物忘れ、反省と工夫が利けば、年のせい !!
〇 今日の課題
「物忘れ」の症状がたびたび起きてきて、その頻度が増してくると、気になるというよりも、少しばかり不安になるのではないですか。ほら、例の話、「アルツハイマー型認知症」を発病しているのかもしれないとの、先日のテレビ番組の報道内容が想い出されるあなただから。あなたの年齢はというと、「高齢者」と呼ばれる年齢で、「第二の人生」を送っている方なのでしょ。おまけに、テレビに出てきたその認知症の専門家とかが、軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)とかいう概念というか、考え方があるとか紹介していたしね。その人が、『「アルツハイマー型認知症」は、発病する何十年も前から、原因物質であるアミロイドベータというタンパク質が脳内に蓄積し始めている』とか、言っていたし。それが溜ってきていて、物忘れの頻度が増してきているのかもしれないとの不安が募るのでしょう。
その医学部教授の話では、『「アルツハイマー型認知症」を発病した状態とは言えないものの年齢不相応の「物忘れ」の症状が確認されるときは、「軽度認知障害」と呼ばれる状態であり、数年後には、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が多く含まれていて、「アルツハイマー型認知症」発病の予備軍ともいうべきものだ』と断定的な言い方で説明が為されていたから余計に不安を感じるのでしょう。ところで私の知り限り、テレビに出てきて、認知症の専門医だとか、大学の医学部の教授だとかの肩書で紹介された人達の誰一人として、本当の意味での専門家だと感じさせられた人は一人もいないと断言できるのです。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズムについても「アルツハイマー型認知症」の症状自体についても良く分かっていない人達ばかりというのが私の正直な印象なのです。「アルツハイマー型認知症」は、第二の人生を送っている高齢者にとっては最大の病気といっても過言ではない病気なのに、殆ど何も知られてはいないのです。世界中で唱えられている学説の全てが未だに「仮説」であり(発病との間の因果関係の存在を立証できていないので、仮説とされる)、診断や治療に携わる医療現場の医師達の全てが、「アルツハイマー型認知症」の症状についてさえ良く分かっていないのが実情なのです。彼等は、末期の段階(私たちの区分でいう「大ボケ」の段階)の更に後半になって初めて発現してくる失語や失認や失行等の症状が、早期の段階の症状であると誤解しているのです(それらの症状を起点にしてもっと重い症状が、「アルツハイマー型認知症」の症状だと誤解している)。彼等は、本当の意味での早期の段階、私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のことを全くのこと知らないのです。彼等が早期の段階の症状であると勘違いしている症状であり、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-4」の規定が第二の要件で確認を要求している失語や失認や失行の症状が、実は、末期の段階で初めて発現してくる症状であり(30点が満点のMMSEの得点が一桁にならないと発現を確認できない極めて重度の症状)、もっと軽い段階の様々な症状が存在することさえも知らないのです。その誤解と勘違いの結果として(早期の段階で見つければ治せるものを、全ての医療機関が末期の段階の症状を基準にして見つけている為に)、『「アルツハイマー型認知症」は、治らない病気にされてしまっている』のです。認知症の専門家達から、『原因不明で治らないもの』という誤ったメッセージが発信され続けているが為に、我が国での「アルツハイマー型認知症」の発病者数(然も、末期の段階のお年寄り)が、500万人を超えるところまで来ているのです。早期診断による回復にも発病の予防にも何等の対策が打たれないまま、介護関連の総費用の額(診断、投薬及び介護)が年間で15 兆円を超えるところまで来ていて、介護保険制度が財政面から破綻しそうな勢いなのです。先日上京の折に、丸善で書籍を読みまくったのですけど、全てが、でたらめの内容の物ばかりだったのです。
〇「物忘れ」の症状の発現は、誰でもが経験するもの
簡単な「記憶のテスト」をして、点数が悪いと「アルツハイマー型認知症」を発病しているかもしれない等と判定したりする番組が「高齢者」である視聴者に受けるのです。「アルツハイマー型認知症」を発病して、周囲からもそれと分かる症状が見受けられる人達は、必ず高齢の「お年寄り」だからなのでしょう。そうした番組に関心を示すのが、物忘れの頻度が増してきていて、そのことが気に懸かっているお年寄り達だからなのでしょう。物忘れの症状は、通常であれば、「30歳代の若い年齢」で初発してくるものであり、年を取るにつれて、その頻度が増していく性質のものなのです。その原因は、実は、脳の機能構造自体にあるのです。「加齢」とともに脳の機能が老化していく、具体的には、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能について、加齢とともにその働き具合が緩やかなカーブを描きつつ、且つ、正常な機能レベルの範囲内で、機能の低下が進行していくという性質、私たちが「正常老化の性質」と名付けている生来的な性質が誰の脳にも存在しているからなのです。従って、年を取っていくにつれて、例外なく(何時頃から初発し、どの程度に症状が進行して行くかはそれぞれとはいえ)、物忘れの症状が確認されるようになり、頻度が増していくことになるのです。
上述したアミロイドベータ説という仮説(世界的に通説の地位にある)が主張するマジック(憶測)を解き明かしましょう。『アミロイドベータが何十年もかけて情報を伝達する役割を担っている神経細胞に蓄積し、その蓄積により生成される老人斑がもつ毒性により神経細胞の大量死が惹き起こされる為に記憶障害が惹き起こされることが、「アルツハイマー型認知症」の様々な症状を発現させることになる』という主張が、実は、単なる憶測の類に過ぎないのです。『「老人斑」の持つ毒性が神経細胞の大量死を惹き起こすことにより「記憶の障害」が引き起こされてくることが基礎となり、「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が発現する』という肝心の論理自体が、単なる憶測であり、両者の間の因果関係自体が立証されていないのです。この仮説が依拠する立場はというと、「DSM-4」の規定が「第一の要件」で確認を要求している「記憶の障害』が基礎にあって、「アルツハイマー型認知症」の様々な症状を惹き起こしてくるという仮説をそのまま鵜呑みにして、大前提に据えているのです。そこから出発して、一つには、「アルツハイマー型認知症」を発病して、失語や失認や失行といった極めて重度の症状が確認されていたお年寄りの死後の脳の解剖所見に見られる老人斑が「記憶障害」を惹き起こしている犯人に違いないとの憶測なのです。更に、発病のメカニズムも症状の進行のメカニズムも全く異なる、生来的なDNAの異常が原因で認知症の症状が発現する『アルツハイマー病』患者の死後の脳の解剖所見にも同様の老人斑の蓄積が確認されることを根拠として、記憶障害犯人説という仮説を組み立てているにすぎない、『屋上屋を架した仮説』というレベルのものなのです。彼等は『正常老化の性質』の存在にも気づいていなくて、更に言うと、『「物忘れの症状』(記憶障害の症状)が「正常老化の性質」に起因して発現する」という仕組みにも気づいていなくて、アミロイドベータの蓄積が「記憶障害」をもたらすとの前提に立脚して、更には、何十年もかけてアミロイドベータが脳内に蓄積していくという仮説を組み立てているだけなのです(物忘れの症状が発現する仕組みを知らないで、加えて、早い人では30歳代から物忘れの症状が発現して来て、年を取るにつれてその程度や態様が複雑になってくるという実態に目を付けただけの組み立てなのです)。その根拠はというと、私たちが主張の基礎データとしているような生きた人間の「前頭葉」の働きのメカニズムとその働き具合というのではなくて、「前頭葉」という機能が備わってもいない(「注意の分配力」という機能も備わっていない)マウスが檻の中で餌を探して彷徨する足跡ばかりを追いかけまわして、さらなる憶測に基づいた主張(仮説)を展開しているだけなのです。
〇「アルツハイマー型認知症」の真の正体
物忘れの症状は、単なる脳の老化現象であり、誰しもが発症を経験する性質のものであるのに対し、『「アルツハイマー型認知症」の発病は、「加齢」とともに発病する割合が高くなっていく』という特徴を有するものの、誰もが発病する訳のものではないのです。そこには、私たちが発病の第二の要件として定義する厳格な条件が存在する(発病する為には必要不可欠の条件となる)という事実が存在しているのです。私たちが「アルツハイマー型認知症」を発病する為の第二の要件として規定する条件とは、キッカケの発生を契機として意欲を喪失してしまったが故の日々の暮らし方、言い換えると、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続すること』なのです。第二の要件を充足する生活習慣(食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意する)に直接に起因して、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能が廃用性の機能低下を進行させていくこととなり、私たちが定義する発病の第一の要件の充足(「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること)により、加齢に起因した(正常老化の性質に起因した)脳の老化(機能低下 )という条件に対して、第二の要件の充足に起因した廃用性の機能低下という要件が加重されることにより(第一の要件と第二の要件とが同時に存在し充足されることの相乗効果により)、「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、その先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っている(「小ボケ」の段階の症状が発現してくる)ということなのです。同様のメカニズムの下で、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、且つ、「前頭葉」、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳』の順番に、廃用性の加速度的で異常な機能低下が同時に進行していくことにより、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ』の順番に、各々の段階に特有な症状が順次、発現してくることになるのです。私たちは、「二段階方式」の手技を活用して集積した「脳機能データ」、即ち、生きた人間の「前頭葉」の三本柱の機能の正常老化のカーブ並びに「アルツハイマー型認知症」の発病患者の「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の機能低下を反映した、且つ、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状に関わる廃用性の加速度的で異常な機能低下のカーブの存在という客観的なデータ解析に基づいた主張をしているのです。「アルツハイマー型認知症」について、その発病及び症状が重症化していくメカニズム(機序)を解明し、理論的にも体系化して、早期診断による回復及び発病自体を予防する方法を創出し、更には、北海道から九州に至る全国452の市町村で、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を指導し、主張の内容が正しいことを客観的なデータにより実証してきたのは、私たちだけなのです。
注)私たちは、東日本大震災が発生した翌年の3月以降継続して、『東日本大震災の被災地の高齢者達の間では、被災をキッカケとして、何事に対しても意欲を喪失してしまい、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていることに直接起因して、「アルツハイマー型認知症」を発病してくるお年寄り達/症状の重症化が進行しているお年寄り達の数が、他のどの地域と比較しても異次元といえる程の極めて高い割合により確認されることになること及び早期の対策が必要不可欠であること』を予告し、警告し、問題提起してきたのです。被災から既に7年が経過しているというのに、未だに誰も問題にしないのです。認知症研究の専門家とか専門機関も、テレビや新聞等のマスコミもこの問題を取り上げようとはしないのです。取り上げていたのは、復興に関わるテーマばかり。私たちが提起している『「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行』というテーマも極めて重要なのです。このまま放置して居ると、あと数年のうちに、末期の段階であリ、最早治すことが出来なくなり、介護の途しか残されていない『大ボケ」の段階のお年寄りが、どの被災地でも、あふれ出てくる状況になるはずなのです(災害公営住宅に居住する高齢者の今後の動向に、特に注意する必要があるのです)。逆に言えば、大震災の被災をキッカケにして、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に陥り、その単調な「生活習慣」が継続していく生活状況の下で、「アルツハイマー型認知症」を発病した人達の大半は、未だ「中ボケ」又は「小ボケ」の段階にあるということなのです。本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つければ、「脳のリハビリ」により元の正常な機能レベルに戻すことが出来る(認知症の症状を治すことが出来る)のです。そうなのです!『今なら、未だ間に合う』のです。大震災の被災と言う予期せぬ大災害の傷跡も消えない「お年寄り」やその「家族」に、「アルツハイマー型認知症」の発病、或いは、末期の段階にまで症状が重症化していて、もはや治すことが出来なくて介護の途しか残されていない年老いた親の「介護」という重荷を背負わせてはならないと訴えたいのです。「アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用症候群に属する「生活習慣病」なのであり、「アルツハイマー型認知症」こそが、早期診断による回復及び発病の予防が可能なのです。「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」が国策として、且つ、この被災地の市町村を手始めとして実施され、更には、全国の市町村の隅々にまで行き渡り実施される日が一日も早く実現されることを切に願うのです。
〇 マウスではなくて、生きた人間の「脳の働き」を対象とすべき
「アルツハイマー型認知症」の症状としての最大の、一番の特徴は何か。それは、「DSM-4』の規定が第一要件で確認を要求している「記憶障害」(又は、「記憶障害」に起因したもの)ではないのです。一番の特徴はというと、『「前頭葉」の機能障害、それも、廃用性の機能低下が進行した「前頭葉」の機能障害に直接起因したもの』なのです。そのことに未だに気づかないでいて、「DSM-4」が第一の要件で確認を要求している「記憶障害」を惹き起こしそうな仮説の標的、アセチルコリンの不足とか、アミロイドベータの蓄積(老人斑)とか、タウタンパクの蓄積(神経原線維変化)とか、脳の萎縮とかが原因だと想定しただけの憶測に基づいた主張、アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウタンパク説、脳の萎縮説等の仮説の類が主張され続け、関連する誤った内容の情報が発信され続けているという訳なのです。主張(仮説)の内容と発病との間の因果関係の立証が未だに出来ないまま、何時まで情報を発信し続けるのか。
「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、私たちが意識的に何かの「テーマ」を発想し、発想したテーマの実行内容を計画し、実行の手順を組み立て、実行結果をシミュレーションした上で修正し、最終的な実行内容を選択して、実行の決断をし実行するに際して、脳が壊れてもいないのに(何等の器質的な病変が存在してもいないのに)社会生活面や、家庭生活面や、果ては、セルフケアの面でも重大な支障が出てくる病気なのです。その鍵は、「意識」の機能構造であり、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/下支えする「前頭葉」の三本柱の機能との二重構造の問題であり、「前頭葉」の三本柱の機能に潜む「正常老化の性質」の問題であり、「前頭葉」の廃用性の機能低下の問題なのです。それ等のいづれのテーマも、マウス(アルツハイマーマウスを含む)とは、無縁のものばかりなのです。アミロイドベータ説なる仮説を展開して我が国の医学会をリードしている立場にある東大、京大及び理化学研究所の研究者の皆さん、何時まで、マウス(アルツハイマーマウスを含む)のお尻を追いかけ回すおつもりなのですか。肝心の因果関係の立証が出来ないままで居るというのに、どこまで、アミロイドベータ説に固執するのですか。皆さんが微塵も疑うことなく信望し、仮説の大前提にしている『記憶の障害』という条件(「DSM-4」が「第一要件」に規定する条件)は、重大な誤り(誤解)であって、「前頭葉」の機能障害、就中、『「前頭葉」の廃用性の機能低下』という条件に変更すべきものだということを指摘しておきたいのです。その証拠に、「アルツハイマー型認知症」としての最初の段階、社会生活面に支障が出てくる「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、「DSM-4」の規定が第一の要件で定義し、想定し、確認を要求しているような程度及び態様での「記憶障害」の症状(記憶障害に起因した症状)は、その欠片さえも確認できないのです。更に重要な事実、私たちが、『MMSE下位項目の項目困難度』と名付けている事象事実としての脳機能データの存在なのです。「アルツハイマー型認知症」を発病した患者である場合は、「MMSEの下位項目」に、出来なくなっていく厳格な順番があるという事実なのです。その順番とは、必ず、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番に出来なくなっていく(機能が衰えていく)のです。私達が日常生活を送る上で最も基本的な機能であり、不可欠の機能である「時の見当識」についても、必ず、『日、年、月、季節、昼夜』の順番に衰えていくのです。これは、14689例のアルツハイマー型認知症の発病患者に関わる脳機能データが示す厳然たる事象事実なのです。
アミロイドベータ説(やタウタンパク説)は、アミロイドベータの蓄積による老人斑の生成(やタウタンパクの蓄積による神経原線維変化)が情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こすことが原因で、記憶障害に起因した(記憶障害を基礎とした)「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が発現してくるとの「仮説」なのですが、上述した「MMSE下位項目の項目困難度」という事象事実を、どのように合理的に説明できるというのでしょうか。この一事をもってしても、アミロイドベータ説(やタウタンパク説)は、破綻しているのです。「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化する原因が、『廃用性の機能低下』であるからこそ、高度な機能から順番に衰えていくという、厳格な順番が存在するのです。
〇 「DSM-4」の規定こそが諸悪の根源
私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」、私たちが意識的に何かを行おうとするに際して、意識的な世界を創出し、統括し、支配し、管理し、コントロールしている脳機能であり、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)の廃用性の機能低下という問題には、未だに、全くのこと気付いていないのです。「意識」の機能構造及び「前頭葉」の廃用性の機能低下を理解できない限り、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状重症化のメカニズムを解明することは出来ないのです。
様々な程度及び態様により発現してくる「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が、「記憶障害」が基礎となって発現しているとの誤解の上に立って、様々な仮説を並べ立てているだけなのです。米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-4」の規定が「第一の要件」で確認を要求している「記憶障害」に起因した症状という条件、仮定としての条件が重大な誤りであることにも気づかないで居て、それに追従しているだけなのです。「アルツハイマー型認知症」の様々な症状は全て、「前頭葉」の機能障害が核心に在って発現してくるものなのです。「記憶障害」という要件の設定自体が重大な誤りであることにも気づかないで、テレビに出てきて、権威ある人や機関の仮説や主張を(実は、単なる受け売りでいて)、いかにも物知り顔に語っていたりするのです。医療現場で診察に携わっている医師達も、様々な種類の認知症及び認知症と紛らわしい病気を消していき、最後まで残ったものについて、「重度の記憶障害」の症状らしきものを確認した場合に、「アルツハイマー型認知症」と診断しているのが実態なのです。
廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」が本態であり、発病の原因が器質的な病変とは何の関係もないのに、なんの理由で、CTとかMRIとか、果てはPETまで持ち出すのですか。高額の診療費を稼ぐ以外にどのような目的と理由があるというのですか。おまけに、早期診断と称していながら、「脳のリハビリ」により回復させることが可能である本当の意味での早期の段階、私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状はことごとく見落としていて、末期の段階の症状、「脳のリハビリ」により回復させることが最早困難となる段階の症状、私たちの区分でいう「大ボケ』の段階の症状のうちでも更に後半の段階の症状である失語や失認や失行の症状という極めて重度の症状及び僅か数時間前に食事をしたことさえも思い出せないレベルの極めて重度の記憶障害の症状を確認して初めて、「アルツハイマー型認知症」の発病と診断する意義とその目的はどこにあるのですか。単なる『レッテル貼り』に過ぎないのではないですか。
〇 脳の機能面から見た「記憶」のメカニズムとは
『記憶』というのは、対象を「記銘」し、それを「保持」して、「想起」するという3つの過程を辿るものなのです。物忘れをするということは、想い出せない(想起できない)ときにそう考えるのです。私たちが独自に開発した精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも上る脳機能データによると、実は、専門家達が言う『記憶のメカニズム』の説明それ自体が、上述した医師のように、客観的な根拠データさえなく、単なる憶測に基づいた極めて大雑把なものなのです。本当は、良く分かっていないということなのです。
私たちの脳機能データによると、よく「記銘」されたものは、よく「保持」されて、よく「想起」されるのです。その意味からいうと、よく「想起」する為には、よく「記銘」することが必要条件になります。よく記銘されたということは、対象となる情報についての「記銘度』自体が高いという意味になります。その「記銘度」の高さ/低さを左右する条件が、記銘時における記銘の対象に対する「意欲」及び「注意の集中力」の機能の高度な発揮であり、加えて、「注意の分配力」の機能の高度な抑制ということになるのです(「注意の分配力」の機能というのは、異なった複数のテーマに注意を分配して、且つ、それらを同時に並行して管理し、処理する為の機能なのです。したがって、記銘度を高める為には、注意の分配力の機能を抑制することが要求されることになるのです。気にかかる心配事があるとそれに注意が分配されてしまい、心ここに無い状態となり、物忘れが増えるのはこのメカニズムのためなのです)。それらの基礎的な枠組みの下で、よく「想起」するには、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の全てが高度に発揮されることが必要条件となるのです。かくして、最もよく想起される(思い出すことが出来る)のは、最も高度に記銘された対象であって(記銘時に興味や関心が高かったもの、或いは、記銘時に辛く悲しい感情が増幅されていたもの、又は、何とかして覚えようと記銘時に何度も繰り返したものetc.)、想起する際に想起の機能自体が良く働く状態に在った場合には、よく想起することが出来る(良く思い出すことが出来る)ことになるのです。但し、この「想起」という機能についての加齢による機能低下という問題が重要なことなのです。もちろん、記銘及び保持の機能についても、加齢による機能低下の問題が存在しているのですけど、MMSEの下位項目のうちで最も早くに機能が衰えていくのが「想起」という機能なのです。その理由は、「想起」の機能を発揮する上で、「注意の分配力」の機能の発揮が必要不可欠となるからなのです。意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能という「前頭葉」の三本柱の機能のうちで最も早くに機能が衰えていくのが、「注意の分配力」の機能なのです。「海馬」は、情報が集まってくる場所に過ぎないのであり、「長期の記憶」と「短期の記憶」とを仕分けているとかいう仮説は、単なる憶測に過ぎないのです。人間の脳を解剖してみたくらいのことでは、様々な異なる種類のニューロン群が個別に及び/又は協同しつつ、重層的に、且つ、輻輳して、更には、継続的に発火することにより起きてくる「記憶」の機能構造を解明することはできないのです。そもそも、私たちの「記憶」の対象となる情報は、アナログな情報とデジタルな情報とが複雑に絡み合って構成されているものなのです(ついさっき、ハナミズキの枝にとまって、ヒマワリの種をついばんでいたツガイの二羽のシジュウカラ夫婦の光景を思い出してみれば、容易に分かることなのです)。それを長期の記憶と短期の記憶とに区分けているのが海馬である等と奇想天外な発想を言い出したのは、何処の誰だと言うのでしょう。長期と短期とに区分ける上でのどのような基準が考えられるというのでしょうか。奇想天外で、全く馬鹿げた発想と言うしかないのです。長期記憶と短期記憶とは海馬が区分ける結果ではなくて、上述の記銘時の条件に左右された結果として長期に記憶されるものもあれば、短期にしか記憶されないものがあるだけと考えるのです。
〇 「物忘れ」を起こさせる脳の機能構造
ところで、私たちが意識的に何かのテーマを実行しようとする世界、例えば、今日の二人分の夕食の献立を考えて、且つ、Tadの好みも考慮しながら、どんな料理と献立にするのかを考え、組み立てようとする場合に、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/支配している機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が、実は、加齢により機能が衰えていくという性質、私たちが発見し、「正常老化の性質」と名付けている性質を生まれながらに具有しているということが重要なことなのです。その性質が、生まれながらに誰の脳にも具有されているが為に、30歳代以降になると、脳の使い方としての「生活習慣」の如何に拘わらず、症状の程度及び態様の差はあるものの、「物忘れ」の症状が発現してくることになるのです。そして、「加齢」とともに機能が老化し低下していくという「正常老化の性質」が、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分力」の機能に内在することにより、18歳から20歳代の半ば迄が機能のピークを形成し、65歳ころには、ピーク時の半分程度に機能が衰えてきて、70歳代、80歳代、90歳代と年をとればとる程、「前頭葉」の三本柱の機能が更に老化し、衰えていくことになるのです。但し、その一方で、異常なレベルにまで衰えていくことは無いことが重要なことなのです。異常なレベルにまで衰えていくには、もう一つ別の要因、私たちが発病の「第二の要件」として定義する脳の使い方としての「生活習慣」に起因した廃用性の機能低下という要因の存在が不可欠となるのです。「物忘れ」の症状が、誰であれ30歳代から発現してきて、加齢と共に頻度が増してきて、程度が重くなってくるという症状の特徴自体が、上述の、「正常老化の性質」に起因したもの/反映したものということなのです。これは、私たちが集積した「前頭葉」の三本柱の機能に関わる「脳機能データ」が示している客観的なデータであり、且つ、私たちだけが有しているデータでもあるのです。「正常老化の性質」に起因した「物忘れ」の症状は、程度や頻度がどれほどのものであろうとも、その場合、「前頭葉」の機能は正常な機能レベルにあることが特徴なのです。そのせいで、冷蔵庫の扉を開けた時、『あれ、私って、何を取ろうとしていたんだっけ?』といったことが、しばしば起きてくるようになるのです。
他方で、先の医師により提示された、「アルツハイマー型認知症」の症状としての「記憶障害」の症状というのは、物忘れの症状の発現とは全く異なるもの、別次元の世界のものなのです。「アルツハイマー型認知症」の発病は、『「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者』だけを対象として確認される』(私たちが定義する、発病の「第一の要件」なのです。「前頭葉」の三本柱の機能に起きてくるものであり、老化に起因した機能低下が条件)という事象事実が存在する一方で、年を取れば誰れでも「アルツハイマー型認知症」を発病する訳のものでもないことも事実なのです。もう一つ別の条件が必要となるのです。その発病を左右する条件(発病するかしないかを決定づける条件)とは、私たちが発病の「第二の要件」として定義しているものなのです。私たちが定義する発病の「第二の要件」とは、何かをキッカケに何事に対しても意欲を喪失してしまい、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が開始され、継続している』ことなのです(「前頭葉」の三本柱の機能に起きてくるものであり、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下を惹き起こすこととなる)。私たちが規定する発病の二つの要件(「加齢」に起因した正常老化の性質に基づく機能低下とナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下)という二つの条件が同時に存在し、充足されることによる「相乗効果」により、「前頭葉」の三本柱の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させることになる、その先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っていて、更には、症状の重症化の進行が起きてくるものなのです。私たちが、『「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる生活習慣病である』と主張する根拠がここにあるのです。
然も、先の医師を含めて認知症の専門家とされる人達が提示する「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合に確認される「記憶の障害」の症状はというと、彼らが盲従し信望している「DSM-4」の規定が「第一の要件」で確認を要求している「記憶障害」に該当するものであり、且つ、「第二の要件」で確認を要求している失語、失認、又は、失行の症状が確認されている「お年寄り」の症状ということになるのです。実は、そうした症状が確認されるお年寄りを、脳の機能レベルの基準で説明すると、30点が満点であるMMSEの得点が一桁の人達、具体的な指標としては、MMSEの下位項目である「時の見当識」{日、年、月、季節、昼夜の順に出来なくなっていく(満点は、5点)}が0点にしかならなくて、『今が、昼なのか、夜なのかさえも分からない迄に、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきているお年寄り達』ということになるのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能が正常なレベルに在るお年寄りに確認される症状としての「物忘れ」の症状と比較すること自体が、その人達の知見が危うい内容のものである(アルツハイマー型認知症の症状のことが、根本的に良く分かっていない)ことの証左なのです。権威だけを頼りにしていて、「アルツハイマー型認知症」については、何も分かってはいない人達なのです。
注)上述したように、「アルツハイマー型認知症」を発病する為には、私たちが規定する発病の「第一の要件」(「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること)を充足しているだけでは足りない、発病はしないのです。分かり易く言うと、30歳代や50歳代の若い年齢の人達が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」を継続していたところで、「アルツハイマー型認知症」を発病することは絶対に有り得ないということなのです。私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積した「脳機能データ」という客観的なデータが示しているように、その年齢の下では、「前頭葉」の機能がそこまで低下した状態にはならないからなのです。「正常老化の性質」に起因した「加齢」による脳機能の衰えに起因した機能低下に加えて、私たちが発病の「第二の要件」として規定する条件である、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下という条件が加重されることが必要不可欠となるなのです。「加齢」による脳機能の衰えに起因した機能低下の場合には、緩やかに低下していきつつも、正常な機能レベルの範囲内にあるままなのです。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下が加重されることにより初めて、加速度的で異常な機能低下のカーブを描いていくことになるのです。そして。「前頭葉」の機能が異常な機能レベルに低下した(機能低下が進行した)時初めて、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです(小ボケの段階)。年齢不相応の「物忘れ」の症状が確認されるからと言っても、そのことだけであれば、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続という事実が存在しないのであれば、「アルツハイマー型認知症」を発病することにはならないのです。テレビで名医と紹介されていたからと言っても、そんないい加減な説明を聞いて慌てふためくよりは、ご自身の日々の暮らし方、日々の脳の使い方としての「生活習慣」をチェックしてみてください。
〇 あなただけに教える秘密
「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する「生活習慣病」が本態なのです。したがって、廃用性の加速度的で異常な機能低下という要因を発病及び症状が重症化する原因とするものである為に、最も高度な機能である「前頭葉」が最初に異常な機能レベルに衰えてくるのです。発病の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、「前頭葉」の機能だけが異常なレベルにあり、左脳も、右脳も、運動の脳もすべてが未だ正常な機能レベルにあるのが特徴なのです。このことを言い換えると、『「前頭葉」の機能が未だ正常な機能レベルにあれば、脳全体の機能が正常ということであり、その場合は、例え「物忘れ」の症状が、年齢不相応に頻度や程度が激しいものであっても、「アルツハイマー型認知症」を発病していることにはならない』ということなのです。
ところで、ここで耳寄りな情報を、あなただけにお届けしたいと思います。「前頭葉」という機能は、脳全体の司令塔の役割を担っていて、自分が置かれている状況を理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、発想したテーマの実行内容を計画し、実行内容の実行の手順を組み立て、実行の結果のシミュレーションに基づいて必要な修正を施し、実行の決断をして、脳の各部に対し実行の指令を出す働きをしているのです。「前頭葉」の機能が正常なレベルにあるか否かを簡便にチェックする方法、それは、『物忘れ、反省と工夫が利けば、年のせい』という標語なのです。「物忘れ」が激しいという自覚と反省があり、「物忘れ」が起きないように工夫する対策が出来てさえいれば(例えば、忘れてはいけない大事なことは、メモにして身に着けておくようにするetc. )、その場合は、「前頭葉」が正常なレベルに在って正常に機能している証拠ですので、困る事態は起きないし、「アルツハイマー型認知症」の発病とも無関係ということになるのです。
(エピローグ)世の中に、「物忘れドック」なるものがあるのをご存知でしょうか?比較的小さな病院では見受けられないのですけど、大きな病院では、臆面もなく「物忘れドック」と銘打って、ホームページなどで診察を勧誘しているのです。犬の健康診断ではなくて、「アルツハイマー型認知症」の早期発見につながる診断と言う触れ込みなのです。ところが、その広告文言を子細に読んでみると、肝心の「アルツハイマー型認知症」については、基本的に良く分かっていないということが良く分かるのです。 世界中の認知症の専門家達から、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治す方法がないし、発病を予防することも出来ない』とされているのです。いくつか主張されている学説も、主張の内容と発病との間の因果関係が立証できない「仮説」のままというのが現状なのです。その「物忘れドック」では、「医学的・科学的にしっかりと検証された検査をして診断していきます」との説明がなされてもいるのです。『どんな検査をするのか」というと、通常のお決まりのコースでは、『「MRI検査」や「問診」』とあります。病院によって若干の違いは有りますが、だいたいの検査としては、まず「MRI」で脳内に異常(脳梗塞や脳出血や脳の萎縮の有無とその程度など)がないかどうかを調べます。また、記憶の倉庫(これまた仮説)とされる「海馬」という部位を含む脳全体の萎縮度の検査をします。次いで、「記憶力テスト」や「認知機能テスト」を行い(但し、彼等が使用している認知機能テストは、MMSEや長谷川式等の脳の後半領域の働きの具合を判定するものであって、肝心の「前頭葉」の働き具合を判定することは出来ないのです)記憶や認知機能が低下しているかどうかを調べるというものなのです(肝心要の「前頭葉」の機能については、関心がないというよりは、実際は、無知なのでしょう)。
そして、こうした検査によって、患者に起きている「記憶障害」の症状としての物忘れの症状が「アルツハイマー型認知症」としての「記憶障害」の症状であるか否かの診断が出来ること並びに当該検査を受けることが患者の今後の「アルツハイマー型認知症」の発病のリスクとその程度についての指針となる(早期診断となる)とも謳っているのです。「物忘れドック」が診断の大前提としていること、それは、『記憶障害の症状が、様々な内容、程度及び態様の下で発現してくる「アルツハイマー型認知症」の症状の根幹(基礎)となる症状であり、その程度により、「アルツハイマー型認知症」の発病の危険度を判定できる』ということなのですが、実はこれこそが「重大な誤り」なのです(「DSM-4」の規定が第一の要件で確認を要求している「記憶の障害』という要件が重大な誤りであることにも気づかないで、それを正しいものとの前提に立って居て、受け売りの主張を展開しているだけのことなのです)。
私たちの「二段階方式」の手技は、「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状(「脳のリハビリ」により正常な機能レベルに「前頭葉」を含む脳全体の機能を回復させ得る可能性の程度により、三段階に区分している症状の類型としての「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の各段階の症状)を生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能とその機能レベル並びにその発現としての症状の面から客観的に判定し、鑑別するのに対して、世界中の認知症の専門家とされる人達(学者、研究者、医師)は全て、単に外観からの症状のみを観察し、想像や推測や憶測により、仮説を展開しているに過ぎないのです。そうした研究態度からは、回復させることが可能なレベルとしての視点から私たちが本当の意味での早期の段階として区分し、取り上げている「小ボケ」や「中ボケ」の段階の症状には、気づかないで居て(見落としてしまって居て)、且つ末期の段階である「大ボケ」の段階の症状を外観的に観察して、「記憶の障害」の症状が根幹をなしているとの誤解をしているのです。
例えば、『着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている』、『風呂に入るのを嫌がる』、『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり上着に足を通したりする』、『家庭生活に全面的な介助が必要(食事、入浴、排泄)』、『自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる』、『大小便を失敗しても、後の処置ができない(大小便で汚れた下着を、押し入れなどに隠すようなこともあります)』、『今が昼なのか夜なのかが分からなくて、夜中に騒ぐ(夜中に起きて、家中の電気をつけて回る。会社に行くとか田んぼに行くとか言い張る)』、『痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものでも口にする』、『言葉にはならない独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ』。『家族の名前や顔が分からなくなり、子供を配偶者と間違える』と言った症状が発現している直接の原因は、それらの仮説が主張する「記憶の障害」に在るのではなくて、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因して、「前頭葉」を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行したこと、言い換えると、殆ど機能しなくなってきている「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにあることを知らないでいるだけなのです。私たちは「二段階方式」という簡便で保険点数も極めて低く安価ながら、極めて精緻なレベルで、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを判定することが出来る「手技」を持っているのですが、彼等はというと、CTやらMRIやらf-MRIやらSPECTやら、果てはPETまでも総動員して、極めて保険点数が高い機器を診断に思う存分使用しながら、売上高を稼ぐだけで、然も「アルツハイマー型認知症」の診断とは名ばかりで、殆ど何も分かっていないというレベルの診断を平然と行っているのです。「アルツハイマー型認知症」に効く薬(発病の予防薬、又は、症状を治す効能を有する治療薬)は、存在しえないのです。発病の第一の要件は、加齢に起因した脳の老化という問題であり、発病の第二の要件は、脳の使い方としての「生活習慣」に起因した病気である「アルツハイマー型認知症」の場合は、第一の要件を解決する薬は存在しえないし、第二の要件を解決する薬も存在しえないのです。世界中の製薬会社が、どれだけの開発費、どれだけの時間及びどれだけの数の優秀な人材を投入しようとも、『発病を予防する効能を有する薬及び症状を治すことが出来る効能を有する治療薬は、未来永劫開発されることはあり得ない』のです。
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