認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

前頭葉の機能低下とアルツハイマー型認知症の発病及び初期症状(F-08)

2021-06-15 | アルツハイマー型認知症の治療方法

 意識有り ゆえに我在り 我思う

  覚醒の意識無くとも 脳は眠らず    By kinukototadao 

アルツハイマー型認知症の本態並びに発病及び症状の重症化が進行するメカニズムに鑑みて、アルツハイマー型認知症の治療薬(発病を予防する効果、症状を治す効果、又は、症状の進行を抑制する効果を有する薬を言い、現在発売されている4種の薬のような単なる対症療法薬とは効能の内容自体が異なることに注意)が開発されることは、未来永劫、有り得ない事について、注意を喚起する為に、再度ここに取りあげることにしたのです。

⇔ (次のテーマは、前回のF-07の&7の追伸からの引用部分です。若干の追加があります)

➡(追伸)今回FDAが、新型のアデュカヌマブ」について、『蓄積した「アミロイドベータの量を減らす効果を有することは認められるが、そのことは、「アルツハイマー型認知症」に対する治療効果が有ると認定するものではない」とする注釈付きでの発表を行った』のであり、我が国のマスコミが、『治療薬の開発』に成功したかのような見出しを付けて報道していることに惑わされないで頂きたいのです。「この新型のに、治療効果が有る筈が無い」のです。開発のコンセプト自体が根本的に誤りだから。何故なら、アミロイド・ベータの蓄積(老人斑の沈着をもたらす)と「アルツハイマー型認知症」の発病との間には、肝心要の要因である、因果関係自体が存在していないのです。「記憶の障害が発病を惹き起こす」との想定自体が、単なる憶測であり、且つ重大な誤りなのですから。即ち、アミロイドベータの蓄積量を減らし、又は、蓄積を阻害しようとも、発病を予防したり、症状の進行を遅らせたり、或いは、症状を治す効果が認められる筈が無いのです。⇔廃用性の機能低下に起因した『前頭葉の機能障害』が、発病を惹き起こす真の原因なのですから。発病者の脳内からのアミロイドベータの除去、或いは、蓄積量を減らすことに因り、アルツハイマー型認知症の発病の予防、或いは、症状の進行を抑制する治療効果が有ると主張する製薬会社は、アミロイドベータの蓄積とアルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化の進行との間に厳密な意味での直接の及び唯一の因果関係が存在することを立証する社会的な責任があるはずなのです。両者の間に、直接の因果関係が存在して居なければ、「アミロイドベータの除去、或いは、蓄積量の減少をもたらすものであっても、発病を予防したり、症状の重症化の進行を抑制する効果は有しないことになる」のですから(これが、科学的で論理的な帰結)。

(以下の※1の部分は、今回追加)

※1アルツハイマー型認知症』は、人間だけに特有な世界である、「意識的な世界」に関わる認知症なのです。『意識的な世界』を構築し、統合し、統括し、管理し、コントロールしている脳機能、私たちが「前頭葉の三本柱」の機能と総称する意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能が「第二の人生」を送る「高齢者」の間で繰り返され、継続される、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』(「食生活」とは無関係のものであり、日々追及する特定の「テーマ」もなく、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、達成すべき目標もない単調な暮らし方であり、脳の使い方としての意味で言う生活習慣のことを言います。以下、同じ)の継続に起因して、廃用性の異常な機能低下が進行していくことが、直接及び唯一の原因で、発病及び症状の重症化が進行していくことに因り『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現してくるのが特徴なのです。

世界中の専門家とされる機関や人達から、『発病及び症状の重症化が進行していく原因自体が不明とされ、発病を予防し、症状を治し、又は、症状の進行を抑制する方法が分からない』とされていて、現状、「アミロイドベータ仮説」を筆頭にした「4つの仮説」が提示されているだけなのです。その『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないものであり、『前頭葉』が活性化する「生活習慣」の構築と継続に因り、発病自体を予防できるし、早期の段階であれば治すことが出来るし、更に、症状の進行自体を抑制することが出来るタイプの認知症であると主張して、北海道から九州に跨る452の市町村での実践展開の指導により、主張内容が正しいことを疫学的な方法により実証してきたのが、私たち「二段階方式」なのです。

  私たち「二段階方式」には、前頭葉の機能レベルの精緻な判定データを含む、14689例にも上る発病者の『脳機能データ』が有るのです。『事象事実』としてのそれらの脳機能データが示すのは、【発病自体及び症状の重症化の進行、症状の回復、又は重症化の進行の抑制を左右するのは、当事者の『脳の使い方としての生活習慣という要因』が、唯一の『加重要因』なのであり、『加齢』に起因した「前頭葉機能の機能低下の進行」が基礎要因であることが客観的な脳機能データにより提示されているのです【次回のブログ[F-09]では、その証拠データを「3種類」取り上げて、『DSM -4』の第一要件の規定内容(様々な程度及び態様により発現する「アルツハイマー型認知症」の症状は、記憶障害に起因して発現するとする想定)自体が、重大な誤りであることについて、詳しく、説明する予定】。

 当該新型の薬の投与によるアミロイドベータの除去、又は、蓄積量の減少作用により、「アルツハイマー型認知症の発病を予防し、又は、症状の進行を抑制する効果を発揮する」と主張するのであれば、「第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者を対象」として、を投与すれば、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていても発病してこないことを、一定の人数規模で証明する「社会的な責務」があると考えるのです。アデュカヌマブを開発した製薬会社は、脳の使い方としての単調な生活習慣の継続と言う要因が、発病自体を左右し、症状の進行を推進する唯一の要因であることについては、全くの無知(関連する脳機能データの蓄積も無い)と私たち「二段階方式」は予測するのです。

※2 この新型の薬が治療効果を有するか否かを正しく判定するには、この薬を投与した後のその人の「前頭葉」の機能レベルがどのような経時変化をするのかを精緻に判定すべきなのです(『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの悪化と症状の重症化の進行とは厳密にリンクしているのがアルツハイマー型認知症の特徴であり、症状の進行を抑制する効果を有するのであれば、発病者が服用した後に、前頭葉を含む脳全体の機能レベルの悪化が抑制されるはずだから)。製薬会社自身が、この薬の効果を判定する上で、MCIの基準物忘れの症状の程度と態様を外観的に評価するだけの、極めて曖昧でいい加減な評価基準であり、前頭葉の機能レベルの判定が含まれていないのです。左脳と右脳の機能レベルの判定の為の手技であるMMSE又は長谷川式しか使っていない)を持ち出しているのです。『MCI=軽度認知障害』なる基準の適用では、『アルツハイマー型認知症』の発病者であるか否か、更に言うと、症状の進行を抑制することが可能である早期の段階、二段階方式の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階であるのか否かを客観的で精緻なレベルでは、判定出来ないのです。それらの判定には、前頭葉の機能レベル、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの精緻な判定が不可欠となるのです。認知機能の障害の判定を要件とするとしながら、MMSEや長谷川式の活用による判定では、肝心の『前頭葉の機能レベルの判定が不可能』なのです。我が国で健康保険適用の対象にするに際しては、厚労省が、この点をキチンと評価し、決定すべきものなのです(対症療法薬でしかなかった「アリセプト」の二の舞にならない為にも)。

未だにアルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化が進行するメカニズム自体が不明であるとしながらも(この薬は、単なる仮説であり、未だに仮説でしかない=アミロイドベータの蓄積とアルツハイマー型認知症の発病との間の因果関係を立証できていないアミロイドベータ仮説を開発の根拠コンセプトにしている)、この薬に、発病自体の予防、或いは、症状の進行の抑制を含む治療効果が有ると主張する当該製薬会社に、その論理的で客観的な根拠(データ)の開示と説明を望みたいのです。この会社は、アルツハイマー型認知症の症状として発現してくる症状の一部に確認されるものである『記憶障害の症状』自体が、前頭葉の機能障害に起因して生じる症状の一つの態様に過ぎないことさえも、無知と言うしかないのです。アルツハイマー型認知症の症状として確認される症状の全てが、記憶障害に起因した症状【または、記憶障害の症状)であるとの想定(「DSM-4」の第一要件の規定内容でもある)自体が、重大な誤りであることは、私たち「二段階方式」が集積し提示している14689例の発病者に確認される三段階に区分される症状【小ボケ、中ボケ及び大ボケの症状)により明白なのです。

以下は、2014-04-15 (B-08)公開の私のブログ記事から引用したものです。

&1  脳全体の司令塔としての『前頭葉』の諸機能とその役割 

額のところにある『前頭葉』は、脳の最高次の機能です。運動の脳、左脳及び右脳を統括し、「脳全体の司令塔の役割」を担っています。私達人間だけに特有な機能である意識的な(自由で選択的な)意思や思考や行為や言動や行動の世界では、「左脳」が「デジタルな情報」の処理を専管的に行なうときも、「右脳」が「アナログな情報」の処理を専管的に行なうときも、「運動の脳」が「身体」を専管的に動かすときも、三頭立ての馬車(左脳、右脳及び運動の脳の「三頭の馬」が牽引する馬車)の御者の役割をしている『前頭葉』の「評価の物差し」の機能による状況判断とその指示なしには、勝手には動けない仕組みになっているのです。三頭の馬のどれかが働くときには、必ず事前に「前頭葉」(評価の物差し)によるチェックと指示とが為されるのです。「記憶の機能」が状況の判断を仕切っている訳ではないのです。このことを注意喚起的に指摘すると、『記憶の障害が起きてくることに因り、アルツハイマー型認知症の発病としての、さまざまな症状が発現してくる訳ではない』のです。専門家と言いながら、世界中の学者や研究者や医師達は、『前頭葉の機能障害』、就中、廃用性の機能低下の進行に起因した「前頭葉の機能障害」の進行がもたらす様々な症状について、目が行っていない結果として、誤った場所誤った方法で掘り続けていて、単なる「対症療法薬」でしかない薬を、治療の効能を有する治療薬だなどと騒いでいるのです。治療の効能(発病を予防し、症状を治し、又は、症状の進行を抑制する効能を有する薬のことを言います)は有して居なくて、対症療法薬でしかない薬(症状の発現の仕方や程度を抑制し、又は、昂進させる効能しか有していない薬の事)を、あたかも治療薬の開発に成功したかのような大騒ぎをしないでいただきたいのです。専門家とか言いながら、彼らは、最も核心的な要素、『日々の生活習慣、脳の使い方としての【生活習慣】の様々な要因が、前頭葉を含む脳全体の機能レベルの悪化、悪化の進行の抑制、或いは、改善に効果が有る唯一の要因である』ことを見落としているだけなのです。

「前頭葉」が自分の置かれている状況を判断し、その判断に従って、三頭の馬を主導しつつ、「前頭葉」の状況判断に沿う形で同時に協働しながら、三頭の馬が目的となる「テーマ」を実行していくというのが、「意識的な世界」で人間の脳が働くときのメカニズムなのです。

「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の顕在的な発揮度を意識的に次第に下げて行くとき、(「前頭葉」の機能の発揮度と意識との関わりを調べていけばいく程)意識的な世界でありながら専門家とされる人達から無意識の世界と混同されている世界があることに私たちは気付いているのです。思考、行為、言動、或いは行動のいずれであるかを問わず、それらを一定レベルで行うには、「意識」が一定レベル以上の度合いで覚醒されていることが不可欠であり、その意識の覚醒の度合いは「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の働き具合に左右されていると私たちは考えているのです。その肝心要の「前頭葉」の三本柱の機能には内在的な(生来的な)性質としての「正常老化の性質」が存在していることを私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積してきた極めて多数の「脳機能データ」が証明しており、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象が60歳を超える年齢の「高齢者」に限定されることともリンクしているのです。

(コーヒー・ブレイク) 私たちがこのブログの中で使用する『意識的』という意味は、「前頭葉」の三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能のいずれか及び/又はそのうちの二者/又は全てが一定の機能レベルで機能しているがために(顕在的な機能)、意識が一定レベルで覚醒されている脳の機能状態を言います。心理学の専門家達から「無意識」と呼ばれているものには、潜在的な機能である「前頭葉」の「評価の物差し」としての機能の潜在的な存在の状態(意識の覚醒が無い状態)と顕在的な機能であるが「意識の覚醒度」が極めて低い状態にあるために意識に覚醒されていない状態(意識の覚醒度が極めて低いが、顕在的な機能の状態)とがあるそのこと自体が理解されていないか、或いは両者が混同されていると私たちは考えているのです。

前頭葉の正常老化の曲線(加齢に起因した機能低下)

 廃用性の加速度的で異常な機能低下の曲線(小ボケ、中ボケ、大ボケ)

本題に返って)「脳の機能の顕在的な発揮度とその機能の潜在的な機能レベル」という視点から言えば、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、「左脳」も「右脳」も「運動の脳」も潜在的な機能レベル自体は未だ正常なレベルにあるのです。三頭の馬はどれも未だ正常なレベルにあって、脳全体の司令塔の役割を担っていて「三頭建ての馬車」の御者である「前頭葉」の顕在化した機能レベルとしての働き具合が、「異常なレベル」に衰えてきている状態なのです。そのため、『実行機能』と総称されている「前頭葉」の個別認知機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、分析、理解、判断、発想、企画、計画、創意、工夫、洞察、推理、シミュレーション、比較、選択、抑制、感動等、「前頭葉」の各個別認知機能によるその「認知度」及び「発揮度」を左右(下支え)している「前頭葉の三本柱」の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の顕在化した機能レベル自体が、第二の人生を送る上で繰り返されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に因り惹き起こされた廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が唯一の直接的な原因異常なレベルに衰えてきている為に、様々な場面で、状況や目的に即しては(又は、状況や目的に十分には)、『実行機能=Executive Function』を含む「前頭葉」の各種個別の認知機能を、十分には発揮できなくなっているが故の「認知症の初期症状」が発現してくることになると考えているのです(私たち二段階方式が、三段階に区分するアルツハイマー型認知症の段階的症状の類型については、直近のブログ「F-04」を参照してください)。様々な程度及び態様により発現してくる「アルツハイマー型認知症」の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の顕在化した機能レベルに厳密にリンクした「三段階に区分」される症状が発現してくるのが特徴なのです。

「第二の人生」を送る60歳を超えた年齢の「高齢者」(発病の「第一の要件」)が、何等かの出来事や状況の発生とその継続を「キッカケ」として、意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々継続させる中で(発病の「第二の要件」)、『前頭葉』の三本柱の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の顕在化した機能のレベルが加速度的に衰えて行き、『異常な機能レベル』にまで衰えが進行して行った結果としての直接的な反映、「アルツハイマー型認知症」の発病となるのです。世界中の認知症研究の専門家や機関(製薬会社を含む)が、未だにこのことに気づいていないことが大問題なのです。前頭葉の機能障害、就中、廃用性の機能低下に起因した前頭葉の機能障害と言う核となる要因に目が向いていなくて、その一つの態様でしかない、記憶の障害と言う要因が、発病させる核心的な原因であると誤解して、発病の原因とは無関係である(発病し、症状が末期の段階にまで進行した結果としての老人斑の沈着ではあるかもしれないのですが)「アミロイドベータ仮説」を信じて居る有様なのです。

「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、意欲や集中力を継続発揮できないし、意識的で、目的的な世界の要の機能であり、実行機能が機能を発揮する上で不可欠の機能である前頭葉の三本柱の機能、就中、『注意の分配力』の機能が、必要なレベルでの機能発揮が出来ない状態に在る為に、自分が置かれている状況の判断も的確には(又は不十分にしか、或いは単に)出来なくなるし、発想が湧いてこないし、見通しも立たないし、何をどうするのかという「テーマの構想と計画や工夫」も出来なくなっているのです。テーマを実行する上で不可欠である実行の態様や程度、おかれている状況や相手との関係などのシミュレーションも、的確には(又は不十分にしか、或いは単に)出来なくなるのです。最終的な決断も足元が揺らいでくるのです。これが、発病の最初の段階であり、この段階では、記憶の障害が確認される症状は、殆ど発現して来てはいないのです。記憶の障害が目に付くようになるのは、次の段階である、中等度認知症(中ボケ)の段階(「前頭葉」の機能が、「小ボケ」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきていることに加えて、左脳、右脳及び運動の脳の機能の顕在化した発揮度も、異常なレベルに衰えてきている段階)以降になってからのことなのです。

意識的に何かの「テーマ」を発想し、計画し、決断する上で必要不可欠の働きをしている「意欲」が不十分或いは断続的にしか発揮できなくなってしまうので、毎日をボンヤリと過ごして、居眠りばかりするようにもなります。何かの「テーマ」に取り掛かってみても、「注意の集中力」が続かなくて、「あれも遣り掛け、これも遣り掛け」という風に、中途半端になってしまうのです。「注意の分配力」(「3つ以上」の異なる複数のテーマを同時に並行して処理する機能並びに、処理の回転の速さにも関わる脳機能)が十分には働かないので、頭の回転が鈍くなってしまい、かつてのようにテキパキと用事を処理することができないのです。

これまでの本人を特徴づけていたその人らしい物の見方、感じ方、考え方、捉え方、或いは、それらの表出の程度及び態様を決定する「前頭葉」の評価機能である行動指針の反映としての「生活態度」が大きく変化し、或いは失われていき、「こんな人ではなかったのに」と周りから言われるようにもなるのです。他人に対する応答や対応の仕方を含めて「人柄の本質」自体が変わっていくような特徴的な症状を示してくるのですが、それは、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の顕在化した機能の発揮度が異常なレベルに衰えていることが直接の原因で、「前頭葉」の評価の物差しとしての顕在化した機能レベルも、異常なレベルに低下していることを反映したアルツハイマー型認知症症状なのです。

「前頭葉」(三本柱、評価の物差し、記憶の倉庫及び実行機能を含む。以下、同じ)の顕在化した機能の発揮度が異常なレベルに衰えているので、日常の生活面でのそれら機能のアウト・プットそれ自体が認知症の初期症状として発現することになるのです。「軽度認知症」(小ボケ)のイメージは、何事も人を頼るようになり、一日や一週間の計画も立てられず、指示してもらわないと動けない『指示待ち人』が特徴なのです。その原因は、専門家とされる人達が憶測により想定している要因である「記憶の障害」に有るのではなくて、『前頭葉の機能障害=三本柱の機能の機能障害、実行機能の機能障害』に有るのです。このことに気づかない限り、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化するメカニズム(原因)を解明することが出来ないだけでなくて、未来永劫開発することは有り得ないテーマ、治療薬の開発と言う夢想を追い続けることにもなるのです。アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』(食生活は無関係であり、第二の人生を送る上で繰り返され、継続される「脳の使い方」としての単調な生活習慣を言う)に過ぎないのです。世界中の専門家と言われる人達が、早くこのことに気づいて欲しいと願うのです。

発病自体を予防する為に不可欠となる脳の活性化とは、『前頭葉』の活性化を言うのであり、脳の機能構造面から指摘すると、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の出番が多くなる自分なりのテーマを日々実践することに因り、実行機能の出番が多くなることで、脳全体が活性化する、即ち、前頭葉が活性化することを言うのです。簡単な足し算や引き算をしたり、かなで書かれたおとぎ話を音読するだけでは、たとえ、物忘れの症状の或る程度の改善を確認出来ようとも、発病の予防に効果が有るというのは、言い過ぎであり、間違いなのです。

 &2 状況を判断し、実行すべき「テーマ」の内容と実行の仕方を規制しているのが「前頭葉」の「評価の物差し

「前頭葉」の評価の物差し自体は、あくまで後天的に形成されるものなのです。4歳になる以前での幼児期における体験、自分を取り巻く環境、特に「父母や祖父母や兄や姉の背中」を中心とした家族環境の中での実体験を基礎として「評価の物差し」の「原型」が形成され、4歳児から18歳ごろまでの体験(実体験及び伝聞体験)の積み重ねにより悩み、迷い、或いは拒絶し、挑戦し、好むと好まざるにかかわらずそうしたもろもろの体験の集積が幼児期に獲得したその原型の上に加味され、溶け込んでいく中で、最終的に自分としての独自のものを形成し、確立していくのです。

なお、ここで私たちが言う「評価の物差し」とは、自分独自の物の捉え方、見方、感じ方、考え方、或いは、それらの表出の程度及び態様を決定する行動指針のことを言います。言い換えると、意識的に何かの「テーマ」を実行していく上での、置かれている状況の分析と理解及び判断、状況の判断に沿ったテーマの発想、テーマの実行内容の企画と計画、計画内容の実行結果についてのシミュレーション、或いは、計画内容の実行の仕方及びその実行内容の表出である言動や態度を選択するに際しての自分独自のやり方の選択及び決定と決断に非選択的に関わってくることになる「評価の規範」のことなのです。なお、「非選択的に関わってくることになる」とは、程度のいかんに拘わらず意識が覚醒された瞬間に「評価の物差し」としての網が関門としての機能を担っていて、「前頭葉」の各種の個別構成機能全体を覆ってしまい、状況の判断も、テーマの発想も、テーマに沿った実行内容の企画や計画も、結果のシミュレーションンも、或いは、それらの表出程度や態度の選択も全て、その「評価の物差し」による非選択的な評価が下される制約の下で実行されることになるという機序の意味なのです。分かり易い別の表現を借りて説明すると、「評価の物差し」の潜在的な機能状態が「人格」、或いは、「人柄」であり、顕在的な機能状態が「心」、或いは「気持ち」であると考えてください。 

通常のケースとしては、幼児期に形成されたその「原型」を基盤の機能として、その色眼鏡をかけた状態で、その後の体験(実体験及び伝聞体験)により、加味或いは付加される価値観を自分なりに受け入れる中で、必要な修正や変更がなされていき、最終的には18才頃までに自分なりに確立された独自の「評価の物差し」(物の見方、感じ方、考え方、捉え方等の価値規範、評価規範、或いは行動指針)を形成していくことになるのです。そうした自分独自の「評価の物差し」が形成され確立されていく過程は、同時に、精神分析学や心理学の専門用語で言う「自我」の形成及び確立の過程でもあると言えるでしょう。

なお、「三つ子の魂百まで」、或いは「頭禿げても浮気はやまぬ/産屋の風邪は一生つく/産屋の癖は八十までなおらぬ/漆剥げても生地は剥げぬ/噛む馬はしまいまで噛む/子供は大人の父親/雀百まで踊り忘れず/痩せは治るが人癖は治らぬ/病は治るが癖は治らぬ」等の古くから言い慣わされてきた諺が示しているように、幼児期に形成された評価の物差しの「原型」は、その後の人生での様々な体験をもってしても容易には変更できないほど、最終的な自分なりの或いは自分独自の評価の物差しを確立していくことに対する影響が極めて大きいのです。

3つ子、4歳以前の幼児というのは、「父母や祖父母や兄や姉の背中」を中心とした自分を取り巻く家族環境の中での体験に対して、それらを評価したり、批判したり、反発したりする能力を未だ持っていないので、それらの体験を何の疑いもなくそのまま「自分の価値観」として、ただひたすらに受け入れるだけだからなのです。恐ろしいのは、「父母や祖父母や兄や姉の背中」が暗に示す価値観が、そのままその子の「前頭葉」の「評価の物差し」となってしまう、そのまま入り込んで評価の物差しの「原型」を形成してしまうことなのです。幼児を育児中の親は、この点に対する強い認識と自覚を持つ必要があると思うのです。

但し、たとえ双子であっても、先天的に受け継いだ「DNA」と更には、その子が左脳優位に生れついたのか、或いは右脳優位に生れついたのかの差異があるので、その双子が同じ環境で育ち同じ体験をしたとしても、二人の受け止め方が違うことになるのです。その結果、たとえ双子であっても異なった「評価の物差し」を形成していくことになるということについての理解が重要です。

   

&3 「アルツハイマー型認知症」の『段階的症状』と「脳の機能レベル」との関係

様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、他の種類の認知症とは異なり、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが「認知症の症状」として直接発現してくること並びに回復させることが可能か否かという視点から見た時、回復させることが容易な「小ボケ」の段階があって、次いで回復させることが未だ可能な「中ボケ」の段階があって、最後に回復させることが最早困難な「大ボケ」の段階があるという風に、「段階的な症状」を示すのが特徴なのです。

従って、本当の意味での「初期の症状」、回復させることが可能な「小ボケ」及び「中ボケ」の段階での症状を的確に判定するには、この「前頭葉」の機能レベルの精緻な評価に基づく判定作業が不可欠のものとなるのです。その場合、極めて高額な費用が掛かるだけで、その割に「前頭葉」の機能レベルの精緻な計測及び判定には不向きなCTやらMRIやらSPECTやらPETやらを使うのではなくて、或いは回復させることが困難な「大ボケ」の段階で見つける(単に、発病のレッテル貼りをしているだけのもの)のではなくて、私たちが開発した「二段階方式」のように「前頭葉」の機能レベルを精緻に評価でき及び的確に判定できる上に費用が極めて安価な「神経心理機能テスト」を認知症診断を専門とする医師が使うようになって欲しいのです。

回復させることが可能な「本当の意味での早期の段階」を見つけるのが医師としての社会的な使命だと思うからです。医療現場の現状は、回復させることが困難な末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけているのです。見つける段階が遅ければ遅いほど、周りの家族の精神的及び経済的負担が増すだけでなくて、介護保険による費用の負担を含め、国が負担する医療費も莫大なコスト増加となるのです。

私たちの主張には未だ権威はありませんが、私たちが2年前のこのブログ A-35で(ここを「クリック」してください)予告した、「東日本大震災」の被災地の高齢者達の間に起きてきていると予告した問題(認知症の専門家と言われる人達の経験値をはるかに超える極めて高い割合による「アルツハイマー型認知症」発病の問題)が確認され、マスコミに取り上げられるようになれば、それなりの権威もついてくるとは思うのですが、私たちの主張にはこれまでの20年間にわたる市町村での「地域予防活動」の実践で示してきた成果による裏付けもあるのです。

「アルツハイマー型認知症」は、脳の使い方という視点で言うところの廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であり、「前頭葉」を含む脳全体の活性化を目的とした「生活習慣の構築と改善」により発病を予防することができるし、本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけて脳のリハビリを実施すれば正常なレベルに脳の機能を回復させることもできる(認知症を治すことができる)のです。治すことが最早困難な「大ボケ」の段階で発病を見つけることに、何の意味があるのでしょうか。

   

&4  前頭葉の各種構成機能の発揮のレベルを決定する「三本柱の機能」の役割

意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、理解、興味、関心、感動、発想、企画、計画、創意、工夫、シミュレーション、予見、比較、修正、整理、機転、抑制、忍耐、決定及び決断等、「前頭葉」(個別の認知機能の総称としての実行機能を含む。以下、同じ)の機能を正常に発揮する上で、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠となるのです。『意識的』に何かの「テーマ」をそれなりのレベルで実行するには、一定レベルでの「意識」の覚醒(覚醒度)が必要不可欠となるのです。無意識にスマホをそこに置き忘れたのではないのです。基本的には常に異なる多数の意識が同時に並行して併存していて、何かに「注意の分配力」が特別に多く配分されている状況下で、注意の分配機能の僅かな配分の下で、そこにスマホを(意識的に)置いたが為に記銘度が低くて、後で想起できないだけのことなのです。「意識」の覚醒の度合いの差異と言うテーマについて、脳の機能面からも、論理的な定義の面からも、粗雑な扱いが専門家の間でなされているが故の、誤った解釈に過ぎないのです。

前頭葉を含む脳全体が(意識が)未だ十分に覚醒していない状態、例えば「寝ぼけ眼」の状態を考えてみると分かり易いと思うのですが、前頭葉の三本柱の機能の発揮度が一定レベル以下だと、先に例示したような「前頭葉」の構成要素であるそれらの個別「認知機能」(実行機能と総称されている)自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。そうした「認知度」及び「発揮度」の高さ或いは低さを左右しているのが、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「前頭葉」の「三本柱」の機能(これは、私たちが独自の見解で命名したものなので、インターネットで検索しても出てきません)なのです。

先に例示したような「前頭葉」の構成要素である実行機能を中核の機能として、その連携機能である「左脳」や「右脳」や「運動の脳」も共同参加して、前頭葉を含む脳全体で何をどのようにするかを決めるには、先立って且つ常に、必要な機能レベルでの「意欲」の継続的な発揮が不可欠になります。脳の機能面という視点から、通常の過程でこれを説明すると、(自分の置かれている「状況を判断」し、その状況判断に沿った「テーマ」を発想し且つ選択して、選択したテーマを実行するための計画を立て、実行方法についてのいくつかのシミュレーションを経て、最終的な実行方法を選択し決定して、脳の各部に指令を出して実行に移す)という過程を辿る際に、一定レベルでの「意欲」が継続的に発揮されていることが不可欠なのです。

更には、様々な状況を考慮し、いくつものケースシミュレーションを経て、最終的な実行内容とその実行の仕方(程度及び態様)を決定した上で、左脳や右脳や運動の脳に対し実行に移す指令を出すには、「注意の集中力」と「注意の分配力」の機能の一定レベルでの継続的な発揮も必要になります。即ち、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」という「前頭葉」の三本柱の機能の発揮度が、「意識度」並びに「前頭葉」の各種個別認知機能である実行機能の「認知度」及びその「発揮度」を左右しているという「二重構造」になっていると私たちは考えているのです(この見解も、極めて多数の脳機能データの解析に基づく、私たち独自の見解です)。

更に別の視点からの問題として、意識的に何かの「テーマ」を実行する過程における「前頭葉」の働き、各個別認知機能の関わり方を概説した上述の説明に付け加える必要があるのは、(自分の置かれている「状況を判断」し、その状況判断に沿った「テーマ」を発想し且つ選択して、選択したテーマを実行するための計画を立て、実行方法についてのいくつかのシミュレーションを経て、最終的な実行方法を選択し決定して、脳の各部に指令を出して実行に移す)という過程を辿る際に、その全過程で常に「記憶」の問題が絡んでくるということなのです。何かの「テーマ」を発想するといっても、無から有が生じるわけではないのです。更には、状況判断に沿ったテーマを発想するには、状況判断の結果を記憶しておいて、且つ注意の分配機能を使って様々なシミュレーションを行う必要があるのです。計画した実行内容の実行の結果がどうなるかについての様々なシミュレーションを行うには、計画した実行内容を記憶しておいて、且つ洞察や推理の機能を使って実行結果がどうなるかのシミュレーションを行う必要があるのです。状況判断に沿った「テーマ」の発想や様々なシミュレーションを行う際に必要不可欠となる、「左脳」がらみの言葉や論理や計算、「右脳」がらみの映像、或いは「運動の脳」がらみの身体を動かすイメージは全て、関連する過去の記憶が関わることになります。

そもそも記憶は、記銘、保持、そして想起という過程により構成されています。種々の段階における様々なシミュレーションを行う上で、関係する内容に関わる累積され蓄積された過去の記憶並びにシミュレーションの際に記銘した内容の保持と想起とがそもそも要求されることになるのです。その上に、次の項目で説明するように、60歳を超える年齢の「高齢者」の場合には、記銘、保持及び想起という脳の機能にも、その発揮度を左右する「前頭葉」の3本柱の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力)のそれぞれの機能レベル並びにそれを反映した程度及び態様による関わり方の直接的で強い影響があるのです。

 認知症の専門家と言われる人たちでさえ未だ気づいていないことなのですが、「中ボケ」の段階から、様々な「記憶障害」の症状が発現してくる原因は実はここにあるのです。

&5『前頭葉』の三本柱の機能に内在する「正常老化の性質」

上述のようにその「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能は、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」と言う脳の働きの「三本柱」の機能と言えるのです。ところが、私たちが意識的に何かのテーマを思いつき実行しようとするときに、必要とされる各種の個別認知機能(目的的な意思の発現である行為や行動や思索や思考に関わる実行機能のこと)を発揮する上で、必要不可欠の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び(就中)「注意の分配力」の機能には、それらの機能が使われる機会が多い生活習慣が継続されているにもかかわらず、『加齢』とともにその働きが衰えていくという性質、いわば「正常老化の性質」が内在されているのです(この性質は、私たち独自の命名です)。      

脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の三本柱の機能に「20歳代の半ばを過ぎると、年をとるにつれて100歳に向かって、緩やかではあるが徐々に働きが衰えていく」という特徴を有する「老化曲線」があること(「正常老化の性質」が内在していること)が、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを解明する上で不可欠の重要な指標となるのです。私たちが開発した「二段階方式」を活用して集積した極めて多くの脳機能データの解析の結果、私たちが定義する「第一の要件」及び「第二の要件」と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係が証明されたのです。 自分なりの生き甲斐があり、趣味や遊びや交友や運動や社会活動など自分なりの目標がある生活を継続していて、それなりに「実行機能」の出番がある「生活習慣」を維持していても、加齢とともに機能が緩やかではあるが直線的に衰えて行くという性質があるのです。

「第二の人生」の入口である65歳頃には、「前頭葉」の「三本柱」の機能レベルが最も高い20歳代の半ば頃にくらべると、そのほぼ半分くらいにまで衰えてきているのです。70歳代、80歳代、90歳代と加齢が進むにつれて更に低空飛行となっていくのです。すなわち、「前頭葉」の三本柱の機能には加齢とともに緩やかではあるが直線的に衰えていく内在的な性質があることに注目すべきなのです(この性質に注目して私たちは、60歳を超える年齢の高齢者」という要件を「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」としているのです)。

実態面からも明らかなように、「アルツハイマー型認知症」は、50歳代以下の年齢で発病する人は極めてまれなケースであり、60歳代以降の年齢の「高齢者」が発病の対象となり、70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と高齢になればなるほど、発病する人の年齢別の割合が、どんどん増えて行くのです。その背景には、「前頭葉」の「老化曲線」のカーブの傾きの度合いが、60歳を過ぎた「高齢者」と呼ばれる年齢になると、日々の生活面での脳の使い方という視点からの「生活習慣」に大きく左右されるようになることがあるのです。

 このことが、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを理解し解明する上で、極めて重要な要因となるのです。三頭立ての馬車の御者の役割を担っている「前頭葉(実行機能を含む)」の働きは、脳の後半領域の働きである左脳、右脳及び運動の脳から送られてくる情報の質と量次第で、老化の曲線の傾き具合が、緩やかに低下するカーブを描き(「正常な老化」)、或いは「加速度的に低下するカーブ」を描く(「異常な老化」)ことになるのです。

その一方で、たくさんの量と質のよい情報が送られてくるような「生活習慣」、「前頭葉が活性化する生活習慣」が継続されているお年寄りは、老化の曲線は緩やかなものとなり、身体が持つ限り脳も保てる、所謂「かくしゃく老人」への道が開けてくるのです。

生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されていて、量も少なく質も劣る情報しか送られてこない「生活習慣」が継続されているお年寄りは(これが私たちが定義する「アルツハイマー型認知症」発病の「第二の要件」なのです)、老化の曲線が加速度的な低下の曲線を描いて、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルが急速に低空飛行の状態に衰えて行くことになります(このことを言い換えると、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「三段階に区分」される「アルツハイマー型認知症」の症状が発現し、進行していくことになるのです)。

第一の要件と第二の要件とが重なり合うことにより、言い換えると、異なるこの二つの要因が同時に存在し、充足されることに因る「相乗効果」により、脳全体の司令塔の役割を担っていて三頭立ての馬車の御者の役割をしている「前頭葉(個別実行機能を含む)」の機能が「加速度的で異常な」カーブを描いて「異常な機能の低下」が進行していくこととなり、その行き着く先には、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っているということになるのです        

「アルツハイマー型認知症」を発病した最初の段階が、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階であり、本人も周りも認知症を専門とする医師さえもがそのことに気付かないで、相変わらずナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が続いていると、次の段階である「中等度認知症」(中ボケ)の段階が始まり、それでも周りが気付かないで年のせいなどと悠長に構えていて、相も変わらずナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続されたままでいると、末期の段階であり、日常の生活面での介護が不可欠のものとなる「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていくことになるのです。

繰り返しになりますが、「アルツハイマー型認知症」の本質は、脳の使い方という視点で言うところの廃用性症候群に属する老化・廃用型「生活習慣病」なのです。本来的な性質として内在している「前頭葉」の「正常老化の曲線」の問題(発病の「第一の要件」)と第二の人生に入って、何かを「キッカケ」にして、意欲を喪失する状況が生じてくることに因り、左脳も右脳も運動の脳も使う機会が極端に少なくなるような生活、「生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もない」ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まり、そうした生活が日々継続していくと(発病の「第二の要件」)、出番が極端に少なくなった「前頭葉」が「第一の要件」と「第二の要件」との「相乗効果」により廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてきて、異常なレベルに衰えてきたとき、「アルツハイマー型認知症」発病への道を歩みだすことになるのです。 

 )小ボケ、中ボケ及び大ボケの全てを含む予測数値(厚労省が提示している発病者の予測数値である700万人は、大ボケの数だけであることに注意してください。

&6小ボケ」の段階における「前頭葉の機能レベル」 

私たちが意識的に何かの「テーマ」を実行しようとする際には、置かれている状況を判断するにも、状況判断に沿ったテーマを発想するにも、発想したテーマの内容を企画し計画するにも、或いはその内容を実行した場合の結果をシミュレーションするにも、自分独自のものとして確立されている自分独自の「前頭葉」の評価の物差しという「網」が必ず先ず全体に覆い被せられた上で、そうした個々の機能が発揮されていく、それが私たち人間だけが獲得した脳のメカニズムなのです。それ故、その人の人格は、その人独自の「評価の物差し」を反映したものとしての物の捉え方、見方、感じ方、考え方、行為や行動や言動、或いは表情や感情の表出の仕方などに具現化されることになるのです。

前頭葉」の機能の中核をなしていて、何かの「テーマ」を発想し或いは選択するために不可欠の「状況の判断」並びに選択した「テーマ」をどのような内容で実行するか及びその実行の態様や程度や仕方をどのようにするか等のシミュレーションを行う際に不可欠の機能である「評価の物差し」の機能不全を反映した症状を「小ボケ」の症状の類型の中から拾い上げてみましょう。「評価の物差し」と「実行機能」の機能不全(機能障害)は、実は、「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が、廃用性の加速度的で、異常な機能低下の進行に因り、ちゃんとしたレベルでは働かなくなったことの直接の反映に過ぎないことを知るべきなのです。

何時まで、「DSM-4」の第一要件が規定する誤った内容、「アルツハイマー型認知症は、記憶の障害に起因して発病する」との重大な誤りの規定に、しがみ続けるのでしょうか。更にもう一つ、「DSMー4」の第二要件が規定する誤った内容、「失語、失認、又は、失行の症状が、アルツハイマー型認知症発病としての初期症状である」との重大な誤りの規定を基礎とした「MCI」(軽度認知障害)の基準を持ち出し続けるのでしょうか。その道の権威と言う基準は確かに大事なのですが、『権威とされる機関や人達が主張する内容が、常に正しい訳ではない』ことも、重要なことなのではないでしょうか。明確な言葉で指摘すると、『こと、アルツハイマー型認知症の発病の原因、メカニズムに関しては、彼らの主張内容は、大間違い』なのです。

)本著作物「Fー08」及び本Gooブログ上に公開され、掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用するに際しては、『著作権法』の規定に則り、引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人にお願いします)。 

アルツハイマー型認知症についての専門家達の主張の誤りを正すのがこのブログの目的です。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

意識と認知症の発病及び症状の重症化進行のメカニズムとの関係(F-07)

2021-06-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

様々な種類が数ある認知症の内で、その大多数、90%以上の割合を占めているのが、今日のテーマである、「アルツハイマー型認知症」なのです。

認知症研究や診断の専門家とされる学者や医師達までもが、アルツハイマー病と『アルツハイマー型認知症』との本質的な差異を知らない儘に、両者を纏めて、或いは混同して、「アルツハイマー病」と呼称(総称)しているのです。

アルツハイマー病は生まれつき特定の遺伝子(現在は、原因遺伝子として4つが確認されている)に異常が存在する人達だけを対象にして、若年で発症するのが特徴であるのに対して、『アルツハイマー型認知症は、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者だけを対象とした『老年発症』特徴なのであり、ナイナイ尽くしの単調な日々の「暮らし方」、『脳の使い方』としての視点と意味で言う単調な生活習慣(自分なりに追求する特定の「テーマ」がなく、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い『単調な日々の暮らし方』を言います)の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が、意欲に端を発し、注意の集中力に及び、注意の分配力の機能の発揮度に及ぶことが、機能発揮上の二重構造の関係にある『実行機能』の発揮度を異常なレベルにまで低下させ、その結果として、日々の暮らしの場面で、『意識的な世界』における脳全体の『司令塔』の役割を担っている『前頭葉(前頭前野の穹窿部に局在する複合機能体を言う桃とする。以下、同じ)』の機能が居眠りをし始め、終には、常時眠り込んでしまう状態にまで、『前頭葉』の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くことが、発病及び症状の重症化を進行させていく『真犯人なのである』こと並びに『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型生活習慣病に過ぎないものであり、早期診断早期治療により治せる性質のものであるし、発病自体を予防することが出来るものであることを、世界中の専門家達に先駆けて、解明し、北海道から九州に跨る全国452の市町村で、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証してきた(有)エイジングライフ研究所の活動が、意味不明の理由で、或いは何等かの反対組織の圧力で、「闇に葬り去られる」ことが無いよう、こうして、主張内容の概要をブログに公開してきているのです。

⇔猶、似たようなブログの内容が多くなってきていると感じられる読者に一言。都度、様々なテーマをたとえ些細なテーマであっても様々な視点から取り上げることに因り、書かれている内容に対する「著作権」が自動的に成立するものなので(世界中の誰一人として、同じような考えや視点を持ち合わせていない為、新機軸の考え方として、著作権が成立するのです)、専門家達が、今後、「二段階方式」の主張内容と同様の考え方や観方に到達することが仮にあっても、同じ様なテーマと内容で、著作物として発表することも、講演で説明することも、実践展開することも出来なくなる権利(該当する行為の中止と損害賠償の請求権が認められる)が保障されているのです。『二段階方式』の考え方と内容からの部分的な「引用」という形式を採用しない限り、著作権法違反となるのです。ブログに公開するのは、第二義的な目的であり、第一義的な目的は、国策化に拠る「二段階方式」の市町村での実践展開にあるのです。

&1  「アルツハイマー型認知症」は、『発病自体の予防が可能』な認知症

(1)このブログのメインテーマである「アルツハイマー型認知症」については、『世界中の認知症研究の専門家達から治すことも、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症であるとされてきて、その誤った情報が、超高齢社会を達成した国々の先頭をひた走る我が国日本の小さな島々の隅々にまでも浸透してしまっている』のです。

(2)「アルツハイマー型認知症」は、脳が壊れてもいないのに(器質的な原因病変が存在していないのに)、認知症の症状が発現して来る、私たち「二段階方式」の理解では、一つには、『加齢』に起因した「前頭葉」の機能低下の進行(正常老化=60歳を超える年齢の高齢者であること)が基礎に在って、もう一つ別の要因であり、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上での、「脳の使い方」としての単調な『生活習慣』、私たち独自の言葉で言う、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行(日々の使い方が不十分である為に、機能の低下が進行して行くこと)が加重されることに因り、即ち、異なるこの二つの要因同時に存在し、充足されることに因る相剰効果に因り、廃用性の、加速度的で、異常機能低下の進行が起きてくることが、発病及び症状の重症化が進行して行く直接の及び唯一の原因なのです。

(3)私達人間だけに特有な世界である『意識的な世界』に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常なレベルに衰えてきたことの直接の反映が、認知症発病としての症状となって発現して来るのです。その最初の段階が「小ボケ」(司令塔の役割を担っている『前頭葉の機能だけが、異常なレベルに衰えてきていて、手足である左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルに在る段階)に端を発し(発病の最初の段階)、次いで、「中ボケ」(前頭葉の機能が、小ボケの段階よりも更に衰えてきていて、左脳と右脳と運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきている)の段階を経て、最後は、末期の段階である「大ボケ」(前頭葉の機能、左脳、右脳及び運動の脳の機能が中ボケの段階よりも更に異常なレベルに衰えてきている段階であり、「意識」を構築し、コントロールしている核心的な機能である『注意の分配力の機能』が、大ボケの初期段階でさえ、最早ほとんど機能しえないレベルにまで衰えてきている結果として、「実行機能」が殆ど働かない状態にある)の段階へと徐々に、段階的に、何年もかけて進行して行くのが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。

    

(4)「アルツハイマー型認知症」研究及び診断の専門家達(学者や医師)から、発病の原因が不明であり、治すことも、症状の進行を抑制することも、更には、発病自体を予防することも出来ないものとされている「アルツハイマー型認知症」は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の、単なる「生活習慣病」(但し、食生活や糖尿病の発病とは無関係のものであり、脳の使い方としての生活習慣病を言うものとする。以下、同じ)に過ぎないものであること並びに「アルツハイマー型認知症」は、性質それ自体として、治すことが出来ないものではなくて、早期診断と早期治療により治すことが出来るものであるし(医師達が、発病を見つけている段階が遅すぎるせいで治せないだけ)、症状の進行を抑制することが出来るものであるし、更に言うと、脳の使い方としての「生活習慣」の在り方を自分なりに創意工夫し、『前頭葉が活性化』するその「生活習慣」を構築し/継続することに因り、『発病自体を予防することが出来るタイプの認知症である』というのが、私たち二段階方式独自の、更には、世界に類例のない考え方であり、主張なのです(疫学的に実証済みのもの)。

治すことが出来ないとか、症状の進行を抑制できないとか主張している彼等は、単に、発病を見つけている段階が遅すぎるせいである(米国精神医学会が策定した「DSM-Ⅳ」の第二要件の規定が失語や失認や失行の症状が初期症状であるとの規定内容自体が重大な誤りであることに気づかないでいて、大ボケの後半の段階になって初めて確認される極めて重度の症状であることを見逃していて、未だにその規定内容を信望している)ことについて、問題を提起しておきたいのです。猶、更に改訂された「DSM-Ⅴ」の規定内容は、様々な要因を羅列し列記するだけのもので何の役にも立たないのです)。

(5)「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定に際し、専門家とされる人達は、「前頭葉」の機能レベルというテーマに関心を持たないのです。

『アルツハイマー型認知症』は、『前頭葉の機能障害』に起因して発病するものであり、例え「重度の記憶障害の症状」が確認されようとも、前頭葉の機能が正常な場合は、他の病気なのであり、その典型が、認知症と混同され、屡々誤診されている『側頭葉性健忘症』(記銘力障害が特徴)なのです。

『意識的な世界』を構築し、統括し、管理し、コントロールしていて、意識の覚醒の度合いを支配している脳機能の要の機能である『注意の分配力』の機能についての知見に乏しいこと、就中、「注意の分配力」の機能の関与なしには、『実行機能=Executive Function 』の発揮も、発揮の度合いも顕現してこないこと、即ち、実行機能の機能発揮上の二重構造の存在についても無知なのです。これ等のテーマについての深く十分な理解なしには、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行して行くメカニズムも機序も解明できないことに気づいていないのです。その結果、世界的に通説の地位にあるとはいえ、アミロイドβ仮説を主導し、或いは、追随する研究者達は、未だに、注意の分配力の機能も、実行機能も、前頭葉の機能も備わってもいない、マウスを研究対象にしていて、相変わらず憶測ばかりしている有様なのです。

1つには、「前頭葉」という脳機能が備わっていない「マウス」を研究対象にしての憶測ばかりを行っているせいで、2つには、「記憶障害」に起因して症状が発現するとの重大な誤りの前提条件の下で、研究を続けているせいで、3つには、「認知機能の障害」を症状が発現する核心的な要因としつつも、肝心かなめの機能である『前頭葉』の機能レベルを客観的な手法で精緻に判定することが出来る手技を有しない為に「意識的な世界」における手足の働きをしているに過ぎない脳の後半領域の機能である左脳と右脳の働き具合をMMSE (我が国では、長谷川式を使用しているケースもある)という手技で判定するだけで、脳のリハビリの実施により症状を回復させる(治す)ことが可能である本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階を見落としていて(小ボケ及び中ボケの段階が、存在していることにさえ気づいていない)、末期の段階であり、最早回復させることが困難である「大ボケ」の段階しか知らないで居て、自分達が無知であることにも気付かないでいて、『アルツハイマー型認知症は、一旦発病したら、最早治すことが出来ないタイプの認知症である』とする極めて重大な誤りの内容の情報を、発信し続けているのです。

(6)その結果として我が国では、「介護の予防」を当面の政策課題と決定した政府大綱の第一条は、『アルツハイマー型認知症の発病原因、メカニズムについて、世界中の権威とされる人達が、未だに解明できていない現状に鑑み、発病自体の予防というテーマについては、当面、研究課題として位置づけ、国内の活動も含めて、関連する情報の収集に努める』と規定しているのです。『発病自体の予防並びに早期診断と早期治療による症状の回復』が、脇に置かれたままで居るせいで、単年度ベースで、【一般会計及び特別会計の総計で言うと】、『介護の費用』だけで総額10兆円を超えてきているのです。更には、(このことは余り公にされていないのですが)、『脳のリハビリ』の実施により回復させることが可能である本当の意味での『早期の段階』、「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が見落とされたままで居て、最早治すことが困難である末期の段階、「大ボケ」の段階で初めて発病と診断する不条理極まりない診断がまかり通っていて、更に、治療の効能を有していない、単なる「対症療法薬」(治療の効能は有していなくて、症状の発現の仕方を抑制し、或いは昂進させるだけのもの)の処方が、医療現場では実行されているのです。『アルツハイマー型認知症』は、『前頭葉の機能障害』に起因して発病する認知症なのであり(最初の段階である「小ボケ」の段階では、左脳も右脳も運動の脳も全てが正常な機能レベルに在る中で、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに在る)及び「3つの仮説」が発病の前提条件として想定している「記憶の障害」自体が、『前頭葉の機能障害』(廃用性の機能低下の進行が原因)の進行が原因であることは、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状である『三段階に区分される類型的な症状=14689例に及ぶ、小ボケ、中ボケ及び大ボケの発病患者の脳機能データが根拠』を確認すれば、容易に判別できることなのです。

(7)「アルツハイマー型認知症」については、発病のメカニズム、症状が重症化するメカニズム、症状の回復(治療)の可能性の有無及びその程度により、『三段階』に区分する症状の類型、症状を治し又は、進行を抑制する方法、更には、発病自体を予防する方法、「前頭葉」、実行機能と意識の機能構造、前頭葉が活性化するメカニズム、更には、『MMSE下位項目の項目困難度に関わる脳機能データ=「アルツハイマー型認知症」の発病者だけに確認されるものであり、下位項目が出来なくなっていく厳密な順番の存在のデータ』、『小ボケ及び中ボケの期間に関わる標準的な滞留期間の存在のデータ』、更には、前頭葉を含む脳全体の機能の老化の進行を左右する「生活習慣」要因の存在に関わる脳機能データ(脳の老化を加速させる生活習慣要因及び脳の老化の進行を抑制し、又は、回復させる生活習慣要因の存在に関わる脳機能データ)は、世界中を検索してみても、私たち「二段階方式」だけが、存在を主張し、独自のものとして、「事象の事実としての証拠データ」を有するものなのです。

(8)新型コロナに対する「感染回避策」としての『3密の回避』が全国的な規模で強く求められている生活状況(脳の使い方としての生活習慣)が、未だに継続している中で、実は、アルツハイマー型認知症の発病者(小ボケの段階)、症状の重症化の進行者(「小ボケ」の「お年寄り」は中ボケの前期に、「中ボケ」の前期の「お年寄り」は、中ボケの後期に、「中ボケ」の後期のお年寄りは、「大ボケ」の前期に、「大ボケ」の前期のお年寄りは、大ボケの後期に、症状の重症化が進行してきている)が驚くほど増加してきていることに、専門家とされる人達(学者や医師達)が、気づいていないのです。ワクチンの接種が行き渡ることにより、新型コロナ対策問題が、マスコミや野党からも取り上げられなくなる一方で、リーマンショック時を超えると予測されている我が国の景気の大減速に加えて、アルツハイマー型認知症の発病者及び介護が不可欠のものとなる末期の段階、二段階方式の区分で言う「大ボケ」の後半のお年寄りの数の激増という実態が明るみに出てくることとなり、「超高齢社会」を維持する上で不可欠のものである「介護保険制度」について、財政面からの「破綻の危機」が取りざたされるようになることを危惧し、問題提起しておきたいのです。それに対する対策は、介護保険料の値上げではないのです。『発病自体の予防』という極めて有効な対策方法が、実証により、示されているからです。

(9)ところで、認知症、特に『アルツハイマー型認知症』の発病者数は、我が国や米国などのような『超高齢社会』に到達している国々では、星の数ほどにも増えてきていて、介護に要する費用が天文学的な規模に上ってきているのを、御存じでしょうか。そのアルツハイマー型認知症の発病のメカニズムについては、世界的には、「3つの仮説」が提示されていて、未だに、発病との間の因果関係の存在を立証できないままで居るのです。あのハーバード大学さえも、我が国で言うと、東大や京大や理化学研究所までもが、アミロイドβ仮説という学説(3つの仮説の中では、支持する学者の数が一番多いという意味で、世界的に「通説」)の信望者なのです。厚労省も、この「アミロイドβ仮説」を支持する立場に立っていて、「政府大綱」で決定された介護の予防(「介護」が不可欠となるまでに症状が重くなるお年寄りの数を出来るだけ減らすことを目的とした市町村による活動)を目的とした市町村の取組の基本的な考え方として通達が出されているのが現状なのです。

アミロイドβ仮説やタウ蛋白仮説が根拠にしている『記憶の障害』自体が、『前頭葉の機能障害』が原因で起きてくるものなのです。二つの仮説は、『因果関係に杜撰なだけでなくて、木を見て森を見ていない』憶測の類なのです。


&2   政府大綱が掲げる「介護の予防」に最も有効なのは『発病自体の予防

私たち「二段階方式」が提案しているのは、認知症全体の90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」に特化した対策、『発病自体の予防と「小ボケ」からの回復』を第一義的な対策目標とし、『中ボケの前期、中ボケの後期については、介護の予防』を現行の制度下での対策目標とすることなのです。『発病自体の予防』というテーマは、市町村の健康づくり課等が、一次予防を担う主体となり、『介護の予防』という二次予防のテーマは、市町村の高齢支援課及び在宅介護支援センターが担うのが、最も望ましいものと考えるのです。

(1) 最も有効なのは、発病自体の予防一次予防)です。

「アルツハイマー型認知症」こそ、一次予防に最も適切なタイプの認知症なのです。①その本態が、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であること、②発病の有無及び重症化区分の判定が、二段階方式という「神経心理機能テスト」の活用により、且つそれだけで、医行為が関わらなくて、何等の機器の使用が必要なくて、客観的で精緻なレベルで判定できるものであること、③「注意の分配力」の機能の出番が多くて、「前頭葉」が活性化する「脳の使い方」を予防教室(脳のイキイキ教室)で体験し、そこでの体験を日々の生活に取り込み、自分なりのテーマを選択し、目標を設定して、自分なりの楽しみ喜び生き甲斐が得られる『生活習慣』を創意工夫して構築し、継続して実践し、生活習慣化することに因り、発病自体を予防することが出来、④万一発病しても、「早期発見」と「脳のリハビリ」の実践により、回復させることが可能であるし、⑤重症化の進行を抑制して、進行のスピードを緩やかにすることに因り、介護が不可欠となる末期の段階、「大ボケ」の段階にまで症状が進行していく時期を先送りすることが出来るのです(一次予防である「発病自体の予防」の制度化により、「介護の予防」についても、より一層効果的に達成することが出来ることになる)。

(2) 予防教室(脳のイキイキ教室)の参加者に対しては、当該年度の予防教室の開始月と閉じる月の二回、予防教室に継続して参加者した個々の『お年寄り』の「脳のイキイキ度チェック」を「二段階方式」の手技による『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』を判定することに因り、当該期間中における『経時変化』の『脳機能データ』を集積していくのです。二段階方式の基準に基づいた判定結果は、「改善、維持、低下」の3種類に判定区分されることになります。

(3) 参加しているのは全員『高齢者』なので、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、『加齢』に起因した機能低下が必ず進行していることになります。加えて、何かをキッカケにして、意欲を喪失したことで開始されることになるナイナイ尽くしの単調な生活習慣に陥っていた場合は、『廃用性の機能低下』が進行してきている「お年寄り」もいるはずなのです。当該年度の教室の開催の1年間という経過期間中に起きてきた変化、経時変化を判定するとき、①前頭葉を含む脳全体の機能レベルが改善しているケース、②維持されているケース及び③低下してきているケースの3種類に区分して判定することが出来るのです。当該判定については、「前頭葉」の機能レベル自体の変化及び左脳と右脳の機能レベルの変化を各々判定した上で、その総合的な評価が行われるのです。

厳密で客観的な要素に基づく定義に因る『判定基準』が設定されているのが、二段階方式の特徴なのです。「物忘れ」の程度や態様の変化を外観から観察するだけと言った、「記憶障害」の指標を基礎とする判定基準とは、判定基準の要素自体が異なるのです(その意味で、「MCI=軽度認知障害」なる判定基準の内容は余りにも曖昧であり、恣意的な結論が横行することになると危惧するのです)。MCIの基準を持ち出すだけで、その人は、『アルツハイマー型認知症については、無知な人』と言うしかないのです。

加えて、二段階方式の活用によれば、「前頭葉」の機能レベルの客観的で的確な判定が可能となるのであり、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び回復させることが可能である本当の意味での早期の段階、「小ボケ」と「中ボケ」の段階にあるお年寄りを的確に判定することが出来るのです。「前頭葉」の機能レベルを客観的で、的確に、且つ、精緻なレベルで判定出来る手技は、世界中の専門機関を対象としてみても、現時点では、私たち「二段階方式」の手技の他には、何等の手技も開発されていないのです。

&3  『DSM』の規定内容の変遷と現状及び「MCIの基準」の問題点

1. 「アルツハイマー型認知症」の捉え方について、以下の変遷をたどってきた米国精神医学会が策定した『アルツハイマー型認知症』の診断基準である『DSM』における「診断基準の考え方」の概要は、以下の通りです。

(1) 『DSM-ⅢR 』

①記憶障害;②抽象的思考の障害、判断の障害、高次皮質機能障害、性格変化のうち1項目以上;③脳の器質的変化の存在が推測できること

(2) 『DSM-ⅣR 』

①記憶障害;②失語、失行、失認、実行機能障害のうち1項目以上

(3) 『DSM-Ⅴ 』

複雑性注意、実行機能、学習および記憶、言語、知覚‐運動、社会的認知における低下のうち1項目以上

2.上記全ての版において、「認知機能低下」が日常生活に影響していることが含まれることが注記されていることに注意して下さい。

3.米国精神医学会が策定したものであり、世界的に権威があるとされている上記診断基準に依拠して、アルツハイマー型認知症を捉えていることに注意。

4.世界中の専門家達が、「DSM」の規程、特に、「DSM-Ⅳ」の規程内容に、未だに強く影響されていることに注意して下さい。記憶障害に起因して発病し、「失語や失認や失行の症状」が「初期症状」であると誤解した儘なのです。

➡厚労省が掲げてきた「新オレンジプラン」の内容も、その後に発表された『政府大綱』が掲げる「介護の予防」の実施も、『記憶障害』を惹き起こす要因についての世界的な通説である「アミロイドベータ仮説」の主張内容が正しいものとして、想定されているものなのです。「アルツハイマー型認知症」の症状が、記憶障害に起因して発現するとの「3つの仮説」も、失語や失認や失行(紛い)の症状が初期症状であるとの憶測に基づいただけの規定も、更には、「アルツハイマー型認知症」の前駆的状態の判定基準であるとして提示されている『MCI』(軽度認知障害)の考え方と基準も、「全てが重大な誤りの内容」なのであり、客観的で、的確で、有効な判定の為の指標とはなり得ないことに、注意が必要なのです。

&4 「二段階方式」が解明し、実証した「アルツハイマー型認知症の正体」と特徴

 (1)アルツハイマー型認知症は、第二の人生を送る60歳を超えた年齢の「高齢者」だけが対象となり発病するものであり、『老年発症』が大きな特徴なのです。その根拠については次項で示しますが、我が国だけでなく、世界中の専門家とされる機関や人達が、未だに、この『重要な特徴』に気づいていないのです。

(2)発現する症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして、回復の可能性の有無及び程度により三段階に区分されるのです(「二段階方式」独自の区分である「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の三段階)。

(3)私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』が活性化する「生活習慣」の創意工夫と改善と継続的な実践により(早期診断と「脳のリハビリ」の継続的な実践)治すことが出来るし(症状からの回復)、「介護の予防」が可能であるし(「介護」が必要可欠となる末期の段階、「大ボケ」の段階に症状が進行する年数の抑制効果)、更には、「前頭葉」が活性化する『生活習慣』(「注意の分配力」の機能の出番が多くて「前頭葉」が活性化することになる「脳の使い方」としての生活習慣であり、食生活や糖尿病とは無関係)の創意工夫、構築と継続的な実践に因り「発病自体の予防」が出来るのです(疫学的方法により「二段階方式」が実証済み)。

&5  発病及び症状の重症化が進行するメカニズム(原因と機序)

(1)発病の「第一の要件」は、『加齢』に起因した脳機能の低下という要因の存在が基礎要因なのです。加齢に起因して、「前頭葉」が機能低下を進行させていくことについては、「正常老化の性質」と命名して、脳機能データを公開しています(NHKの人気番組である『チコちゃんに叱られる』にも取り上げられて、2018年9月に登場しました=「前頭葉の正常老化曲線」の図として登場)。

(2)発病の「第二の要件」は、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した脳機能の廃用性の機能低下という加重要因なのです。なお、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」とは、左脳が専管する「仕事」とは無縁の日々を送ることになる「第二の人生」を送る上で繰り返される単調な暮らし方、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない』日々の生活、「脳の使い方」としての単調な「生活習慣」のことを言います。

(3)加齢に起因した機能低下という基礎要因とナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下という加重要因の同時存在、即ち、「異なる二つの要因が同時に存在し、充足される」ことに因る『相乗効果』に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことに因り(「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきたことに因り)発病し(小ボケ)、次いで、左脳、右脳、運動の脳が異常なレベルに衰えてくることに因り重症化が進行して行く(中ボケ、大ボケ)ことになるのです。

アルツハイマー型認知症』の発病については、小ボケ及び中ボケの段階の存在について、気が付いていなくて、末期の段階である「大ボケ」の段階、セルフケアにも支障が出てきて、日常の生活面での「介護が不可欠」となる段階で初めて発病と誤解しているのが、専門家とされる人達(学者、医師)なのです。

(4)これが、「発病及び重症化」が進行して行くメカニズム(原因と機序)であり、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現して来るものなのです(私たち「二段階方式」独自の主張であり、北海道から九州に跨る全国的な展開、累計総数452の市町村において実践指導した「アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型地域予防活動」により、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証し、発病の有無及び症状の段階区分の判定及び発病の予防、回復及び介護の予防を目的とした客観的で具体的な指導内容及び対応の核となる二段階方式の手技が極めて有効であることを実証)。

⇔現在その実態が消えてしまっているのは、①二段階方式の手技の活用を10年の経過で無償としたこと;②平成の大合併により導入していた小さな町や村が大きな市や町に吸収合併されて、業務の見直しと配置転換により消えていったこと;③高齢化率の進行に伴う「アルツハイマー型認知症」の発病者の増加対策として、オレンジプラン、新オレンジプランが、相次いで実施されていく状況の中で、新規導入先が出てこなくなったことが主たる理由なのです。

&6 発病と重症化が進行するメカニズムの簡単なチェック・ポイント

(1) 「アルツハイマー型認知症」は、『器質的な原因病変は存在していない』のです。

(2) 正常老化の性質により、加齢に起因した機能低下が進行してきていること、言い換えると、60歳を超える年齢の高齢者であることが、「基盤の要因」に在るのです。

(3)「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての『生活習慣』という要因だけが、発病するか/しないか、重症化が進行するか/しないかを区分けている、「唯一の要因」(=「加重の要因」)なのです。

①「左脳」が専管するテーマである「仕事」とは無縁の日々を送ることになる生活状況の下で、日々どのような「脳の使い方」が継続されているのかが問題。

②『実行機能』の発揮度を支配し、左右し、下支えている機能であり、「前頭葉」の三本柱と私たちが名づけている意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能3つ以上の異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して処理する上で不可欠の機能)の活用が少なくなるような脳の使い方、就中、注意の分配力の機能の出番が少ないと、「前頭葉」が活性化する場面が少なくなるのです。その結果として廃用性の異常な機能低下が進行して行くことになるのです。

(4)仕事とは無縁の「第二の人生」を送る中で、自分なりの「テーマ」も、達成すべき「目標」もない生活、楽しみがない生活、喜びや生き甲斐とは無縁の日々を送るだけの暮らし方、『創意、工夫、シミュレーションの機能』の出番が極端に少ない「脳の使い方」としての生活習慣、即ち、意識的な世界の要であり、最も高度で不可欠の『注意の分配力』の機能の出番が少ないと、廃用性の機能低下が進行していくのです。『日々、時間は有り余るのに、することが無い毎日、ボケーッとした「暮らし方」をしていると、惚ける(『アルツハイマー型認知症』を発病する)』ことになるのです(発病のメカニズムは、極めて簡単なもの)。

➡ 食事をしたばかりなのにそのことさえも忘れる「重度の記憶障害の症状」にばかり目が行き、そのことから、器質的な原因病変を追い求め、アミロイドベータの蓄積に因る老人斑とか、タウタンパクの蓄積による神経原線維変化が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こし、記憶障害が惹起されることに因り発病するとの単なる憶測の類がまかり通っているのです。

(5) 発想、企画、計画、創意、工夫、検索、シミュレーション、比較、評価、決断、感動、抑制等の『実行機能』の出番が出来るだけ多くなるような、自分なりの実行『テーマ』の設定と達成すべき『目標』がある「暮らし方」(脳の使い方としての生活習慣)を構築し継続することが、症状の回復にも、介護の予防にも、発病自体の予防にも必要不可欠となる性質の認知症ということなのです。

➡ これを纏めて言うと、『前頭葉の機能障害』に起因して発病する訳なのです。前頭葉の機能障害を惹き起こす要因は、記憶障害ではなくて、廃用性の機能低下なのであり、廃用性の機能低下を惹き起こす要因は、「第二の人生」を送る上で営まれる単調な「生活習慣」の継続なのです(それだけのこと!)。

加齢に起因した脳機能低下の進行が基礎要因である為に、「第二の人生」を送っている「お年寄り」だけが「発病の対象」となるのであり、「若年性アルツハイマー型認知症」は実在しない、架空のものであり、側頭葉性健忘症(重度の記銘力障害と海馬の萎縮が特徴であり、脳の変性により発病する)や緩徐進行性失語症と混同し、誤診しているだけなのです。猶、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」は、生まれつき特定の遺伝子に異常が存在する人だけを対象として発病するものであり、「アルツハイマー型認知症」とは全く異なる、性質の認知症なのであり、認知症全体に占める割合は、僅か1%程度に過ぎないのです!

※認知症ケアパス作成の手引きでは、「若年性認知症」の内の過半数を若年性アルツハイマー型認知症が占めると記述してありますが、専門の医師達までが、それほど多くの誤診を行っているということなのです。アルツハイマー型認知症のことも、側頭葉性健忘症のことも、知らない医師達が多すぎるのです。

(6) 症状の回復にも、重症化の進行の抑制にも(正常➡正常下限➡「小ボケ」➡中ボケの前期➡中ボケの後期➡大ボケの前期➡大ボケの後期)、『脳のリハビリ』という方法が、唯一の有効な対策となることを知っておいて頂きたいのです(「地中海料理」の摂取であれ、何であれ、「食生活」は、発病の予防とは、無関係なのです)。この場合、「脳のリハビリ」の効果が期待できるのは、中ボケの後期までのことであり、大ボケの段階になると、介護の途しかないのです

発病の最初の段階である『小ボケ』の段階で既に社会生活に支障が出てくるのです。発病を予防し及び小ボケを治すことは、『自分なりの追及すべきテーマと目標をもって、自分なりに社会生活を楽しみつつ、「第二の人生」を送ることが出来ること』を意味します。そのことで、行動の内容が深くなり、範囲が広がる為に、経済活動も含めて、『社会全体の活性化』、特に、高齢化が顕著に進行している「地方の地域の活性化」にも直結するのです。

⇔  厚労省が発表している「アルツハイマー型認知症」の発病者700万人と言うのは、発病の末期の段階である「大ボケ」の症状が発現して来ているお年寄りの数なのです。発病者には、「重度の記憶障害の症状」が確認されるべきとの誤った基準から『それらの症状が極めて重度の症状である』ことも知らないで、失語や失認や失行の症状の発現の確認を発病と判定する基準にしているせいで、「小ボケ」と「中ボケ」は発病とは考えられていないのです(その段階の存在さえ視野には無い)。我が国の「65歳以上の年齢のお年寄り」は、3600万人も居るのです。(介護の対象にはならない為に、専門家達にも知られないでいる)小ボケ中ボケとを併せた数が(介護保険の対象となるお年寄りで、介護の対象となっている)大ボケとほぼ同じ数と想定すると、3600万人の高齢者の内の3割相当は、惚けている、「アルツハイマー型認知症」を発病している(小ボケ、中ボケ、大ボケの全てを含めた人数)ということになるのです。

 ボケないで居て、全てとは言わないまでも大半のお年寄りが、『第二の人生を、自分なりのテーマと目標をもって、自分なりにイキイキと生きていく』ようになれば、既に10兆円を超える天文学的な規模に膨れ上がっている『介護の費用』を劇的に減らせることが出来るだけでなくて、高齢化率が高い地方の活性化にもつながるのです。その為の手助けとなる政策、それが、二段階方式の国策化であると考え、問題を国民の皆さんに提起しているのです。すなわち、「介護の予防」を第一目標にするのではなくて、「発病自体の予防」を第一目標として国策化すべきなのです。

&7  世界的に通説の地位にある「アミロイドβ仮説」は破綻している

(1)このブログの(F-05)で言及したように、2021年1月19日発行のNewsweek日本版の署名入りの記事の内容では、これまでに、世界中の製薬会社が、「アミロイドベータ仮説」の考え方に依拠して、『アルツハイマー型認知症』の治療薬の開発に投与した金額の総計額は、約6000億ドル(日本円に換算すると90兆円)もの金額に上るとされているのです。然も、治療薬の開発(症状を治したり、症状の進行を遅らせたり、症状の発病自体を予防する効能を有すると認められる薬)が、ことごとく失敗に帰したというものなのです。ついでに問題を提起すると、本態が、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないものである「アルツハイマー型認知症」については、治療薬(症状を回復させ、症状の進行を抑制し、或いは発病自体を予防する効能を有する薬のこと)が開発されることは、未来永劫、有り得ない事なのです。

現在使用されている4種の薬は、治療の効能は有しないのであり、「対症療法薬」に過ぎないのです。➡(追伸)今回FDA/厚労省が、エーザイの新薬『レカネマブ』について承認したとはいえ、『レカネマブ服用の効果によって、蓄積した「アミロイドβの量を減らす効果は認められる』としても、そのことは、「アルツハイマー型認知症」の症状の進行を遅らせる効能(治療効果)が有ることを意味してはいない」のです。

我が国のマスコミが、『治療薬の開発』に成功したかのような見出しを付けて報道していることに惑わされないで頂きたいのです。「この薬に、治療効果が有る筈が無い」のです。開発のコンセプト自体が根本的に誤りの仮説(アミロイドβ仮説)なのであり、加えて言うと、アミロイドβの蓄積(老人斑)と「アルツハイマー型認知症」の症状の進行との間には、肝心要の要因である、因果関係自体が存在していないのです。即ち、アミロイドβの蓄積量を減らし、又は、蓄積を阻害しようとも、症状の進行を遅らせたり、或いは、症状を治す効果が認められる筈が無いのです。⇔廃用性の異常な機能低下の進行に起因した『前頭葉の機能障害』が、発病を惹き起こす真の原因なのですから。

この薬が治療効果(症状の進行を抑制する効能)を有するか否かを正しく判定するには、この薬を投与した後の、その人の「前頭葉」の機能レベルがどのような経時変化をするのかを精緻に判定すべきものなのです(『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの悪化と症状の重症化の進行とは厳密にリンクしているのが、「アルツハイマー型認知症」の特徴なのであり、症状の進行を抑制する効能(治療効果)を有するのであれば、発病者が服用した後に、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの悪化が抑制されるはずだからなのです)。

製薬会社自身が、この薬の効果を判定する上で、MCIの基準物忘れの症状の程度と態様を外観的に評価するだけの、極めて曖昧でいい加減な評価基準であり、前頭葉の機能レベルの判定が含まれていない)を持ち出しているのです。『MCI=軽度認知障害』なる基準の適用では、『アルツハイマー型認知症』の発病者であるか否か、更に言うと、症状の進行を抑制することが可能である早期の段階、二段階方式の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階であるのか否かを判定出来ないのです。それらの判定には、前頭葉の機能レベル、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの精緻な判定が不可欠となるからなのです。

『認知機能障害』の判定を要件とするとしながら、MMSEや長谷川式の活用による判定では、肝心の『前頭葉の機能レベルの判定が不可能』なのです。

我が国で健康保険適用の対象にするに際しては、厚労省が、この点をキチンと評価し、決定すべきものなのです(対症療法薬でしかなかったアリセプトの二の舞にならない為にも)。未だに、アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化が進行するメカニズム自体が不明であるとしながらも(この薬は、単なる仮説であり、未だに仮説でしかない=アミロイドベータの蓄積とアルツハイマー型認知症の発病との間の因果関係を立証できていないアミロイドβ仮説を開発の根拠コンセプトにしている)、この薬に、症状の進行の抑制という治療効果が有ると主張する製薬会社エーザイに、根拠を聞いてみたいのです。

(2) 「アルツハイマー型認知症」研究の専門家の数はと言うと、世界中で言うと、星の数ほどいると考えられるのです。それでいて、未だに仮説の類が提唱されるだけで、『発病のメカニズム(原因)については、全く分からない、不明のものである』とされている理由は、どこに有るのでしょうか。『アルツハイマー型認知症というタイプの認知症は、私たち人間だけに特有なものである、意識的な世界が関わる認知症である』ことに、世界中の専門家達の内の誰一人として、このTadを除いては、全く気付いていないからなのです。『アルツハイマー型認知症の本態、発病のメカニズムに照らして、治療の効能を有する薬が開発されることは、未来永劫有り得ない事なのですから。

(3)「アミロイドβ仮説」は、器質的な原因病変に因る「記憶障害」という要素が発病を惹き起こす原因であるとの想定(仮説)に基づいた考えであり、マウス(アミロイドβを注入したアルツハイマーマウスを含む)の行動を研究する仮説なのですが、マウスには、「注意の分配力」の機能が備わっていなくて、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」という脳機能が備わっていないのです。言い換えると、『アルツハイマー型認知症は、記憶障害に起因して発病するものではなくて、意識の世界が関わる認知症なのであり、前頭葉の三本柱の機能の核心的な機能である注意の分配力の機能の廃用性の機能低下の進行及びそのことに起因した実行機能、就中、前頭葉の機能の廃用性の機能低下の進行に因り、その機能が異常なレベルにまで衰えてきていることが、発病及び症状の重症化が進行して行く「真の原因である」ことに、未だに気づいていない』ことが、致命傷なのです。

&8   「意識的な世界」と「アルツハイマー型認知症」の発病との関わり方

(1)自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、為すべき「テーマ」を発想し、「テーマ」の実行内容及び実行の仕方を検索し、企画し、計画して、その実行結果について、洞察し、推理し、シミュレーションし、評価し、比較して、最終的な実行内容及び実行の仕方を抑制し、或いは選択して、その実行を決断し、実行の指令を脳の各部に発することになる、これが、意識的な世界における『実行機能』と総称される「個別認知機能」の発揮の工程表なのです。その各種テーマは、「意識的な世界」では、基本的に「常に複数存在」していて、異なる複数の意識(意識的な世界=覚醒の度合いがそれぞれに異なる意識状態)を構築し、管理し、コントロールしている脳機能が「注意の分配力」の機能なのです。「意欲」が下支えているのが、「注意の集中力」であり、「注意の集中力」が下支えているのが「注意の分配力」の機能と言う機能発揮上の視点で言うと、「階層的な機能構造の関係」にあるとTadは考えるのです。

(2)私たち人間だけに特有なものである「意識的な世界」では、実行機能と総称される個別認知機能の各発揮度を構築し、統合し、支配し、下支えて、管理し、コントロールしている脳機能が、私たち人間だけに特有な機能である「注意の分配力」という機能なのです。このことを言い換えると、個別認知機能(実行機能)の機能の発揮度と注意の分配力の機能との間には、機能発揮上の二重構造の関係が存在しているということなのです。即ち、「注意の分配力」の機能の発揮の度合いが、個別認知機能(=「実行機能」)の機能の発揮の度合いを左右し、管理し、コントロールし、下支えているということなのです。

(3)私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界(意識状態)」は、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(以下、「前頭葉の三本柱の機能」と呼ぶことにします)を基礎機能としつつ、「評価の物差しの」機能及び「記憶の倉庫」の機能並びに「実行機能」及び「前頭葉の三本柱」の機能が有機的な関係下で協働して働くことに因り構築され、統合され、維持され、管理されている世界なのです。興味や関心の度合いの変化、前頭葉の三本柱の機能の発揮度の変化、更には新たなテーマの発想により、「評価の物差し」が別のテーマを選択させることになる、この働きの変化を含む機能構造体が、所謂、ホムンクルスの小人の正体ではないかとTadは考えているのです。「評価の物差し」の機能こそ、実行機能が働く上での最初の関門となることに、未だに誰一人として気づいていないのです。このことが、意識の機能構造解明の出発点となる要因であるにも拘わらず。

(4)私たち人間には、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(「前頭葉の三本柱」の機能、実行機能、評価の物差しの機能、記憶の倉庫の機能が局在している脳機能部位=前頭前野)に加えて、デジタル情報の処理に特化した機能部位である「左脳」、アナログ情報の処理に特化した機能部位である「右脳」及び身体を動かす処理に特化した機能部位である「運動の脳」という『実行機能の手足の機能』があります。『意識的な世界』は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の御者である『前頭葉』が運行を支配し、管理し、コントロールする世界と考えているのです。

猶、覚醒された『意識』については、基本的には、異なる複数の意識が構築されていて、並存しているものであり、加えて、それら各意識には、時間軸(時間の経過という変化)及び空間軸(空間の拡大及び縮小という変化)両要素が含まれているので、「意識状態」と考えるのがより適切であるというのが、Tad自身の考え方なのです。意識は一つしか存在していないとする主張が多くみられるのですが、たった1つの意識(意識状態)のみが存在するという状態は、実は、作り出すこと自体が極めて困難なものなのであり、相当の鍛錬が不可欠となるものなのです。複数の異なる意識同時並存を可能ならしめている脳機能こそが、『注意の分配力』の機能なのです。

(5)Tadは、意識に関する世界的に著名な学者の最新版著書「脳の大統一理論:カール・フリストン」、「意識はいつ生まれるのか:マルチェッロ・マッシイミーニ;ジュリオ・トノーニ」、「意識と脳:スタニスラス・ドウアンヌ」及び「予測する心:ヤコブ・ホーヴィー」を読み込んでみたのですが、残念なことに、どの著作も、最も肝心な脳機能である「評価の物差し」の機能の存在とその役割についての記述が無いのです。彼等の誰一人として、その存在に気づいてもいないのです。「意識的な世界」における「実行機能」の働きが起きてくるためには、まずもって、「評価の物差し」の機能が関わることが不可欠のものとなることにさえ、誰一人として気づいてもいないのです。更には、評価の物差しが働くにも、実行機能が機能を発揮する上でも、記憶の倉庫との照合が不可欠となることについても、もっと根源的な問題である『実行機能の発揮に関わる、前頭葉の三本柱の機能の関わり方(Tadが問題提起する実行機能の機能発揮上の二重構造の問題の存在)』についても、何等の説明がなされていないのです。

意識」の覚醒の度合いが一定レベル以上に在る状態下で、何らかの「認知」が惹起される為には、「評価の物差し」の機能が起動されることが前提条件となること及び認知の内容が同期し、同定される(=メタ認知)には、「記憶の倉庫」の機能との照合が不可欠となること等、「意識」を語る上で、或いは、「意識の機能構造」を説明する上で不可欠となるこれらの機能要素についての言及が全くないことに、Tadはただ驚くばかりなのです。猶、「評価の物差し」と「意識」との関わり方の詳細については、このブログの(B-10、11、12)及び(B-83)を参照して見て下さい。

&9 現時点でも、世界的に独自の主張内容である「二段階方式」の概要

   意識的な行為の世界と実行機能によるその認知度及び機能の発揮度

意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、批判、想像、理解、了解、興味、関心、発想、連想、妄想、企画、計画、創意、工夫、予測、具象化、抽象化、シミュレー・ション、予見、比較、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断等、「前頭葉」の機能を構成している各種の高度な認知機能を正常に発揮する上で、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠となるのです。

認知度が一定レベル以下だと、例示した「前頭葉」の各種個別の認知機能自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。そうした個別の認知機能によるその「認知度」の高さ或いは低さを左右しているのが、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「前頭葉の三本柱」の機能なのです(「認知度」と「発揮度」とがともに、「三本柱」の機能レベルと「リンク」している)。

前頭葉」を中核の機能として、有機的な連携のもとに左脳や右脳や運動の脳も参加して、脳全体で何をどのように実行するのかを組み立てるには(実行すべきテーマをいくつか発想し、その中から1つを選択し、その実行内容を組み立てるには)、先立って且つ常に、必要な機能レベルでの「意欲」の継続的な発揮が不可欠になるのです。自分が現在置かれている状況と環境の判断をベースとして、様々な状況の変化を予測して考慮し、いく通りかのケース・シミュレーションを経た上で最終的な内容を決定し、実行に移すには、「注意の集中力」と「注意の分配力」の機能の継続的な発揮も必要になるのです。

上述のようにその「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能の構成要素である個別の『実行機能』によるその認知度及び機能の発揮度を左右し、下支えする働きを担っていて、個別の「実行機能」を十分に発揮するに際しての「二重構造」の関係(私たちのネーミング)が存在しているのです。 

  &10 『前頭葉の3本柱の機能』に内在する「正常老化の性質」

(1)  私たちが意識的に何かのテーマを思いつき実行しようとするときに、必要とされる各種の認知機能を発揮する上で、必要不可欠の機能である「前頭葉の三本柱」とも言うべき、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、『加齢』と共にその働きが衰えていくという「正常老化の性質」(私たちのネーミングです)が内在されているのです。

(2) 私たちが世の中の専門家達に先駆けて発見したそのカーブの存在は、私たちが「二段階方式」に基づく「かなひろいテスト」と「MMSE」テストの実施結果及び廃用性の機能低下を進行させてきた原因であり、「キッカケ」を契機に開始され継続されてきたナイナイ尽くしの単調な生活習慣を内容とする『生活歴』の聞き取りの実施により集積した年齢別の脳機能レベルの推移を示す膨大な量の脳機能データにより証明されているのです(20歳代の内にピークを迎えて、その後は、緩やかではあるものの、下向きのカーブとなり、「第二の人生」の入り口ともなる60歳を超えた高齢者と呼ばれる年齢になると急速に下降するカーブを描いていくようになる)。

(3) 私達人間だけに特有な世界であり、DNAの99%が人間と同じとされるチンパンジーにも無い世界、「意識的な世界」における脳の司令塔は「前頭葉」であり、『加齢』の進行と共に、「前頭葉の三本柱の機能」(意欲、注意の集中力及び注意の分配力)、実行機能の働きが衰えていくという性質、「正常老化の性質」が、「前頭前野」に局在する脳機能全体に内在していることが、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行して行く「メカニズム」及び「機序」を解明する上で、不可欠の視点となるのです。

(4) 加齢による機能低下が基礎要因として存在していて及び仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上で繰り返され、継続されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に起因したものであり、加重要因である廃用性の機能低下の同時進行に起因した、「前頭葉の三本柱」の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が、「評価の物差し」の機能、「記憶の倉庫」の機能及び「実行機能」の異常な機能低下の進行に波及する結果として、「総体」としての『前頭葉』機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が惹き起こされて、その直接的な反映が、『アルツハイマー型認知症』の発病及び三段階に区分される(小ボケ、中ボケ及び大ボケの三段階)症状の重症化の進行として発現して来るだけのものなのです。

(5) 猶、この「前頭葉」の正常老化曲線のカーブの傾きの度合いは、60歳を過ぎた高齢者と呼ばれる年齢になると、脳の使い方という視点からの「生活習慣」に大きく左右されるようになります。脳の後半領域の働きであり、「前頭葉」と協働して意識的な世界でのテーマを実行するための下部機構として機能している左脳、右脳及び運動の脳とのやり取りの中で処理される情報の質と量次第で、「前頭葉」の老化の曲線は、「緩やかに低下するカーブ」(正常な老化)を描き、或いは、「加速度的に低下するカーブ」(異常な老化)を描くことになるのです。

(6) 実態面に目を向けた時、「アルツハイマー型認知症」を発病するその対象が60歳を超える年齢の「高齢者」に限られていて、然も、70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と高齢になるほど発症率が高くなっていく原因は、基盤の要因としての「正常老化のカーブ」の存在にあるのです。

(7)「働き盛りの50歳代で、アルツハイマー型認知症を発症する人達が増えてきている」などとマスコミが取り上げ騒ぐことがあるのですが、「アルツハイマー型認知症」を50歳代という「若い年齢で発症」するケースは皆無とは言わないまでも極めて稀なことなのです。

「アルツハイマー型認知症で」はなくて、側頭葉性健忘症とか緩徐進行性失語とか緩徐進行性失行などの、「認知症と紛らわしい病気」であることを知らない(見抜く為の手技を持たない)医師達が誤診している結果に過ぎないのです。

本著作物「F-07」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。 

    エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください) 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする