日も時も 消え失せにけり 吾が妹は
想い起せば ナイナイ尽くし By kinukototadao
プロローグ)
「 アルツハイマー型認知症」の発病者数が、認知症発病者数全体の90%以上を占めているにもかかわらず、世界中の認知症の専門家達の間では、未だに発病の原因も(メカニズムも)分からないし、治すことも出来ないし、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症だと考えられているのです。当然のことながら、このブログを読んでおられる皆さんもそう信じていると思うのです。
ところが実際には、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、発病自体を予防することも出来るし、治すことも出来る病気、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないのです。すなわち、脳の使い方としての「生活習慣」に起因する病気なのです。末期の段階、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階で見つけているがために、発病の原因もわからないし、治すことも出来ない病気にしているだけなのです。本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つければ、脳のリハビリ(脳の使い方としての生活習慣の改善と工夫)によって治すことが出来るのです。「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体を活性化させ、脳全体を正常なレベルのままに維持させる生活習慣、趣味や遊びや人付き合いや運動を日々の生活に取り込み、自分なりに第二の人生を楽しむ生き方、自分なりの目標や喜びがあり、自分なりに生き甲斐が得られる生き方が出来てさえいれば、「アルツハイマー型認知症」を発病することは無い、発病自体を予防することが出来るのです。以下に順を追って、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病のメカニズムについて、詳しく説明していきたいと思います。
&1アルツハイマー病とアルツハイマー型認知症
(1) 学説の考え方
アルツハイマー博士が最初に報告した症例が50歳代発病の、所謂、「若年性の症例」だったので、若年発症のものをアルツハイマー病、高齢(老年)発症のものをアルツハイマー型認知症として区分ける考えがあり、両者には臨床的にも、病理学的にも、何ら区別すべきものはなく、全てを、アルツハイマー病と呼ぶべきとするのが主流。
(2) 私たち(「エイジングライフ研究所」)の考え方
若年発症のものは、遺伝因子の関与が主たる要因であり、高齢発症のものは、加齢による脳の老化が第一次的要因(正常老化の性質)であり、脳の使い方としての単調な「生活習慣」が第二次的要因であると考えているのです(市町村でのボケ予防教室の展開の結果と関係する「脳機能データ」の蓄積)。
また、発症後の症状の進行スピード及び可逆性ならびに治療及び発病予防の可能性の点で、両者は根本的に異なるものと考えているのです(「前頭葉」を含む脳の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状の解析並びに脳の使い方としての「生活習慣」の在り方が与える治療及び発病予防への影響の解析)。
&2「 アルツハイマー型認知症」の中核症状とされる記憶障害の症状
(1) 学説
「アルツハイマー型認知症」の中核症状は、「記憶の障害」であるとする。年をとると誰でも物忘れをするが、これは、病気によらない「生理的な物忘れ」であり、「アルツハイマー型認知症」の記憶障害は、病的物忘れであるとするもの。
その場合、「生理的な物忘れ」では「忘れたことを自覚」しており、病的物忘れでは忘れたこと自体を自覚しないとする(Ex.昨日レストランに行って食事をして、何を食べたのか食べたメニューを想い出せないのは、生理的な物忘れであって、レストランに行って食事をしたこと自体を想い出せないのが、病的な物忘れ、認知症の症状としての物忘れであるとする)。
(2) 私たち(「エイジングライフ研究所」)の考え方
私たちが提唱する「二段階方式」では、「前頭葉」を含む脳全体の働き具合と症状とをリンクさせて調べるのが基本であり、常に、原因である脳の働き具合(「機能レベル」)を調べると共に、脳の働き具合の直接のアウトプットとしての症状(症状の種類と程度)を調べるのです。
「アルツハイマー型認知症」の場合は、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」が加齢と共に老化していき(私たちはこれを「正常老化の性質」と名付けています)、その働き具合が衰えていく(脳の機能レベルが低下していく)と言う生来的な性質に注目しているのです(廃用性の機能低下が原因で脳の働きが衰えていく場合の厳格な「順序」についてのデータについては、ここを「クリック」してください)。
加齢による脳機能の低下(老化現象)に加えて、使われる機会が極端に少ないことに起因する廃用性の機能低下が起きてきて、両者が同時に充足されることの相乗効果としての脳機能低下、加速度的で異常な機能低下が進行していく際は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能だけが最初に衰え始め、「前頭葉」の働き具合が異常なレベルになった最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、左脳も、右脳も、運動の脳も、その働きが、未だ正常域にあるのです。次のステップである「中等度認知症」(中ボケ)の段階で初めて、左脳と右脳の働きが異常な機能レベルになるのです。そして、認知症の専門家とされる人達が「アルツハイマー型認知症」の症状だと騒ぐのは、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階のことなのです(実は、これは、認知症の末期の段階なのであって、それよりも軽い段階である、小ボケと中ボケの段階が見落とされているだけのことなのです)。認知症の専門家とされる人達が、「アルツハイマー型認知症」の中核症状として記憶の障害を挙げているのは、恐らく、アメリカの精神医学会が制定している認知症の判定基準である「DSM-Ⅳ(Dementia of the Alzheimer’s Type)」の多大な影響であろうと思われるのです。
その規定は、「アルツハイマー型認知症」と診断する為の第一の要件として「 記憶障害が確認されること」及び第二の要件として「 失語、失認、失行、又は実行機能障害のいずれか1つ(又は、それ以上)が認められること」を要求しているのです。
学説も、DSM-Ⅳも、私たち人間が、意識的に何かを実行しようとする場合(左脳がらみの行為、右脳がらみの行為、運動の脳がらみの行為、或いは、それら高次機能のうちの二つ以上の脳が共同して働く行為)、「前頭葉」が、左脳、右脳、運動の脳(或いは、それら高次機能のうちの二つ以上の脳)と必ず連動して働いていることを見過ごし、或いは気づいていないのです。私たちの意識的な世界を支配し、コントロールしている脳全体の司令塔としての「前頭葉」の働き方のメカニズムについて/衰え方の原因とその特徴について余りにも無知と言うしかないのです。
「前頭葉」と言う脳機能の司令塔としての役割の在り方(左脳、右脳及び運動の脳と言う三頭の馬を操る「前頭葉」の役割)、三頭立ての馬車の御者としての役割を理解していないのです。特に、私たちが意識的に何かの「テーマ」を発想し実行しようとする様々な場面では、「前頭葉」の諸機能の中で最も中核的な機能であり、認知の程度を左右する「意欲、注意の集中力及び注意の分配力」の機能(私たちは、これらの機能を総称して、「前頭葉の三本柱の機能」と呼んでいます)レベルに大きく依存していることが看過されているのです(見落とされている、或いは気づいていないのです)。
更に重要なこととして指摘しておきたいのは、「前頭葉」には、加齢とともにその働きが衰えていく、老化していくという性質が生来的に(人間であれば誰でも)具有されており(「正常老化」の性質)、「前頭葉」を含む脳全体をどのように活発に使うのか/使わないのかという視点での「生活習慣」、すなわち、脳の使い方としての「生活習慣」の在り方次第で、脳の老化のスピードが違ってくるということが見逃されているのです(別途、「脳の老化のスピード差」に関する私たちが集積してきたデータを開示し、説明します)。脳の専門家とか、認知症の専門家とか称する人達の誰一人として、「正常老化」の性質のことにも「脳の老化のスピード差」に関しても、気づいていないのです。更に言えば、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを理解する上で、発病を予防する方法を見つける上で、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階を見つける上で及び正常なレベルに回復させる(「アルツハイマー型認知症」を治す)方法を見つける上で、不可欠の要素である「前頭葉」と言う脳機能の働き方のメカニズム、衰え方のメカニズムとその特徴、或いは、活性化するメカニズムについて、全くの無知と言うしかないのが実情なのです。その人達は、何をもって専門家だと自負しているのか理解に苦しむのです。
&3 短期記憶と長期記憶を生む源(メカニズム)は、何なのか
認知症の/脳の専門家達の間では、「記憶の障害」についても、侵されていく場所の問題(海馬とその近傍の脳)と理解(誤解)されているようなのです。「アルツハイマー型認知症」では、初期段階から、記憶の一時貯蔵に重要な海馬やその近傍の脳から侵されるので、「短期記憶」のうちのワーキング・メモリー(作業記憶)も、初期から侵されると説明されているのです。
一方で、「長期記憶」が保たれる「アルツハイマー型認知症」では、長期に記憶される言葉のテストである「語想起」のテスト結果データから、記憶の再生(想起)にも海馬が関与しているためと説明されているのですが、これには、根本的な疑問があると言うべきなのです。
そもそも「記憶」は、単なる記銘とは異なるのです。記憶は、「記銘」、「保持」、「想起」の3つの工程から構成されているのです。海馬が侵され、記憶の再生(想起)に障害があるのであれば、短期の記憶も長期の記憶も、共に再生できないはずではないのかとの疑問を抱くのです。「長期の記憶」が再生できるのに、「短期の記憶」が再生できないのは(「中ボケ」の段階の人達の記憶障害の症状は、その典型的な事例と言えるでしょう)、「記銘」時の対象の認知の度合いの問題、言い換えれば、「記銘」時の対象の認知の度合いを左右する「前頭葉」の三本柱の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能を総称して、私たちはこのように呼んでいるのです)の発揮度の差が原因と私たちは考えているのです(14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」の解析結果が、その根拠なのです)。最近の記憶(「短期の記憶」)が再生できないのは、「前頭葉」の三本柱の機能が異常レベルに衰えたことに起因する「前頭葉」の働き具合により「記銘度」が低いが為であり、昔の記憶(長期の記憶」)が再生できるのは、「前頭葉」の三本柱の機能が正常レベルにあったことに起因した「前頭葉」の働き具合により「記銘」度が高かったが為と私たちは考えているのです。記銘時の「記銘度」が高かった記憶情報は良く保持され、且つ、良く想起されるのです。記銘時の記銘度が低かった記憶情報は、その逆の結果を生むことになるだけのことなのです。この考え方もまた、ほら、「コロンブスの卵」の事例なのです。
私のこれまでのこのブログでの詳細な説明にみるとおり、MMSEで判定される項目としての「時の見当識」、「所の見当識」、「人の見当識」、それぞれの見当識について、脳機能が衰えていく明確な(厳格な)順番が存在するのです。このことは、海馬と言う場所の問題だけではないことを示唆していると考えられるのです。「海馬」の機能が短期記憶と長期記憶とを区分ける働きをしているのではなくて、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能と言う「前頭葉」の三本柱の機能がどの程度機能したのかにより、情報を記銘する際の「記銘」度が左右され、その記銘度の差が、或いは短期記憶となり(記銘度が低いが故に、短期にしか保持されず、よく想起されない)、或いは長期記憶となる(記銘度が高いが故に、長期に保持され、よく想起される)と考えられるのです。「前頭葉」を含む脳全体の働き方及び衰え方並びに脳の機能レベルにリンクした症状について、14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」を集積し、コンピュータ解析したデータを有するのは、世界広しと言えど、私たちだけと自負してもいるのです。私たちの主張は、この脳機能データの解析結果を基礎としているのです。私たちが開発した「二段階方式」と称するその手技は、市町村の保健師さんたちが使いやすいようにマニュアル化されてもいるのです。2017年の春か夏頃に重大な社会状況の存在が明るみに出てくるその時に備え、そのニーズに対応できるよう、私たちは様々な準備を進めているところなのです。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症に対する考え方が、わが国だけではなくて世界中の専門家達の間で、コペルニクス的な転回が起きることになると私たちは確信しているのです。専門家の考え方が180度変わって、「アルツハイマー型認知症」は発病自体を予防することが出来るし、早期の段階で見つければ治すことが出来るタイプの認知症であるという考え方に変わることになるのです。専門家達の考え方が根本的に変われば、皆さんの考え方も根本的に変わることになるでしょう。その時、「アルツハイマー型認知症」の地域予防活動と言う考え方が、陽の目を見ることになり、市町村の保健師さんたちの極めて重要な活動目標となり、或いは、地域の皆さんの具体的な行動目標にもなると考えているのです。
&4 脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の働き
意識的に何かをしようとするとき、自分の置かれている状況を判断して、テーマを発想し、その内容を企画し、その実施結果をシミュレーションした上で、どのような内容の行為を/どのような態様で/どの程度実行するかを最終的に選択し、実行の意思決定をするのが脳の司令塔の役割を担う「前頭葉」の働きなのです。「前頭葉」という機能は、この地球上にこれまでに存在した及び今なお存在するあらゆる種類の動物の中で人間だけに与えられた特別の脳の機能なのです。
実は、この「前頭葉」こそが、「アルツハイマー型認知症」の発病のカギを握っている及び症状が重症化していく源なのです。脳の司令塔の「前頭葉」の働きが廃用性の機能低下により異常なレベルに衰えてきたとき、左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルにあっても、その段階で(私たちの区分で言う「小ボケ」の段階で)、既に「アルツハイマー型認知症」は始まっているのです(専門家とされる人達が気付いていないだけなのです)。
「前頭葉」は、脳の中の空白地帯とされて、最近までこれといった研究が為されてこなかったのです。脳科学を専門とする人達も、「前頭葉」の働きのメカニズムやその二重構造、正常老化の性質、或いはその機能が衰えていく原因やその特徴などについて、未だにデータを持ち合わせていないし、究明する有効な手技さえ持たないのが実情なのです。もっと言えば、「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えていくメカニズム、廃用性の機能低下と言う視点を全くのこと持ち合わせていないのです。CTやMRIでは脳の形はとれても、「前頭葉」の働き具合(機能レベル)を計測することはできません。たとえ、極めて高額な費用がかかるf‐MRIやらPETやらを持ち出そうとも、血流の動態反応やら中枢神経系の代謝のレベルとやらをどのように精緻に計測しようとも、私たちの意識的な世界、常に複雑な内容が重層的に絡まりあっている「テーマ」を同時に且つ並行して処理しつつ働いている「前頭葉」の重層的/集合的/複合的/統合的な機能とその機能レベルを精緻に計測することはできないのです。私たちの意識的な世界では、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能とその機能レベルとが複雑に絡み合い、複雑な態様での相互の絡み合いが、様々なレベルでの「前頭葉」の各種個別認知機能の発揮の程度や認知の程度を左右していて、どのような「テーマ」をどのように設定すれば「前頭葉」の各種の個別認知機能を、或いはそれらの機能の衰え方の進行状況を、精緻に精密に計測できるのか、その計測の仕方が分かっていないからなのです。
例えば、「記憶」という機能一つを取り挙げてみても、「記銘」する対象となる情報自体が複雑で重層的で複合的な要素(左脳がらみの要素、右脳がらみの要素、運動の脳がらみの要素、或いはそれらの程度と態様の絡み合い)から構成されているのです。はるかな昔、若い頃に体験した激しいショックや悲しみや恐怖や怒りを伴う体験の思い出が、何故60才を過ぎた今でも夢にまで出てくるのか、しかも一度ならず二度、三度までも繰り返して。
それは、その何度も思い出す「テーマ」を構成している種々様々な情報の記銘に関わる脳の機能の関与の程度が深く態様が幾重にも重なっているがために、そのテーマの「記銘度」自体が高いからなのです。「記銘」するときに、「前頭葉」の三本柱の機能である「意欲」も「注意の集中力」も「注意の分配力」の機能も最大限に働いていたからなのです。
互いのやり取りに関わる言葉の情報の記銘も(左脳の関与)、関わる情景や感情や声の響きなどの情報の記銘も(右脳の関与)、関わる互いの動作や仕草の情報の記銘も(運動の脳の関与)、並びにそれらの脳を支配しコントロールしている司令塔の「前頭葉」の機能レベルそれ自体も、常に「三本柱」の機能の最大限の支援と関与を受けていて、「記銘度」自体が極めて高くなっていたのです。記銘する際の「記銘度」が極めて高かったので、よく保持されて、よく想起されてくるということなのです。そのテーマの内容の理解、状況の判断、相手の言葉や態度や表情に対する洞察や推理などに、「前頭葉」の各種の個別の認知機能がフルに働いていたはずなのです。だからこそ、今でも夢の中にまで出てくるのです。
脳の専門家達が言っているような、「海馬」の働きにより、海馬が判断し選択して、長期記憶として保存させていた(今まで覚えさせていた)わけではないのです。そうした極めて高度で複雑なメカニズムの下で働いている人間の記憶の働き方やそれに関わる「前頭葉」の機能の関与の仕方、或いは衰え方などを、ホップのエキスを混ぜた水を「前頭葉」はおろか「左脳」さえもないマウスに飲ませて、箱の中の本能的な活動で得られた程度のデータの解析とかで、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防や治療に役立つデータが得られたなどと騒ぎ立てないで欲しいのです。そもそも、アミロイド・ベータとかタウ・タンパクとかの沈着が神経線維を変性させ、或いは神経細胞を脱落させることが、記憶の機能の異常な低下の原因だとする考え(単なる仮説)自体が誤りなのですから。上述した理由からしても、あのiPS細胞をもってしても、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する効能がある物質を発見することにはつながらないと考えているのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル(具体的には、廃用性の機能低下)が発病の直接の原因であって、何らかの種類のタンパク質が発病の原因ではないからです。
&5 アルツハイマー型認知症発病のメカニズム
私たちが主張し、市町村での地域予防活動で実践し、成果を出し、「改善、維持、低下」の3段階に区分され判定された「前頭葉」の機能レベルを含むそれらの「脳機能データ」で裏付けられているように、脳の使い方という視点から言えば廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」でしかない「アルツハイマー型認知症」は、世界中の認知症の学者(大学に勤務)や研究者(製薬会社に勤務)や医師(病院や医院に勤務)達から、「治すことも、発病を予防することもできない、原因不明の病気」、モンスターにされてしまっているのです。
「アルツハイマー型認知症」を発病し、ナイナイ尽くしの単調な生活が継続するだけの日々の暮らしの中で、症状が進行していき、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の症状が発現してきた上に、その期間が何年も続いた人の死後の脳を解剖して得られる「解剖所見」にみられる3つの特徴である「老人斑」とか、「神経原線維変化」とか、「脳の萎縮」とかを追い掛け回していたのでは、或いは「前頭葉」はおろか左脳さえもない下等な動物である「マウス」とやらを追い掛け回していたのでは何時までたっても、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因を解明することはできないのです。世の中でその道の権威者と呼ばれる人達が追及しているこれまで通りのやり方では、時間と税金を含むコストと人材の無駄遣いと言う結果となるに過ぎないのです。「前頭葉」の働き方とその機能が衰えていくメカニズムとに、もっと目を向けるべきなのです。若い研究者の皆さん方に、コペルニクス的な発想の転換を期待したいのです。
60歳を超えた年齢の「高齢者」と呼ばれるお年寄りであろうとも、自分なりに楽しめる「テーマ」を自分流のやり方で追及することにより、「前頭葉」の機能レベルが正常なレベルを保っている限りは(「前頭葉」の3本柱の機能である「意欲、注意の集中力及び注意の分配力」の機能の出番が十分にある生活習慣を実践してさえいれば)、脳の神経細胞は、新陳代謝することもできるし、増殖することもできるのです。その必然の結果として、「アルツハイマー型認知症」の発病とは無縁の第二の人生を完走することが出来ることになるのです。
60歳を超えた年齢の「高齢者」と呼ばれるお年寄りが(私たちが規定する発病の「第一の要件」)、左脳の出番である「仕事」とは無縁の「第二の人生」を日々生きていく中で、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々繰り返されるだけの「生活習慣」のもとでは(私たちが規定する発病の「第二の要件」)、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてきて(「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足されることの「相乗効果」により、緩やかに下降するカーブであるそれまでの「正常老化の曲線」から逸脱して、加速度的に下降する異常な放物線の曲線をたどることとなるのです)半年から1年が経過すると、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです。その段階が、最初の段階である「小ボケ」の段階であり、次いで、「中ボケ」の段階があり、最後に「大ボケ」の段階と言う三段階の症状に区分されるのが特徴なのです。失語や失認や失行などと言う極めて重い症状の確認を要求している「DSMー4」の規定に依拠して診断が行われるがために、発病後の(回復させることが可能な)早期の段階の症状も「アルツハイマー型認知症」の症状であることが見逃されているのです。小ボケの段階も中ボケの段階も見逃されていて、末期の段階、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階になって初めて「アルツハイマー型認知症」を発病していることが確認されている(医療現場での診断の実態)のです。末期の段階である「大ボケ」の段階になるまで、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが衰えてしまった状態が何年間も継続した、そのことの「副産物」としてもたらされるものが、アミロイド・ベータ説が注目する「老人斑」であり、タウ蛋白説が注目する「神経原線維変化」であり、脳の萎縮説が注目する「脳の顕著な萎縮」だと私たちは考えているのです。回復の可能性と言う視点から三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の本質は、機能的な変化であって、器質的な変化ではないからです。「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つけて、「脳のリハビリ』(「前頭葉」を含む脳全体の使い方としての「生活習慣」の改善を実行すれば、正常なレベルに回復させることが出来るからなのです。「大ボケ」の段階で見つけているから、治せないだけなのです。
「第二の人生」を生きるということは、身体が持てば良い(身体が丈夫で長生きすること)という訳のものではないのです。定年を迎えて、「仕事一筋」の「第一の人生」がやっと終わったばかりのあなた、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する為にも(身体が持つ限り、脳も持たせて「第二の人生」を完走する為にも)、今一度、あなたの日々の生き方、脳の使い方としての「生活習慣」を見直してみてはいかがでしょうか(ここを「クリック」してください)。
注)本著作物(Bー52に記載され表現された内容)に係る著作権は、
(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。
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脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)