段階を見つける方法、『前頭葉』の機能レベル(実際の手法としては、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能レベル)を個別に及び総合して精緻に判定することが出来る「手技」は、保険点数が極めて低い『かなひろいテスト』しか存在していないので、必要な規模の売り上げが立たない為に、早期の段階で見つけることに医師達の多くは、関心が無いのです。

(2)   世界中の認知症研究の専門家と言われる人達が気づかないで見落としている本当の意味での早期の段階、『脳のリハビリ』の実践により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階であり、私たちが問題にしている「軽度認知症」(「小ボケ」)及び「中等度認知症」(「中ボケ」)のお年寄りは、「アルツハイマー型認知症」の発病者の数には入っていないのです。後述する『MCI(Mild Cognitive Impairment):軽度認知障害』等という極めて曖昧な基準、外観から推測するだけで、客観的な判定要件が規定されていない基準を基礎として、副作用だけで、治療効果を有していない薬(症状を回復させる効能も、症状の進行を緩やかにする効能も有しない単なる対症療法薬であり、治療薬ではない)が処方されているのが医療現場の実態なのです。その問題を自覚している心ある医師達は、それら「4つの」「対症療法薬」に対して健康保険の適用を除外す」べきだと主張しているのです(仏国では、既に適用除外とされている)。

(3)   認知症とは、「一旦完成された脳機能が、何等かの原因で全般的に機能が低し、社会生活や家庭生活やセルフケア等に支障が起きてくる病気」と定義されます。つまり、もともとは正常な『社会生活』を営んでいた人に起きてくるものである以上、現在セルフ・ケアもおぼつかなくなっている人であっても、過去に遡れば正常であった時期があり発病後に『前頭葉』を含む脳全体の機能についての加速度的で異常な機能低下の進行により症状が次第に重症化していった結果ということなのです。「アルツハイマー型認知症」(生まれつき、特定の遺伝子に異常が確認される人達だけが発病して、且つ、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」とは根本的に異なる病気)は、老年発症が特徴なのであり、『第二の人生』を送る60歳を超える年齢の「高齢者だけが(私たちが規定する発病の「第一要件」)発病の対象となる特徴を有するのです(生まれつき特定の遺伝子に異常が存在する人だけを対象にして発病し、若年発症を特徴とするアルツハイマー病と廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないアルツハイマー型認知症とを総称して「アルツハイマー病」と呼称する人達が我が国にはとても多いのですが、両者は根本的に異なる種類の認知症なのです)。

(4)   廃用性の機能低下(『前頭葉』の使い方が不十分/『注意の分配力』の機能の出番が不十分な「脳の使い方」としての『生活習慣』)に起因して発病する「アルツハイマー型認知症」は、症状が徐々に段階的に進むのが特徴なのです。昨日まで正常だったお年寄りが、「アルツハイマー型認知症」を発病した途端に、同居の家族の名前や顔も分からなかったり、ズボンを頭から被ってみたり、トイレの後始末も自分で出来ないで、セルフ・ケアにも重大な支障があって、介助が要るようにはならないのです。『DSM―4』の「第二要件」が規定する失語や失認や失行の症状が初期症状であるとする考えは、「アルツハイマー型認知症」の無知からくる重大な誤りの内容なのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを「二段階方式」のテストで調べてみると、軽いほうから順に、「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の「三段階」に分かれていることが確認されるのです(14689例の症例のデータ)。

私たちが独自に開発した「二段階方式」の神経心理機能テストを実施(前頭葉の機能レベルを「かなひろいテスト」で、左脳及び右脳の機能レベルをMMSEテストで判定)してえられたものであり、「アルツハイマー型在認知症」の発病者と判定されたお年寄り達の『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル厳密にリンクして発現するのを特徴とする症状であり、「三段階」に区分される類型的症状を集積した143689例に上る『脳機能データ』から、「アルツハイマー型認知症」の症状は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の「三段階」に区分されることが分かるのです。

私達が問題にしているのは、「大ボケ」に先立つ「小ボケ」と「中ボケ」の段階の存在が見落とされていることなのです。年のせいと言われていたり、不活発病の名前を冠せられたままで居たり、MCI(軽度認知障害)という極めて曖昧な基準の適用対象にされて放置されている「小ボケ」と「中ボケ」とをあわせると、「大ボケ」の2倍もいるのです。「大ボケ」に「小ボケ」と「中ボケ」とをプラスすると、「アルツハイマー型認知症」の発病者達の数は、既に1000万人を超える規模になっていると考えられるのです。「小ボケ」は、「社会生活面」での支障が出てくる段階であり、「中ボケ」は、「家庭生活面」での支障が出てくる段階であり、『DSM-4』の「第二要件」が確認を要求している失語や失認や失行の症状はその欠片も確認されない段階なのです。「中ボケ」でさえも、それなりのレベルでの会話も行えるものなので(日常の生活面で、『家庭内の簡単な用事』程度の実行で、種々の失敗を重ねていても、それなりに言い訳を並べ立てることが出来る)、診断を行う医師等の専門家達が、発病とは気づいていないのです。認知症研究の専門家達とは言え、学者も医師も、『前頭葉』の機能レベルを含む脳全体の機能レベルを精緻に判定出来る「手技」を持たないことが原因なのです。

☆アルツハイマー型認知症の発病の場合の上記三つの段階における脳の機能と生活実態との関係の概要を整理すると、以下の表のようになります

〇 「アルツハイマー型認知症」の症状の「三段階」と脳の機能レベルとの関係及び生活実態

脳の機能レベル

生活実態としての症状

段階区分

正常レベル

正常

正常

前頭葉のみ異常なレベルに低下

但し、後半領域は正常レベル

社会生活面のみに支障指示待ち人

小ボケ

前頭葉低下の更なる進行+後半領域も異常な機能レベルに低下

家庭生活面にも支障
 言い訳のうまい幼稚園児

中ボケ

前頭葉低下の更なる進行+後半領域の機能の更なる低下の進行

セルフケアの面にも支障脳の寝たきり児

大ボケ

2 『脳のリハビリ』により、回復させることが未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)の症状とその特徴(「小ボケ」の症状は、前回「D-08」を参照

中ボケ』の段階になってくると、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行しようとする際に不可欠の機能である『前頭葉』の働き具合が、廃用性の加速度的で異常な機能低下によって、「小ボケ」の時のそれよりも加速度的に更に衰えてきています。加えて、「小ボケ」の段階では正常な機能レベルにあった、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」までもが、異常な機能レベルに衰えてきているのです(「中ボケ」の段階から、前頭葉を含む脳全体の機能が、異常な機能レベルに衰えてきていることに注意して下さい)。廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行することに因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が『中ボケ』の段階にまで衰えてくると、食事、着衣、大小便、入浴等、身の回りのことは、自分で一応のことが出来るので、セルフ・ケアの面で周りの家族に迷惑をかけることはないのですが、『家庭内の簡単な用事』程度のこと(ex.炊事、洗濯物の整理、掃除、庭の草花の手入れ、簡単な畑仕事等)でさえ、満足にはできなくなるので、「家庭生活」の面での様々な支障が起きてくるようになるのです。

この場合、『DSM-4』の「第一要件」の規定や『4つの仮説』が発病を惹き起こす原因条件とする「記憶障害」が原因で、『家庭内の簡単な用事』程度の事案の遂行に支障が出てくる訳ではないことに注目して頂きたいのです。『前頭葉』の機能、就中、『注意の分配力』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、「小ボケ」の段階よりも更に異常な機能レベルに衰えてきていていることに加えて、「左脳、右脳及び運動の脳の機能」までもが異常な機能レベルに衰えてきていることが、「中ボケ」の段階の症状が発現する核心的な要因なのです。

『前頭葉』を含む脳全体の機能が「中ボケ」レベルの時、日常の生活面で明瞭に発現が確認される「中ボケ」の段階に特有な類型的症状について、その症状を列挙しておきましょう。「DSM-4」が「第一の要件」として規定している「記憶障害」の症状は、「中ボケ」段階となっても未だ、部分的に過ぎず、その中核となる症状ではないことに気づいていただきたいのです。

抑制が効かなくなり、感情がもろに表に出てくるようになって、「ボンヤリと暮らしている」だけの日々を送るようになる

「時の見当識」に、順次、以下のような支障が出てくる

(「中ボケ」の初期には、今日が何日か、平成何年なのかが言えなくなります。MMSEの換算後の得点が19点以下となる「中ボケ」の中期になると、今の季節が何時なのかが言えても、今が何月なのかが言えなくなります。今の季節があいまいになる時から大ボケに入っていき、昼夜が分からなくなると、大ボケの後半に入っていきます。「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、『時の見当識』には、衰えていく厳密な順番があり、日、年、月、季節、昼夜の順に言えなくなっていきます。)

「脳のリハビリ」による回復の可能性についていうと、MMSEの得点が20点以上であれば(大まかな目安として今何月なのかが言える)、集団の中での「脳リハビリ」メニューが可能なのに対し、20点を切ると、個別での「脳リハビリ」が不可欠となるのです。

箪笥の整理が出来ない、洗濯物の畳方が雑、食器も整理してしまうことが出来ない

ガスの消し忘れや水道の蛇口の閉め忘れが、週に数回起きてくるようになる

自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来なくなる

簡単な計算もできなくなる

料理の味付けが可笑しくなる(塩辛すぎて食べられないものを作り、本人だけが平気で食べる)

服を自分で着ることはできるが、季節に合ったものを選べなくなり、着方にだらしなさや可笑しさが目立つようになる

(セーターの上からYシャツを着たり、パジャマの上にズボンを履いたり、前後ろに着たり、裏返しに着たりするようになる)

家族のことを正確に言えなくなる(自分の子供が何人か、名前を何と言うか、どこで何をして暮らしているかが正確には言えない)

パジャマを着たまま平気で表に出たり髪の手入れやお化粧を殆どしなくなる

昨日の出来事をすっかり忘れてしまうようになる(昨日の老人会の出来事を忘れているというのではなくて、昨日老人会に行ったこと自体を忘れてしまっている)

「所の見当識」が衰えてきて、自分が今居る場所が何処だか分からなくなる(自分の家に居るのに、夕方になって「今日は、長いことお邪魔しました。そろそろ帰らせていただきます。」と言い出し、出ていこうとする)

お金や持ち物の仕舞い場所を忘れてしまい、「盗まれた」と言って、騒ぐようになる(「物盗られ妄想」は、初めのうちは、通帳、財布、証書類などのことが多いのですが、次の段階では、化粧品や食料品などの日用雑貨に及ぶようになります)

前回例示した(D-08)の「小ボケ」の類型的症状や今回例示した「中ボケ」の類型的症状を見ても、「DSM-4」が「第一要件」で確認を要求する「記憶障害に起因した症状」という要件の内容自体が、誤りであることに気づいていただきたいのです。正しくは、『「前頭葉」機能障害起因した症状(any disturbance in executive functioning )』が正しい要件となるのです。『外観』からの観察に基づいただけの推測や憶測に頼っているだけで、『前頭葉』の個別認知機能群である「実行機能」の機能の発揮度を支配し、下支えている機能構造の関係にある「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能との関わり具合及び関わり方のメカニズム(“機能発揮上の二重構造”)の問題に気づかない限り、発病の原因を解明することは、不可能事であることを指摘しておきたいのです。その視点から問題点を指摘すると、世界中の認知症研究の専門家とされる人達は、『前頭葉』という脳機能も、『注意の分配力』という脳機能も備わっていない、マウス(アルツハイマーマウスを含む)の行動ばかりを、何時まで追いかけ続けるつもりなのでしょうかと問いたいのです。

&3 『軽度認知障害』(Mild Cognitive Impairment)という基準の問題点

(1)   『軽度認知障害』の基準を取り上げる学者や医師達の共通した要点の概要をまとめると、以下のようになります。

「記憶障害」という要件が中核をなしている基準であり、以下の要素の確認を要することとされている。

〇主観的な「物忘れの症状」の訴えが、本人や家族からあること

〇年齢に比し、「記憶力」が低下していること

〇複雑な日常の生活動作に最低限の障害があっても、基本的な日常生活機能は正常であること

〇全般的な「認知機能」は、正常であること

上記に加えて、「軽度認知障害」の該当者は、「アルツハイマー型認知症」だけでなく、他の原因による認知症発病の「前段階」であるとされていて、『正常な状態からから認知症発病までの間に位置するグレー・ゾーンである』とされているのです。まったく、意味不明の基準であり、極めて曖昧な概念説明であるというしかないのです。これが診断基準になると主張する人たちの杜撰さには、あきれるしかないのです。 

(2)   『記憶障害の症状』というとき、「加齢」という要因に起因した「前頭葉」を含む脳全体の機能低下が原因で発現する記憶障害の症状とは、所謂物忘れの症状のことなのです。これに対し、「アルツハイマー型認知症」の発病として発現する「記憶障害」の症状とは、「加齢」に起因した脳機能の低下という要因に加えて、「第二の人生」における脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下が加重されて起きてくる「前頭葉」を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で発現してくるものなのです。両者を鑑別する上での、最も重要な要件とは、物忘れの場合は、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在ることが確認されることであり、「アルツハイマー型認知症」の発病としての記憶障害の症状の場合は、『前頭葉』の機能自体が異常な機能レベルに在ることが確認されることなのです。前頭葉の機能レベルという視点も無ければ、前頭葉の機能レベルが正常であるか/異常であるかを精緻に判定/鑑別する「手技」を持たない状況で、上述したような極めて曖昧で、客観的な基準を持たない、「軽度認知障害」(MCI)なる基準そのものが、有効で、有益な「物差し」であるかのような説明をする学者や医師達が多いという実態に、心から驚かされるのです。

(3)   その原因は、専門家とされる権威ある彼ら自体が、『アルツハイマー型認知症』そのものについて無知であり、客観的で科学的な判定基準及び鑑別の為の手技を持たないことに在るのです。彼等には、権威はあっても、肝心の実力が無いのです。

上記(1)の概説を読んでみて頂きたいのです。具体的な被験者を前にした場合に、「軽度認知障害」の考え方を適用するに際し、客観的な要件が殆ど規定されていないことについて、何の疑問も抱かないで、客観的で適切で合理的な診断を実施できる医師がいるのでしょうか。特に、客観的な『診断基準』自体が存在していない「アルツハイマー型認知症」の発病の可能性の有無及び程度を、どのような客観的な証拠データに基づき判定し、診断を下すことが出来るというのでしょうか。

その上に重大な問題があることを皆さんにも知っておいて頂きたいのです。『軽度認知障害』に該当すると診断した場合、上述したように、医師達は、発病の予防とか、症状の進行を遅らせる為とか言いつつ、『薬』を処方するのです。症状を改善させる治療効果は無く、症状の進行を遅らせる治療効果さえも無く、単に、症状の発現の仕方に影響するだけの薬である『対症療法薬』に過ぎない「4種の薬=エーザイのアリセプトが代表例」を「予防薬」と称して処方しているのです。フランスでは既に、健康保険の対象から除外されている薬なのに。

&4「アルツハイマー型認知症」の発病に関わる『意識的な世界』

(1)様々な種類が数ある認知症の内の90%以上もの割合を占めていて、世界中の認知症研究の専門家達から、『発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ない』とされてきている 『アルツハイマー型認知症』、世界中の巨大な製薬会社が『治療薬』の開発に挑戦し、そのことごとくが失敗に終わっているのです。根本的な問題として、「アルツハイマー型認知症は、発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズム自体が、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』に関わる認知症だから」なのです。『意識』については、古代ギリシャ、ローマの時代から現在に至るまで、それこそ数えきれない程の数の哲学者や心理学者や脳科学者などが、『意識の機能構造』の解明に努力してきたのですけど、未だに解明できた人が一人もいないという現実があるのです。独自の手技である『二段階方式』の手技を開発してこの「テーマ」に挑戦してきた私たちは、『意識的な世界』、『意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界』での「前頭葉」を含む脳全体の機能の関わり方の解明に挑戦することに因って、世界で初めて、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム、症状が重症化するメカニズム、類型的で典型的な症状の「三段階区分」と早期診断による症状の回復(症状を治すこと)の具体的な方法、更には、発病自体を予防する方法を解明し、1995年の活動開始以来、北海道から九州に跨る地域の累計で452を数える極めて多数の市町村で、先駆的な実践、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復介護の予防並びに発病自体の予防を明確な目的とした『住民参加型の地域予防活動』として、その実践を指導し、私たちの主張が正しいことを、疫学的方法により実証してきたのです。

(2) 私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界は、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車の御者が運行する世界』と考えると、分かり易いかと思うのです。対象となるものが何であれ、私たちが意識的に何かを考え、発言し、行為し、或いは行動しようとする際に、無くてはならない脳機能、それが、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬と協働しつつ、それらを自在に操る三頭立ての馬車の「御者」、言い換えると、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉という脳機能であり、私たち人間だけに備わっている脳機能でもあるのです。『前頭葉』と言う脳機能は、私たち人間だけに特有の世界(マウスは愚か、DNAの98%が人間と同一であるとされるチンパンジーにも備わっていない脳機能であることに注意)である『意識的な世界』(意識的に何かをしようとする世界)を構築し、支配し、統括し、コントロールしている機能であり、自分が置かれているその状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った為すべき「テーマ」を発想し、発想したテーマの実行内容を組み立て、その実行による結果を推測し、シミュレーションして、必要な比較と選択を行って修正を加え、最終的な実行の内容、程度及び態様を決定し、実行の決断に基づいて脳の各部(三頭の馬)に対して実行の指令を出すと共に、実行の過程を終始観察し、統括し、監督し、コントロールしているのです。

(3)   その『前頭葉』の個別認知機能(理解、了解、了知、了承、考察、考慮、観察、監視、鑑賞、観賞、感動、抑制、反省、内省、忍耐、思索、思考、企画、計画、シミュ・レーション、創作、創造、洞察、推理、推察、推認、推測、推稿、構築、構想、構成、校正、詮議、詮索、想像、空想、妄想、探求、追及、究明、創意、工夫、比較、検討、評価、判定、判断、修正、選択、排除、排斥、除外、分別、分配、確認、確信、決定、決断、支持、指示、指揮、采配、支配、統率、統合、統括等)の総称である『実行機能』の『機能の発揮度』を左右し、下支えする働き(「二段階方式」の活用により集積した「脳機能データ」の解析により、私たちが独自に発見した『実行機能』の機能発揮上の「二重構造」の問題)を有する「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、『脳の使い方としての「生活習慣」の如何に拘らず「加齢」と共にその機能が直線的なカーブを描き乍ら緩やかに衰えていく』という生来的な性質(私たちが「正常老化の性質」と呼称する性質)が内在しているということなのです。そのデータによると、『「前頭葉」の三本柱の機能は、「18歳から20歳代の前半まで」の頃がピークで、「加齢」と共に直線的で緩やかなカーブを描きながら徐々に衰えていく(機能が低下していく)のです。そして、我が国での『第二の人生』が始まる60歳代の半ば頃には、ピーク時の半分くらいに機能が衰えてきていて、100歳代に向かって、直線的で緩やかに、更に衰えていくのです』。『加齢と共に、物忘れの症状の頻度が増していき、その程度が重くなっていく現象は、上述の「正常老化の性質」のカーブを色濃く反映した結果なのです』。但し、上述した『正常老化のカーブ』自体は、100歳代になっても異常な機能レベルには衰えてはいかないことを示しているのです。学者達の一部には、『アルツハイマー型認知症の発病は、加齢の延長線上にあると考えられる』と主張する人達がいるのですが、「脳機能データ」から言うと、『誤り』なのです。

(4)我が国での有力な学説とされているアミロイドベータ説(アミロイドベータというタンパク質が蓄積して「老人斑」が形成され、その毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死を招くことにより、「記憶障害」の症状が惹起されることが「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす直接の要因であると主張する仮説)やタウ蛋白説(タウ蛋白というタンパク質が、蓄積して「神経原線維変化」が形成され、その毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死を招くことにより「記憶障害」の症状が惹き起こされることが「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす直接の要因であると主張する仮説)の主張は、それらの主張と「アルツハイマー型認知症」発病との間に存在する因果関係について、未だに立証が出来ていない単なる「仮説」であり【「アルツハイマー型認知症」を長く患っていた結果として、末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)の更に後半の段階にまで症状が進行していった「お年寄り」、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-4」の第二要件が確認を要求している、失語や失行や失認の症状が確認された「お年寄り」達の、死後の脳の解剖所見」に共通して確認される「老人斑」(「記憶障害」を惹き起こす原因として、アミロイドベータ説が主張する根拠)や「神経原線維変化」(「記憶障害」を惹き起こす原因としてタウ蛋白説が主張する根拠)や「脳の萎縮」(記憶障害を惹き起こす原因として脳の萎縮説が主張する根拠)を何の根拠も無しに取り上げて、それらが「アルツハイマー型認知症」の発病の原因だと憶測し、因果関係の立証も無く、主張しているだけのことなのです】、これらの主張の内容が間違いであることは、簡単に立証することが出来るのです。 何故なら、「アルツハイマー型認知症」の根幹となる症状とは、『DSM-4』や仮説が主張している「記憶障害」に起因した症状なのではなくて、『前頭葉』の機能障害に起因した症状であるからなのです。「アルツハイマー型認知症」の症状について、認知症の専門家とされる人達は、外観から観測される症状を単に並べ立てるだけなのですが、私たちは、「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ生きた人間の「脳機能データ」と市町村での住民参加型の「地域予防活動」の実践指導の成果を根拠としているのです。

&5『アルツハイマー型認知症』の本態と発病するメカニズム(機序)

1.器質的な原因病変が何等確認されないのに、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す際に様々な支障が出てくるのがアルツハイマー型認知症と言うタイプの認知症の特徴なのです。ところで、脳の機能面から言うと、「意識的な世界」における全体の「司令塔」としての役割を担うのが「前頭葉」という脳機能なのです。「意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す」ことは、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭建ての馬車を動かしていくようなものであり、御者なくしては、どんなに立派な馬をつないだところで、馬車は動きようもありません。御者の働きが、「前頭葉」の働きだと考えると、分かり易いと思います。馬車が動くときいつも、御者が手綱を引いて馬全体を制御しているように、毎日の様々な具体的な思考や生活行動や言動の場面で、必ず、「前頭葉」が自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、実行する為の行為や行動を企画し、計画して、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーションの結果を比較し、評価し、選択して、最終的に何をどのようにするのかを判断し、決定しているのです。意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、この作業工程に見られるように、「前頭葉」が脳全体の司令塔の役割を担っているのです。

2.  「アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのです。

(1) 発病の「第一要件」は、60歳を超える年齢の「高齢者」であることなのです。『加齢』に起因した脳の老化の進行の問題が、発病の第一要件なのです。

それゆえに、「アルツハイマー型認知症」は、『老年発症』が特徴なのです。

(2) 発病の「第二要件」は、『第二の人生』を送る上で繰り返されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行の問題なのです。

すなわち、「第二の人生」での生き方、言い換えると、脳の使い方としての『生活習慣』の質が問われる病気なのです(「食生活」とは無関係であることに注意)。

(3) 「第一の要件」と「第二の要件」が同時に存在し、充足されることの相乗効果により発病するのです。「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に存在し、充足されることに因る相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくその先に、発病(小ボケの段階)及び症状の重症化の進行(「中ボケ」の段階を経由して、末期の段階である「大ボケ」の段階に至ること)が待っているということなのです。

若年層(ex:30歳代や50歳代の人達)が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」を継続していても、発病することにはならないのです。

逆に、60歳を超える年齢の「高齢者」であっても、現役で仕事を続けている限り(農業であれ、会社勤めであれ、職人であれ、現職で仕事についている限り)、前頭葉の出番が十分に確保された生活習慣が有り、それに付随して、注意の分配力の機能の出番が多い生活が確保されていることになるので、発病することは無いのです。但し、「現職」と言っても、肩書だけの場合は、除外されることに注意してください。

&6 「アルツハイマー型認知症」からの回復及び症状の進行の抑制による介護の予防並びに発病自体の予防

『前述のように「アルツハイマー型認知症」は、日々の「脳の使い方」としての視点で言う『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が発病及び症状の重症化の進行を左右する、唯一で核心的な要因である「生活習慣病」なのです。「加齢に因る脳の老化」と「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続による廃用性の機能低下の進行」という「異なる二つの要因」が重なる(同時に存在し、且つ、充足される)ことに因り、その相乗効果によって、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させることに起因して発病し、症状の重症化が進行していくものである「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の衰え方にも明確な特徴があるのです。

その「特徴」となるのは、

① 最初に、最高次機能である「前頭葉の働き」が異常なレベルに衰えていくこと

② 次いで、高次機能である「左脳と右脳の働き」が異常なレベルに衰えていく

③ 更に、『MMSE』で判定される高次機能には「衰えていく極めて厳密な順番」が事象データとして確認されているのです。

従って、「前頭葉」を含む脳全体の機能がどこまで衰えているのか(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル)及びその脳全体の機能レベルでは、どんな症状を特徴的に示すのか(生活実態としての類型的な症状)を調べることで、「アルツハイマー型認知症」を発病している人の認知症のレベル(「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の段階)を精緻に判定することができるのです。

エイジングライフ研究所が開発し、市町村の保健師さんが使いやすいように実務化した「二段階方式」の手技は、御者の働きをする「前頭葉」の働き具合を『かなひろいテスト』で判定し、馬の働きをする左脳と右脳の働き具合を『MMSE』で判定し、両者の機能レベルを総合的に判定することにより、『アルツハイマー型認知症』の重症度を精緻に判定することができます。更には、回復が困難で介護するだけのレベルである「大ボケ」と回復可能な本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」とを区別して、脳の機能レベル毎に適切な対応ができるように工夫されているのです。

「小ボケ」と「中ボケ」に対しては、第一義的には、「脳のリハビリ」の実践指導による前頭葉を含む脳全体の機能の正常な機能レベルへの回復(アルツハイマー型認知症の症状を治すこと)を達成目標とすること、第二義的には(何らかの事情により、回復させることが困難であった場合でも)、末期の段階である「大ボケ」には症状を進行させないことによる介護の予防を達成すること(認認介護介護離職を失くすこと)を目標としているのです。こうした活動が一定の成果を挙げることに因り、日常の生活面での『介護』が不可欠となる「大ボケ」の段階の症状が確認されるようになる「お年寄り」の数を顕著に減少させることが出来、精神的、肉体的、経済的な負担が極めて大きい「大ボケのお年寄り」の「家族介護」の必要性を失くすことにもつながるのです。ひいては、「介護保険制度」が財政面から破綻する状況を失くすことにもつながるのです。

本著作物「Dー09」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。

 

 

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