(プロローグ)『アルツハイマー型認知症』(生まれつき特定の遺伝子に異常がある人だけを対象に発病し、若年発症が特徴である、所謂アルツハイマー病とは全く異なる種類の認知症であることに留意)の発病原因について、世界的に通説の地位にあるとされる(支持する学者の数が多いという意味に過ぎない)アミロイドβ仮説という学説(ハーバード大が牽引し、我が国では、東大、京大、理化学研究所がその牙城)は、発病の原因を究明しようとして、マウス(アミロイドβを注入したアルツハイマーマウス)を研究対象にしていて、発病の原因が『記憶障害に起因するとの想定』(前提条件)の下で、マウスが檻の中で餌を探して徘徊する行動を研究し、憶測に基づいた仮説を主張し続けているのです。
『記憶障害に起因して発病する』とのアミロイドβ仮説が想定する前提条件自体が重大な誤りであることに、未だに気づいていないのです。発病及び重症化が進行する原因には、私たち人間だけに特有な『前頭葉』という脳機能の顕現である『意識』(意識的な世界)とその機能の廃用性の異常な機能低下の進行という要因が関わっていることに、彼等は未だに気づいていないのです。
その上、世界的に権威があるとされる心理学者や神経科学者や脳科学者達の間では、『無意識が全ての意識を支配している結果、自由意思は存在しない』とする「仮説」が、最近有力視されてきているのです。仮説の根拠とされている、関連する実験(最も有名なのが、Benjamin Libetが行った実験)の結果を、単に誤解したものに過ぎないのです。『注意の分配力』の機能の働きにより、被験者が命題(実行内容、条件及び実行のタイミング)を保持し続けていて、課題を指示通りに実行する直前に、課題の内容とその実行に対する意識的な確認が為されることにより、その分意識度が高くなった注意がその命題に分配されることに起因した血流の変化に気づいていない為実験の結果について、誤った解釈をしているだけなのです。『意識が覚醒』している状態下では、常に、機能構造的に必ず記憶の倉庫と連携し、連動して『評価の物差し』が働くことになること及び意識の覚醒度が低くなっていくにつれて、評価の物差しが働くことが次第に困難になっていくこと並びに意識の覚醒度が極限にまで低下した状態である無意識下では、「評価の物差し」が働かないことを知らないが故の誤りに過ぎないのです。意識の覚醒度が一定の範囲内のレベルにまで低下した状態が維持された状況で初めて起きてくる「夢見る世界」では、その一定の範囲内の状況下で、意識の覚醒度が次第に低くなっていくにつれて、「評価の物差し」の機能が働くことが次第に困難となっていくことも知らないのです。その夢見る世界では、意識の覚醒度が低い為に、支離滅裂の論理や場面が展開されることになります。あれっとか思い何かのテーマや内容の一部に(評価の物差しが働く結果として)疑問を抱き、意識がそこに集中されると、意識の覚醒度が一定のレベルに高まることに因り、『夢から覚める』ことになるのです。もっと、続きを見たかったのにと、夢から覚めた後、臍を噛むこともあるのですが。評価の物差しの働きの度合いと意識の覚醒の度合いとは、リンクしていて、表裏一体の関係に在るのです。こうしたことに気づかないで、実験結果の誤った解釈をしていて「無意識が全ての意識を支配している」などと世間を惑わせないで頂きたいのです。
ところで、此処で取り上げた『評価の物差し=意識の首座=自我』とは、3歳児までにひたすら吸収する『親の背中』が示す物差しを基礎として、18歳ごろまでの自己体験により修正し、最終的に確立されるものであり、『自我』とも評されるもの、後天的に獲得され、完成された自分独自の「物差し」のことなのです。実は、機能構造的に記憶の倉庫と連携し、連動して働く『評価の物差し』の働きにより、意識の覚醒の度合いに拘らず、意識下での全ての『認知』が予め規制されることになるのです。
『自分独自』のものとしての『評価の物差し』(物の見方、感じ方、考え方、認知の対象の切り取り方)が、意識が覚醒している状態下(覚醒下であって、且つ、覚醒の度合いに関わらず)での、『意識的な世界』に於ける、全ての意識的な事象(思考、思索、着眼、考え方、観方、感じ方、行為、発言、言動、行動)の選択的な処理及び実行を支配しているのであり、そのことを知らない人達が、『無意識が意識を支配していると誤解している』主張、単なる憶測に基づいただけの「仮説」としての主張を行っているに過ぎないのです。彼等には、肝心要の『評価の物差し』という視点が欠如しているのです。猶、付言しておくと、こうした機能構造が存在していても、後天的に獲得され、完成された自分独自の『評価の物差し』の働きであるが故に、意識的な世界が常に支配され、規制を受けてはいても、『自由意思』の発揮自体は、常に、機能構造的に保証されているのです。『アルツハイマー型認知症』の発病の原因は、「意識のメカニズム」が関わること、「意識的な世界」(意識的に何等かのテーマを発想し、実行に移す世界)に於ける『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの反映が、三段階に区分される症状として発現してくることに、専門家達が早く気付いて欲しいと願うのです。更に付言すると、人間の『記憶のメカニズム』は、線虫のそれとは異次元のものなのです。「私たち人間の記憶」は、記憶の倉庫、評価の物差し、左脳、右脳及び運動の脳、前頭葉の実行機能、前頭葉の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の全てが関わるのです。記憶の対象となる種々の情報が、区分が解明された種類毎に、異なる脳領域に保存されている程度のことが分かろうとも、記銘度が高い対象は想起されやすいメカニズム及び長期記憶と短期記憶に区分けられる記銘のメカニズム並びに想起に際し、それらを統合して取り出してくるメカニズム、就中、『注意の分配力』の機能の関わり方の解明さえ出来ていない現状のレベルで、記憶の障害に起因してアルツハイマー型認知症を発病することになる等という妄言を展開しているのが、「4つの仮説」のレベルという訳なのです。
これ等のことに気づかない限り、発病し末期の段階にまで症状が進行し、更に、何年間も生きたお年寄りの死後の脳の解剖所見に認められるだけのものである老人斑や神経原繊維変化や脳の萎縮等が原因と憶測し、想定しただけのものであって、マウスが檻の中で餌を探して彷徨する行動からの単なる憶測に基づいたアミロイドβ仮説やタウ蛋白仮説が、何時までも横行し、世の中を惑わせ続けることになるのです。嗚呼、哀しいかな。権威と呼ばれる人達は、彼等が権威と考える人達の主張については、疑うことをしないのです。その結果として、早期診断により治せるし、発病自体を予防出来る性質のものであり乍ら、CTやMRIやPETまでも総動員して末期の段階で見つけて、発病のレッテル張りをして、更には、治療の効能が無くて、単なる「対症療法薬」(エーザイのアリセプトが代表的)に過ぎない「4種の薬」を処方し、稼げるだけ稼いでいる医療機関の行為が、正当な医療行為であるかのように扱われる結果、『アルツハイマー型認知症』の発病の有無の診断に要する『医療費』の総額が年間10兆円を超えている現状が放置された儘なのです。このことに加えて、末期の段階にまで症状が進行した結果として、セルフ・ケアにも支障が出てくる為に、介護が不可欠のものとなることによる、『介護の費用』の総額が、これまた、年間10兆円を超えている現状が放置された儘なのです。挙句の果てに、『介護離職者』の累計総数が100万人を超えているのです。
ところで、『発病の原因が、不明で、症状を治すことも、発病を予防することも出来ないもの』とされてきた『アルツハイマー型認知症』について、コペルニクス的転回が、起きようとしているのです。実は最近になって、スエーデンのカロリンスカ研究所を頂点として、ロンドンに拠点を置くランセット委員会や、我が国では、国立精神・神経医療研究センターが、『アルツハイマー型認知症』の発病原因について、日常の『生活習慣』が危険因子と考えられるとの従来の学説とは視点も要因も全く異なる見解を発表したのです(但し、AIの活用により導き出された発病の危険因子の内、学歴や食生活という要因は、無関係の要因であり、第二の人生における脳の使い方としての生活習慣という要因が、真の危険因子なのです)。米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である『DSM-4』の規定が、「第一要件」で確認を要求する「記憶の障害」が発病を惹き起こす核心的な要因であると誤解していて、発病の原因=(「記憶障害」を引き起こす原因)という図式の下に構成した単なる「仮説」(客観的な根拠データがなく、発病との間の因果関係が未だに立証されていない)に過ぎない『4つの仮説』、アミロイドベータ説(老人斑)、タウタンパク説(神経原繊維変化)、アセチルコリン仮説及び脳の萎縮仮説が、未だに、専門家とされる医師や市町村の保健師さん達を混乱させ、世の中を惑わせているのです(その結果として、政府大綱に因る「介護の予防」というテーマが出てきたものの、早期診断による回復も、発病自体の予防も、将来の研究課題と規定されていて、未だに『実施の対象テーマとはされていない』ことが、重大な問題なのです)。
※私たちは、市町村に対する指導活動を開始した1995年以来、一貫して、『「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、「食生活や学歴」は、発病を惹き起こすこととは無関係の要因なのであり、「第二の人生」における「脳の使い方」としての「生活習慣」が、真の要因であることに留意する)並びに『早期診断により治せるし、発病自体を予防できる』と主張しているのです。更には、北海道から九州に跨る452の市町村で、『「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』の実践展開を指導する中で、私たちの主張内容が正しいことを『疫学的方法により、実証してきている』のです。仮説のような単なる憶測の類とは次元が異なるのです。
※私たちが独自に開発した『二段階方式』(前頭葉の精緻な判定が特徴)の考え方に基づいて及び「二段階方式」の手技を活用して市町村の保健師さんが主導し、展開する住民参加型の「地域予防活動」は、『アルツハイマー型認知症』に的を絞り、特化して、一元的管理の下で行うのが特徴です。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの判定、私たち独自の指標である『MMSE下位項目の項目困難度』通りの低下順の確認、「二段階方式」独自のものである『30項目問診票』との照合により行われる「三段階」に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の確認、廃用性の機能低下を惹き起こした原因である『ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続』の確認、関わるそれ等業務の全般が、医師法が定義する『医行為に該当しない』ので、保健師さんが、関わる全ての業務を一元的に実施し、管理することが出来るのです。 二段階方式の実施は、CT、MRI、PET等の機器の使用が不必要な為、必要な売り上げを稼げないので、医療機関は関心が無い。
認知症の専門家とされる人達が見落としている回復可能な本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りを加えた数で言うと、次のような概数予測数値になるのです。「第二の人生」を送っている60歳代のお年寄りの12%、70歳代の30%、80歳代の50%、90歳代の75%、100歳代の97%ものお年寄りが、『アルツハイマー型認知症』を発病していることになるのです。全ての年代について、「小ボケ」が居て、次いで、「中ボケ」が居て、最後に、末期の段階である「大ボケ」が居るのです。総数が600万人とはいっても、「大ボケ」だけの数なのであり、その余りの多さに、驚かないで頂きたいのです。
私たちが幼かった頃は、還暦を迎えて数年が経つとお迎えが来ていたものなのです。70歳を迎えたお年寄りに『古稀』の祝いがあることが示すように、70歳まで生きる人は稀だったのです(「人生70古来稀なり」の世界が常識だったのです)。超高齢社会を達成した現在は、『人生百年時代』という言葉が夢物語ではなく、普通に語られるようになってきているのです。
アルツハイマー病、脳血管性認知症、二次性認知症など、様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を占めているのが『アルツハイマー型認知症』なのです。『アルツハイマー型認知症』の的確な診断基準が存在していない状況下で、的確な診断が為されない為に、脳血管性認知症と診断されている(誤診を含めて、脳血管性認知症と診断されていることで認知症全体に占める割合が25%になるとされている)25%のうちの「20%分」が、実は、「アルツハイマー型認知症」なのです。脳梗塞などの既往があり、少しばかり頻度や態様が激しい物忘れの症状、或いは、僅かな程度の脳の萎縮がみられると、全て脳血管性認知症と誤診されていたりするのです。それほど、アルツハイマー型認知症については、認知症診断の専門医でさえ、殆ど無知というに等しいのです。
アルツハイマー型認知症を直接に鑑別する診断基準が存在していないので、CTやMRIやPET等の高額な診察費が稼げる機器を多用して、分かっている種類の認知症から順次消去していき、最後まで残ったものについて、記憶障害に関する極めて曖昧なMCI(軽度認知障害)の基準とMMSEのテスト結果等から、アルツハイマー型認知症の前駆的段階、又は発病だと診断しているのです(肝心の『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定する「手技」を持たない=FABやTMTで前頭葉、就中、「注意の分配力」の機能レベルを精緻に判定出来ているなどと誤解した儘なのです。注意の分配力の機能レベルを判定するに際して、FABやTMTが有効と考える人は、『注意の分配力』という機能についての理解が、余りにも浅薄と言うしかないのです)。重度の「記憶障害」の症状(或いは、失語や失認や失行の症状等)という基準だけを頼りに発病の有無を診断する為に、『側頭葉性健忘症』や感覚性失語症などを「アルツハイマー型認知症」の発病と誤診しているケースも多々あるのです〔『側頭葉性健忘症』は、記銘力障害(新しい記憶が入って行かない)に起因した重度の記憶障害の症状及び海馬の萎縮が認められるものの、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が、正常な機能レベルに在るのが特徴〕。その上、治療の効能を有しない薬(単なる対症療法薬)を処方しているのです(症状を治すことは出来ないが、症状の進行が半年から1年遅くなる効果が期待されるとかの説明がなされるのが通常)。私たちは、小ボケ、中ボケ、大ボケの各段階に特有で類型的な症状というものを持っているのですが(「30項目問診票」で使用している類型的な症状については、各段階毎に発現してくる症状の順番について、かつて、東京都老人総合研究所に分析して頂いた「発現してくる順番」のデータも保有しているのです)、製薬会社だけでなく彼等医師達も、そうしたデータや基準を持たないのです。MMSEの総得点が10点を切った段階、大ボケの段階の後半になって初めて発現が確認される失語や失認や失行と言った「極めて重度の症状」を、発病の初期症状だと誤解しているのです。学者も、認知症の診断が専門の医師達も、発病との間の因果関係について、何故か『ルーズ』というしかないのです。このブログを書いている私の傍らには、書籍『Diagnostic Criteria From DSM-Ⅳ』とネットで検索して打ちだした26ページの資料『ウィキぺディア アルツハイマー病』が在ります。どちらの資料も、読んで情けなくなる程に、書かれている(紹介されている)内容が、無知に起因した無意味な内容と言うしかないのです。『覚醒された意識の世界』に関わる病気という視点が無いのです。この視点があれば、意識の機能構造と廃用性の機能低下(及びそれをもたらす要因)に目が向くはずなのです。ところが、世界中の専門家達の誰一人として、未だに気づいていないのです。
(2) テレビに出てきて、大学の医学部教授という肩書で、『アルツハイマー型認知症』について、『運動や交遊の機会を増やすことにより発病を予防することが出来る』と発言しつつ、『アミロイドベータの蓄積が原因で発病する』等と、新型コロナで有名になったあの人のように、自分が無知であることに気づかないで、意味不明な内容を物知り顔に語る人達がいるのです。末期の段階の症状であり、もはや治すことが出来なくて「脳のリハビリ」の対象にはならない「重度の段階」(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)の症状が発現してきているお年寄りに『発病のレッテル』を貼っているだけなのです。『早期診断により回復させることが出来て、発病自体を予防することが出来る認知症』、それこそが「アルツハイマー型認知症」の特徴であることを知らないし、そのことに関心も無いのです。関心があるのは、いかにして売り上げ高を稼ぐかだけなのです。アルツハイマー型認知症の薬とされ販売され、処方される4種の薬は、全て、治療薬ではない(症状を治したり、症状の進行を抑制する効能は有しない)のです。「症状の発現の仕方が激しい」患者の症状に対しては、それの発現を抑制し、「何かをする意欲が消失している」患者に対しては、意欲をある程度亢進させる効果しか期待できないのです。「症状を治す」効能も有していなければ、「症状の進行を抑制」する効能も有していないのです。症状が治る訳ではなくて、症状の発現の程度が抑制され/亢進されるだけなのです(それ等4種類の薬を、飲み続けて居ようとも、発現してくる症状の内容は、更に重いものになっていくだけなのです)。
注)廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」(但し、脳の使い方としての『生活習慣』であることに留意する)が本態である『アルツハイマー型認知症』の場合は、症状を治したり、症状の進行を抑制したり、発病を予防する効能を有する『薬』が開発されることは、発病及び症状の重症化が進行するメカニズム(機序)に照らしてみて、未来永劫あり得ないことなのです。意識的な世界における脳の使い方を、前頭葉を含む脳全体が活性化するよう、状況に応じて正しく、適切に「薬」が、操れる等、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病)に照らして、有り得ない事なのです。発病を予防する薬とか、治療の効能を有する薬とか、進行を抑制する効能を有する薬とか、そうした効能を有する薬を開発できたかのような発言をする人達は、(エーザイの『アリセプト』の前例が有るように、儲かりさえすれば、効かなくても気にしない)だけのこと、妄言を語っているだけなのです。
(1) 『アルツハイマー型認知症』の発病原因については、アミロイドβ仮説、タウ蛋白仮説、アセチルコリン仮説、脳の萎縮仮説と言った、4つの仮説(発病との間の因果関係が実証されていない憶測の類)が世界中の医学会をリードしてきた中で、時間だけが空しく経過するという状況でした(アミロイドベータ説やアセチルコリン仮説に基づいて挑戦された治療薬の開発、過去30年間で200種類もの「アルツハイマー型認知症」の治療薬の開発は悉くが失敗に終わっているのです)。
(2) ところが、2016年になって、世界的に著名で巨大な規模を誇る研究機関であるスエーデンのカロリンスカ研究所が、「生活習慣」で「アルツハイマー型認知症」の発病リスクを低減することが可能であるとの研究論文を発表し、2017年には、ロンドンに拠点を置く、ランセット委員会が、『生活習慣がアルツハイマー型認知症の危険因子である』との研究論文を発表し、2018年7月には、我が国の国立精神・神経医療研究センターが、『「生活習慣」がアルツハイマー型認知症のリスク因子と考えられる』との研究論文を発表したのです。
(3)脳が壊れてもいない(器質的な原因病変が存在しない)のに発病し、症状の重症化が進行していくアルツハイマー型認知症の発病原因、それは一つには、『加齢』と共に進行する『老化による機能低下』が基盤にあって(第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者であることが「発病の第一要件」)並びに、異なるもう一つ別の要因であり、加重される要因である、『キッカケ』の発生と継続を契機に心が折れて、意欲を喪失することで開始された単調な生活習慣、言い換えると、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な日々の暮らし方(ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』)の継続に起因した『廃用性の異常な機能低下』の進行(発病の第二要件)という第二の要因が同時存在ることにより(異なる二つの要因の同時存在に起因した相乗効果により)、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させることが発病及び症状の重症化が進行する直接及び唯一の原因なのです。
簡潔に表現すれば、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病』に過ぎないのです。但し、ここに言う『生活習慣』とは、食生活ではなくて、私たち人間だけに特有な『意識的な世界』における脳の使い方としての『生活習慣である』ことが、極めて重要なポイントとなるのです(私たちが「世界で最初」に解明)。後に詳述するように、脳の使い方としての『生活習慣』の改善及び『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化する『生活習慣』の構築と実践という方法が、『治療、介護の予防及び発病予防』の唯一無二の方法、有効な対策となるのです。『食生活は、無関係。薬は効かない』ということなのです。
認知症の専門家達から、発病の原因が不明とされている「アルツハイマー型認知症」は、超高齢社会に特有な産物であり、『仕事とは無縁となる、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」だけが発病の対象となる』のです。60歳を超えても猶、仕事というテーマの実行を続けているお年寄りは、アルツハイマー型認知症を発病することはないのです(4つの仮説は根本的に誤りの主張であり、「仕事」とは無縁となる『第二の人生』での日々の暮らし方、脳の使い方としての『生活習慣』が問われることになる病気という訳なのです)。※ちなみに、誰の脳にも、「加齢」に起因した脳の老化の進行(”正常老化”の性質)という問題が内在しているので、正常老化の曲線が示すレベル(第二の人生が始まる60歳過ぎになると、最も機能レベルが高かったころの半分くらいの機能レベルに衰えてきている)、『発病の潜在的な対象年齢に到達している』というリスクを抱えているという訳なのです。但し、『加齢』の進行に起因した脳の老化という要件だけでは、『前頭葉』の機能が異常な機能レベルにまで衰えていくことは無いのです(私たち二段階方式が『正常老化の性質』と名付ける「脳機能データ」【=NHKのチコちゃんに叱られるでも取り上げられた】の存在とそのカーブが証明)。
「注意の分配力」の機能を含む『前頭葉』の機能レベルの変化(かなひろいテストを実施)と『左脳及び右脳』の機能レベルの変化(MMSEテストを実施)を同時に並行して検査し、データ化しグラフ化すると(前頭葉の機能レベルを横軸に、左脳および右脳の機能レベルを縦軸に設定)、両者が共に正常なレベルに在るお年寄りから、両者が共に極めて異常なレベルに在るお年寄り達の『脳機能データ』14689例のグラフは、小ボケ、中ボケ、大ボケへと脳の機能が衰えて行くにつれて、加速度的な衰え方の変化を示すことになるのです。
(3)『アルツハイマー型認知症』の早期診断(回復可能である早期段階の判定と「脳のリハビリ」の実施)による回復、介護の予防及び発病の予防の為の神経心理学的手法として開発されたものであり、総合的な神経心理機能テストである『二段階方式』の手技は、平成の大合併前後累計452の市町村において、回復させることが可能な『早期段階』の判定、「脳のリハビリ」の実施による早期の段階の症状からの回復、介護の予防(=大ボケの予防)、発病自体の予防及び地域における『高齢者』のイキイキ活動展開の為の脳活性化体験並びに生活習慣改善の手法として、北海道から九州に至る地域、全国的規模で実践されてきました。
様々な種類がある認知症の90%以上を占めている『アルツハイマー型認知症』の発病の予防を目的とした『生活習慣』改善のための脳活性化体験並びに早期の段階の発見と回復の為の「脳リハビリ」による治療の指導、或いは介護の予防などを目的とした有効な諸施策が、市町村の保健師さんによる『アルツハイマー型認知症』の発病の予防を明確な目的とした脳イキイキ教室(脳活性化体験による発病自体の予防、早期発見による回復並びに介護の予防を目的)の運営や脳の使い方としての生活改善指導として展開され、更には、地域全体の活性化やお年寄りの『生き甲斐創造』活動として世の中に定着することを期待しており、「二段階方式」の考え方、或いは「手技」が全国的に/市町村の/小さな隅々にまで広まっていくよう、今後とも尽力していく考えなのです。市町村による継続的な活動の基礎として、『定型化された有償の使用許諾契約』を個別に(市町村単位で)/又は国と締結していただくことが前提となります。
(4)米国精神医学会が策定した『アルツハイマー型認知症』の診断規定である『DSM-4』が発病の診断に際して、「第一要件」として確認を要求する「記憶の障害」という要件と発病とは無関係なのです(因果関係自体が存在していない)。更に言うと、「DSM-4」の「第一要件」が正しいものとして、その条件を前提として主張されている『4つの仮説』、アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウ蛋白説及び脳の萎縮説の全てが、『アルツハイマー型認知症』の発病原因(発病のメカニズム)とは無関係なのです(それらの仮説が主張する「発病原因」と「アルツハイマー型認知症」の発病との間には、そもそも肝心の「因果関係」自体が存在していないのです)。仮説の中では通説の地位を占めているアミロイドβ仮説を主導するハーバード大学が先頭に立ち、我が国では東大が追随する新たなプロゼクトの報道が一昨年11月にありました。報道によると、発病してしまうと薬が効かないので(治療薬の開発が悉く失敗に終わってきているので)、発病する前に、言い換えると、アミロイドベータの蓄積を出来るだけ早期に捉えて、且つ、アミロイドベータを脳内から除去してしまう方法(「発病の予防」を目的とした方法)の開発に着手したそうなのです。
ところが、『アミロイドベータの蓄積と発病との間には肝心の因果関係自体が存在していない』のです。「アミロイドβ仮説」の主張の概要は、『アミロイドベータが情報を伝達する神経細胞に蓄積することにより生成される老人斑の持つ毒性が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こすことにより、記憶障害が惹起され、その領域が拡大していくことで、アルツハイマー型認知症を発病する』とする『仮説』なのです。因果関係の存在を否定する数多くの『脳機能データ』が存在するのですが、字数の関係で二つだけ、挙げておきます。
『アルツハイマー型認知症』だけに確認される特徴として、①脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が、最初に異常なレベルに衰えて行き発病する【小ボケの段階の症状】。次いで、『前頭葉』の機能が更に機能低下を進行させていく中で同時進行的に、左脳、右脳、運動の脳の順番に機能が異常なレベルに衰えて行く(中ボケの段階を経て末期の段階である大ボケの段階へと移行していく)こと。並びに、②MMSEが左脳及び右脳の働き具合を判定する下位項目について、出来なくなっていく(機能が衰えて行く)厳密な順番が存在し、その順番は、必ず以下の通りとなること(『MMSE下位項目の項目困難度』の事象事実としての『14689例にも及ぶ発病患者の脳機能データ』が存在している)。
想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、五角形相貫図の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名。
14689例に及ぶ『アルツハイマー型認知症』発病患者(小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階を含む)の脳機能データが示す事象事実について、アミロイドベータ説では合理的に説明することが不可能なのです。内容的には、重大な誤りでありながら、「DSM-4」の策定者達及び「4つの仮説」の提唱者達に権威が有る為、それだけのことで、未だに世界を席巻していて、弊害だけをまき散らしているのです。治すことも予防することも出来ないとされる状況が継続したままで、治療薬が一向に開発されないままに、末期の段階の「大ボケ」(セルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠の状態のままで、身体だけが長持ちしている)のお年寄りの数が更なる高齢化の進行という社会状況下で、際限もなく増大することで、『介護関連の総費用』(CTやMRIやPETまで持ち出して、高額の診療費を稼ぎながら、「発病のレッテルを貼るだけ」に過ぎない診断費用、「半年から1年程度症状の進行が遅れるかもしれない」との説明の下で処方される「治療効果は無くて、単なる対症療法薬」でしかない薬の処方の費用、結局のところセルフケアにも重大な支障が出て来て介護が不可欠となる「大ボケ」の段階のお年寄りの限りない増加による介護費用)の総額が、天文学的な規模に膨れ上がってきていて、更には、急激にとめどもなく増加し続けているのです。「一般会計」に載せられて、国会審議にかけられているものと「特別会計」で処理されて、国会審議にかけられていないものの両者を併せると、国民の皆さんが聞いたら泡を吹きそうになる程の天文学的な規模の数字になっていて、然も、毎年膨張する一方で、留まることを知らない状況が放置された儘。負の岩盤が形成されていく状況にあるのです。
(「三段階」に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴は、概要を示すと、以下の通りとなります)
(1) 標語的な表現による全体的な特徴
ⅰ)「小ボケ」の段階の特徴
「小ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄りの特徴を一言、簡潔な表現で語れば、「指示待ち人」なのです(家の外に出て行き、他人と交わる中で、共通のテーマを実行する世界である『社会生活』の面で、様々な支障が出てきている『お年寄り』のこと)。「小ボケ」の特徴として、わが身に起きている症状の自覚があることに注意して下さい。
ⅱ)「中ボケ」の段階の特徴
(脳の機能年齢は、「6歳児以下~4歳児」のレベル)
「中ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄りの特徴を一言、簡潔な表現で語れば、失敗しては、言い訳ばかりする『幼稚園児』なのです(『家庭生活』の面でも様々な支障が出てきている『お年寄り』のこと)。中ボケになると、わが身に起きている症状の自覚が持てないことに注意して下さい。
ⅲ)「大ボケ」の段階の特徴
(脳の機能年齢は、「3歳児以下~0歳児」のレベル)
「大ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄りの特徴を一言、簡潔な表現で語れば、『セルフケア』の面でも様々な支障が出てきて、日常生活面での「介護」が不可欠となる状態、司令塔である『脳(前頭葉)が寝たきり』の状態にある『お年寄り』のこと。
認知症の診断が専門の医師達は、異口同音に、『アルツハイマー型認知症』は、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないと言いますが、「アルツハイマー型認知症」について無知な発言というしかないのです。
『アルツハイマー型認知症』は、性質それ自体として治すことが出来ないものではないのです。彼等が見つけている段階が遅すぎるだけなのです(「DSM-4」の規定が発病の初期段階の症状として確認を要求し列記している失語、失認、失行の症状が、極めて重度の症状であること、30点が満点であるMMSEの総得点が一桁になって初めて発現が確認される『極めて重度の症状』であることを知らない。「DSM-4」の規定内容の重大な誤りに気付いていない)。「末期の段階の症状」を基準にして、初めて発病と考えているから治せないだけなのです。
(3)世の中では、「アルツハイマー型認知症」を発病したお年寄りの為の薬として、それらの代表的なものである「アリセプト」を含む4種類の薬が医療現場では処方されています。但し、それらの薬のいずれもの薬が、症状を治す(改善させる)/或いは、症状の進行を遅らせる効能は有していなくて(治療薬ではなくて)、「対症療法薬」(症状の発現の程度を昂進/又は抑制させるだけで、介護する側の労役の緩和の効能しか有していないもの)として販売されていることに注意が必要です。
(4)私達が独自に発見し、住民参加型の「地域予防活動」の活動の柱(根拠)として実践してきた「アルツハイマー型認知症」の症状を治す方法である『脳のリハビリ』(「前頭葉」を含む脳全体の機能を活性化する「生活習慣」の改善、工夫及びその実践)の指導による回復(「アルツハイマー型認知症」の症状を治すことを言う)の可能性と言う視点から、「アルツハイマー型認知症」の症状を「三段階」に区分しているのです。
「小ボケ」の段階 「脳のリハビリ」により治す/症状の進行の抑制が、比較的に容易
「中ボケ」の段階 「脳のリハビリ」により症状の進行の抑制が、未だ可能
「大ボケ」の段階 「脳のリハビリ」により症状の進行の抑制が、最早困難
この区分は、事象事実に基づいたものです(北海道から九州に跨る452の市町村での住民参加型の「地域予防活動」の実践により、疫学的方法により実証して来ている)。『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復、介護の予防及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の主導者は、医師ではなくて、市町村の保健師さんなのです。
※とはいえ、『二段階方式』の手技の理解のレベルと活用のレベルには、それなりの差異があり、結果として、実施品質にもバラツキがあり、治して見せる実績にもバラツキがあるのは事実なのです。一番の問題点は、『副所長が独りで、保健師さんに対する指導を行ってきた』点にあり、国策化(国の事業支援を受けての全国展開)に際しては、「講演」の講師と「ケース指導」を担当できる『女性の専門職集団』を養成したいと考えているのです。
(5) 地域住民に対する情報発信をどれだけ徹底しても、早期診断により、どれだけ多くの「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りを治した実績を積んで見せても、末期の段階である「大ボケ」にまで脳機能が衰えていくお年寄りは、或る程度の割合と規模で必ず出現するものなのです(症状を治す為の『脳のリハビリ』の実施には、家族の後押しが不可欠となる)。その『大ボケ』の段階の症状が発現してきているお年寄り、『セルフケア』の面にも様々な支障が出てきて、日常の生活面で『介護』が必要不可欠となる「お年寄り」こそ、『介護保険』で全面的に対応する社会を目指すべきなのです。日本の将来を担うべき若い世代が、自分の人生を捨てて、「大ボケ」の段階に在る親の介護に明け暮れるだけの人生を送る『介護離職』は、我が国に有ってはならない『制度上の重大な社会悪』なのです。
(1)『アルツハイマー型認知症』の場合は、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つけて(早期診断)、『脳のリハビリ』を実施することにより治すことが出来るのです(早期治療)。そのことは、私たちが市町村での実践を指導してきている住民参加型の「地域予防活動」において、実証してきているのです。とはいえ、『脳のリハビリ』の実行、特に、対象者が中ボケの段階のお年寄りである場合は、家族の役割に期待される度合いが高くなり、口で言うほど容易なことではないのです。市町村が、目指すべきは、一次予防、発病自体の予防なのです。矛盾するわけではないのですが、一次予防の効果を高める為には、早期診断による回復の事例を数多く積み上げることが、有効でもあるのです。地域住民に対して、脳の使い方としての生活習慣、『「前頭葉」が活性化する生活習慣の構築こそが、発病自体の予防となる唯一の方法である』ということに対する関心を喚起する効果が大きいからなのです(「小ボケ」の段階のお年寄りであれば、『脳イキイキ教室』に継続して参加させることで、治して見せることが出来るのです!=このことに関しては、昨年末に厚労省と協議した際、証拠となる複数の市町村での「脳機能データ」を提出済み)。
(2) 世界中の権威ある組織に属する認知症研究の専門家達が、『「アルツハイマー型認知症」は、発病の原因が不明で、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ない』と主張し、発病の原因については、因果関係の存在すら未だに立証できてもいない『4つの仮説』が幅を利かせている状況で、「仮説の主張内容が正しいものとの前提」に立脚した下で世界中の巨大な規模の製薬会社が開発に挑戦した治療薬は、その悉くが失敗に終わっているのです。我が国で言うと、東大、京大、理化学研究所が、「4つの仮説」の内でも世界的に「通説」の地位にある(支持する学者の数が多いというだけの意味)アミロイドβ仮説の牙城なのです。一般の人達は、権威に対し疑いを持たないので、権威の主張することは、正しいものと考え、無防備に、そのまま信じてしまうものなのです。仮説に基づいた内容を(誤った内容であるとも知らないで)放送し続けている報道番組もあるのです。上述の『側頭葉性健忘症』について、『働き盛りの若い年齢で「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が増えてきている=「若年性アルツハイマー型認知症」の発病者と呼称している』とする内容(誤った内容)を放送し続けているのです。新聞報道やテレビ番組で最近流行りの『若年性アルツハイマー型認知症』という病気は、実在しないのです(最も重要な要素である『前頭葉』の機能レベルの判定が出来ない為、側頭葉性健忘症と混同しているだけ)。権威もなくて、情報の発信力にも乏しい、私的な研究所に過ぎない『エイジングライフ研究所』が主張しても、市町村になかなか浸透してはくれないのです。「二段階方式」の手技の使用に対して、期限付きの有償期間という考えを導入したのも間違いでした。国策化の暁には、使用期間中は有償とする(有償である期間を付さない)ことに変更する考えなのです。有償でなくなると、予算化が不要となる為、人の配置もなくなり、極めて有効で有益であるはずのPRJが、いつの間にか立ち消えてしまうのです。但し、「二段階方式」の主張内容は、疫学的に実証されているので、近い将来に、必要な権威は確保できることになると考えています。『二段階方式』の考え方が、近い将来に、世界標準になると確信してもいるのです。分かってしまえば、『コロンブスの卵』程度のこととは思うのですが、専門家達は未だに、『誤った場所を誤った方法で、掘り続けている』のです。
米国のハーバード大学が主導し、我が国では東大が追随している発病自体の予防の方法(『アミロイドベータ』の蓄積を出来るだけ早い段階で見つけて、脳内から除去する方法)を新たに開発しようとも、アミロイドベータの蓄積と発病との間に因果関係が存在していないので、発病を予防する方法とはなり得ないのです(上述した、『MMSE下位項目の項目困難度』という事象事実としての指標、私たち二段階方式が、14689例にも上る『アルツハイマー型認知症』発病患者に実施したMMSEテストの結果としての脳機能データを、アミロイドベータ説は、合理的に、科学的に説明することが出来ないのです)。
(1) 私たち人間だけに特有な機能であり、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に、必要不可欠の機能である『注意の分配力』の機能を、私たちなりの定義で言うと、過去、現在及び/又は未来に直接及び間接的に関わる『テーマ』であり、異なる複数の錯綜する「テーマ」について(浮かんでは消え、更には再復活して来ることもある種々で多岐に亘る)各々の「テーマ」を記銘度の差異のままに保持しつつ(或いは、それまで、意識の覚醒度が低いところで単に保持していただけのテーマを喫緊の課題として意識度を顕在化させて来ることもある)、同時に並行して、且つ、重層的に及び選択的に処理/実行する(している)脳機能であり、その発揮には、『意欲』及び『注意の集中力』の機能が、その基盤として、常に関わっている「脳機能」なのです。
私達人間だけに特有な世界である意識的な世界(意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界)に於いて、様々な程度及び態様により形成され、構築され、保持されている種々の「意識」(意識状態)に対し、配分の度合いが異なる『注意の機能を分配』し、更にその上で、それらの各「意識」を統合し、統括し及びコントロールする(している)脳機能なのです。私たちが世界で初めて発見した『加齢』という要因のみにより脳の機能が衰えて行く性質(正常老化の性質)により、20歳頃の最盛期の半分程度にまで機能レベルが衰えてきている『第二の人生』を送っている「60歳を超える年齢」の『高齢者』(「アルツハイマー型認知症」を発病する潜在的な可能性が有る唯一の対象群なのです=私たちの二段階方式が定義する発病の第一要件)が、上述の特徴を有する『注意の分配力』の機能を発揮させ得る場及び機会となる日々の脳の使い方としての『生活習慣』を、どのようなテーマを選択し、どのように実行して行くことに因り、どのようにして継続することが出来るのかが、「アルツハイマー型認知症」を発病するか/しないかを区分ける分岐点となるのです。
(2) 私たち独自のデータである「MMSE下位項目の項目困難度」のデータでは、想起、注意と計算が一番目、二番目の順番、早くに衰えていく項目となります。その訳は、「意欲」及び「注意の集中力」の機能は勿論のことなのですが、最も高度な機能である『注意の分配力』の機能の発揮が最も高度に、且つ、継続的な発揮が要求される項目だからなのです。脳の機能レベルの判定テストに臨んでいるお年寄り達のデータなので、被験者である全員が、それなりに一生懸命取り組んでいて、意欲と注意の集中力は放っておいても発揮しようとするものなのです。「アルツハイマー型認知症」を発病している被験者にとって、最も早くに衰えていく脳機能が、『注意の分配力』の機能ということなのです。『あの人は、頭の回転が速いとか、遅いというときの脳機能』であり、あーしたらこうなる、こうしたらどうなる、あれこれと発想し、創意工夫し、シミュレーションし、検索する際に不可決の機能、それこそが、『注意の分配力』の機能のことを指して言っているのです。専門家が行う唎酒の際も、この『注意の分配力』の機能が大活躍するのです。その注意の分配力の機能こそが、廃用性の機能低下により、真っ先に機能が低下していくものでもあるのです。
(3) 『仕事』とは無縁の日々となる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』の日々の暮らし方、脳の使い方としての『生活習慣』の在り方こそが、発病するか/しないかを区分ける核心的な要因なのです。言い換えると、『「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する「生活習慣」とは、『注意の分配力』の機能の出番が多い暮らし方ということになる』のです。『注意の分配力』の機能が管理し、コントロールし、統括する『実行機能』(=Executive Function)の各機能要素、分析、理解、考察、発想、企画、計画、創意、工夫、洞察、推理、シミュレーション、検索、評価、比較、選択、判断、決断、抑制、感動等の機能の出番が多い生活を、自分なりに楽しみつつ、行使する場面や機会が出来るだけ多い「テーマ」を選択し、実行する生活を継続するのです。『生活習慣』となる為には、継続することが出来るということが極めて重要なので、『自分なりに楽しめる』という要素が要求されるのです。その「テーマ」を選択し、実行の計画をすること、目標を設定すること、実行すること、目標達成の結果を残すこと、それらの各過程自体が、楽しみや喜びに繋がり、目標の達成が達成感の獲得や喜びや生き甲斐に繋がるようなテーマがベスト・ヒットなのです(最も重要なこと:『自分なりの楽しみ、喜び、生き甲斐』に繋がれば、OKなのです)。
(1) 私たち人間だけに存在する意識的な世界。その時自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、実行すべき発言や、身体の動静や、行為や行動の内容を計画し、実行結果の洞察、推理、シミュレーションを行い、必要な修正を加えた上で、最終的な実行内容を決定し、実行の決断を下して、脳の各部(左脳、右脳及び運動の脳)に対し実行の指令を出すという脳機能、脳全体の司令塔の役割を担っているのが『前頭葉』と言う脳機能なのです。『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』が、「キッカケ」を契機に意欲を喪失していき、開始された単調な生活、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない日々の暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくその先に、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っているのです(私たちが、世界で初めて解明した『発病のメカニズム』)。※アルツハイマー型認知症』の発病の核心的な要因は、『前頭葉』の廃用性の機能低下に起因した機能障害(any disturbance in executive functioning)という要因なのです。
(2)『アルツハイマー型認知症』を治す方法は、『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化するテーマの選択と実践に尽きると言いました。実は、『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症の特徴はというと、最初の段階である「小ボケ」の段階は、脳の機能面からいうと、三頭立ての馬車を牽引する三頭の馬、左脳、右脳、運動の脳の機能は未だ正常なレベルにあるのに対して、御者である前頭葉の機能だけが既に異常なレベルにあるのです。「中ボケ」の段階になると、前頭葉の機能が更に異常なレベルにあって、左脳も右脳も運動の脳も異常なレベルにまで機能が低下して来ているのです。
このことを言い換えると、脳全体の機能、前頭葉並びに左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルにあること、具体的な衰え方の順番を考慮した表現からすれば、『「前頭葉」の働きが、正常な機能レベルを保っている限り、「アルツハイマー型認知症」を発病することは絶対に起きない』ということなのです。『自分なりの目標の達成感の獲得や生き甲斐や喜びがあり、時間の経つのを忘れて打ち込むことが出来るような、何等かの趣味や交遊や運動を楽しみ、或いは、居住地域での「地域活性化活動」に関わり、自分なりの「目標」がある日々の暮らし方、言い換えると、『注意の分配力』の機能の出番が多くて、『前頭葉』が活性化する『生活習慣』を構築し、継続することが、発病の予防を担保してくれることになるのです。
※私たちが定義する、『アルツハイマー型認知症』を発病する「第一の要件」は、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であることなのです。従って、『例え年齢が60歳を超える年齢の高齢者』であっても、「第二の人生」を送っていない場合は(畑仕事であれ、裁縫仕事であれ、大工であれ、板前であれ、漁師であれ、会社勤めであれ、名目上ではなくて、実質的に現職である限り、現職で発病することは無いことが、アルツハイマー型認知症の特徴なのです(発病の「第一の要件」からは除外されることになる)。
何故か。その理由は、仕事に従事する為に、「左脳」の出番が極めて多い暮らし方となり、その日々の生活習慣の中で、達成すべき『目標の設定』が有り、『目標』を達成する為に注意の分配力の機能を最大限発揮すべく努力することになるので、『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化することとなり、『前頭葉』を含む脳全体の機能が正常な機能レベルを保つことが出来ることになるからです。目標の設定、目標を達成するための種々様々な創意と工夫、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の駆使により、更には、目標の達成による達成感や喜びや生き甲斐の獲得が有るので、注意の分配力の機能の出番が増えて、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、活性化する生活状況及び「生活習慣」が継続されているということなのです。➡あーしたらどうなる、こうしたらどうなる、様々な状況を発想し、対策をシミュレーションし、効果的で最適な対応策を具体的に検索し、選択し、実行に努めることになる為、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の出番が増えて、活性化することになるのです。
こうした状況下では、意欲や注意の集中力の機能は言うまでもないことながら、取り分け、『注意の分配力』の機能(複雑に重層的に錯綜する、複数の異なるテーマを同時に並行して選択的に処理し/実行する為の機能=『実行機能』の発揮に不可欠)の出番が極めて多く、脳全体が極めて高く活性化されることになるのです。その意味で、労働力の減少という側面からの視点に加えて、『アルツハイマー型認知症の発病自体の予防』という視点からも、「第二の人生」に入る為の時期を先送りする再雇用制度(但し、通常の勤務形態ではなく、午前又は午後だけの勤務、一週間の中での勤務日を分割した分割勤務のようなパート勤務及びそのことを反映した労働条件)の検討が必要であり、有効であり、有益だと考えるのです。パート勤務(分割勤務)形態とは言え、仕事がある生活により「第二の人生」の開始時期を先送りすることが、「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防(すなわち、発病時期の先送り)にもつながり、その帰結として、『介護関連の総費用』の絶対額の顕著な規模での増加の抑制/費用の総額の減少に直結することにもなると考えるのです。
(4)「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する方法は、『自分なりの「喜び」や「生き甲斐」を覚える機会があり、時間の経つのを忘れて打ち込むことが出来るような、何等かの趣味や交遊や運動を自分なりに楽しみ、或いは、居住地域での地域活性化活動に関わり、自分なりの「目標」がある日々の暮らし方、『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化する『生活習慣』を構築し、実践を継続することだと言いました。一方で、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の個々の「高齢者」について言うと、「第一の人生」でのキャリアも異なるし、「第二の人生」を送る上での条件(居住する地域の条件)自体が大きく異なる上に、経済的な条件(金銭的な条件及び居住条件)及び家庭的な条件(家族構成及び家族関係)、更には、肉体的な条件も異なる訳なのです。上述の『大枠の条件』をもとにして、自分なりのものを、具体的に工夫して頂く、選択して頂くしか方法がないのです。
(5)その場合も、私たちが提起しようとしている『地域予防活動』(市町村の保健師さんが主導し、地域のボランティアが協力して展開する『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復及び発病自体の予防、更には、介護の予防を明確な目的とした『住民参加型の地域予防活動』)の全国展開を効果的に/顕著な予防の成果が上がることを担保するには、或る程度のパターン化が必要となると考えているのです。『パターン化』して、その中から選択して頂くことが有効な方策と考えるのです。こうしたことにも、先達が居る方がやり易いと考えるのです。『キッカケ』の発生を契機に開始される単調な生活習慣、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方)が始まるのは、『意欲の喪失』が起きてくるからなのです。何事に対しても、挑戦しようとしなくなるのです。『意欲の喪失』は、自分がその時置かれている状況に対する『深い失望』が原因となって、そこから立ち上がっていこうと出来なくなる、這い上がっていこうと出来なくなる状態のことなのです。積み上げてきた事例を基礎に、このことを言い換えると、『実は、「キッカケ」自体は「何でもあり」ということになる』のです。その人の考え方次第で、キッカケにもなるし、又は、ならないということなのです。数多くの事実としての事象事例でいうと、『飼い猫が死んだ』ことがキッカケになる人もいるのです。『孫が大学に受かって上京し、孫との日々のかかわりの機会がなくなった』ことがキッカケになる人もいるのです。要は、『その状況に対する本人の受け止め方(周りからの支え方)次第』ということになるのです。言い換えると、「キッカケ」になりそうな事件や状況は、何でも有り(人それぞれ、人に依る、誰にでも起きる可能性がある)ということなのです。大規模自然災害、新型コロナ対策としての3密の回避生活の継続。その意味で、すべての『お年寄り』が、対策を『事前に準備』しておく必要があるのです。
ⅰ)何でも有りなのだから、『意欲を喪失しない為の対策となるものを出来るだけたくさん準備しておけばいい』のです。『出来るだけたくさんの趣味や遊びを楽しむ「生活習慣」を構築』しておく、『出来るだけたくさんの仲間との交遊の輪や交遊の場』を広げておく。
それが、対策になるのです。第二の人生を送っている個々人は、すべてが異なるのです。第一の人生での体験や職場での様々な経験も異なるし、キャリア自体が異なるのです。
考え方も生き方も異なるし、興味や関心の対象も異なるのです。『生活資金』の額も異なるし、家庭環境も家族環境も異なるのです。第一の人生が異なっていたように、『第二の人生』での過ごし方、生き方も異なるのです。それら全ての相違や差異を容認した上で、要は、自分なりの求め方、『生き方』をするしかないのです。『選択の余地無く存在する、現在の自分に許された生活環境の下で、「自分なりの」という条件の下で生きていくしか他に方法は無い』のです。『自分なり』の「テーマ」を選択し、『自分なり』の「目標」を持ち、『自分なり』の「喜び」や「生き甲斐」を得られるように、創意工夫して、生きるのです。
ⅱ)「第一の人生」では、「仕事」という大きなテーマがあります。仕事があるということは、必然的に達成すべき目標があるということです。目標を達成する為に、あれこれと創意工夫がなされることになります。即ち、「前頭葉」の三本柱の機能の一角をなしていて、最も高度な機能である『注意の分配力』の機能の出番が多く確保されることになるのです。仕事とは無縁となり「左脳」が活躍する機会と場面とが少なくなる『第二の人生』では、残った右脳及び運動の脳が活躍する『テーマの選択』が不可欠となります。趣味や遊びや人付き合いや、居住地域の地区の活性化などの内から、自分なりの「テーマ」を選択して、自分なりの『目標』を持つことが、「アルツハイマー型認知症」とは無縁で「第二の人生」を乗り切るために不可欠となるのです。そこで考えたのです。「左脳」が専管する仕事とは無縁となる「第二の人生」という日々の生活を送る上での『前頭葉』を活性化させる視点からの何等かの指針、或いは、指標となるものの活用が有益で、有効だと考えたのです。
『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症の発病のメカニズム、発病を予防する為のあるべき「生活習慣」の類型について分かり易く記述した小冊子、基本書が必要で有益だと考えているのです。『前頭葉』が活性化する「生活習慣」の指標となる内容を標語化した「万年カレンダー」、或いは、「脳イキイキ手帖」等を導入市町村を通じて直販したいと考えてもいるのです。それぞれの原稿は既に書きあがっていて、後は、読み易いように、眺めていても楽しくなるように、表現の仕方を工夫し、挿絵を入れたら、完成なのです。
ⅲ)身体がもつ限り、「第二の人生」は続いていくのです。そうだとしたら、『身体がもつ限り、脳ももたせる』ことが必要不可欠の条件。誰もが体験する長く続く道、『第二の人生』を、出来れば自分らしく、自分なりに、『自分の路』を、元気に駆け抜けていただきたいと願うのです。その場合にこそ、我が国の『長寿社会の実現』を誇れることになるのです。
ⅳ)心の痛みに『耐える』機能も『前頭葉』の個別認知機能の一つなのです。『加齢』と共に衰えてきてもいるのです。自分に対する要求の一線を少し低くすることも、対策の一つになると思うのです。その分、目標の達成に対する満足度が高くなる訳です。上を見ればキリがないし、下を見てもキリがないのです。言ってしまえば、『それが、自分の人生』。少し前には、ボケは神様からの贈り物などと説いて回る医師が居たのですが、大間違い。『ボケるべきではない』のです。自分自身の為にも、家族の為にも、我が日本国の為にも。
(1)「加齢」に起因した脳の老化による機能低下及びキッカケを契機に開始され継続するナイナイ尽くしの単調な生活習慣(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意する)に起因した廃用性の機能低下、この異なる二つの要因が同時に存在し、充足される相乗効果により、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくその先に、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っていると言いました。廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である(に過ぎない)『アルツハイマー型認知症』は、早期診断により治せるし、発病を予防することが出来るのです。そのキーとなるのが、脳の使い方としての生活習慣であり、発病及び症状の重症化が進行していく『メカニズム』に照らして、治療薬も予防薬も、有り得ないことなのです。『早期診断』による回復及び発病の『予防』のために為すべき方策、それは、二段階方式の『考え方』に基づいた、且つ、二段階方式の『手技』を活用した対策、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の全国展開』の国策化です。出来るだけ早期に実施し、且つ、効果を高める為に、出来るだけ小さな地域の「地区単位」で、密に実施すべきなのです。「高齢化率」が高い市町村やお年寄りが集まって住んでいる地域では、『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、昼夜の区別が分からなくなるまでに脳の機能が衰えてきていながらも、身体が持つが為に、徘徊するお年寄り(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階のお年寄り)が、極めて多数に上るのです。
(2)「二段階方式」の手技は、神経心理機能テストによる「前頭葉」を含む脳全体の働き具合を判定する脳機能テストの実施とテスト結果の判定(「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定、症状の三段階区分の判定、「キッカケ」を契機として開始し継続されてきた、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に直接起因したものとしての「廃用性の機能低下」を進行させてきた基盤である脳の使い方としての「生活歴」の具体的な聞き取り)に基づいて、「アルツハイマー型認知症」の回復可能な早期の段階(小ボケ及び中ボケの段階)を判定(鑑別)し、脳の活性化を目的とする「生活習慣」の改善指導(「脳のリハビリ」の指導)を行うことで、「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させることが出来る(症状を治すことが出来る)システムであり並びに脳の活性化を目的とする「生活習慣」の改善を体験させることを目的とした小地域単位での「予防教室」(Ex.「脳イキイキ教室」)の開催により、参加者の日常生活に「脳の活性化」というテーマを持ち込ませ実践させることにより、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防を図る(『前頭葉の機能レベルが正常な人を、正常なレベルのままに維持させる=発病自体を予防出来る』)極めて有効で、有益なシステムなのです。その活動を担う牽引者は、医師ではなくて、保健師さんなのです。医師が担うことになるのは、「脳のリハビリ」により回復させることが困難であり、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現してきて、日常の生活面における「セルフケア」にも重大な支障が出てきている段階のお年寄りだけなのです。この段階のお年寄りに対しては、現状使用されている薬(治療の効能は無くて、対症療法薬に過ぎない)が処方されているのです。単なる興奮型(興奮剤)や抑制型(抑制剤)の対症療法薬の使用により、医療機関側も必要な収益を確保できるし、対症療法薬としての効能はあるので、介護する側の労苦を軽減させることには役立ち、それなりのメリットがあるとは言えるのです。
(3) 市町村が展開し、保健師さんが主導する『地域予防活動』は、個別事例の判定及び生活改善指導並びに小地域単位での予防教室の運営の二面性を持つ活動です。
ⅰ)個別事例の改善指導というテーマについては、個人と密接な継続的関係の維持が不可欠である為、導入市町村の保健師さん(女性)の役割がきわめて重要なのです。更には、個別事例の的確な判定により、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)にあるお年寄りを見つけて、且つ、「脳のリハビリ」の適切な指導により(脳の使い方としての「生活習慣」の改善の指導)実際に治して見せる(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに改善させてみせる)ことが、「予防活動」の活発化に大きく寄与することを忘れてはならないのです。保健師さんの主たる業務、第一義的な業務と位置付ける「二段階方式」の活用による『早期診断による回復』を目的とする業務は、「二段階方式」の手技の活用が不可欠のものとなるので、「二段階方式」の手技の活用がおろそかになった教室の運営では、『単に歌って踊るだけの教室』となり、『早期診断による回復も発病自体の予防も期待できないもの、名目的な予防活動になってしまう』のです。「二段階方式」の導入先市町村が拡大していく状況に備え、導入先市町村が地域単位で開催する認知症予防講演会の「講師」が務まり、更に、個別事例の判定及び「脳リハビリ」のための個々のお年寄りに対する「生活改善」の指導が行える専門家であり、導入先市町村の保健師さんを指導できる女性であって、『女性が活躍する社会』の牽引者、象徴的な存在となる女性の専門職集団の養成が重要なテーマとなると考えているのです。
ⅱ)お年寄りが居住地から歩いて行き来できる程の場所に、間伐材で構築した平屋建ての家を建設し、開放するのです。交流の促進を目的とした『交流の駅舎』を建設し、更に、『お年寄りの脳のイキイキ度チェック』を恒常的に実施し、早期診断による回復と発病の予防を徹底する制度の国策化を実現したいと考えるのです。血圧や体重を何時でも簡便に測定できるのと同様に、お年寄りの「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを「二段階方式」の活用により簡便に/精緻に判定し(脳のイキイキ度チェック)、必要な場合は、脳の使い方としての『生活習慣の改善の指導』が行える場所にしたいと考えるのです。
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