認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

政府大綱が推進する介護の予防、 更には アルツハイマー型認知症の発病自体の予防 (E-01 ) 2020.01.01

2020-01-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

   あけましておめでとうございます    1年が巡り、また、この言葉を皆さんにお届けできることになりました。私たち、エイジングライフ研究所の活動は未だ道遠しという状況にあります。世界中の権威あるどの機関もが未だに分かっていないことを、どうやれば、世の中に浸透させることが出来るのか、心が折れそうになるのに耐え、この国を救いたいとの熱い思いがたぎるのです。『二段階方式』の考え方と手技が、日本の隅々にまで離島の果てにまで行き渡り、お年寄り達の一人一人の関心が「第二の人生」における『脳の使い方としての生活習慣』の在り方に対しもっと心配りが行き届くようになり、発病者が劇的に少なくなる日が一日でも早く来るよう、最後の力を振り絞り頑張りたいと思うのです。一方で、夜明けを予感させるかのような動きも、背景にはあったのです(憶測?)⇒ 夜が明ける前が最も暗いことを信じて、気概と気力を保とうと努めてもいるのです。

実は、私たち『二段階方式』の考え方を厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室の方々と直接話し合う場を持つことが出来たのです。会議に参加された方々は、認知症施策推進室長、室長補佐、主査、認知症専門官の4名の方々でした。会議での話し合いの資料として、「二段階方式の活動及び主張の概要のご紹介」(21ページ)、「提言書」の概要の説明書(51ページ)をもとにしての説明と多くのテーマについての実のりある議論が出来ました。MMSE下位項目の項目困難度(「アルツハイマー型認知症」の発病者だけに確認される脳機能が衰えて行く厳格な順番の存在)、症状の『標準的な滞留期間』、脳の老化のスピード差をもたらす『生活要因』、市町村での『脳イキイキ教室』の運営とその効果等「二段階方式」だけが有する脳機能データについて説明することが出来ました。展開の仕方等についても議論は白熱し、極めて多忙な方達が、予定時間を30分も延長して下さったのです。

更には、二段階方式考え方及び手技の記述書である「個別事例判定マニュアルA」(テスト実施と判定及び基礎データと様式編:164ページ)、「個別事例判定マニュアルB」(アルツハイマー型認知症の判定とケース事例解説編:256ページ)及び「個別事例判定マニュアルC」(アルツハイマー型認知症以外の認知症及び認知症と紛らわしい病気の判定とケース事例解説編:170ページ)の書籍一式をお渡ししてお手元に残してくることが出来たことは今後の展開について、将来大きな意味を持つことになるのではと、推測してもいるのです。私たち『二段階方式』の考え方は、アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型生活習慣病(「脳の使い方」としての意味で言う『生活習慣病』であり、食生活や学歴とかは無関係であることに注意)に過ぎないという考え方であり、日本だけでなく世界中の権威ある機関や人達とは全く異なる視点に立脚した主張(人間だけに特有であり、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界である『意識的な世界』に着目した主張)なのです。

 世界中の権威が『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治したり、症状の進行を抑制することが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』と主張しているのに対し、私たちは、早期診断と「脳のリハビリ」を実施することに因り治すことが出来るし、「介護が不可欠」のものとなる末期の段階にまでは症状を進行させないことにより、「介護の予防が可能」であるし、『前頭葉』を含む脳全体が活性化する「生活習慣」(「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるようなテーマの遂行という「脳の使い方」としての『生活習慣』の実践)の実践により、発病自体を予防することが出来ると主張しているのです。

私たちエイジングライフ研究所は、1995年の活動開始以来、累積452の市町村で、二段階方式の主張が正しいことを疫学的方法により実証してきているのです。『二段階方式』の手技を活用した保健師さんと地域のボランティアが協同して展開するアルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした地域住民参加型の『地域予防活動』を実践展開し、考え方が正しいこと及び手技の活用が有効であることを実績として残してきているのです。二段階方式手技の使用(我が国での著作権が確立している「二段階方式の考え方と手技に関わるソフトの使用」)に対する使用料を、導入開始後5年で『無償にした』ことの重大な誤り及び平成の大合併で、高齢化率が高くて、「アルツハイマー型認知症」(正しい診断が行われさえすれば、様々な種類が数ある認知症の内の90%以上を占めることになる)の予防対策に関心が高く二段階方式を導入していた市町村が、高齢化率がさほど高くなくて、(当時の高齢化率は、現在よりも格段に低かったのです)予防対策に関心が無かった人口が多い大きな市町吸収合併されたことに因り、大半が活動を縮小し/終了して行ってしまったのです。極めて少数が残っているに過ぎないのです。現在は、眼前のテーマである『政府大綱』が押し進めんとする『介護の予防』という施策の推進がメインのテーマとなっている訳なのですが、何年か先には、『二段階方式』が必要とされる新たな展開が待っていると、確信しているのです。発病の予防は、保健師さんがリードする世界となるのです。

野党やマスコミさえもが取り上げない不条理な状況の下で、介護の費用だけで年間10兆円を突破してしまい、この先更に増加傾向が続いていくものと予測されているのです。ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続していく状況下では、廃用性の機能低下加重されることに因り『前頭葉』を含む脳全体の機能が加速度的に衰えて行き、「小ボケ」に端を発し、「中ボケ」の段階を経て、最後は末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進行していくのです。「大ボケ」の段階では、身体がもつ限り、とどまることなく更に重い症状へと進んで行くのです。介護する側の家族の精神的、肉体的及び金銭的な労苦を考えると、介護が不可欠のお年寄りに対しては、『介護保険』の全面的な適用という措置が不可欠と考えるのです。国民に残された有効な手段は、政府大綱が推し進めようとしている『介護の予防』措置にとどまることなく、更なる対策として、『発病自体の予防』を追求していくことが不可欠となるのです。国民の目と関心とをそのテーマに向けさせるには、住民参加型の『地域予防活動』の市町での先駆的な展開による顕著な実績の積み上げが望まれるのです。

(プロローグ1)昨年の6月18日に発表された認知症予防施策推進に関する政府大綱は、『1.基本的考え方』と題して、今後の予防推進施策について、次のような考え方を提示しています。第1.基本的考え方(以下は、原文の内容のままでの「引用」です)

 今後の認知症施策の推進に当たっては、運動や人との交流・役割等によって、認知症の発症を遅らせることができる可能性が示唆されていることを踏まえ、予防に関するエビデンスの収集・普及とともに、通いの場など、正しい知識と理解に基づいた予防を含めた認知症への備えとしての取組に重点を置く。

また、認知症の発症や進行の仕組みの解明や予防法・診断法・治療法の研究開発を強化する。さらに、引き続き、生活上の困難が生じた場合でも、重症化を予防しつつ、周囲や地域の理解と協力の下、本人が希望を持って前を向き、力を活かしていくことで極力それを減らし、住み慣れた地域の中で尊厳が守られ、暮らし続けられるようにするための取組(共生の取組)に重点を置き、「予防」の取組と「共生」の取組を車の両輪として進める。

 (プロローグ2)権威が言うこと、特に、様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を占めている『アルツハイマー型認知症』について、米国のハーバード大学が、我が国で言えば、東大や京大や理化学研究所が言うこととなれば、皆さん誰もがそれを正しいものと信じると思うのです。 ところが、『事実は、小説よりも奇なり』と言うしかないのです。それらの全ての主張内容が、全くの誤り、重大な誤りなのです。『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ないし、発病自体を予防する方法も無い』という主張が、全くの誤りなのです。

私たちの主張、エイジングライフ研究所が主張する内容こそが正しいのです。その主張とは、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないこと。早期診断と脳のリハビリにより症状を治すことが出来るし、症状の進行を緩やかなものにすることに因り介護の予防が可能であるし、更には発病自体を予防することが出来るタイプの認知症である』というのが、私たち(Kinuko and Tadの二人だけで活動する)小さな研究所の主張なのです。

 ところで、我が国では、「アルツハイマー型認知症」を発病し、末期の段階にまで症状が進行してしまい(私たちの区分で言う『大ボケ』の段階の高齢者)、日常の生活面で介護が不可欠となっている高齢者に対する『介護費用』だけで、年間10兆円超えたというのに、野党の議員と言えば、「桜の花見会」ばかりを騒ぎ立てていて、何故か、この問題を国会で議論しようとはしないのです。マスコミさえも騒がないのです。イメージし易い説明をしましょう。※ 一万円札の新札の束が、1cmの高さで100万円です。1mの高さで1億円となります。1kmの高さでは、1000億円です。100km の高さが、10兆円なのです。⇒1万円札の新札を天空に100kmの高さに積み上げた額が、10兆円なのです。

&1「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の特徴と脳機能データ

1.意識を構築する「前頭葉」(前頭前野)機能との関係

(1)『脳の機能レベル』にリンクして、症状が発現するのが特徴

アルツハイマー型認知症症状は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクして発現するのが特徴です。症状について『脳の働きという物差し』を当てて判定し、「前頭葉」(就中、「注意の分配力」の機能)を含む脳全体が活性化する『生活習慣の改善』を目的とした「脳のリハビリ」の実施による改善(正常な機能レベルに回復すること【即ち、症状が治ること】又は、症状の重症化の進行が緩やかになること即ち、末期の段階への進行を抑制することに因り【介護の予防が確保できる】)の可能性の有無及びその程度により、「三段階」に区分することが出来るのです。二段階方式では、軽い方から順番に「小ボケ」(軽度認知症)、「中ボケ」(中等度認知症)、「大ボケ」(重度認知症)に区分していて、各段階に特有で類型的な症状を10項目ずつ選定し、『30項目問診票』として、判定に活用しています。

1『アルツハイマー型認知症』の発病の有無の診断に際して、医療機関では、認知機能の検査として、MMSEや長谷川式を使用しているようですが、それ等は脳の後半領域である左脳及び右脳の機能レベルの判定しか出来ず、肝心要の機能である『前頭葉』の機能レベルを判定することが出来ないのです。『エイジングライフ研究所』が独自に開発した『二段階方式』では、脳全体の司令塔の役割を担う『前頭葉』の機能レベルを「かなひろいテスト」で判定し、(脳の後半領域の)左脳及び右脳の機能レベルは、MMSEで判定しています。

人間だけに特有な世界である意識的な世界の要である『前頭葉』の個別認知機能群(実行機能と総称されるもの)の機能の発揮度を支配し、下支えている機能である意欲注意の集中力及び注意の分配力という機能に着目して(実行機能の機能発揮上の二重構造の存在に着目した)、且つ、それら3種類の機能発揮状態を精緻に判定出来る手技として開発され、活用されているのです。

症状を『三段階に区分』する目的とその意味は、『脳のリハビリ』実施の有効性(症状を治したり、症状の進行を緩やかにする効果に着目していて)及び可能性の程度により区分しているのです。その場合、症状を治す効果も、症状の進行を緩やかにする効果も、『小ボケ』及び『中ボケ』の段階までのことであり、末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進行してしまうと(廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行することに因り、「前頭葉」を含む脳全体の機能がそこまで衰えて行ってしまうと)、最早「脳のリハビリ」を実施することも並びにその効果を期待することも出来なくなってしまうのです。

従って、『脳のリハビリ』により症状を治すこと及び症状の進行を緩やかにすること可能である、『小ボケ』及び『中ボケ』の段階を見つけるには(早期発見)、『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定できることが不可欠となるのであり、現状では、『かなひろいテスト』しか開発されていないのです(権威ある機関も、医療機関も、脳の後半領域の機能である左脳と右脳にしか注目していなくて、『意識的な世界』における「脳全体の司令塔の役割」を担っている『前頭葉』については、全くのこと関心を示してはいないのです)。世界的に通説の地位にある『アミロイドベータ説』を主張する権威ある機関(我が国でいうと、東大、京大、理化学研究所がその牙城)が、前頭葉という脳機能が備わっていない、注意の分配力の機能が備わっていないマウスを使い発病のメカニズムを研究しているのです。未だに「意識的な世界」に目が向いていないのです。 

※2 (失語や失認や失行の症状が初期症状であるとする)『DSM-4』の第二要件の規定内容が「重大な誤り」であることに気づいていないものの、もっと軽い段階を見つける為の指標として提起されたものである『MCI』(軽度認知障害)の基準(発病の前駆的な状態であると説明している)は、相変わらず、アルツハイマー型認知症が記憶の障害に起因して発病するとの考え方である『DSM-4』の第一要件が、正しいものとしての前提に立脚していて、更には、認知機能低下の判断の指標に『物忘れの症状』の程度という極めて曖昧な定義上の記述がなされてもいるのです。「認知機能」の障害と言う用語を使用していながら、「前頭葉」の機能レベルについての言及が無く、用語の使い方自体も極めて曖昧な記述であり(軽度認知障害の状態とは、「物忘れ」やら「認知機能の障害」があっても、「日常生活」に支障をきたさないレベルを言うとされる)、早期の段階を見落とす「間違った基準」であり、不確定な基準というしかないのです。更に、『アルツハイマー型認知症の発病との間の因果関係についても極めて曖昧』であり、客観的で、活用可能な基準とは言えないと考えるのです。丁度、「AI技術」を駆使して、「大量のデータ」を解析して得られただけの結論、『アルツハイマー型認知症の発病原因(リスク要因)として、「生活習慣」が考えられる』とする最近の主張と似たような面があるのです。世界的な権威があるカロリンスカ研究所でさえも、発病との間に直接の因果関係が存在していない「学歴や食生活」等といった要因が、「アルツハイマー型認知症」の発病リスク要因と考えられると主張しているのです。⇒AI技術による解析の対象となるデータが大量でありさえすればいいという性質のものではないのです。それ等のデータの中に原因に関わるデータ(脳の使い方としての生活習慣)が含まれていない限り、「大量のデータ」を解析しようとも、正しい結論は出てこないのです。

※3 同様の意味で、九州大学が行った久山町の全数調査の結果について、結論に問題があると考えるのです。『糖尿病を患う』ことと『アルツハイマー型認知症を発病する』こととの間には、『直接の因果関係は、存在していないのです。糖尿病患者が60歳を超える年齢の高齢者であること(私たちが定義する、発病の第一要件の充足)及び糖尿病の発病とそれに付随した食生活の制限(摂取カロリー量の制限並びに砂糖及び食用油の厳格すぎる摂取制限)及び体重制限(出来るだけ減量するように指示される)が、「意欲の喪失」をもたらす原因なのです。何事に対しても意欲自体が衰えていき、運動量及び運動する機会の大幅な減少をもたらし、趣味も遊びも交遊の機会も無くなっていき、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が惹起され、継続していくことになるのです。第二の人生を送る高齢の身での糖尿病の発病発病後の過酷な生活制限(食事内容、カロリー、体重制限)意欲の喪失ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の開始と継続前頭葉の廃用性の機能低下の進行「アルツハイマー型認知症」の発病。

★糖尿病の発病及びその後要求される過酷な生活制限(食生活及び体重の制限)と運動不足(医師が指示する過酷な生活条件を遵守する生活)を『キッカケ』として、何事に対しても意欲が出てこなくなり、何もしない(趣味も遊びも運動もしない、果ては、交遊の機会も減ってしまう)ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が始まり、継続されることにより廃用性の機能低下が進行していく(発病の第二要件の充足)ことが直接の原因となり、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて行くその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病が待っていただけなのです。

その証拠に、糖尿病患者であっても、若い年齢では、発病しないはずなのです(この場合、高度の記銘力障害海馬の萎縮が認められるものの、『前頭葉』の機能が正常なレベルに在ることが特徴である側頭葉性健忘症とは取り違えないで頂きたいのです。「若年性アルツハイマー型認知症」は実在していなくて、前頭葉の機能レベルの精緻な判定の為の手技を持たない医師が、側頭葉性健忘症が正しい診断であるものを誤診していて、『発症の対象となる年齢自体が、「老年性」の発症であることが、「アルツハイマー型認知症」の特徴である』のに、「若年性アルツハイマー型認知症」という、この世に実在していない病気を創出しているのです。アルツハイマー型認知症の発病患者であれば、前頭葉の機能が(異常な)レベルに在ることが、必ず確認できるのに対して、若年であって、且つ、「側頭葉性健忘症」の発病患者の場合は、前頭葉の機能が(正常な)機能レベルに在ることが必ず確認できるのです。診断の医師が、両者を鑑別する手技と知識を持っていないのです。

ⅰ)熊地区のほぼ全数(77%)に亘る調査が示す脳機能データのグラフ及び;

ⅱ)医療センターで診断した14689例の発病患者が示す脳機能データのグラフについては、『提言書の概要』の説明書(B)に載せてあるグラフを参照。そこに載せてある加齢に起因した『正常老化のカーブ』の図が緩やかにしか衰えていかないことを示しているのに対して、ⅰ)及びⅱ)のグラフのカーブ(正常老化の要因に廃用性の機能低下が加重された結果、加齢に起因した正常な機能低下の要因とナイナイ尽くしの『単調な生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下という加重要因、異なる二つの要因が同時に存在し充足されることによる相乗効果の結果としてのカーブを示しています)が提示するカーブの意味は、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行を惹起させることに因り、『異常な機能レベルに衰えていく』ことを示しているのです(発病並びに症状の重症化が進行するメカニズムを暗黙に指し示す「重要な疫学的な統計資料」でもあるのです)。ⅲ)症状の「三段階区分」(重要なのは、治療の可能性がリンクしていること)

二段階方式』では、アルツハイマー型認知症の症状が前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクして発現し、症状の重症化が進行していくことに着目し、更には、「脳のリハビリ」の実施による回復の可能性の有無及びその程度が「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにリンクしていることに着目し、以下の定義に従い、「アルツハイマー型認知症」の症状を『三段階に区分』しています。

小ボケ』は、前頭葉の機能は異常なレベルに在るが(かなひろいテストが不合格と判定される。即ち、年齢別の基準により、不合格と判定される)、左脳及び右脳の機能は未だ正常なレベルに在ること(MMSEテストで、合格と判定されること。MMSEの換算値が、24点以上であること)と定義されている。

私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界での様々な思考や行為や行動や言動について、脳全体の「司令塔」の役割を担っている前頭葉の機能だけが既に異常な機能レベルに在ることが要件とされていることに注意。

左脳、右脳および運動の脳の三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の御者である前頭葉が異常な機能レベルに衰えてきている限りは、三頭の馬が正常であろうとも、そのアウトプットとしての症状は既に異常なものであり、「アルツハイマー型認知症」はもう始まっている(認知症としての症状が発現している。発病の最初の段階である)との考えを基礎として、要件を定義している。

小ボケ』の段階は、左脳も右脳も運動の脳も正常な機能レベルに在るものの、「前頭葉」の機能が異常な機能レベルに衰えてきているために、前頭葉の機能障害に起因した症状だけが発現してくるのが特徴です。その結果、家の外に出て行き、他人と交わり、何等かの共通の「テーマ」を実行することになる『社会生活』の面での様々な支障(認知症の症状)が出てくることになります。

米国精神医学会の診断規定である『DSM-4』の第二要件は、失語、失認、又は、失行の症状の何れかの症状の発現が確認されて初めて、「アルツハイマー型認知症」の発病であると規定しているのですが、そのこと自体が極めて重大な誤りであることが見落とされているのです。14689例に及ぶ「アルツハイマー型認知症」の発病患者の「脳機能データ」の解析結果として、失語や失認や失行の症状は、11の下位項目により構成されていて、30点が満点であるMMSEの換算値が『一桁の得点になって初めて』発現が確認されるようになる症状であり、『極めて重度の症状』だということが、気づかれないままでいるのです。認知症の診断が専門の医師達は、失語や失認や失行の症状を確認して初めて、「アルツハイマー型認知症」の発病であると考えている為に、せっかく発病を見つけても「治すことが出来ないタイプの認知症である」と確信犯的に誤解し、重大な誤解であるとも知らずに、誤った情報を発信しているのが現状。

中ボケ』は、前頭葉の機能が「小ボケ」の時よりも更に異常な機能レベルに衰えてきている上に(かなひろいテストが不合格と判定される)、左脳及び右脳の機能までもが異常なレベルに衰えてきていること(MMSEテストが不合格と判定されること。MMSEの換算値が、23点以下15点以上)と定義されています。『前頭葉』を含む脳全体の機能が異常な機能レベルに在ることが要件とされています(「中ボケ」の脳の機能年齢は6~4歳児)。

中ボケ」は、『家庭生活面』での様々な支障が出てくるのが特徴です。家庭内の簡単な用事程度のこと(食器の後片付け、部屋の掃除、洗濯、洗濯物の片づけ、庭の草むしりetc.)でも、きちんとは出来ないのです。一方で、それなりに口は立つのです。失敗ばかりしては、言い訳ばかりしている『幼稚園児』なのです。

大ボケ』は、前頭葉の機能が「中ボケ」の段階よりも更に異常な機能レベルに衰えてきている上に、左脳及び右脳の機能レベルも「中ボケ」の段階のときよりも更に異常な機能レベルに衰えてきているのです(MMSEテストが不合格と判定されること。MMSEの換算値が、14点以下であることが要求される)。

症状を理解する上で、患者に適切に対応する上で、『意識的な世界』を構築し、管理し、統括し、コントロールしている『注意の分配力』の機能が、殆ど働かなくなってきていることに注意が必要です。アルツハイマー型認知症の症状の発現としての失語や失認や失行の症状は、『DSM4』の規定の第一要件が確認を要求している「記憶障害に起因したもの」なのではなくて、前頭葉の機能障害、言い換えると、『注意の分配力』の機能障害に起因して発現してきていることが見落とされ、誤解されているのです。日常会話レベルのことさえもままならず、服を着るにも支障が出てきて(e.g..ズボンを、頭から被ったり、上着に足を通したりする)、或いは、配偶者を我が子と間違えたりするのは、忘れている(記憶障害)からではなくて、注意の分配力の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、殆ど機能しないことが原因なのです。世界中の認知症専門の研究者達の間で、「意識」の機能構造が未だに不明とされている中で、『注意の分配力』の機能構造についても、殆ど知られていなくて、誤った理解のまま、情報が発信されているのです(「デュアル・タスク」の推奨も、その一例)。『大ボケ』の段階になると、『セルフ・ケア』にも支障が出てきて、日常生活面での『介護』が不可欠となるのです(大ボケの脳の機能年齢は、3歳児以下)。

(2) 治療の可能性も、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクしている

ⅰ)小ボケ」は、脳のリハビリの実施により比較的容易に治すことが出来る

ⅱ)中ボケ」は、脳のリハビリの実施により治すことが未だ可能なのですが、

ⅲ)『大ボケ』は、脳のリハビリの実施により治すことが最早困難となります。

※1脳のリハビリ』とは、「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する生活習慣への改善(就中、『注意の分配力』の機能の出番が、出来るだけ増えるような生活習慣への改善)を目的とした生活改善指導を言います(ここで言う、生活習慣とは、脳の使い方としての生活習慣を言うのであり、AI技術による大量のデータの解析結果が挙げる「食生活」とは無関係であることに注意)。

※2中ボケ』の前半(MMSEの換算値が20点以上)は、集団による「脳のリハビリ」の実施でも治すことが出来ます。即ち、「中ボケ」の段階になると、前頭葉を含む脳全体の機能レベルが原因で、自分の生活実態の状況(症状)の自覚が出来なくなってきているので、家族のかかわりが要求されることになります。その場合、それなりの程度での家族の関わりの程度が要求されるものの、回復していくことを感じ取れる状況を獲得することが出来るので、喜びを得る可能性がまだ相当程度あるのです。

ところが、『中ボケ』の後半(MMSEの換算値が19点以下、15点以上)になると、個別メニューによる脳のリハビリの実践でないと、治すことが出来なくなります。「脳のリハビリ」の実施に携わる家族の関わり方についても、要求の度合い及び要求の内容が相当程度の負担を伴うものになることが要求されることになる割に、前頭葉を含む脳全体の機能レベルの更なる低下が原因で、改善の効果がなかなか得られないのです(20点と19点との間の溝がとても深い)。

この段階(『中ボケ』の後半の段階)では、改善させることよりも、末期の段階であり「介護」が不可欠となる『大ボケ』にまでは進行させないことを、即ち、『介護の予防』を目指すべきことが基本になると考えるのです。その意味で、中ボケの(後半)の段階にあるお年寄りは、同居その他条件が特別に許す家族の場合のみ、例外的に家族による介護を考えて、基本的には、医療機関、又は、介護施設の利用を考えるべきものと考えるのです。

2.市町村が実施の主体となる『地域予防活動』と医療機関との関係

(1) 市町村の保健師さんが主導し、地域のボランティアとの協働の下に運営される住民参加型の『地域予防活動』の展開は、『アルツハイマー型認知症だけを対象として(特化して)実施すること並びに二段階方式の考え方に基づいて及び二段階方式の手技を活用して行うことにより、実施する業務全般について、『医行為』が関わることが無いように制度設計されています。

(2) 加えて、本当の意味での早期の段階であり、脳のリハビリの実践指導により前頭葉を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させること(症状を治すこと)が可能である『小ボケ』及び「中ボケ」のみを判定並びに治療の対象としています(活動の対象を、小ボケ、中ボケ及び正常者に限定)。具体的には、小ボケ及び中ボケの前半については、『脳のリハビリ』の実践指導により、治す(前頭葉を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに改善させる)ことが目標であり、「中ボケ」の後半及び大ボケは、『医療機関に委ねる』のを基本にしています。

1二段階方式のテストの過程では、「大ボケ」の判定も行いますが、回復させることが未だ可能である「中ボケ」との区別を確認することが目的に過ぎず、「大ボケ」の段階にあると判定された個別のケースについては、家族に対し、適切な医療機関(適切な診察科)を推薦し、受診を進めるようマニュアル化されています。『個別事例判定マニュアルC』は、アルツハイマー型認知症以外のタイプの認知症並びに認知症と紛らわしい病気についての、詳細で不可欠の内容を記述しています。これ等についても、「二段階方式」の手技を実施する過程で鑑別できるのです。扱う対象外であること及びこれに因る知見を基にして適切な受診先(医療機関)を家族に対し指導するようマニュアル化されているのです。この結果として、これまで累計452の市町村で展開してきた活動に対し、医療機関からのクレームや批判が起きたケースは、1件もありません。市町村によっては、医療機関の側からの積極的な「協働の働きかけ」を受けることもあるそうです。市町村が行う早期発見と早期治療並びに発病自体の予防の領域を明確にして、且つ、役割分担を明確にして実践展開してきたのです。

『住民参加型の地域予防活動』の第一義的な目的は一次予防、発病自体の予防に在ります。

その為の一つの方策として、二段階方式では、『前頭葉』の機能(就中、注意の分配力の機能)が活性化する為の体験教室として『脳イキイキ教室』の継続的な開催を要求しています。加えて、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないタイプの認知症である』という重大な『誤り』の内容が、権威ある機関や医療機関等から情報発信されてきた為に、地域住民全体にその誤った情報が深く浸透してしまっているのです。こうした状況が継続している下では、住民参加型の地域予防活動の開始が困難との判断から、地域予防活動の展開に先立ち、地域の住民に対する講演会(ボケは防げる治せる)の開催を、義務付けてもいるのです。

3とは言え、講演会を開催したり、小冊子(ボケは防げる治せる)を配布してさえいれば、地域住民に深く浸透するほど状況は甘くはないのです。それ程、権威ある機関や人達の誤った情報が深く浸透し、地域住民、我が国の国民全体の心の奥底にまで、深く浸透してしまっているのです。これを覆す方法は唯一

脳のリハビリ』の指導により治して見せることに因り、脳の使い方としての生活習慣、第二の人生での脳の使い方こそが、発病するかしないかを区分ける唯一で核心的な要因であることを実証して見せることに尽きると考えるのです。『治して見せる』ことに因り、『「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する、老化・廃用型生活習慣病に過ぎない』ものであり、第二の人生における『生活習慣』、脳の使い方としての暮らし方、『前頭葉が活性化する(就中、注意の分配力の機能の出番が出来るだけ多い)「生活習慣」の構築とその継続的な実践が、発病自体を予防してくれる方法だ』という考え方を植え付けることになる、効果的な方法であると考えているのです。発病の予防方法についての詳細な記述は、『提言書の概要の説明』を参照して下さい。

4 「小ボケ」及び「中ボケ」に対する治療(症状を治すこと)は、「アルツハイマー型認知症」の本態が廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないことに鑑み、『脳のリハビリ』の実践という方法以外は存在していないのです。症状を治したり、症状の進行を抑制したり、又は症状の進行を緩やかなものにする効能を有する薬(治療薬)は存在し得ないものと考えているのです(治療薬が開発されることは、この先も有り得ない事)。症状が発現する程度を抑制したり(抑制型)、或いは、昂進させたり(昂進型)する効能を有する薬、即ち、対症療法薬しか存在し得ないし、存在していないのです(既存の4種の薬は全て、対症療法薬に過ぎないのであって、治療薬ではないのです)。症状の進行を緩やかにする(遅らせる)効能を有するとの謳い文句で販売されている薬は、薬の効能の評価を誤っているにすぎないのです。その根拠は、私たちが有する「脳機能データ」であり、その詳細は、『提言書の概要の説明』と題する添付書Bの『&14 症状の継続期間と「脳の老化のスピード差」をもたらす生活要因』(P48)が証拠資料なのです。「治験の過程」で、製薬会社がそこに掲げる生活要因の存在に気づいていない為に誤った評価を行っているだけなのです。我が国に次いで高齢化が進んできているフランスでは、既に、これら4種の薬について、治療薬としての効能(症状の進行を緩やかにする効能)が認められないとして、健康保険の適用対象から除外されてもいることを最近知りました。

(3) 市町村が対応可能な人員体制の問題(二段階方式を業務展開する保健師さんの人数とその体制及び首長の取り組み姿勢)も考慮し、更には、『症状を治して見せること』(回復させること)の可能性及び『脳のリハビリ』の指導が要求される業務の内容の程度から、保健師さんが症状を治して見せる対象は、小ボケ及び中ボケの(前半だけ)とし、中ボケの(後半)から大ボケの段階にあると判定された『お年寄り』に対する対応は、医療機関に任せるべきものと考えているのです(マニュアルで、そうした指導を制度化しています)。『個別事例判定マニュアルB』はアルツハイマー型認知症だけについて記述が為されていて、『個別事例判定マニュアルC』は、アルツハイマー型認知症以外の認知症及び認知症と紛らわしい病気について記述していて、医療機関の受診を家族に勧めることとされています。

3.発病者の脳の老化のスピード差をもたらす「生活要因」との関係

「アルツハイマー型認知症」の発病の最初の段階である「小ボケ」の段階の症状が確認されてから3年が過ぎると(4年目から)、次の段階である「中ボケ」の段階に入っていきます。中ボケの症状が確認される期間が2~3年経過すると、末期の段階である「大ボケ」の段階に入っていき(標準的な滞留期間が存在)、「大ボケ」の段階は、身体が持つ限り(何等かの他の病気、又は、老衰により死を迎えることになるまで)続いていくのです。「大ボケ」の段階の様々な症状が発現するという大枠の中で、症状が次第に重いものになっていき、最後は、植物人間状態になるまで症状が更に重くなり、進行していくのです。

「アルツハイマー型認知症」は、本態が廃用性症候群に属する老化廃用型の「生活習慣病」に過ぎないので、その発病が原因で死亡することは無いのです。

    加齢に起因した機能低下のカーブ  廃用性の機能低下が加重された機能低下のカーブ(熊地区のほぼ全数に亘る調査 )  

&2「アルツハイマー型認知症」の発病及び重症化が進行するメカニズム

(1)『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』が、何等かの出来事や状況の発生、又はその状況の継続を『キッカケ』にして、何事に対しても『意欲を喪失』した状態が続くようになり、そのことに起因して、『前頭葉』の出番が少ないナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を送るようになり、その生活習慣が継続していると、単調な生活習慣の継続という状況の下で、出番が少なくなり使われる場面が大幅に減った『前頭葉』(就中、「意識」を構築し、管理し、統合し、統括し、コントロールしている「注意の分配力」の機能)が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるのです。

(2)『加齢』の進行に起因した脳の機能低下(正常老化)という要因(私たちが定義する発病の「第一の条件」)に加えて、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続されることによる「廃用性」の機能低下が進行することにより(私たちが定義する発病の「第二の条件」)、前頭葉を含む脳全体の機能の老化(機能低下)が加速されて、働きが急速に衰えていきます。異なる二つの要因が同時に存在し、充足される相乗効果により、『前頭葉』(実行機能)を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているということなのです。☆そこには、「何等の器質的な原因病変」が存在していないし、「DSM-4」の規定の第一要件が提示するような「記憶障害」が発病の原因ではないのです。

(3)上述した異なる二つの要因が同時に存在し、充足されることによる相乗効果により、『廃用性の、加速度的で異常な機能低下』が進行していく場合に、脳の司令塔の「前頭葉」だけが最初に異常なレベルに衰えていき、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順番で、異常なレベルに衰えていくのが特徴なのです。

様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上を占める「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続という、『第二の人生』における脳の使い方としての単調な『生活習慣』の継続に起因する病気なのです。言い換えると、『廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのです』(私たち独自の主張)。

高齢者であろうとも、肩書だけではなくて現職で仕事を続けている場合は、アルツハイマー型認知症を発病することは無いのです(『日々の仕事の遂行』という「テーマ」があり、状況や環境の分析と理解、状況判断に沿った目標の設定、目標達成のために活用する不断の創意や工夫、結果のシミュレーション、シミュレーションした結果についての評価と選択、実行の決断など、『注意の分配力』の機能の出番が多い生活習慣が継続されていることで、前頭葉の機能についての廃用性の機能低下が惹き起こされることが無い為発病しないのです。

【☆1991年に実施した東京都、神奈川県、静岡県、愛知県に居住する『超100歳老人』819人に対する(全数の)調査結果の「脳機能データ」が示唆】

このメカニズムを解明するには、前頭葉の機能構造、前頭葉の三本柱と私たちが名づける意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能、特に、注意の分配力の機能の廃用性の機能低下という要因、更には、前頭葉の個別認知機能群を構成している『実行機能』と言う脳機能の発揮度を左右し、下支えしているのが前頭葉の三本柱の機能であるという『実行機能の機能発揮上の二重構造の問題』及び『意識の機能構造』についての深い理解が不可欠となるのです。

その意味で、前頭葉の機能も注意の分配力の機能も備わっていないマウス(アルツハイマーマウスを含む)が檻の中で餌を探して彷徨する状態について、何時まで、どれ程追求しようとも、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化するメカニズムを解明することは出来ないはずと考えるのです。

(4) 生来的に脳に宿る性質としての脳機能の老化(「正常老化の性質」)

加齢に起因した機能低下という要因だけでは、「前頭葉」の機能が異常な機能レベルにまで衰えていくことは無いことについて、私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積した脳機能データが実証しているのです(正常老化の性質)。即ち、「アルツハイマー型認知症」の発病は、加齢の延長線上にあるとの見解は誤りなのです。加齢に起因した老化(機能低下)の進行という要因並びにナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な暮らし方)の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という、異なる二つの条件が同時に充足されることによる相乗効果により、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことにより発病し及び、その機能障害の進行の度合いにより、言い換えると、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクして発現する症状、私たちの区分で言う『小ボケ、中ボケ及び大ボケの三つの段階』の症状、「アルツハイマー型認知症」に特有な症状が類型的に発現してくるものなのです。

これが、世界中の認知症研究の専門家達の間で未だに『発病の原因が分からないし、治すことができないし、予防することも出来ない』とされているアルツハイマー型認知症の発病と重症化のメカニズムなのです(私たち独自の見解)。

& 「マウス」の動きを追求し続ける医学会の現在の状況

1.『アルツハイマー型認知症』の発病原因について世界中の医学会の状況は、アミロイドベータ説(世界的に通説)、タウタンパク説、アセチルコリン説及び脳の萎縮説の『4つの仮説』が提示され、未だに主張されているのです。その内でも、アミロイドベータ説(アミロイドベータという蛋白質が何等かの機序により、情報を伝達する役割を担っている神経細胞に沈着して発現する老人斑なるものの持つ毒性が、沈着した神経細胞の大量死を惹き起こし、「記憶の障害」が惹き起こされることが原因で、『アルツハイマー型認知症』を発病するとの仮説)が我が国でも通説の地位を占めているのです(東大、京大、理化学研究所が『アミロイドベータ説』の牙城)。

2.とはいえ、「仮説」であるということは、『「発病の原因」として主張されている内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に存在するはずの肝心の「因果関係の存在」を未だに立証できていない』ことを意味します。言い換えると、それらの主張内容は、単なる推測、憶測の類ということになるのです。

私たちは、「アルツハイマー型認知症」の発病患者(小ボケ、中ボケ、大ボケの全ての段階を含む)14689例の脳機能データとしての『MMSE下位項目の項目困難度』が示す「衰えて行く順番」の指標、早期の段階(小ボケ及び中ボケ)の標準的な「滞留期間」の指標等の『事象事実』から、「アミロイドベータ」の神経細胞への沈着による老人斑の生成は、「アルツハイマー-型認知症」の発病原因なのではなくて、末期の段階にまで症状が進行した結果としての副産物だと考えるのです(アミロイドベータ説では、上記事象事実としての「脳機能データ」を合理的に説明できないのです)。

&4 導入市町村による『住民参加型の地域予防活動』展開の基本的な考え方

1.実施する内容とその対象(小ボケ、中ボケの前半、発病自体の予防が対象)

(1) 二段階方式の考え方に基づいて、二段階方式の手技を活用して実施すること

(2) 住民参加型の地域予防活動は、活動の対象をアルツハイマー型認知症のみに限定し、並びに、「正常なお年寄り」の脳の機能レベル(「前頭葉」の機能)を正常な機能レベルのままに保つことを第一義的な目標とし、且つ、「小ボケ」及び「中ボケ」の前半と判定された『お年寄り』を対象として、『脳のリハビリ』の実践により回復(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常な機能レベルにまで回復させる=アルツハイマー型認知症の症状を治す)させることを第二義的な目標とし、第三義的には、それらのレベルのお年寄りについて、『脳のリハビリ』の実践指導により、日常生活の面で介護が不可欠となる「大ボケ」の段階に迄症状が進行するのを抑制すること(症状の進行を緩やかにすること)を達成目標、即ち、「介護の予防」を確保することを目標としていて、更には、「中ボケ」の後半及び「大ボケ」の段階と判定された『お年寄り』に対しては、『適切な医療機関の受診を介護者に対して助言する』ことを活動の基本的な考え方として、「マニュアル」化し、制度化しているのです。

(3) 上記(2)の成果により及びその顕著な成果の実績を積んで見せることにより、『アルツハイマー型認知症』が、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないものである』こと及び脳の使い方としての生活習慣の実践である『脳のリハビリ』により早期の段階で見つけると治せること並びに脳が活性化する生活習慣(「注意分配力」機能の出番が出来るだけ多くなるテーマを実践することにより、『前頭葉』が活性化することになる生活習慣)の構築と実践により、発病自体を『予防』することが出来るタイプの認知症であることについての情報発信により、本来の目標である第一次予防の考え方とその実践とを地域住民に対して、更には、国民全体に対して浸透させていきたいと考えるのです(現在は、Gooブログ上に公開。東日本大震災の発生の翌年2012年の3月に開始し、公開の累積回数は230回に及びます。字数で言うと、500万字。“認知症の早期診断、介護並びに回復と予防のシステム”がその表題です)。私たちの主張内容は、『前頭葉』の機能レベルを核とする精緻な判定、多数のデータおよび「実証」が特徴なのです。権威は有っても、推測や憶測ばかりしている人達とは、主張内容の次元が異なるのです。

2.『医行為』が関わらないこと及び医療機関との棲み分けが明確であること

(1)「二段階方式」の考え方に基づいて、「二段階方式」の手技を活用して展開する住民参加型の「地域予防活動」の展開により、市町村の保健師さんが業務の全般を担うことになる本当の意味での早期の段階(小ボケ及び中ボケからの回復及び介護の予防並びに発病自体の予防)については、CTやMRIやPET等の医療機器の使用が無く、薬の処方も無いので、医療機関は、必要な規模での売り上げが立たないし、利益が出ないのです(過去に、50を超える数の、大規模の医療機関と契約しましたが、共産党系の医療機関でさえも、上記理由のみで、使用をやめていきました。私たちの実務研修会に出席して、政府に問題を提起したいと感動していた多くの医師達でさえ、『二段階方式の手技を活用する心理担当者の人件費さえ出ないのが中止の理由』(本音)ということなのでした。

(2)「中ボケ」の後半から「大ボケ」については、医療機関の方が対応するのに適していると考えるのです。中ボケの後半でも、「脳のリハビリ」の実施により回復させることが未だ可能ではあるのですが、本人の「前頭葉」の『注意分配力』の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、「脳のリハビリ」の実施には、家族も共倒れのリスクがある(前頭葉の機能レベルの低下から個別の実施メニューが必要となる一方で、「脳のリハビリ」の実施の必要性を理解できなくて、取り組みに対する意欲も機能レベルが相当程度低下してきていて、家族の負担が極めて大きくなり)ので、医療機関との関係を密にしつつ、その後の生活を続けてもらうしか方法がないと考えるのです(現在処方の対象となっている、「4種の薬」は、治療の効果はないものの、症状の発現の仕方を抑制し/又は、昂揚させる「対症療法薬」としての効能は有しているので、「介護する側」の労苦を和らげる効果が期待できるからです)。発病を末期の段階で見つけるやり方であれば、アルツハイマー型認知症の発病の有無の診断も、CTやMRIやPETの機器を活用することが許されるので、必要な規模の売り上げを稼ぐことが出来るし、「対症療法薬」の処方も行えることになるのです(棲み分けが可能)。

(3) それらの諸対策に加えて、最終的には「介護施設の利用」ということになるのです。『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復及び介護の予防並びに発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の『地域予防活動』をどれ程幅広く展開し、拡大し、密な活動が展開される時代がやってこようとも、介護が不可欠となる『大ボケ』の段階の症状が発現してくる『お年寄り』達の数が、相当な規模で出現する状況は、必ず、不可避的に起きてくると考えるのです。自分なりのテーマを追求して、自分なりの目標をもって、趣味や遊びや人付き合い、運動、更には、地域の行事や催事に参加して、或いは、参画して(「注意の分配力」の機能の出番が多い日々となり)、自分なりに楽しみ、自分なりの喜びや生き甲斐を覚えることが出来る、そうした第二の人生を送っていることが出来れば(「前頭葉」の廃用性の機能低下が起きては来ないので)、「アルツハイマー型認知症「」の発病は防げるのです。But、何かをキッカケにして、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が始まるお年寄りが出てくることは、防げないのです。

その場合にこそ、「大ボケ」のお年寄り全員が介護保険制度の適用が受けられることが保証されてさえすれば良いと考えるのです。「介護離職」や「認認介護」が社会問題とならない状況を確保することが、極めて重要だと考えるのです。

 本著作物「Eー01」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

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