年とれば 堰切るごとに 物忘れ アレょアレょと 言葉を知らず
&1「アルツハイマー型認知症」(我が国では、両者の区別が分からなくてアルツハイマー病と呼ぶ学者がいる)の症状は、「三段階」に区分されるのが特徴
(1)厚生労働省の発表によると、認知症のお年寄りの数は現在600万人超と言われています。600万人超もの認知症のお年寄り(90%以上が、アルツハイマー型認知症であることに注意)とは、自分が住んでいる家が分からなくて徘徊したり、同居の家族の名前や顔も分からなかったり、ズボンを頭から被ったり、トイレの後始末も出来ないで、セルフ・ケアに二も介助が要る末期の段階の人達、私たちの区分で言う重度認知症(「大ボケ」の段階)の人達だけの数なのです。
注1)医学会の現状はというと、『DSMー4』の「第二要件」の規定内容が重大な誤りであることに気づいていない為に、末期の段階である「大ボケ」の更に後半の段階(11の「下位項目」により構成され、30点が満点である『MMSE』の総得点が、一桁にしかならない脳の機能レベル)に在る「お年寄り」に確認される失語や失認や失行と言った極めて重度の症状が、「アルツハイマー型認知症」の初期症状であると誤解したままで、それらの症状の確認を待って初めて発病と診断しているのです。もっと軽い段階があると、何故か考えようとしないのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきて、末期の段階である『大ボケ』になってしまうと、「脳のリハビリ」の実践による正常な機能レベルへの回復及び症状の進行の抑制、或いは緩やかな進行という治療の効果が最早期待できなくなり、「セルフ・ケア」にも支障が出てくるので、日常の生活面での『介護』が不可欠となってしまうのです。本当の意味での早期の段階、認知症研究の専門家や専門機関が見落としている「小ボケ」、「中ボケ」を見落とした儘で、放置したままでいては、介護保険制度が財政面から破綻の危機に陥る事になるのです。「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つけ、家族の後押しによる『脳のリハビリ』の実践により「回復」させて、更には、「発病自体を予防」して、『大ボケ』は、全面的に介護保険が適用できる体制を目指すべきなのです。理論と実証と実務のマニュアルは提供したので、後は政治家の責任なのです。
注2)「小ボケ」や「中ボケ」の段階自体が見落とされている現状で、『大ボケ』のお年寄りの『家族介護』を礼賛するかのような、「介護生活に関わる楽しさや、喜びや、生き甲斐」なるものを、テレビに出てきて語ったり、新聞に連載したり、ブログで発表したり、本まで出版している人達が大勢いるのです。『「大ボケ」の親に対する家族による介護』という「テーマ」に挑戦する事自体は、個人の自由であり、反対はしないのですが、そうした価値観の人達と言えども、『介護離職』が100万人を超えている現在の社会状況に目を背けてはならないのです。
(2) 更なる問題を指摘すると、専門家の医師達が見落としている『本当の意味での早期の段階』、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の「お年寄り」であれば、『脳のリハビリ』の実践(「注意の分配力」の機能と実行機能の出番が多いテーマを日々実践することにより、「前頭葉」の機能を活性化させること)により、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常な機能レベルに回復させることが出来る(アルツハイマー型認知症の症状を治すことが出来る)のであり、家族による関わりについての諸般の事情により、それがかなわない場合でも、症状の進行を抑制し、或いは、症状の進行を緩やかにすることが出来て、末期の段階である「大ボケ」にまでは落とさないことに因り、『介護の予防』という成果を獲得することが出来るのです(「中ボケ」の段階に留まる/維持できている限り、介護は不要だからです)。
注1)『大ボケ』の段階に在る『お年寄り』の介護は、『前頭葉』を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行という要因の存在により、どれだけ介護に励もうとも、症状の更なる進行を緩やかにすることも、抑制することさえも、困難になってしまうのです。「アルツハイマー型認知症」を発病した「親に対する介護」に励むのであれば、回復の可能性が有る/或いは、症状の進行を緩やかにすることが出来る「小ボケ」/「中ボケ」の段階で見つけて、『脳のリハビリ』の実践の後押しに心を傾け、努力すべきだと考えるのです。「介護する側」にとって、その方が真の意味での価値ある喜びや、生き甲斐につながると思うのです。「大ボケ」の親に対する家族による介護を礼賛する発言や活動に注力している人達は、私が提起するこのテーマに正面から対峙して頂きたいと思うのです。末期段階の大ボケにまで症状が進行した発病高齢者の「家族介護」は、有ってはならない社会現象なのです。
注2) 認知症が専門とされる医師達は、「失語や失認や失行(紛いの)症状」が、『11の下位項目により構成され、30点が満点であるMMSE』の総得点が一桁になって初めて発現が確認される極めて重度の症状であることを知らないで、米国精神医学会が定めた診断規定である『DSM-4』の第二要件が「失語や失認や失行(紛い)の症状」が発病の初期症状であると規定(重大な誤りの内容)していることに疑いを持たないまま、それ等の症状の確認を待って、初めて『発病と診断している』のです。
もはや治すことも出来ないし、症状の進行を緩やかにすることも出来なくて、『介護の途』しか残されていない末期の段階で発病を見つけて、「発病のレッテル張り」をしているだけなのです。医師達は、何故に、発病のレッテル張りだけの診断に満足し、そうした診断の在り方に疑いを持たないで居るのか/その方が一定規模の売り上げと利益が確保できるからなのでしょうか。
早期診断と称して、CTやf-MRIやSPECTやPETを診断に用いることが多いのですが、実際には、CTやf-MRIやSPECTやPETを診断に用いようとも、早期診断は、不可能なのです。本当の意味での早期診断(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つける事)は、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定することによって初めて可能であるからなのです。 この早期の段階を見つける方法、『前頭葉』の機能レベル(実際の手法としては、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能レベル)を個別に及び総合して精緻に判定/鑑別することが出来る「手技」は、保険点数が極めて低い『かなひろいテスト』しか存在していないので、利益を稼げるだけの必要な規模の売り上げが立たない為に、早期の段階で見つけることに、医師達の多くは、関心が無いようなのです。
(3) 世界中の認知症研究の専門家と言われる人達が気づかないまま見落としている本当の意味での早期の段階、『脳のリハビリ』の実践により症状を回復/症状の進行を抑制させることが可能な本当の意味での早期の段階であり、私たちが提起する「軽度認知症」(「小ボケ」)及び「中等度認知症」(「中ボケ」)のお年寄りは、厚労省が発表している「アルツハイマー型認知症」の発病者の数には、入っていないのです。
後述する『MCI(Mild Cognitive Impairment):軽度認知障害』という極めて曖昧な基準、外観から推測するだけで、客観的な判定要件が規定されていない基準を基礎として、副作用だけで、治療効果を有していない薬(症状を回復させる効能も、症状の進行を緩やかにする効能も有しない単なる対症療法薬であり、治療薬ではない)が処方されているのが医療現場の実態なのです。その問題を自覚している心ある医師達は、「アリセプトなどの対症療法薬」に対し、『健康保険の適用を除外すべきだ』と主張しているのです(仏国では、既に適用除外とされているのです)。
(4) 認知症とは、「一旦完成された脳機能が、何等かの原因で、全般的に機能が低下し、社会生活や家庭生活やセルフケア等に支障が起きてくる病気」と定義されます。つまり、もともとは正常な『社会生活』を営んでいた人に起きてくるものである以上、現在セルフ・ケアもおぼつかなくなっている人であっても、過去に遡れば正常であった時期があり、発病後に『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行したことにより症状が発現し、更には、症状が次第に重症化していった結果ということなのです。
『アルツハイマー型認知症』(特定の遺伝子に生まれつき異常が確認される人達だけが発病し、且つ、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」とは根本的に異なる病気)は、老年発症が特徴なのであり、『第二の人生』を送る60歳を超える年齢の『高齢者』だけが(私たちが規定する発病の「第一要件」)、発病の対象となる特徴を有するのです(生まれつき特定の遺伝子に異常が存在する人だけを対象にして発病し、若年発症を特徴とする「アルツハイマー病」と廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎない「アルツハイマー型認知症」との区別が分からなくて、両者を総称して、まとめて「アルツハイマー病」と呼称する専門家達が我が国にはとても多いのです)。
(5) 廃用性の機能低下(『前頭葉』の使い方が不十分/『注意の分配力』の機能の出番が不十分な「脳の使い方」としての『生活習慣』)に起因して発病する「アルツハイマー型認知症」は、症状が徐々に段階的に進むのが特徴です。
昨日まで正常で、社会生活を自分なりに楽しんで暮らしていたお年寄りが、「アルツハイマー型認知症」を発病した途端に、同居の家族の名前や顔も分からなかったり、ズボンを頭から被ってみたり、トイレの後始末も自分で出来ないで、セルフ・ケアにも重大な支障があって、介助が要るようにはならないのです。『DSM―4』の「第二要件」が規定する失語や失認や失行の症状が初期症状であるとする考えは、「アルツハイマー型認知症」の無知からくる重大な誤りの内容なのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを「二段階方式」のテストで調べてみると、軽いほうから順に、「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の「三段階」に分かれていることが確認されるのです(14689例の症例のデータ)。
(6)私たちが独自に開発した『二段階方式』の神経心理機能テストを実施(前頭葉の機能レベルを「かなひろいテスト」で、左脳及び右脳の機能レベルをMMSEテストで判定)してえられたものであり、「アルツハイマー型在認知症」を発病した「お年寄り」の『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現するのを特徴とする症状であり、「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例に上る『脳機能データ』から、『アルツハイマー型認知症』の症状は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の「三段階」に区分されるのです。
☆私達が問題にするのは、「大ボケ」に先立つ「小ボケ」と「中ボケ」の段階の存在が見落とされていることなのです。年のせいと言われていたり、不活発病の名前を冠せられたままで居たり、MCI(軽度認知障害)という極めて曖昧な基準の適用対象にされたり、されなかったりする「小ボケ」と「中ボケ」とをあわせると、「大ボケ」と同じ程の数になるのです。「大ボケ」に「小ボケ」と「中ボケ」とを加えると、「アルツハイマー型認知症」の発病者達の数は、既に1000万人を超える規模になっていると考えられるのです。
『小ボケ』は、「社会生活面」での支障が出てくる段階であり、『中ボケ』は、「家庭生活面」での支障が出てくる段階であり、『DSM-4』の「第二要件」が確認を要求している「失語や失認や失行(紛い)の症状」は、その欠片も確認されない段階なのです。「中ボケ」でさえも、それなりのレベルでの会話も行えるものなので(日常の生活面で、『家庭内の簡単な用事』程度の実行で、種々の失敗を重ねていても、それなりに言い訳を並べ立てることが出来る)、前頭葉の機能レベルを無視した診断を行う医師等の専門家達が、発病とは気づいていないのです。認知症研究の専門家達とは言え、学者も医師も、『前頭葉』の機能レベルを含む脳全体の機能レベルを精緻に判定出来る『手技』を持たないことが原因なのです。
☆アルツハイマー型認知症の発病の場合の上記三つの段階における脳の機能と生活実態との関係の概要を整理すると、以下の表のようになります。
〇「アルツハイマー型認知症」の症状の「三段階」と脳の機能レベルとの関係及び生活実態
『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル | 生活実態としての症状 | 段階区分 |
正常レベル | 正常 | 正常 |
前頭葉のみ異常なレベルに低下 但し、後半領域は正常レベル | 社会生活面のみに支障 指示待ち人 | 小ボケ |
前頭葉低下の更なる進行+後半領域も異常な機能レベルに低下 | 家庭生活面にも支障 | 中ボケ |
前頭葉低下の更なる進行+後半領域の機能の更なる低下の進行 | セルフケアの面にも支障 脳の寝たきり児 | 大ボケ |
&2『脳のリハビリ』により、回復させることが未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)の症状とその特徴(「小ボケ」の症状は、前回「D-08」を参照)
(1)『中ボケ』の段階になってくると、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行しようとする際に不可欠の機能である『前頭葉』の働き具合が、廃用性の加速度的で異常な機能低下によって、「小ボケ」の時のそれよりも加速度的に更に衰えてきています。加えて、「小ボケ」の段階では正常な機能レベルにあった、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」までもが、異常な機能レベルに衰えてきているのです(「中ボケ」の段階から、前頭葉を含む脳全体の機能が、異常な機能レベルに衰えてきていることに注意して下さい)。廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行することに因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が『中ボケ』の段階にまで衰えてくると、食事、着衣、大小便、入浴等、身の回りのことは、自分で出来るので、セルフ・ケアの面で周りの家族に迷惑をかけることは無いのですが、『家庭内の簡単な用事』程度のこと(ex.炊事、洗濯物の整理、掃除、庭の草花の手入れ、簡単な畑仕事等)でさえ、満足にはできなくなるので、「家庭生活」の面で様々な支障が起きてくるようになるのです。
この場合、『DSM-4』の「第一要件」の規定や『4つの仮説』が発病を惹き起こす原因要素とする「記憶障害」が原因で、『家庭内の簡単な用事』程度の事案の遂行に支障が出てくる訳ではないことに注目して頂きたいのです。『前頭葉』の機能、就中、『注意の分配力』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、「小ボケ」の段階よりも更に異常な機能レベルに衰えてきていていることに加えて、「左脳、右脳及び運動の脳の機能」までもが異常な機能レベルに衰えてきていることが、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクしたものとしての、「中ボケ」の段階の症状が発現する核心的な要因なのです。
(2)『前頭葉』を含む脳全体の機能が「中ボケ」レベルのとき、日常の生活面で明瞭に発現が確認される「中ボケ」の段階に特有な類型的症状について、その症状を列挙しておきましょう。「DSM-4」が「第一の要件」として規定している「記憶障害」の症状は、「中ボケ」段階となっても、未だに部分的に過ぎず、その中核となる症状ではないことに気づいていただきたいのです。『DSM-4』が第一要件で、「記憶障害に起因して」と規定していること自体が誤りなのです。
○ 何事に対しても「抑制」が効かなくなり、感情がもろに表に出てくるようになって、「ボンヤリと暮らしているだけ」の単調な日々を送るようになる
○「時の見当識」に、順次、以下のような支障が出てくるようになる
(「中ボケ」の初期には、今日が何日か、平成何年なのかが言えなくなります。MMSEの換算後の得点が19点以下となる「中ボケ」の中期になると、今の季節が何時なのかが言えても、今が何月なのかが言えなくなります。今の季節があいまいになる時から大ボケに入っていき、昼夜が分からなくなると、「大ボケ」の後半に入っていきます。「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、『時の見当識』には、衰えていく厳密な順番があり、日、年、月、季節、昼夜の順番に言えなくなっていきます。「アルツハイマー型認知症」の発病者であるときは、『MMSEの下位項目』について、出来なくなっていく厳密な順番があるのです)。
『脳のリハビリ』の実践による回復の可能性についていうと、MMSEの得点が20点以上であれば(大まかな目安として今何月なのかが言える)、集団の中での「脳リハビリ」メニューが可能なのに対し、20点を切ると、個別での「脳リハビリ」メニューが不可欠となるのです。
○ 箪笥の整理が出来ない、洗濯物の畳方が雑、食器も整理してしまうことが出来ない
○ガスの消し忘れや水道の蛇口の閉め忘れが、週に数回起きてくるようになる
○自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来なくなる
○簡単な計算もできなくなる
○料理の味付けが可笑しくなる(塩辛すぎて食べられないものを作り、本人だけが平気で食べる)
○ 服を自分で着ることはできるが、季節に合ったものを選べなくなり、着方にだらしなさや可笑しさが目立つようになる
(セーターの上からYシャツを着たり、パジャマの上にズボンを履いたり、前後ろに着たり、裏返しに着たりするようになる)
○ 家族のことを正確に言えなくなる(自分の子供が何人か、名前を何と言うか、どこで何をして暮らしているかが正確には言えない)
○パジャマを着たまま平気で表に出たり、髪の手入れやお化粧を殆どしなくなる
○ 昨日の出来事をすっかり忘れてしまうようになる(昨日の老人会の出来事を忘れているだけでなくて、昨日老人会に行ったこと自体を忘れてしまっている)
○「所の見当識」が衰えてきて、自分が今居る場所が何処だか分からなくなる(自分の家に居るのに、夕方になって「今日は、長いことお邪魔しました。そろそろ帰らせていただきます。」と言い出し、出ていこうとする)
○ お金や持ち物の仕舞い場所を忘れてしまい、「盗まれた」と言って、騒ぐようになる(「物盗られ妄想」は、初めのうちは、通帳、財布、証書類などのことが多いのですが、次の段階では、化粧品や食料品などの日用雑貨に及ぶようになります)
前回例示した(D-08)の「小ボケ」の類型的症状や今回例示した「中ボケ」の類型的症状を見ても、「DSM-4」が「第一要件」で確認を要求する「記憶障害に起因した症状」という要件の内容自体が、誤りであることに気づいていただきたいのです。正しくは、『「前頭葉」の機能障害に起因した症状(any disturbance in executive functioning )』という要件が正しい規定内容となるのです。
『外観』からの観察に基づいただけの推測や憶測に頼っているだけで、『前頭葉』の個別認知機能群である『実行機能』の機能の発揮度を左右し、下支えている機能構造の関係にある「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能との関わり具合及び関わり方のメカニズム(“機能発揮上の二重構造”)の問題に気づかない限り、発病の原因を解明することは、不可能事であることを指摘しておきたいのです。その視点から問題点を指摘すると、世界中の認知症研究の専門家とされる人達には、『前頭葉』という脳機能も、『注意の分配力』という脳機能も備わっていない、マウス(アルツハイマーマウスを含む)の行動ばかりを、何時まで追いかけ続けるつもりなのでしょうかと問いたいのです。
&3『軽度認知障害』(Mild Cognitive Impairment)という基準の問題点
(1)『軽度認知障害』の基準を取り上げる学者や医師達の共通した要点の概要をまとめると、以下のようになります。
☆「記憶障害」というだけの単純な要件が中核をなしている基準であり、以下の要素の確認を要することとされている。『前頭葉』と言う最も肝心な「脳機能」に対して、全く注意が向けられていない、意味不明の基準。
〇主観的な「物忘れの症状」の訴えが、本人や家族からあること
〇年齢に比し、「記憶力」が低下していること
〇複雑な日常の生活動作に最低限の障害があっても、基本的な日常生活機能は正常であること
〇全般的な「認知機能」は、正常であること
上記に加えて、「軽度認知障害」の該当者は、「アルツハイマー型認知症」だけでなく、他の原因による認知症発病の「前段階」であるとされていて、『正常な状態からから認知症発病までの間に位置するグレー・ゾーンである』とされているのです。まったく、意味不明の基準であり、極めて曖昧な概念説明であるというしかないのです。これが診断基準になると主張する人たちの杜撰さには、あきれるしかないのです。
(2) 『記憶障害の症状』というとき、「加齢」という要因に起因した「前頭葉」を含む脳全体の機能低下が原因で発現する記憶障害の症状とは、所謂物忘れの症状のことなのです。これに対して、「アルツハイマー型認知症」の発病として発現する「記憶障害」の症状とは、「加齢」に起因した脳機能の低下という要因に加えて、「第二の人生」における脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下が加重されて起きてくる「前頭葉」を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で発現してくるものなのです。両者を鑑別する上での、最も重要な要件とは、物忘れの場合は、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在ることが確認されることであり、「アルツハイマー型認知症」の発病としての記憶障害の症状の場合は、『前頭葉』の機能が自体が異常な機能レベルに在ることが確認されることなのです。前頭葉の機能レベルという視点も無ければ、前頭葉の機能レベルが正常であるか/異常であるかを精緻に判定/鑑別する「手技」を持たない状況で、上述したような極めて曖昧で、客観的な基準を持たない、「軽度認知障害」(MCI)なる基準そのものが、有効で、有益な「物差し」であるかのような説明をする学者や医師達が多いという実態に、心から驚かされるのです。
(3) その原因は、専門家とされる権威ある彼ら自体が、『アルツハイマー型認知症』そのものについて無知であり、客観的で科学的な判定基準及び鑑別の為の必要な『手技』を持たないことに在るのです。
上記(1)の概説を読んでみて頂きたいのです。具体的な被験者を前にした場合に、「軽度認知障害」の考え方を適用するに際し、客観的な要件が殆ど規定されていないことについて、何の疑問も抱かないで、客観的で適切で合理的な診断を実施できる医師がいるのでしょうか。特に、客観的な『診断基準』自体が世界的にも存在していない「アルツハイマー型認知症」の発病の可能性の有無及び程度を、どのような客観的な証拠データに基づき判定して、診断を下すことが出来るというのでしょうか。
その上に重大な問題があることを皆さんにも知っておいて頂きたいのです。『軽度認知障害』に該当すると診断した場合、上述したように、医師達は、発病の予防とか、症状の進行を遅らせる為とか言いつつ、『薬』を処方するのです。症状を改善させる治療効果は無く、症状の進行を遅らせる治療効果さえも無く、単に、症状の発現の仕方に影響するだけの薬である『対症療法薬』に過ぎない「4種の薬」を「予防薬」と称して処方してもいるのです。
&4「アルツハイマー型認知症」の発病に関わる『意識的な世界』
(1) 様々な種類が数ある認知症の内の90%以上もの割合を占めていて、世界中の認知症研究の専門家達から、『発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ない』とされてきている 『アルツハイマー型認知症』、世界中の巨大な製薬会社が『治療薬』の開発に挑戦して、そのことごとくが失敗に終わっているのです(『治療薬』の開発はありえないのです)。世界的に通説の地位にある「アミロイドベータ説」を筆頭にして、タウ蛋白説や脳の萎縮説やアセチルコリン説と言った仮説の類ばかりが横行していて、未だに発病との間の因果関係を立証することが出来ないでいるだけでなくて、発病の原因(メカニズム)の解明を出来ていないのです。何故なのかというと、一つには、次に述べる『意識の世界』が関わる問題であること並びに専門家とされる人たちは「末期の段階」の症状、就中、失語や失認や失行と言った極めて重度の症状にしか関心が無いがために、加齢に起因した機能低下という要件と「脳の使い方」が不十分なことに起因した廃用性の機能低下が真の核心的な要件だと説明しても、納得しないし、そもそも理解しようとはしないのです。
(2)あれほどのどろどろとした、人間性の破壊にもとれるほどの重い症状を発現させる根本的な原因、発病のメカニズムには、もっと複雑な何かがあるはずだとの固定観念から逃れられないでいると考えられるのです。末期の段階の症状、就中、失語や失認や失行といった極めて重度の症状が発現していたお年寄りの死後の「脳の解剖所見」が共通に提示する老人斑、神経原繊維変化、或いは、脳の顕著な萎縮等を見ると、一層のこと、それ等に縛られることになるのではないかと憶測するのです。私たちの脳機能データ、特に、事象事実としての『MMSE下位項目の項目困難度』が示す、下位項目の衰えていく(出来なくなっていく)厳密な順番のデータが、「4つの仮説」の主張内容が誤りであることの客観的で絶対的な証拠となるのです。解剖所見が示すのは、発病の原因ではないのです。「アルツハイマー型認知症」を発病し、末期の段階にまで症状が進行したことに因る、『結果ではないか』と推測するのです。
(3)『アルツハイマー型認知症』の発病患者である場合、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していき、末期の段階である「大ボケ」の段階にまで重症化が進行していくとき、身体が持つ限り症状が更に重いものになっていき、最終的には、植物人間状態にまでなるのです。
その重症化の進行の具体的な変化の有り様をつぶさに観察していくと、「記憶障害」に起因して発病すると主張する「DSM―4」の第一要件の規定内容が誤りであることが実感できるのです。失語や失行や失認以降の重い症状だけを観察するのではなくて、私たちの区分で言う本当の意味での早期の段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状に始まり、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状の具体的な変化を、経時的につぶさに観察してみれば、分かるのです。
(4)加えて、「アルツハイマー型認知症」は、発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズム自体が、「私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』に関わる認知症だから」なのです。『意識』については、古代ギリシャ、ローマの時代から現在に至るまで、それこそ数えきれない程の数の哲学者や心理学者や脳科学者などが、『意識の機能構造』の解明に努力してきたのですけど、未だに解明できた人が一人もいないという現実があるのです。ここを『クリック』してください。
独自の手技である『二段階方式』の手技を開発してこの「テーマ」に挑戦してきた私たちは、『意識的な世界』、『意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界』での『前頭葉』を含む脳全体の機能の関わり方の解明に挑戦することに因って、世界で初めて、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム、症状が重症化するメカニズムを解明し、類型的で典型的な症状の「三段階区分」と早期診断による症状の回復(症状を治すこと)の具体的な方法、更には、発病自体を予防する方法を確立し、1995年の活動開始以来、北海道から九州までに跨る地域の累計で452を数える極めて多数の市町村で、先駆的な実践、「アルツハイマー型認知症」の早期診断と回復、介護の予防並びに発病自体の予防を明確な目的とした『住民参加型の地域予防活動』として、その実践を指導し、私たちの主張が正しいことを、「疫学的方法」により実証してきたのです。
(5) 私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界は、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車の御者が運行する世界』と考えると、分かり易いかと思うのです。対象となるものが何であれ、私たちが意識的に何かを考え、発言し、行為し、或いは行動しようとする際に、無くてはならない脳機能、それが、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬と協働しつつ、それらを自在に操る三頭立ての馬車の「御者」、言い換えると、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』という脳機能であり、私たち人間だけに備わっている脳機能でもあるのです。『前頭葉』と言う脳機能は、私たち人間だけに特有の世界(マウスは愚か、DNAの98%が人間と同一であるとされるチンパンジーにも備わっていない脳機能であることに注意)である『意識的な世界』(意識的に何かをしようとする世界)を構築し、支配し、統括し、コントロールしている機能であり、自分が置かれているその状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った為すべき「テーマ」を発想し、発想したテーマの実行内容を組み立て、その実行による結果を推測し、シミュレーションして、必要な比較と選択を行って修正を加え、最終的な実行の内容、程度及び態様を決定し、実行の決断に基づいて脳の各部(三頭の馬)に対して実行の指令を出すと共に、実行の過程を終始観察し、統括し、監督し、コントロールしているのです。
(6) その『前頭葉』の個別認知機能群(分析、理解、判断、発想、了解、了知、了承、考察、考慮、観察、監視、鑑賞、観賞、感動、抑制、反省、内省、忍耐、思索、思考、企画、計画、シミュ・レーション、創作、創造、洞察、推理、推察、推認、推測、推稿、構築、構想、構成、詮議、詮索、想像、空想、妄想、探求、追及、究明、創意、工夫、比較、検討、評価、判定、修正、選択、排除、除外、分別、分配、確認、確信、決定、決断、指示、指揮、采配、支配、統合、統括等)の総称である『実行機能』の『機能の発揮度』を左右し、下支えする働き(「二段階方式」の活用により集積した「脳機能データ」の解析により、私たちが独自に発見した『実行機能』の機能発揮上の「二重構造」の問題)を有する「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、「加齢」と共にその機能が直線的なカーブを描き乍ら緩やかに衰えていく』という生来的な性質(私たちが「正常老化の性質」と呼称する性質)が内在しているということなのです。そのデータによると、『意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能から成る「前頭葉」の三本柱の機能は、「18歳から20歳代の前半まで」の頃がピークで、「加齢」と共に直線的で緩やかなカーブを描きながら徐々に衰えていく(機能が低下していく)のです。そして、我が国での『第二の人生』が始まる60歳代の半ば頃には、ピーク時の半分くらいに機能が衰えてきていて、100歳代に向かって、直線的で緩やかに、更に衰えていくのです。『加齢と共に、物忘れの症状の頻度が増していき、その程度が重くなっていく現象は、上述の「正常老化の性質」のカーブを色濃く反映した結果なのです』。但し、上述した『正常老化のカーブ』自体は、100歳代になっても異常な機能レベルには衰えてはいかないことを示しているのです。学者達の一部には、『アルツハイマー型認知症の発病は、加齢の延長線上にあると考えられる』と主張する人達がいるのですが、「脳機能データ」から言うと、『誤り』なのです。
(7) 世界的に通説の地位にあるとされるアミロイドベータ説(アミロイドベータというタンパク質が蓄積して「老人斑」が形成され、その毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の 大量の細胞死を招くことにより、「記憶障害」の症状が惹起されることが「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす直接の原因であると主張する仮説)やタウ蛋白説(タウ蛋白というタンパク質が、蓄積して「神経原線維変化」が形成され、その状態が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死を招くことにより「記憶障害」の症状が惹き起こされることが「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす直接の要因であると主張する仮説)の主張は、それらの主張と「アルツハイマー型認知症」発病との間に存在する因果関係について、未だに立証が出来ていない単なる「仮説」であり、これらの主張の内容が間違いであることは、簡単に立証することが出来るのです。何故なら、「アルツハイマー型認知症」の根幹となる症状とは、『DSM-4』や仮説が主張している「記憶障害」に起因した症状なのではなくて、『前頭葉』の機能障害に起因した症状であるからなのです。「アルツハイマー型認知症」の症状について、認知症の専門家とされる人達は、外観から観測される症状を単に並べ立てるだけなのですが、私たちは、「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ生きた人間の「脳機能データ」と市町村での住民参加型の「地域予防活動」の実践指導の成果を根拠としているのです。
&5『アルツハイマー型認知症』の本態と発病するメカニズム(機序)
1.器質的な原因病変が何等確認されないのに、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す際に様々な支障が出てくるのがアルツハイマー型認知症と言うタイプの認知症の特徴なのです。ところで、脳の機能面から言うと、「意識的な世界」における脳全体の「司令塔」としての役割を担うのが『前頭葉』という脳機能なのです。「意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す」ことは、左脳、右脳及び運動の脳という「三頭の馬」が牽引する三頭建ての馬車を動かしていくようなものであり、御者なくしては、どんなに立派な馬をつないだところで、馬車は動きようもありません。御者の働きが、「前頭葉」の働きだと考えると、分かり易いと思います。馬車が動くときいつも、御者が手綱を引いて馬全体を制御しているように、毎日の様々な具体的な思考や生活行動や言動の場面で、必ず、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』」が、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、実行する為の行為や行動を企画し、計画して、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーションの結果を比較し、評価し、選択して、最終的に何をどのようにするのかを判断し、決定しているのです。意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す場面では、この機能工程に見られるように、『前頭葉』が脳全体の司令塔の役割を担っていることが極めて重要なのです。
2. 『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのです(複雑怪奇なものではないのです)。
(1) 私たちが規定する発病の「第一要件」は、60歳を超える年齢の『高齢者』であることなのです。『加齢』に起因した脳の老化の進行という問題が、発病の第一要件なのです(加齢の単なる延長線上に発病がある訳ではないことに注意)。それゆえに、「アルツハイマー型認知症」は、『老年発症』が特徴なのです。
(2) 発病の「第二要件」は、『第二の人生』を送る上で日々に繰り返されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方;脳の使い方としての生活習慣)の継続に起因した廃用性の機能低下の進行の問題なのです。即ち、『第二の人生』での生き方、言い換えると、脳の使い方としての『生活習慣』の質が問われる病気なのです(「食生活」とは無関係であることに注意)。
(3) 「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に存在し、充足されることの相乗効果により発病するのです。「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に存在し、充足されることに因る相乗効果により、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくその先に、発病(「小ボケ」の段階)及び症状の重症化の進行(「中ボケ」の段階を経由して、末期の段階である「大ボケ」の段階に至ること)が待っているということなのです。若年層(ex:30歳代や50歳代の人達)が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」を継続していても、発病することにはならないのです。逆に、60歳を超える年齢の「高齢者」であっても、現役で仕事を続けている限り(農業であれ、会社勤めであれ、職人であれ、現職で仕事についている限り)、「前頭葉」の出番が十分に確保された「脳の使い方」としての生活習慣が有り、それに付随して、『注意の分配力』の機能の出番が多い「生活習慣」が確保されていることになるので、発病することは無いのです。但し、「現職」と言っても、肩書だけの場合は、除外されることに注意してください。
&6 「アルツハイマー型認知症」からの回復及び症状の進行の抑制による介護の予防並びに発病自体の予防
『前述のように「アルツハイマー型認知症」は、『第二の人生』を送る上での日々の「脳の使い方」としての視点で言う『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が発病及び症状の重症化の進行を左右する最も重要で核心的な要因である『生活習慣病』なのです。「加齢に因る脳の老化」と「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続による廃用性の機能低下の進行」という「異なる二つの要因」が重なる(同時に存在し、且つ、充足される)ことに因り、その相乗効果によって、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させることに起因して発病し、症状の重症化が進行していくものと考えられる「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の衰え方にも明確な特徴があるのです。
その『特徴』となるのは、
① 最高次機能である『前頭葉の働き』が最初に異常なレベルに衰えていくこと
② 次いで、高次機能である「左脳と右脳の働き」が異常なレベルに衰えていく
③ 更に、『MMSE』で判定される左脳及び右脳の機能には「衰えていく厳密な順番」が事象事実としての「脳機能データ」として確認されているのです。
従って、「前頭葉」を含む脳全体の機能がどこまで衰えているのか(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル)及びその脳全体の機能レベルでは、どんな症状を特徴的に示すのか(生活実態としての類型的な症状)並びに廃用性の機能低下を進行させた張本人である『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続』の確認により、「アルツハイマー型認知症」を発病している人の認知症のレベル(「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の段階)を精緻に判定することができるのです。
〇エイジングライフ研究所が開発し、市町村の保健師さんが使いやすいように実務化した『二段階方式』の手技は、御者の働きをする『前頭葉』の働き具合を『かなひろいテスト』で判定し、馬の働きをする左脳と右脳の働き具合を『MMSE』で判定し、両者の機能レベルを総合的に判定することにより、『アルツハイマー型認知症』の重症度を精緻に判定することができます。更には、回復が困難で介護するだけのレベルである「大ボケ」と回復可能な本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」とを区別して、脳の機能レベル毎に、回復/介護の予防という適切な対応ができるように工夫されているのです。
〇「小ボケ」と「中ボケ」に対しては、第一義的には、『脳のリハビリ』の実践指導による『前頭葉』を含む脳全体の機能の正常な機能レベルへの『回復』(アルツハイマー型認知症の症状を治すこと)を達成目標とすること、第二義的には(何等かの事情により、回復させることが困難であった場合でも)、末期の段階である「大ボケ」には症状を進行させないことによる『介護の予防』を確保すること(認認介護や介護離職を失くすこと)を目標としているのです。こうした活動が一定の成果を挙げることに因り、日常の生活面での『介護』が不可欠となる「大ボケ」の段階の症状が確認されるようになる「お年寄り」の数を顕著に減少させることが出来、精神的、肉体的、経済的な負担が極めて大きい「大ボケのお年寄り」の「家族介護」の必要性を失くすことにもつながるのです。更に、『回復』及び『介護の予防』という命題についての「顕著な成果」の達成をもとに、『前頭葉が活性化する脳の使い方としての生活習慣』という考え方が浸透することにより、『発病自体の予防』が達成されることになるのであり、その必然の結果として、『介護保険制度』が財政面から破綻する状況を失くすことにもつながると考えているのです。
本著作物「Dー09」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。
このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。