(プロローグ)私たち二段階方式は、『アルツハイマー型認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病』であることについて、北海道から九州に跨る全国的規模452の市町村で実践指導した「住民参加型の地域予防活動」の顕著な成果に関わる脳機能データ(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される「類型的症状」及び廃用性の異常な機能低下を進行させた元凶である「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣」の継続の確認を含む)という証拠資料を提示して、『治療の効能を有する薬が開発されることは、未来永劫有り得ない』ことの根拠を説明し、関連する脳機能データを厚労省(認知症施策推進室)との協議時に提出しているのです。エーザイに因る今回の新型の薬(レカネマブ)の開発コンセプト自体が、根本的に誤った内容のものであり、症状の進行を抑制する効能は絶対に有していないものであることの根拠となる、客観的で科学的な、且つ事象事実としての「脳機能データ」3種を添付して、『アリセプト、アデュカヌマブ』と同様に、『レカネマブは、治療薬としての効能は有していない』ことについて、根拠データを付して厚労省に問題を提起したのですが、何を目論んでいるのか、厚労省は承認してしまい、(有ろうことか岸田首相を普及促進会議の議長に据えている)のです。『前頭葉の働きに関わる新薬』であり、治療薬としての効能は皆無で、副作用だけが売り物のレカネマブという「特定の企業の薬の普及活動」の先陣を、一国の宰相が担う等、前代未聞。
&1 アルツハイマー型認知症は、若年での発症は皆無で、「老年発症」が特徴なのです
様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めている『アルツハイマー型認知症』は、「第二の人生」を送っている「高齢者だけ』が発病の対象となる(老年発症)が特徴なのです。&7で詳説するように、「加齢」に起因した『前頭葉』を含む脳全体の機能について確認される機能低下の進行(正常老化の性質=基盤要因)が発病の第一要因である為。
どんな種類の仕事であれ、日々生活を繰り広げていく上で、特定の具体的な「仕事の遂行というテーマ」「目的と目標と具体的な役割り」があって、それを期限内に、しかるべき内容で、達成すべき状況に置かれていて、目標達成の為に、発想、企画、計画、創意、工夫、洞察、推理、検索、シミュレーション、比較、選択、決断や抑制や感動等、複合機能体としての『前頭葉』の構成機能である「実行機能の出番が多い状況」が確保されていて、『機能発揮上の二重構造の関係』にある、意欲や注意の集中力、就中、『注意の分配力』の機能の出番が多い「生活習慣」、『脳の使い方』としてのイキイキとした『生活習慣』が繰り返され、継続されている「お年寄り」の場合には、(単なる肩書ではなくて)現役としての「第一の人生」を送っているので、『前頭葉の廃用性の機能低下が進行してこない』のです。加齢に因る前頭葉の機能低下(正常老化)の進行に因り、物忘れの症状の進行がある程度は確認されようとも、『前頭葉』の機能が正常なレベルに保たれている為に、「アルツハイマー型認知症」を発病する事態は起きてこないのです。
世界中の専門家と言われる人達が、この事実を見落としているだけなのです。その為に、『単なる憶測の類でしかない「アミロイドβ仮説」が、未だに幅を利かせている』という訳なのです。権威だけを傘に着ていて/審査の為の有識者として厚労省に選別されたとはいえ、(アミロイドベータ仮説の諸問題について無知な輩)が、承認に賛成したというだけのものである新型の薬(レカネマブ)。アミロイドベータ仮説の主張内容が正しいとの大前提に立脚して開発された薬であり、(アミロイドベータ仮説がコケれば、一緒にコケル)程度の(訳の分からない薬)なのです。
(2) 今回の「レカネマブ」に(症状の進行を遅らせる)一定の治療効果が有るか否かについては、客観的で、科学的で、論理的で、厳密な定義を有する『基準』に基づいて評価し、判定し、鑑別すべきと考えます。
治療薬の効能を歌い文句に登場してきながら、結局のところ、症状の発現の仕方を昂進させるだけの薬、興奮型の対症療法薬でしかなかった『アリセプト』の二の舞になってはならないのです(治療薬としての効能は皆無である「アリセプト」を治療薬として製造販売して、エーザイは、大もうけした)。
⇔アリセプトを含む4種の薬(単なる対症療法薬でしかない)は、開発会社も、効能の有無を判定した機関も、『脳の使い方としての生活習慣要因が、症状の進行に与える影響について無知である』為に、評価を誤っているだけのこと。
※(AD型認知症)が老化・廃用型の生活習慣病であることに無知な為/(AD型認知症)を「重度の物忘れ」が特徴の神経変性疾患だとの誤解から、「物忘れの症状」の程度や態様を外観的に観測する、曖昧で主観的な基準」に頼るのではなく、『前頭葉』に的を絞り、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの変化に影響を与える「脳の使い方としての生活習慣の要因」との関係に焦点を当てるべき。
(3)『仕事』とは無縁の日々の暮らし方となる「第二の人生」を送る高齢者(60歳以上)が、何等かの状況の発生とその継続を契機に、心が折れてしまい、意欲を喪失することとなった状況の継続を「キッカケ」として、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(自分なりに追求する特定の「テーマ」が無く;生き甲斐無く;趣味無く;交遊無く;運動もせず;目標となるものも無い単調な日々の暮らし方=「脳の使い方」としての「生活習慣」であり、「アルツハイマー型認知症」の発病と食生活や糖尿病の発病とは無関係であることに注意)が継続して行くことに因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くことに因り、『アルツハイマー型認知症を発病』する(最初の段階が、小ボケ)のです。
脳の使い方としての生活習慣(生活歴)を聞き取って行くと、『発病を惹き起こす「脳の使い方」、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上での暮らし方の「明確なパターン」が確認できる』のです。
「薬」の服用の効能により、『前頭葉が活性化する=実行機能の働きが活性化する』ことになる、又は、そのことにより『廃用性の機能低下の進行が抑制される』等、有り得ない事なのです。開発会社自体が、『アルツハイマー型認知症の発病のメカニズムについて無知』であるが故の妄想、迷走に過ぎないのです。副作用だけが売り物で、治療の効能を何等有しないこれらの薬の「健康保険」の適用による『薬り漬け』は、絶対に回避しなければならないのです。
&2 アルツハイマー型認知症の『年齢別発症率』はとても高い
(1) 厚労省の予測数値とその意味
世界中の権威達は、「アルツハイマー型認知症」の症状について、末期の段階の症状、「二段階方式」の区分で言う「大ボケ」の段階しか知らないし、本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階が存在することを知らないのです。その結果、厚労省が発表している「発病者の予測数値」には、小ボケと中ボケの段階の発病者数は含まれていないということに注意が必要。
(2) 「二段階方式」の予測数値とその意味
「二段階方式」が予測する発病者数は、小ボケ、中ボケ及び大ボケの「全ての段階の発病者」の予測数値ということになります。小ボケ及び中ボケは、前頭葉を含む脳全体の機能レベルという条件から、未だ「介護が必要な状態には無い」ので、政府もマスコミも、気にしていないのです。
(3) 私たち「二段階方式」が特定の地域の全数調査をもとに予測した「アルツハイマー型認知症」発病者の年齢別比率は、以下の通り。
「第二の人生」を送る「お年寄り」であることを対象として、60歳代のお年寄りの12%、70歳代のお年寄りの30%、80歳代のお年寄りの50%、90歳代のお年寄りの75%、100歳代のお年寄りの97%が、「小ボケ」、「中ボケ」、又は「大ボケ」のいずれかの段階にあるのです。
(1) 様々な程度及び態様に因る発現が確認される「アルツハイマー型認知症」の症状は、私達人間だけに特有な世界である『意識的な世界(目的的な世界)』が関わるタイプの認知症であり、「意識的(目的的)な世界」における『脳全体の司令塔』の役割を担っている『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「三段階に区分」される類型的症状が発現して来るのが特徴。
(2) 最初の段階の症状が「社会生活面」での種々の支障が出てくることになる「小ボケ」(軽度認知症)の段階であり、次いで、「家庭生活面」でも種々の支障が出てくることになる「中ボケ」(中等度認知症)の段階があり、最後に、「セルフケア」の面でも種々の支障が出てきて「介護」が不可欠となる「大ボケ」(重度認知症)の段階があるのです。「DSM-4」の第二要件が、失語や失認や失行(紛いの)の症状が発病の初期段階であると憶測する重大な誤った規定内容であるとも知らずに、未だにその規定が、権威達に愛用され重宝がられている状況。
(3)権威には乏しいとはいえ、科学的で、客観的で、14689例にも上る極めて多数の受診者の脳機能データと452の市町村で実践展開し、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証してきた私たち「二段階方式」が集積した事象事実としての脳機能データでは、『アルツハイマー型認知症は、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(脳の使い方としての意味)の継続に起因した『前頭葉(前頭前野の穹窿部に局在する「注意の分配力の機能、評価の物差しの機能及び実行機能を中核とした複合機能体であり、単体機能ではない。以下、同じ。)』の機能障害に起因して発病する』ことが示され、『「DSM-4」の第一要件の規定内容は、誤りである』ことが示されているのです。
(4) 認知症の研究や診断の専門家とされる人達(学者、製薬会社の研究者、医師達)は、認知症という病名の元ともなった認知機能の障害を問題としながら、認知機能が正常であるか異常であるかの判定に際して、最も肝心な要因であり、脳全体の『司令塔』の役割を担っている『前頭葉の機能レベル』を判定せずに、手足の役割でしかない左脳と右脳の機能レベルを判定する「手技」のMMSE(我が国では、長谷川式で判定する人達もいる)しか実施しないのです。最も重要な要因である「前頭葉の機能レベルを精緻に客観的に、且つ、科学的に判定する手技を持たない」為に、「お茶を濁しているだけ」。
(5) アルツハイマー型認知症発病の最初の段階である「小ボケ」の段階では、意識的な世界を運行する三頭建ての馬車の「御者の役割」を担っている『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに衰えてきているのに対し、馬車を牽引するだけの役割に過ぎない左脳も右脳も運動の脳も、未だ正常な機能レベルに在るのです。「3つの仮説」の内で通説の地位にあるとされる『アミロイドβ仮説の主張に従ってみた場合、前頭葉の機能が真っ先に障害されるという事象事実を合理的に客観的に、根拠となるデータを添えて、説明することが出来ない』のです。「有効な治療薬を開発した」と主張するのであれば、権威の主張に頼るだけでなくて、その根拠について、客観的で論理的で科学的なデータを集積し、開示すべき責任があるのです。
彼等は、この程度のことさえも知らないで、「物忘れの症状」を外観的に観察するだけの程度のものに過ぎない「CDR」(臨床的認知症尺度)や「MCI」(軽度認知障害判定尺度)を持ち出してきて、「発病の有無及び症状の程度の判定の基準」更には、開発した薬の治療効果の有無の判定、或いは、投薬の対象者の選別にも、それらの基準を持ち出してきている。
&4 14689人の受診者に実施した「MMSE」のテスト結果が語る「重要な特徴」
(1) 「意識的な世界」と「アルツハイマー型認知症」の発病原因との関係
DNAの99%が同じとされるチンパンジーにも無い世界、私たち人間だけに特有な「世界」であり、私たちの日々の暮らしの中核をなしているのが『意識的な世界』なのです。「意識的な世界」は、目的的な世界であり、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、何等かの実行テーマを発想して、それを実行に移す為に、実行内容を企画し、計画して、実行の結果を洞察し、推理し、検索し、シミュレーションして、シミュレーションによる比較結果に基づいて、最終的な実行内容並びに実行の程度及び態様を抑制し、選択し、実行の決断をして、脳の各部に実行の指令を発するという機能の発揮構造が存在するのです。上記に例示列挙した機能である分析、理解、判断、企画、計画、洞察、推理、検索、シミュレーション、比較、抑制、選択、決断、或いは、感動等の機能が『実行機能』と総称されている個別認知機能なのです。この『実行機能』の機能の発揮度を左右し、下支えている機能が、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という機能なのです。中でも、『注意の分配力』の機能は、『3つ以上の異なる複数のテーマを同時に並行して処理する上で不可欠の機能であり、加えて、あの人は頭の回転が速いという言葉で表現されるように、咄嗟の判断と処理を行う上でも不可欠の機能』なのです。『注意の分配力』の機能は、チンパンジーにも備わっていない、私たち人間だけに特有な機能であり、「注意の分配力」の機能が異常なレベルに衰えてきて、正常なレベルで機能しないことに因る様々な支障、直接のアウトプットそれ自体が、『アルツハイマー型認知症』発病としての症状として発現して来るのです。
世界中の専門家達は、この重大な要因に気づいていなくて、「末期の段階」(大ボケ)にまで症状が進行して死を迎えたお年寄り達の死後の『脳の解剖所見』や「物忘れの症状」を外観的に観察して得ただけのものである憶測や推測だけを根拠に、『「第二の人生」を送る上で継続されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下が、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行を惹き起こす直接で、唯一の原因である』こと、即ち、『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」に過ぎないものである』ことに気づかないで、記憶障害が発病を惹き起こすと規定する「DSM-4」の第一要件の確認要求内容に未だにしがみついている有様。
アミロイドベータ仮説、タウタンパク仮説及びアセチルコリン仮説という「3つの仮説」は、主張内容自体が誤りであり、単なる憶測と推測の産物に過ぎないのです。
※「アルツハイマー型認知症」の症状は、『廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行』に起因した『前頭葉の機能障害』に起因して発現して来るものなのです。『記憶の障害に起因して症状が発現する』ことの確認を要求している『DSM-4』の第一要件の確認要求内容が、単なる憶測、推測の類であり、『その規定内容は誤り』なのです。記憶の障害に起因した症状、或いは、記憶の障害の症状は、症状の重症化が進行して行き、「中ボケ」の後半や「大ボケ」の段階に確認されることが多いのですが、『記憶の障害、或いは、記憶障害に起因した症状』自体が、小ボケの段階では「前頭葉」の機能障害(中ボケ以降の段階では、前頭葉を含む脳全体の機能障害)に起因したものである』ことさえ、彼等は、未だに気づいていないことが大問題。
(2) 「意識的な世界」を脳の機能面から説明すると、言葉や計算や論理や場合分け等のデジタルな情報の処理に特化した機能が「左脳」であり、空間や形の認識や時間の経過の感覚、或いは、感情等のアナログな情報の処理に特化した機能が「右脳」であり、身体を動かす為の処理に特化した機能が「運動の脳」なのであり、「意識的な世界」を簡潔に表現すると、左脳、右脳及び運動の脳の三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車』が運行する世界なのであり、その運行を支配し、管理し、コントロールしているのが、御者の役割を担っている『前頭葉』という脳機能。
(3) 二段階方式では、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの判定を基礎としたアルツハイマー型認知症の発病の有無及び症状の段階区分を判定し、鑑別するに際して、『前頭葉』の機能レベルを「かなひろいテスト」で並びに『左脳及び右脳』の機能レベルを「MMSEテスト」で各々判定した上で、脳の使い方としての「生活習慣」(生活歴の聞き取り結果)及び三段階に区分される類型的な症状を示す指標である「改訂版30項目問診票」との照合結果並びに次の(4)の項目で説明する『MMSE下位項目の項目困難度』の指標との照合により、総合的に評価し、判定するのです。
(4) 14600人を超える受信者の殆ど全ての人達、発病者と判定された『高齢者』(「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階が含まれる)の「脳機能データ」を根拠とした、発病者だけに確認される臨床的尺度『MMSE下位項目の項目困難度』の指標の内容とその意味は、以下の通り:
(ⅰ)「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合、且つ、その場合に限り、MMSEテストの結果について(小ボケ、中ボケ及び大ボケの何れかの段階と判定された14600人を超える人数の被験者の脳機能データが根拠)、以下に示す順番、出来なくなっていく順番(二段階方式の用語で言う「MMSE下位項目の項目困難度」)という指標が存在するのです。この指標は、事象としての事実の指標なのであり、客観的で、論理的で、科学的な「脳機能データ」なのです。
困難度が高い順番で示すと、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番となります。➡この低下順の通りでない場合は、他の病気(他のタイプの認知症、又は、認知症と紛らわしい他の病気)ということになります。➡➡「前頭葉」を含む脳全体の機能面という視点からも、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の本態が、廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」である(但し、食生活は無関係であり、脳の使い方としての生活習慣を言うものとする)ことを示す、事象事実としての「脳機能データ」なのです。世界中で「二段階方式」だけが、小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階の「脳機能データ」を集積し、分析していて、主張及び実践指導の根拠としているのです。
(ⅱ)この脳機能データは、「事象の事実」なのであり、「アミロイドベータ仮説」では、このデータの存在する理由を客観的及び合理的並びに論理的に説明できないのです。言い換えると、この脳機能データの存在の一事をもってしても、『アミロイドβの蓄積で生成される老人斑が、情報を連絡する役割を担っている「神経細胞の大量死」を惹起して、記憶障害の領域が惹き起こされ/拡大されることに因り、「アルツハイマー型認知症」を発病/重症化が進行すると主張しているアミロイドβ仮説の主張内容は、重大な誤りの内容である』と言い切れるのです。発病者であれば必ず、神経細胞の大量死が起きて来ると主張するのであれば、『MMSE下位項目の項目困難度』の指標が存在するという極めて多数例の脳機能データを根拠とした「事象事実」の存在を合理的に、論理的に、科学的に説明できないのです。今回の薬の開発会社は、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の発病者についてのMMSEテストの実施データを持っていないので、『MMSE下位項目の項目困難度』の指標が存在することにも気付いていないのです。
&5 アルツハイマー型認知症の症状の特徴と各段階の「標準的な滞留期間」
(1) アルツハイマー型認知症は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される「類型的症状」が発現して来るのが特徴。
(ⅰ)発病の最初の段階が「小ボケ」(軽度認知症)であり、次いで、「中ボケ」(中等度認知症)の段階があり、最後が、末期の段階である「大ボケ」(重度認知症)の「3つの段階に区分される」のです。
(ⅱ)私たち「二段階方式」は、『脳のリハビリ』の実施に因る症状の回復の可能性の有無及びその程度により「3つの段階」に区分。
〇 小ボケ 回復させること/症状の進行を遅らせることが、可能
〇 中ボケ 症状の進行を遅らせることが、未だ可能
〇 大ボケ 症状の進行を遅らせることも、最早困難
(ⅲ)標準的な滞留期間の存在
〇 小ボケの段階 発病してから3年間
〇 中ボケの段階 中ボケに進行してから2~3年間
※1 発病して5~6年が経過すると、末期の段階である「大ボケ」の段階に進行します。
大ボケについては、滞留期間自体が存在しません。アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病が本態であり、アルツハイマー型認知症の発病が原因で死亡することはありません。老衰その他何らかの病気が原因で死を迎えることになる時迄、大ボケの枠の中で、症状が進行して行き、身体が持つお年寄りの場合は、植物人間状態になる場合もあります。
※2 標準的な滞留期間と差異があるケース(滞留期間が長い場合と短い場合の両方)については、被験者が何かを「キッカケ」として意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続してきた期間を対象とし、その期間中の脳の使い方としての生活習慣の具体的な中身を聞き取るのです。そのプラス要因(滞留期間を長くする生活習慣要因)とマイナス要因(滞留期間を短くする要因)を詳しく聞き取った結果をまとめて例示したのが、次章&6の「生活習慣要因」です。
(ⅳ)アミロイドベータ仮説は、アミロイドベータの蓄積により「老人斑」の持つ毒性が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こすことに因り、重度の記憶障害が起きてくることが原因で「アルツハイマー型認知症」を発病すると主張する仮説なのです。「標準的な滞留期間の存在」という脳機能データもまた、アミロイドベータ仮説では説明できない事象事実なのです。この事象事実もまた、『アミロイドベータ仮説が誤りである』ことを示す客観的な脳機能データです。
&6 脳の老化のスピード差をもたらす「生活習慣要因」と脳機能データ
(1)「第二の人生」を送る60歳を超える年齢の「高齢者だけ」を対象に発病するのが特徴である『アルツハイマー型認知症』は、発病自体を予防することが出来るのです。更には、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つければ、治すことも更なる重症化の進行を抑制することも出来るのです。『脳のリハビリ』の実施により、症状の回復及び症状の進行の抑制が可能である段階、本当の意味での早期の段階であり、「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階にあるお年寄りであれば、「脳の使い方」としての「生活習慣」の内容次第で、症状の更なる進行が抑制される/進行が更に加速されることになることが、事象の事実として示されているのです。治すことが出来ないタイプの認知症であると誤解されている理由は、診察に従事する専門の医師達までもが、「DSMー4」の第二要件の確認要求内容を微塵も疑うことなく、金科玉条として信望していて、極めて重度の症状である『失語や失認や失行の症状が、発病の初期症状であると誤解したままで居る』為に、見つけている段階が遅すぎることにあるのです(「二段階方式」の区分で言う小ボケ及び中ボケの段階で発現してくる症状を見落としていて、未だに末期の段階である「大ボケ」の段階で発現してくる症状から、発病と診断しているのが原因なのです)。
(2) 様々な種類が数有る認知症の内でも、その大多数、90%以上の割合を占めている『アルツハイマー型認知症こそ、早期発見と早期治療が不可欠で、且つ、有効なタイプの認知症なのです」。私たち「二段階方式」の主張内容は正しいし、北海道から九州に跨る452の市町村での住民参加型の地域予防活動の実践の成果により(この活動は国が関与していなくて、高齢化が進行していて予防活動に関心があった先駆的な市町村との有償の契約に基づいて実施したもの) 、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証しているし、専門家達が驚くような顕著な成果もあげているのです。権威達の主張内容と「真反対のもの」である為に、脳機能データや実施結果の有効性の判定データ(管理ソフトも独自開発している)、更には、種々のマニュアルも提示して、会議の場で詳しく説明したのです。私たちは一日千秋の思いで、良い返事を心待ちにしているのですが、『二段階方式による住民参加型の地域予防活動を国策化する』との回答が、今のところは来ていない。
(3)あの「アリセプトを含む4種の薬」も、アデュカヌマブも、今回のレカネマブも、その治療効果の有無の判定に際して、極めて重要な上記の要因を排除できていないのです。その意味で、「重大な欠陥を有する判定及び評価方法が実施されている」と言い切れるのです。正しく、適切で、客観的で、論理的で、科学的な評価及び判定を実施するには、上記の要因を排除した上で、それらの薬が、治療効果を有するものなのか否かを判定評価すべきものなのです。『事象の事実』としての脳機能データが示している要因、提示されている「脳の使い方としての生活習慣の要因の影響」の要因を排除出来ていない評価は、当該新薬と治療効果との間の因果関係の存在を証明したことにならないのです。『評価の基準及び評価方法に重大な欠陥がある』ことを指摘し、問題提起したいのです。
(4) 「脳の加速度的な老化」(ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下の進行)のスピード差をもたらす『生活習慣』の要因を例示的に挙げると、以下の通りとなります。但し、対象となるのは、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者だけであることに注意してください(加齢に起因した脳の老化の進行が基礎要因として有ることに対し、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下と言う加重要因が加わることになるからです=これが、「アルツハイマー型認知症」の発病の真の原因(メカニズム)です。
(5)『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルについて、最初に前頭葉の機能が異常なレベルに衰えて行くことに端を発し、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順番に波及していく、そのことを直接的に及び厳格に反映したアルツハイマー型認知症の三段階に区分される症状が発現してくるのです。
『記憶の障害の症状又は、記憶障害に起因した症状』と推測されている症状自体が、「小ボケ」の段階では、「前頭葉」の機能障害に起因して発現してくるものであり並びに中ボケ以降の段階では、「前頭葉」を含む脳全体の機能障害に起因して発現してくるものであること、このことを言い換えると、『アルツハイマー型認知症を発病した結果として発現してくる様々な程度及び態様により発現してくる症状の一つの(一部をなす)ものに過ぎないのであり、「発病の原因である」と規定している『DSM-4』の第一要件の確認要求内容は、誤りなのです。『その内容を前提』とした憶測や推測の類であるアミロイドベータ仮説を含む『3種の仮説』の主張内容もまた、誤りということ(『屋上屋を重ねた誤りの内容』と言うべきもの)。
ⅰ)プラス要因(廃用性の機能低下の進行を妨げ、或いは、遅らせる要因)の例示
※「イキイキと変化にとんだ楽しい生活習慣」=右脳や運動の脳を生き生きと使う生活で、前頭葉の出番が増えて、『脳全体が活性化』する生活習慣(脳の老化を抑制する条件)を言います。
〇家族や仲間と談笑しながら、散歩や運動をすること;家族の優しい言葉かけや励まし、家族との団欒の時間;家族との楽しいイベント(外出、買い物、ドライブ、小旅行、ゲーム);離れて住む子や孫からの定期的な励ましの電話や手紙;趣味の教室や地域ボランティア活動への参加;家事にカムバック(自分なりの役割が認められ、喜びに繋がる家事への復帰);友人や仲間との触れ合いの場への参加(趣味の教室、ゲートボール、カラオケ、囲碁、将棋、お茶飲み会)等。
ⅱ)マイナス要因(廃用性の機能低下の進行を速める要因)の例示
※「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣」=右脳、運動の脳を使う生活が極端に少なくて、前頭葉の出番が少なくて、脳全体の活性化が低い生活習慣(脳の老化を加速させる条件)を言います。
〇 定年退職;家族や友人との別離;他人に言えない家庭内の不和や心配事の継続;自身の病気や病人の介護;転倒骨折による長期入院;寡夫(寡婦のケースの割合は、寡夫のケースの場合よりは少ないが)になって独り暮らし、自然災害で家や家族や財産を失うこと等で、単調な生活が日々繰り返されるだけの暮らし方をせざるを得ない状況の発生と継続が「キッカケ」となり、何事に対しても意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が開始され、継続されていくことになる。
※1 定年退職は、仕事一筋で遊びや交遊の機会が殆ど無かった生き方に疑問を持たなかった人で、第二の人生に入って、『時間は有り余るのに、することが無い毎日』を送る人の場合のこと。
※2 「独り暮らし」は、寡婦(夫)になっても、明るく、趣味や遊びや交遊を楽しめている場合は発病の対象ではありません。寡婦の場合は、配偶者の死後、立ち直る機会が早く来るようです。
&7 アルツハイマー型認知症の発病のメカニズムと機序
Ⅰ.「アルツハイマー型認知症」は、発病自体の予防及び重症化の抑制が可能な認知症
(1)「アルツハイマー型認知症」は、脳が壊れてもいないのに(器質的な原因病変が存在していないのに)、認知症の症状が発現して来る、私たち「二段階方式」の理解では、一つには、『加齢』に起因した「前頭葉」の機能低下の進行(正常老化=60歳を超える年齢の高齢者であること)が基礎要因に在って、もう一つ別の要因であり、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上での、「脳の使い方」としての単調な『生活習慣』、私たち独自の言葉で言う、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行(日々の使い方が不十分である為に、機能の低下が進行して行くこと)が加重される(基礎要因に加重要因が加わる)ことに因り、即ち、異なるこの二つの要因が同時に存在し、充足されることに因る相乗効果に因り、廃用性の、加速度的で、異常な機能低下の進行が起きてくることが、発病及び症状の重症化が進行して行く直接の及び唯一の原因なのです(記憶障害に起因して発病する訳ではないことに注意)。
(2)『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる生活習慣病なのであり、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳格にリンクした三段階に区分される認知症の症状が発現してくるのが特徴であり、『前頭葉を含む脳全体が活性化する生活習慣の構築と継続的な実践により、発病自体を予防することが可能であり、早期診断(小ボケ及び中ボケの早期の段階で発病を見つけること)と「脳のリハビリ」の実施により症状の回復、或いは、重症化の進行の抑制が可能であるものなのです(「二段階方式」独自の見解であって、現在もなお、認知症研究が専門の世界中の権威達の主張内容とは、真反対の主張内容=正しい主張内容)。
(3)私達人間だけに特有な世界である『意識的な世界』に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常なレベルに衰えてきたことの直接の反映が、認知症発病としての症状となって発現して来るのです。その最初の段階が「小ボケ」(司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能だけが、異常なレベルに衰えてきていて、手足である左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルに在る段階)に端を発し(発病の最初の段階)、次いで、「中ボケ」(前頭葉の機能が、小ボケの段階よりも更に衰えてきていて、左脳と右脳と運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきている)の段階を経て、最後は、末期の段階である「大ボケ」の段階へと、徐々に、段階的に、何年もかけて進行して行くのが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。身体が持つお年寄りの場合に、最後に辿り着く末期の段階、二段階方式の区分で言う『大ボケ』の段階は、「前頭葉」の機能、左脳、右脳及び運動の脳の機能の全てが、中ボケの段階よりも更に異常なレベルに衰えてきている段階であり、「意識」を構築し、コントロールしている核心的な機能である『注意の分配力の機能』が、「大ボケ」の初期の段階(MMSEの換算値が14点~10点)でさえ、最早ほとんど機能しえないレベルにまで衰えてきている結果、「実行機能」が殆ど働かない状態にあるのです。
(4)『大ボケ』の段階の症状を観察すると、「記憶障害」の症状であるのかと推測させるものが多くみられるのですが、『前頭葉』を含む脳全体の機能面と言う視点と脳機能データの変化内容とを詳細に分析すれば、『記憶障害に起因したように見える』ものも全てが、『前頭葉』の機能障害、『実行機能』の機能障害、『前頭葉の三本柱』の機能障害、就中、『注意の分配力の機能』の機能障害と言う要因が全て絡んだ結果としての、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』に直接に起因したもの、且つ、その直接の反映としてのものであることが、分かってくるし、理解できるのです。
(5)「アルツハイマー型認知症」研究及び診断の専門家達(学者や医師)から、発病の原因が不明であり、治すことも、症状の進行を抑制することも、更には、発病自体を予防することも出来ないものとされている「アルツハイマー型認知症」は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の、単なる「生活習慣病」(但し、食生活や糖尿病の発病とは無関係のものであり、脳の使い方としての生活習慣病を言うものとする。以下、同じ)に過ぎないものであること並びに「アルツハイマー型認知症」は、性質それ自体として、治すことが出来ないものではなくて、早期診断と早期治療により治すことが出来るものであるし(医師達が、発病を見つけている段階が遅すぎるせいで治せないだけ)、症状の進行を抑制することが出来るものであるし、更に言うと、脳の使い方としての「生活習慣」の在り方を自分なりに創意工夫し、「前頭葉」が活性化するその「生活習慣」を継続することに因り、発病自体を予防することが出来るタイプの認知症であるというのが、私たち「二段階方式」独自の世界に類例のない考え方であり、主張(疫学的方法により実証済み)。
(6) 治すことが出来ないとか、症状の進行を抑制できないとか主張している彼等は、単に、発病を見つけている段階が遅すぎるせいであることについて、問題を指摘しておきたいのです。
米国精神医学会が策定した「DSM-4」の第二要件の規定が失語や失認や失行の症状が初期症状であるとの規定内容自体が重大な誤りであることに気づかないでいて、大ボケの後半の段階になって初めて症状の発現が確認される「極めて重度の症状」であることを見逃していて、未だにその規定内容を信望しているのです。その結果、「脳のリハビリ」の実施により、正常なレベルへの症状の回復及び症状の重症化の進行の抑制が可能である本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が存在していることに気づいていないのです。猶、改訂された「DSM-5」の規定内容は、様々な要因を列記するだけのもので何の役にも立たないのです。
Ⅱ.世界中の専門家達は、『誤った場所を誤った方法で、単に深く掘っている』だけ
(1)「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定に際し、専門家とされる人達は、『意識的な世界』にも、『前頭葉』の機能及び機能レベルというテーマにも関心を持たないのです。その結果、注意の分配力の機能も、前頭葉の機能も備わっていない「マウス」(アミロイドベータを注入したアルツハイマーマウスを含む)を研究対象にしているのです。その上に、『注意の分配力』の機能の発揮の度合いが、『記憶』(記銘する際の記銘度の深さや想起する際の機能の発揮度)に極めて大きく/重要な影響を与えていることさえ知らないで、アミロイドベータの蓄積/蓄積量が、「記憶の障害」にどの程度影響するか否かを、マウスの行動を基礎に研究している有様。
(2)アルツハイマー型認知症は、前頭葉の機能障害に起因して発病するものであり、『記憶の障害』自体も、前頭葉の機能障害に起因して発現する『一つの態様に過ぎない』のです。「二段階方式」が、「前頭葉の三本柱の機能」と呼称する意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能、取り分け、『注意の分配力』の機能の発揮度が、「記憶(記銘及び想起)」に与える直接的な影響並びに前頭葉の三本柱の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因した機能障害が、『実行機能』の発揮度に対して与える直接的な影響についてさえも、無知な儘で、憶測ばかりしている。
(3)『意識的な世界』を構築し、統括し、管理し、コントロールしていて、意識の覚醒の度合いを支配している脳機能の要の機能である『注意の分配力』の機能についての知見に乏しいこと、就中、「注意の分配力」の機能の関与なしには、『実行機能=Executive Function 』の発揮も、発揮の度合いも顕現してこないこと、即ち、『実行機能の機能発揮上の二重構造の存在』についても無知な人達なのです。これ等のテーマについての深く十分な理解なしには、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行して行くメカニズムも機序も解明できないことに気づいていないのです。その結果、世界的に通説の地位にあるとはいえ、アミロイドβ仮説を主導し、或いは、信望する研究者達は、未だに、注意の分配力の機能も、実行機能も、前頭葉の機能も備わってもいない、マウスを研究対象にしていて、相変わらず憶測ばかりしているという有様。
(4) 『アルツハイマー型認知症』の発病の有無の問題及び症状の重症度との関係で言う認知機能は、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルを含む脳全体の機能レベルが判定の対象となるべきものなのです。その意味からも、前頭葉の機能も注意の分配力の機能も備わっていない「マウス」(や、マーモセット)を対象とした認知機能を云々するのは、論理的でないのです。
&8 アルツハイマー型認知症に対する「治療効果を有する薬」は存在し得ない
(1) 高齢化とともに増え続ける認知症。治療には複数の薬が開発され、世界中の医療現場で投与されています。最近、フランス政府は、これら4種の薬を全て公的医療保険の対象から外したのです。
(2)薬の承認後に何年たっても、QOLなど患者にとって重要な効果があることの科学的根拠となるエビデンスが得られなかった為に、保険適用から外されたそうなのです。これらの薬は、ドネペジル(商品名アリセプト)、ガランタミン(同レミニール)、リバスチグミン(同イクセロン)、メマンチン(同エビクサ)の4種類で、日本でも「アルツハイマー型認知症」の治療薬として現在も使われているものなのです。上述の理由から、「治療効果があるはずがない」のですが。
&9 新型の薬として承認されている「レカネマブ」に治療効果は皆無
(1) 開発の基本コンセプト、基礎理論であるアミロイドベータ仮説の問題点
『アミロイドベータ・タンパクは、アミロイド前駆タンパクからペプチド分解されて生成され、アミロイドベータ・オリゴマーとなって神経細胞毒性を生じる。細胞内及び細胞外に蓄積したアミロイドベータの沈着により神経細胞障害をきたす。これはある論文の一節なのですが、先駆的なテーマに関する各種医学論文の問題点として、論理的で、客観的で、科学的な証拠データを基礎付けとした『因果関係の立証』が、不適切と考えるのです。各種の前提がいつの間にか消し去られ、あたかも因果関係が存在するかのような記述が多過ぎる!
※ アミロイドベータの蓄積(老人斑の沈着)と『認知機能の低下』との関係の有無をテーマにした論文でありながら、『前頭葉の機能レベルの低下』との関係を全く論じていないのです。アルツハイマー型認知症は、『意識』が覚醒した状況下における目的的行為のアウトプットの異常性、症状の有無及びその程度を、『前頭葉』を含む脳全体の機能面及び機能レベルと言う視点で考察しない限り、「認知機能」と言う表現を使うだけでは、まっとうなレベルの論文ではないことを自覚すべきなのです(認知症研究の専門家達の各種論文を読んでの実感)。
(2) 米国食品医薬品局(FDA)による迅速承認続き(条件付き承認)
FDAは、リリースで「代替エンドポイントとしての脳内アミロイドβプラークの減少に基ずく、迅速承認である」と説明しています。即ち、『市販後の検証的試験において、臨床的有用性を示すことができない場合は、承認は取り消される』ことになると明記されているのです。『解除条件付きの承認に過ぎない』ということ。
(3) レカネマブを投与する対象者を選択する基準とされる『MCI』及び「CDR」の問題点
この薬は、開発した製薬会社自身が、『アミロイドベータが脳内に蓄積され始めた極く初期の段階で投与しないと効果が期待できない』としているものなのです。治験の過程でも、MCIの該当者が対象とされているのです。然も、効果の有無の判定では、以下に問題を提起する『CDR(臨床的認知症尺度)とは名ばかりで、主観的な記述基準に基づく、外観的で/主観的な観察結果を数値化する手法が特徴であり、客観性は担保されていないもの』により、効果の判定が行われているのです。
(3)1980年代になって考案された「CDR」の基準は、元々が、アルツハイマー型認知症の診断基準でもなければ、判定基準でもないのです。被験者の状態を観察する為の「一つの観察方法」程度のものに過ぎないのです。評価方法は、全ての項目が外観的な観察、主観的な評価だけで構成されていて、『認知機能』の障害の有無及びその程度が主たる要件であるはずの『認知症の判定』については、我が国では、痴呆という呼称を認知症という呼称に代えたほど、認知機能の障害の有無及び程度が最も重要な判定要素であるにも拘らず、「認知機能検査が行われない」のです。
(4) FDRの「条件付き承認」を迅速承認と言う制度(裏技)で取り付けただけのもの:
臨床的認知症尺度(Clinical Dementia Rating:CDR)とは、認知症の重症度を評価するためのスケールの一つです。このスケールの特徴は、「認知機能」や生活状況などに関する6つの項目を診察上の所見や家族など周囲の人からの情報に基づいて主観的に評価する「観察法」にあります。
各項目は「健康」な状態から「重度認知症」まで5段階に分類されています。評価表に基づいて分類することで「認知症の程度」だけでなく、特に、『障害されている機能』を把握し、予後の見通しを立てるのに役立つとされているのですが、真っ赤なウソなのです。何故なら、表にしてみると、如何にも様々な要因で構成されていて、レーティング(点数化)して区分けられているのですが、その全ての要因の判定が主観的な言葉だけのものであり、『客観性が全く担保されていない』のです。従って、このスケールは『認知症の診断』自体に用いられることはなく、あくまで認知症によるそれぞれの機能障害の重症度を主観により判定し、『その後の生活支援等のプランを立てることを目的としている』ものなのです。そもそも、認知機能障害の判定基準ではないのです。
(5)Tadのブログでも、これまで度々取り上げてきたのですが、『MCI 』(軽度認知障害)の基準内容も、極めて主観的なものである外観から観測しただけの「物忘れの症状」の程度と態様が主であり、認知機能を気にする医師の場合でも、認知機能障害の有無の判定としてMMSE による判定が行われているだけと言うことなのです(=ナンセンスな基準と言うしかない)。MMSEは、御承知のように左脳と右脳の機能レベルを判定する為の神経心理機能テストであり、三頭立ての馬車の御者、意識的な世界における『脳全体の司令塔の役割』を担っている『前頭葉の機能レベル』の判定(正常なレベルなのか、異常なレベルに在るのか)が為されていない=精緻で客観的に判定できる手技を持たないために、無視されてor 脇に置かれた儘でいる)ことが大問題。こんな杜撰な基準で判定していたのでは、物忘れの症状が確認されるものの前頭葉の機能が正常なレベルに在るお年寄り(前頭葉の機能が正常なレベルであれば、その物忘れは、単なる老化現象であるに過ぎないのです)、『アルツハイマー型認知症』を発病していないお年寄りも『MCIに該当する』として、投薬の対象にされてしまうことになる危険があるということなのです。何等の治療効果があるはずがない薬が、「物忘れ」を気にするお年寄りに対して、際限なく投与されていく不条理な状況が現実化する危険性が高いのです。巨額の売り上げが立つからです。『前頭葉の機能レベルが異常である』ことが客観的な脳機能データにより確認されることなしには、レカネマブの投与は認めないとする、最低限度の防波堤を設けるべき。
(6) 『軽度認知障害(MCI)』の考え方は、その名の通り「軽度の」認知障害が見られる状態を言うものとされています。『認知機能が正常なレベルに在るとはいえないものの、認知症と診断されるほどの日常生活への影響はまだないものを言う』とされている。ところが、上述したように、意識的な世界は、三頭立ての馬車が運行する世界であり、御者が運行を支配し、管理しているのです。意識的な世界の要であり、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉の機能が、正常であるか、異常であるか』について、客観的で、科学的で、精緻な判定が出来る手技の活用に因る評価及び判定(診断)を義務付けるべきと考えるのです。MMSE(長谷川式)だけとか、MCIとか、CDRによる判定では、レカネマブの投薬は出来ないとの診断基準/運用基準を設置すべき。
※厚生労働省によると、軽度認知障害(MCI)の定義は、次の5項目となります。これらに全てが当てはまれば、軽度認知障害(MCI)と判断されるということなのです。
『軽度認知障害(MCI)の定義』は:
①年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在することが確認される。
②本人または家族による『物忘れの症状』の訴えがある。
③全般的な認知機能は正常範囲である(但し、脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能レベルが正常であるか、異常であるかの客観的な判定は為されないことに注意)。
④日常生活動作は自立していると観測される。
⑤認知症ではない{But,失語や失認や失行(紛い)の症状は、(極めて重度の症状なのであり)、30点が満点のMMSEの換算値が9点以下にならないと発現が確認されないものであることに、権威が無知)。
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