認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症対策に特化した標準認知症ケアパスモデル(F-01)

2021-01-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

私の手元には、北海道、東北地方、北陸、中部地方、近畿地方、九州、沖縄の各地域の或る特定の市町村から収集した個別の『認知症ケアパス』の資料があります。そのどれを読んでみても、様々な種類が数ある認知症の内の大多数、私たち「二段階方式」のデータによると、90%以上の割合を占めている認知症、すなわち、『アルツハイマー型認知症』の発病者に対する措置が、発病の有無の判定、症状のレベルの判定、症状のレベルに応じた対応、具体的で適切な指導、実質的な効果を含む措置に、どのようにして繋がるのかが、全く理解できない内容のものばかりなのです。

 そもそも、世界中の認知症研究の専門家(学者、医師、製薬会社の研究者)とされる人達でさえ、未だに、『発病の原因及び症状の重症化が進むメカニズムと機序が分からないし、一旦発病したら治すことが出来ないし、発病自体を予防する方法も無い』タイプの認知症であるとしているのです。そうした背景となる実情から、各々の「ケアパス」を作成し、住民に対して適切なサービスを提供するようにと言われても、何を、どのようにしたら良いのかが分からないはずなのです。形の上で「ケアパス」を作成し、従来と変わらない内容のサービスを展開するしかないわけなのです。ケアパスを作成し、活動に関わる報告書を作成する為の余分な人手が増えただけで、「介護の予防」の効果を挙げることが出来ないでいるのです。

『アルツハイマー型認知症』が、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、60歳を超える年齢の「高齢者」が、「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての「生活習慣」であることに留意する)であること及び脳の使い方としての「生活習慣」の創意工夫と継続的な実践により、発病自体を予防することが出来るし、早期診断(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で、発病を見つけること)と「脳のリハビリ」の実践により回復させることが出来るし、末期の段階である「大ボケ」の段階にまで重症化が進行することの抑制により、介護の予防が可能であると主張し並びに北海道から九州に至る452の市町村で、主張内容が正しいことを疫学的に実証してきているのは、私たち「二段階方式」だけなのです。

私たちは、「二段階方式」の考え方に立脚し、「二段階方式」の手技を活用したものであり、且つ、扱う対象となる認知症の種類を、「アルツハイマー型認知症」だけに特化して、日本全国の市町村が横並びに展開することが出来る「ケアパスの標準化モデル」を提案し、国策化(実施する市町村が必要とする活動資金を国が準備すること)に拠る「全国展開」を政府に求めて行こうとしているのです。過去の失敗を反省して、『二段階方式の手技の使用を一定期間の経過後は無償とする考えを改め、有償化し、二段階方式の手技を使い続ける限りは、有償の儘で行くことに決めた』のです。

 或る「地域」に的を絞って、当該「地域」の市町村全体での具体的で顕著な成果を挙げて見せること、二段階方式の「手技」の実施を出来るだけ平準化すること、手技実施の「マニュアル」を出来るだけ理解し易く、使い易いものにすること、ボランティアの組織化、活用の仕方と役割、脳イキイキ体験実践の種類や必須のテーマを含む「予防教室」の運営の仕方を定型化すること等の対策を考えているのです。その上で、その方式を、全国の市町村に『横展開していく』考えなのです。

&1 「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)の理論的/学説的根拠

1.「アルツハイマー型認知症」の捉え方について、以下の変遷をたどってきた『DSM』に規定された認知症診断基準の考え方を踏襲していることに注意が必要。

(1) 『DSM-ⅢR 』

①記憶障害;②抽象的思考の障害、判断の障害、高次皮質機能障害、性格変化のうち1項目以上;③脳の器質的変化の存在が推測できること

(2) 『DSM-ⅣR 』

記憶障害;②失語、失行、失認、実行機能障害のうち1項目以上

(3) 『DSM-5 』

複雑性注意、実行機能、学習および記憶、言語、知覚‐運動、社会的認知における低下のうち1項目以上

2.上記全ての版において、認知機能低下が日常生活に影響していることが含まれることが注記されている。

3.米国精神医学会が策定したものであり、世界的に権威があるとされている上記診断基準に依拠して、アルツハイマー型認知症を捉えていることに注意。

4.世界中の専門家達が、「DSM」の規程、特に、「DSM-4」の規程内容に、未だに強く影響されていることに注意して下さい。記憶障害に起因して発病し、「失語や失認や失行の症状」が「初期症状」であると誤解した儘なのです。

➡「新オレンジプラン」の内容も、昨年の7月に公表された政府大綱が掲げる「介護の予防」の実施も、記憶障害を惹き起こす要因についての世界的な通説である「アミロイドベータ仮説」の主張内容が正しいものとして、策定されているものなのです。「アルツハイマー型認知症」の症状が、記憶障害に起因して発現するとの仮説も、失語や失認や失行の症状が初期症状であるとの主張も、更には、「アルツハイマー型認知症」の前駆的状態の判定基準であるとして提示されているMCI(軽度認知障害)の考え方も、全てが誤りであり、客観的で、的確で、有効な判定の為の指標とはなり得ないことに、注意が必要なのです。

➡ 上記考え方及び指標に従い、アミロイドベータ説の概要の説明、記憶障害が原因との前提のもとに作成された物忘れの症状の確認を中核としてケアパスを作成しても、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定、「脳のリハビリ」の実施の有効性と程度とに因り「三段階」に区分される症状の適切な段階区分の判定、相手に応じて適切な対応指導を実施する等を含む様々な場面で、何等の役にも立たない代物になってしまうことを知るべきなのです。

市町村で現在作成され、活用されている「ケアパス」の全ての内容が、手間暇がかかっているだけで、何の役にも立っていないはずと考えているのです。その証拠に、第二の人生を送っている「高齢者」で、「3密の回避策」を遵守しているお年寄り達を対象として、「アルツハイマー型認知症」の発病者(脳のフレイルとかに区分されているお年寄りの大半は、小ボケの段階の人達であることが、「前頭葉」の機能レベルを判定してみれば明らかになるのです)であり、小ボケは中ボケの前期に、更に、中ボケの前期は中ボケの後期に、中ボケの後期は大ボケに、症状の重症化が進行してきていることが分かるはずなのです。

&2 二段階方式が解明し、実証した「アルツハイマー型認知症」の特徴

1.アルツハイマー型認知症は、第二の人生を送る60歳を超えた年齢の「高齢者」だけを対象として発病するものであり、「老年発症」が大きな特徴なのです。

2.症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクしていて、回復の可能性の有無及び程度により、三段階に区分されるのです(「二段階方式」独自の区分である「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の三段階)。

3.私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」における脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」が活性化する「生活習慣」の創意工夫と構築と継続的な実践により(早期診断と「脳のリハビリ」の継続的な実践)治すことが出来るし(認知症の症状からの回復)、「介護の予防」が可能であるし(介護が不可欠となる末期の段階、「大ボケ」の段階にまで重症化が進行することの先送り)、更には、「前頭葉」が活性化する『生活習慣』(「注意の分配力」の機能の出番が多くて「前頭葉」が活性化することになる「脳の使い方」としての生活習慣であり、食生活とは無関係)の創意工夫、構築と継続的な実践に因り「発病自体の予防」が出来る性質のものなのです(疫学的手法により実証済み)。

&3 発病及び重症化が進行するメカニズムと機序

1.発病の「第一の要件」は、『加齢』に起因した脳機能の低下という要因なのです。加齢に起因して、前頭葉が機能低下を進行させていくことについては、「正常老化の性質」と命名して、脳機能データを公開しています(NHKの人気番組である『チコちゃんに叱られる』にも、2018年9月に登場しました)。

2.発病の「第二要件」は、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した脳機能の廃用性の機能低下という要因なのです。なお、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」とは、左脳が専管する「仕事」とは無縁の日々を送ることになる「第二の人生」を送る上で繰り返される単調な暮らし方、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない』、「脳の使い方」としての単調な「生活習慣」のことを言います。

3.加齢に起因した機能低下という要因とナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下という要因の同時存在、即ち、「異なる、この二つの要因が同時に存在し、充足される」ことに因る『相乗効果』に因り、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているという訳なのです。これが、「発病及び重症化」が進行して行くメカニズム及び機序であり、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現して来るものなのです(私たち「二段階方式」独自の主張であり、北海道から九州に跨る全国的な展開、累計総数452の市町村において展開を指導した「アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型地域予防活動」により、主張内容が正しいことを疫学的手法により実証し、発病の有無及び症状の段階区分の判定及び発病の予防、回復及び介護の予防を目的とした客観的で具体的な指導内容及び対応の核となる二段階方式の手技が極めて有効であることを実証してきた)のです。現在その実態が消えてしまっているのは、①二段階方式の手技の活用を5年の経過で無償としたこと;②平成の大合併により導入していた小さな町や村が大きな市や町に吸収合併されて、業務の見直しと配置転換により消されていったこと;③高齢化率の進行に伴う「アルツハイマー型認知症」の発病者の増加施策として、オレンジプラン、新オレンジプランが、相次いで実施展開されていく状況の中で、新規導入先が激減したことが理由。

1 1998年頃のこと、厚労省に呼ばれて、尾嵜課長から全国展開を懇請されたのに断ってしまい、現在の状況に在ることの反省から、今回は私たちの方から政府に対して、全国展開を呼び掛けているのです(2019年11月に協議を開始)。

2 厚労省のアルツハイマー型認知症対策は、2012年9月に公表した「オレンジプラン」(2013年度から2017年度までを対象)が最初で、次いで、2017年に「新オレンジプラン」(認知症施策推進総合戦略)を公表しています。

&4 発病と重症化が進行するメカニズムの簡単なチェック・ポイント

1.「アルツハイマー型認知症」は、器質的な原因病変は存在していないのです。

2.正常老化の性質により、加齢に起因した機能低下が進行してきていること、言い換えると、60歳を超える年齢の高齢者であることが、「基礎要因」なのです。

3.「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての『生活習慣』という要因だけが、発病するか/しないか、重症化が進行するか/しないかを区分けている、「唯一の要因」(=「加重要因」)なのです。

(1)「左脳」が専管するテーマである「仕事」とは無縁の日々を送ることになる生活状況の下で、日々どのような「脳の使い方」が継続されているのかが問題。

(2)「実行機能(Executive Function)」の発揮度を支配し、左右し、下支えている機能であり、「前頭葉」の三本柱と私たちが名づけている意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(3つ以上の異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して処理する上で不可欠の機能)の活用が少なくなるような脳の使い方、就中、注意の分配力の機能の出番が少ないと、「前頭葉」が活性化する場面が少なくなるのです。その結果として廃用性の機能低下が進行して行くことになるのです。仕事とは無縁の「第二の人生」を送る中で、自分なりの「テーマ」も、達成すべき「目標」もない生活、楽しみがない生活、喜びや生き甲斐とは無縁の日々を送るだけの暮らし方、『創意、工夫、シミュレーションの機能』の出番が極端に少ない「脳の使い方」としての生活習慣、即ち、意識的な世界の要であり、最も高度で不可欠の『注意の分配力』の機能の出番が少ないと廃用性の機能低下が進行していくのです。『日々、ボケーッとした暮らし方をしていると、惚ける(アルツハイマー型認知症を発病する)』んです!!

(3) 発想、企画、計画、創意、工夫、検索、シミュレーション、比較、評価、決断、感動、抑制等の「実行機能」の出番が出来るだけ多くなるような、自分なりの実行『テーマ』の設定と達成すべき『目標』がある「暮らし方」(脳の使い方としての生活習慣)を継続することが、症状の回復にも、介護の予防にも、発病自体の予防にも必要不可欠となる性質の認知症ということなのです。

➡ 「第二の人生」を送っているお年寄りだけが発病の対象となるのであり、「若年性アルツハイマー型認知症」は実在しない、架空のものであり、側頭葉性健忘症(重度の記銘力障害と海馬の萎縮が特徴であり、脳の変性により発病する)や緩徐進行性失語と混同し、誤診しているだけなのです。猶、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」は、生まれつき特定の遺伝子に異常が存在する人だけを対象として発病するものであり、「アルツハイマー型認知症」とは全く異なる性質の認知症なのであり、認知症全体に占める割合は、僅か1%程度に過ぎないのです(「1%」が「90%」を飲み込んでいるのです。何故?!)。

4.症状の回復にも、重症化の進行の抑制(正常➡正常下限➡「小ボケ」➡中ボケの前期➡中ボケの後期➡大ボケの前期➡大ボケの後期)にも、『脳のリハビリ』という方法が、唯一の有効な対策となることを知っておいて頂きたいのです(「地中海料理」の摂取であれ、何であれ、「食生活」は、発病の予防とは、無関係なのです)。この場合、「脳のリハビリ」の効果が期待できるのは、中ボケの後期までのことであり、大ボケの段階になると、介護の途しかないのです。

&5 三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の典型的な類型

1.「軽度認知症」(『小ボケ』)の段階に特有で、代表的な症状の8類型

□ 発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□ 何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□ 一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□ 目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□ 歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□ 自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

2.「中等度認知症」(『中ボケ』)の段階に特有で、代表的な症状の8類型

□ 簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる

□ 家庭内の簡単な用事程度のこともきちんと出来ない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、       簡単な庭仕事さえもきちんと出来ない)

□ 自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来ない

□ 服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着       る)

□ 入浴時の温度管理が出来ず、体を洗わないとか石鹸がついたまま

□ 料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないよう       なものを作り、本人だけが平気で食べる)

□ 行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き        道を間違えたりする)

□ 季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着ている)

3.「重度認知症」(『大ボケ』)の段階に特有で、代表的な症状の8類型

□ 着ている服を脱ぎたがらないし、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□ 風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□ 服を正しく着られないで、ズボンを頭から被ったり上着に足を通したりする

□ 家族の名前を間違えたり、我が子を配偶者と間違えたりする

□ 自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□ 大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□ 今が昼なのか夜なのかが分からなくて、夜中にも大声で騒ぐ

□ 痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

※ 三段階の区分は、「脳のリハビリ」の有効性の有無と程度による区分です。

➡ 小ボケ 「脳のリハビリ」により、回復させることが比較的に容易

    中ボケ 「脳のリハビリ」により、回復させることが未だ可能

    大ボケ 「脳のリハビリ」により、回復させることが最早困難

1 新オレンジプランは、旧オレンジプランでの問題の反省に立ち、『認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ない』という考え方を改め、『認知症になっても、本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会』の実現を目指し、これまでの「ケアの流れ」を変え、むしろ、逆の流れとする標準的な認知症ケアパス状態に応じた適切なサービス提供の流れを構築することを目標に、7つの視点に立って、今後の施策を推進することとしたとされているのです。

➡ 従前のケアは、認知症の行動・心理症状等により、危機が発生してからの『事後的な対応』が主眼となっていたことの反省に立ち、今後目指すべきケアは、危機の発生を未然に防ぐ「早期・事前的な対応」に基本を置くと明記しているのです。

➡ 「標準的なケアパス」とは、認知症を発症した人が、認知症を発症したときから、生活機能障害が進行して行くなかで、その進行状況に合わせて、いつ、どこで、どのようなサービス・介護サービス・医療サービスを受けられるかを、あらかじめ、標準的に決めておこうという考えが基礎なのです。

2そうした、「新オレンジプラン」の新しい流れと考え方に立脚して、いつ、どこで、どのような対応、対策、サービスを受けさせるかの判断と認定の上で、上記三段階の区分が極めて重要となることに注意して頂きたいのです。

猶、中ボケの「前期」は、集団に因る「脳のリハビリ」の実施が有効であるが、中ボケの「後期」になると、「個別メニュー」に因る「脳のリハビリ」の実施でないと、効果が期待できなくなることに注意が必要。

3 私たち二段階方式は、「二段階方式の考えに立脚し、二段階方式の手技を活用」して、早期診断による回復、介護の予防、及び発病自体の予防が、政府大綱が提起する『介護の予防』という考え方に包摂されると考え、保健師さんが主導し、地域のボランティアの参画と協働を得た、住民参加型の『地域予防活動』の展開、国策化に拠る全国展開を提案することを決断したのです。

&6 「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び症状の段階の判定と方法

1.アルツハイマー型認知症の症状は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現して来るのが特徴なのです。従って、発病の有無及び症状の段階を的確に把握するには、前頭葉の機能レベルの精緻な判定が不可欠となるのであり、MMSEや長谷川式の実施だけでは、「脳のリハビリ」の実践により治すことが可能である本当の意味での早期の段階である小ボケと中ボケの段階を見落としてしまうことになるのです。末期の段階である「大ボケ」の段階で発病を見つけていたのでは、「発病のレッテル張り」に過ぎないのであり、何等の有効な対応や対策が実施できなくなってしまうのです。現在の状況、「介護に要する費用」だけで、単年度ベースで(一般会計と特別会計とを合わせた総額)10兆円を超す規模となっていて、この先、さらに増額して行くと予想されている原因は、早期診断による回復にも、発病自体の予防にも、対策が実施されていないことが大きな理由なのです(早期診断による回復と発病自体の予防については、今後の研究課題として、政府大綱の第一条に明記されている)。

2.一口に認知症と言っても、様々な種類があるのであり、「アルツハイマー型認知症」以外の認知症の発病の有無の判定、症状の程度の判定には、「医行為」が関わることになり、医師でない保健師さんは、その出発点で、関与が出来なくなってしまうのです。アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」が本態であるため、『二段階方式』の手技を活用することに因り、発病の有無の判定、症状の段階区分の判定、回復及び重症化の進行を抑制する為の「脳のリハビリ」の実施指導による介護の予防、発病の予防の為の予防教室(脳のイキイキ教室)の展開と運営等の全ての面について、医行為が関係しないので、保健師さんが、一元的に実施し、評価し、管理し、指導することが出来るのです。私たち二段階方式が「アルツハイマー型認知症」に的を絞って、特化して、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』として、市町村との契約により、展開を指導してきたのも、「医行為の回避」という視点があったためでもあるのです。

3.上記&5の「アルツハイマー型認知症」の症状の全てが、前頭葉を含む脳全体の機能が廃用性の機能低下を進行させてきたこと、第二の人生を送る上でのナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した『廃用性の機能低下』の進行が唯一の要因(発病するか/しないか、重症化が進行するか/しないかを区分ける唯一の加重要因)であり、CT、MRIやPET等の機器の使用も不必要なのです。

4.加えて、発病のメカニズム及び重症化が進行するメカニズムと機序に照らして、発病を予防したり、症状を回復させたり、症状の進行を抑制する効能を有する薬は存在していないし、未来永劫、開発されることも無いのです(次をクリックしてください。➡ 脳機能から見た認知症)。医療現場で、現在使用されている4種の薬は、そうした効能は有していないのです。症状の発現の程度や発現の仕方に関わる単なる対症療法薬(昂進型/抑制型)でしかないのです。『個々のケースによっては、症状の進行を遅らせる可能性が期待される』として、使用されているものは、私たちの「脳機能データ」である『脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣の要因』に取り上げられ分析が行われている種々の生活習慣要因の関わりという視点を持たない為に、「効能の評価自体を誤っている」に過ぎないのです。

&7 対応の在り方の区分に応じた「ケアパス」の『標準化モデル』の考え方

1.「アルツハイマー型認知症」に特有な対応の在り方(ケアパス)

(1) 最も有効なのは、発病自体の予防(一次予防)です。「アルツハイマー型認知症」こそが、一次予防に最も適切なタイプの認知症なのです。その本態が、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であること、発病の有無及び重症化区分の判定が、二段階方式という「神経心理機能テスト」の活用により、且つ、それだけで、何等の機器の使用が必要なくて、客観的で精緻なレベルで判定できるものであること、注意の分配力の機能の出番が多くて、「前頭葉」が活性化する「脳の使い方」を予防教室脳のイキイキ教室)で体験し、そこでの体験を日々の生活に取り込み、自分なりのテーマを選択し、目標を設定して、自分なりの楽しみ喜び生き甲斐が得られる生活習慣を創意工夫して構築し、継続して実践し、生活習慣化することに因り、発病自体を予防することが出来、万一発病しても、「早期発見」と「脳のリハビリ」の実践により、回復させることが可能であるし、重症化の進行を抑制して、進行のスピードを緩やかにすることに因り、介護が不可欠となる末期の段階、「大ボケ」の段階にまで症状が進行していく時期を先送りすることが出来るのです(「介護の予防」を効果的に達成することが出来ることになる)。

(2) 予防教室(脳のイキイキ教室)の参加者に対しては、当該年度の予防教室の開始月と閉じる月の二回、予防教室に継続して参加者した個々の『お年寄り』の「脳のイキイキ度チェック」を「二段階方式」の手技による『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』を判定することに因り、当該期間中における『経時変化』の『脳機能データ』を集積していくのです。二段階方式の基準に基づいた判定結果は、「改善、維持、低下」の3種類に判定区分されることになります。

(3) 参加しているのは全員『高齢者』なので、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、『加齢』に起因した機能低下が必ず進行していることになります。加えて、何かをキッカケにして、意欲を喪失したことで開始されることになるナイナイ尽くしの単調な生活習慣に陥っていた場合は、『廃用性の機能低下』が進行してきている「お年寄り」もいるはずなのです。当該年度の教室の開催の1年間という経過期間中に起きてきた変化、経時変化を判定するとき、①前頭葉を含む脳全体の機能レベルが改善しているケース、②維持されているケース、③低下してきているケースの3種類に区分して判定することが出来るのです。

当該判定については、「前頭葉」の機能レベル自体の変化及び左脳と右脳の機能レベルの変化を各々判定した上で、その総合的な評価が行われるのです。厳密な定義に因る『判定基準』が設定されているのが、二段階方式の特徴なのです。「物忘れ」の程度や態様の変化を外観から観察するだけと言った、「記憶障害」とかの指標を基準とする判定基準とは、判定対象の本質自体が異なるのです。

(4) 上記脳機能データは、予防教室に参加した個々の「お年寄り」について、参加する限り判定が実施されていきます。年齢、男女区分、教室区分ごとのデータが集積されるので、「当該教室」についての活動内容(実施テーマ、男女比、年齢層比較)をもとにした有効性の比較や評価が出来ることになります。こうした個々の「脳機能データ」を管理する為のソフト(”エイジング”)を開発し、使用許諾の対象にも加えてきたのが『二段階方式』の特徴なのです。昨年の11月に実施された厚労省(認知症施策推進室)との協議の際も、いくつかの市町村のそうした「脳機能データ」をもとにした経時変化の比較データが提示されたのです(このソフトは、現在改訂中です。従来のデータに加えて、介護保険の適用区分である、要支援と要介護のデータも取り入れる考えなのです。『アルツハイマー型認知症』の発病は、記憶障害に起因するものでなくて、『前頭葉』の廃用性の機能低下の進行に因る機能障害が原因という時代が来ると確信しているので、色々なレベルの脳機能データの評価が必要有益と考えているのです)。

2.以下の区分を明確にした対応が、必要で有効で有益となるのです。

そのためには、物忘れの症状を外観から観察するという方法では、いい加減な対応や措置に陥ってしまうことを理解して頂きたいのです。アルツハイマー型認知症の発病の有無の判定自体が、記憶障害(物忘れ)の症状の程度や頻度や態様で判定できる訳のものではないからです。&5で例示列挙した三段階に区分される類型的な症状(『アルツハイマー型認知症』の発病患者14689例の解析結果)を見て頂ければ、そのことを理解して頂けると思うのです。

そもそも、『物忘れ症状』に代表される「記憶障害」の症状も、『前頭葉』の機能障害に起因して発現してくる症状の一つの態様(症状の類型)に過ぎないのです。記憶は、記銘して、保持して、想起するという三段階の機能構造をしているのです。この機能構造の下で、『よく記銘されたものが、良く保持されて、良く想起されることになる』ことは、皆さんも体験的にご存知のことと思うのです。それは何故か。『海馬が短期記憶と長期記憶とを区分けているから』ではないのです。激しい憤りや、辛く悲しい感情を伴った記憶は、『そのことを記銘する時』に、意欲と集中力の発揮度が極めて高くなるために、加えて、「意識的な世界」では常に必ず、一定の機能レベルで働いているはずの『注意の分配力』の機能がその瞬間は機能低下している状態となることが原因で、記銘度が高くなることが原因で、良く保持され、良く想起されることになるだけなのです。

30代から発現して来るようになり、高齢者となるに従い、頻度が高まり、程度がひどくなっていく、所謂「物忘れの症状」は、このメカニズムが影響しているだけなのです。私たちが『前頭葉の三本柱の機能』と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、加齢に起因した機能低下の進行という要因が存在しているので、この要因の反映として、物忘れの症状が発現してきて、発現の程度や頻度や態様が次第に大きくなっていくだけなのです。『加齢』という要因のみに起因した物忘れの症状と廃用性の機能低下が加重されたものであり、アルツハイマー型認知症の発病としての記憶障害の症状とを的確に且つ客観的に判定し、区別するには、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルの判定が必要不可欠となるのです。『前頭葉』の機能レベルが正常なレベルに在って発現してくる物忘れの症状と、『前頭葉』の機能レベルが異常なレベルに在って発現してくる記憶障害の症状(=アルツハイマー型認知症発病としての症状)とは、厳格に区分けるべきものなのです。ボケてもいないお年寄りを『ぼけ老人』扱いしてしまうことになるのですから。どうすればいいのか。『前頭葉の機能レベルが、正常であるか、異常であるかについての、客観的な判定が不可欠となる』のです。

&8 対応の在り方の区分に応じた「認知症ケアパス」の『標準化モデル』

1.このケアパスは、様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上を占めている「アルツハイマー型認知症」に的を絞った特化した認知症ケアパスであることに注意して下さい。他の種類の認知症は、対象としていないのです。さらに重要なのは、発病の有無及び症状の段階の判定に応じた対応、対策、指導の全てが、『二段階方式』の手技の活用によることを前提としたものであり、殆どの市町村が現在作成している認知症ケアパスに見られるような、物忘れの症状を外観的にとらえただけの判定、対策、指導という種類のものとは根本的に異なるものなのです。『前頭葉』の機能に照準を当てて、前頭葉の機能レベルを含む脳全体の機能レベルの客観的で精緻な判定が出発点となっているのです。

2.その上で、二段階方式の考え方に立脚し、二段階方式の手技の活用による、発病の有無の判定、症状の段階区分の判定、判定された脳の機能レベルに応じた対応、対策の指導及び経時的な変化の把握を行うものなのです。

3.市町村が作成した「認知症ケアパス」を見ると、予防教室類似の場所の提供も数多く見ることが出来ます。だからと言って、そこに出かけて行って、歌って踊ったり、パズルに代表される「脳トレ」をやってみたり、簡単な足し算や引き算をやることを繰り返していれば、アルツハイマー型認知症の発病の予防の効果や介護の予防の効果が顕著なものとなるかというと、決してそうではないのです。➡452の先駆例でも、「二段階方式」の導入とは名ばかりで、『集団かなひろいテスト」の実施でお茶を濁して、歌って踊るだけの教室では、効果が少なかった!

実態は、発病者数が顕著な増加の傾向を示したままであり、重症化が進行しているお年寄りの数が顕著な増加の傾向を示しているのです。『脳のフレイル』と識者が取り上げている問題は、実は、アルツハイマー型認知症の発病であり、最初の段階、「小ボケ」の段階の症状なのです。前頭葉の機能レベルを判定してみることに因り、そのことが表面化してくることになるのです。加えて、デイケア、デイサービス施設等でも、発病者の更なる重症化の進行問題が確認され、新型コロナ感染回避の為の「3密の回避」の順守が求められている状況下で、大きな社会問題となってきているのです。

(1)『一次予防』の対象となるお年寄りの「脳の機能レベル」の問題

①『発病自体の予防』が目的となります(発病自体を先送りすることが出来る結果として、発病して、小ボケ➡中ボケの前期➡中ボケの後期➡大ボケの前期➡大ボケの後期というステップを踏むこととなるので、重症化が進行し、介護が不可欠となる「大ボケ」の段階に進む時期が先送りされるので、介護の予防にもなるということなのです=「介護の予防」の実施施策の一形態となる)。

②市町村による対応であれば、人手を余りかけないで実施する必要があるので、集団での対応の道しかなく、「予防教室」(『脳イキイキ教室』)を運営することになります(個々の対応は、本人/家族による対応となります)。

③参加者の区別、参加の効果について、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの判定が不可欠となります。教室に参加できるお年寄りは、正常な機能レベルに在るお年寄りが原則であり、例外として、「小ボケ」の段階のお年寄りが加わることが出来るのであり、「中ボケ以下のお年寄りは、予防教室に参加することが出来ないからなのです。「中ボケ」以下のレベルでは、前頭葉を含む脳全体の機能レベルという厳しい関門があり、正常な機能レベルと小ボケの段階の脳の機能レベルを対象とした、予防教室が脳の活性化体験として実施する「テーマ」についていくことが困難だからなのです。この区分けは、不可欠なのです。

教室参加者の中に、「中ボケ」レベルが交っていると、運営が混乱するのです。

④「小ボケ」の段階であれば、予防教室での体験についていくことが出来るし、その体験を日々の生活習慣に取り込む工夫と実践が為されることに因り、正常な機能レベルに回復させることが出来ることが、極めて重要なのです。

(2) 『二次予防』の対象となるお年寄りの「脳の機能レベル」

①「早期診断」と「脳のリハビリ」の実施による「回復」と「介護の予防」が目的となります。『脳のリハビリ』の実施という命題が有るので、「脳のリハビリ」に因る回復が期待できないレベルのお年寄り、「大ボケ」の段階と判定されたお年寄りは、対象外となります。

末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進んだお年寄りには、「介護の途」しか残されていないことに注意が必要です。中ボケレベルのお年寄りと大ボケレベルのお年寄りでは、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの相違という要因から、『同一のレベルでの対策や対処や対応が困難となる』ことを良く理解し、肝に銘じて頂きたいのです。市町村が作成した「認知症ケアパス」では、最も肝心であるこの視点が欠けていて、客観的で精緻な基準と判定方法により、「両者を区分ける」方法が示されていないのです。

脳のリハビリの実施による効果という視点から、『中ボケ』は前期後期とに明確に区分けた対応が必要不可欠となります。「中ボケ」の前期(前頭葉の機能レベルが異常なレベルであって、MMSEの換算値が23点~20点)であれば、集団による脳のリハビリ」の実施でも(個別メニューでなく、集団メニューであることがポイント)効果を発揮することが出来るのに対して、「中ボケ」の後期(前頭葉の機能レベルが異常なレベルであって、MMSEの換算値が19点~15点)のお年寄りに対しては、『個別メニュー』による「脳のリハビリ」の実施でないと効果を発揮することが出来ないのです。どのような「テーマ」で、どのような「目標」であれば、本人が実施に前向きに対応することが出来るか、過去の生活体験に含まれたものであるか、継続実施が可能であるか等、様々な個人要件の加味が不可欠となって来るのです。手間も暇もコストも熱意も必要。その意味で、中ボケの後期でも、脳のリハビリの実施に効果が期待できるとは言え、同居の家族の熱心な協力が不可欠という問題を抱えることになるのです。

④中ボケの後期から大ボケの前期と判定されたお年寄りは、三次予防の対象となると考えているのです。

⑤『二次予防』の機能の担い手は、別途立ち上げる『NPO法人』が活動の主体となるべきものと考えています。市町村との契約に基づいて、当該NPO法人が二次予防を実施し、「小ボケ」の段階への改善を目指し、ケースにより、更には、正常な機能レベルの改善を目指すのです。何らかの事情により、改善の効果が出てこなかったケースについては介護が不可欠となる段階、「大ボケ」の段階にまで進む時期を遅らせる効果、「介護の予防」の効果を目指すことになります。「中ボケ」の後期の段階に進んだお年寄りについては、三次予防の対象者とし、NPO法人が扱う対象から離して、適切なデイケア/デイサービス「施設」を紹介することになります。

(3)『三次予防』の対象となるお年寄りの「脳の機能レベル」

①『中ボケ』の後期と判定された「お年寄り」を対象とします。このレベルは、

失語や失認や失行の症状が未だ発現してこないレベルに在るお年寄りなのです。

②扱う施設は、現行制度化の認知症対応型通所介護施設(介護予防認知症対応型通所介護施設)又は、デイケア/デイサービス施設となります。

4.「アルツハイマー型認知症」のみを対象とし/特化した対応の仕方としての「二段階方式」の考え方に基づき、「二段階方式」の手技の活用による『認知症のケアパス標準化モデル』 末尾のページに掲載の内容(個別指導時における二段階方式手技の手順)を参照して下さい。

5.「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び重症化区分判定の為の「二段階方式」の手技の実施手順のフローチャート➡ 最後のページ(個別の生活改善指導のフローチャート)を参照して下さい。

&9 保健師さんが一元的に実施し、評価し、管理するアルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の展開

1.「二段階方式」の実務研修会を受講した保健師さんが、二段階方式の考え方に基づいて及び二段階方式の手技を活用して活動を一元的に実施し、評価し、管理し、必要なケースについて「脳のリハビリ」の指導を行うことになります。

2.「前頭葉」の機能を含む脳全体の機能レベルが正常なお年寄りを正常なレベルの儘に保つことを目的とした予防教室(EX.『脳イキイキ教室』)の運営です。

➡ 「加齢」の進行に因り、何時かは、発病することになる、その発病の時期の先送りであり、何時かは「介護」が必要となる末期の段階(「大ボケ」)にまで症状が進行する時期の先送り(=「介護の予防」の効果)を意味しています。 ※教室の運営については、地域の「ボランティア」の参画が必要有益です。

➡ ボランティアの参画については、過去に実施されていた一つの参考事例として、宮城県大崎市古川地区のやり方を「トップページ」に挙げています。

&10 アルツハイマー型認知症特化対応型『認知症ケアパス』の流れ

1.詳細は、添付資料の『認知症のケアパス標準化モデル』を参照して下さい。

2.以下は、そのイメージ図です(「二段階方式」の手技による判定が前提)。

Ⅰ.脳のイキイキ度チェック Ⅱ.何処(誰から) Ⅲ.何を受けられるのか 

正常なレベル        市町の予防教室    発病予防の生活体験

                         

小ボケのレベル       市町の予防教室    脳のリハビリ指導

 

③ 中ボケの前期        別途のNPO法人      集団での脳リハ指導

 

④ 中ボケの後期           現行の通所介護施設   現行制度の内容

 

⑤ 大ボケの前期         医療機関       医師に因る診断

 

⑥ 大ボケの後期         医療機関          医師による診断

 一次予防と二次予防とを、「二段階方式」の手技により実施するのが特徴。

&11 認知症施策推進総合戦略としての『新オレンジプラン』が求めるもの

1.『新オレンジプラン』は、オレンジプランから引き継ぎ、改変した7つの柱で構成されています。その「基本的な考え方」としては、『認知症高齢者等にやさしい地域づくりを推進していくため、認知症の人が住み慣れた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続けるために必要としていることに、的確に応えていくことを旨としつつ、7つの柱に沿って、施策を総合的に推進していく』としているのです。

7つの柱の中でも、施策の推進に際して、特に重要で必要なのは、

    ①アルツハイマー型認知症への理解;

 ②アルツハイマー型認知症の容態に応じた適時・適切なサービスの提供;

 ③アルツハイマー型認知症発病者への/介護者への支援;

 ④アルツハイマー型認知症の発病者を含む高齢者にやさしい地域づくり;

 ⑤アルツハイマー型認知症発病者やその家族の視点の重視

様々な種類が数ある認知症の内の90%以上をアルツハイマー型認知症が占めていること及び発病の有無の判定に「医行為」が関わらないで済むのは、アルツハイマー型認知症だけであることに対する注意が必要です。その意味で、政府が市町村の保健師さんに対応と対策を求めているのは、『アルツハイマー型認知症』を頭に置いたものと理解すべきなのです。

➡ 若年性認知症対策が7つの柱の一つに挙げられています。若年性認知症の典型は、『アルツハイマー病』です。これは、生まれつき特定の遺伝子に異常が存する人だけを対象として発病し、30~50歳代の「若年発症」が特徴なのです。この対策は、保健師さんにも、医師にも、不可能なのです。

若年性アルツハイマー型認知症」とされているものが若年性認知症の大半を占めると考えているのですが、実際には、若年性アルツハイマー型認知症なるものは、実在しなくて、架空のものなのです。アルツハイマー型認知症の本態に対する無知と前頭葉の機能レベルの精緻な判定の為の手技を持たない専門家達が、『側頭葉性健忘症』(重度の記銘力障害と海馬の萎縮を特徴とするものの、前頭葉の機能が正常なレベルに在ることが特徴であり、若年での発症が特徴でもある)のです。このことに加え、「緩徐進行性失語症」との誤診も多いのです。MRIで海馬の萎縮を調べて、MMSE(又は長谷川式)で脳の後半領域の働きだけを調べ、肝心かなめの『前頭葉』の機能レベルの判定の手技を持たないので、『誤診がまかり通っている』という訳です。『アルツハイマー型認知症』の発病者であれば、脳全体の「司令塔」の役割を担っている「前頭葉」の機能が真っ先に異常なレベルに衰えて行くことさえも知らないでいるのです。

重度の記憶障害の症状を呈していても、「側頭葉性健忘症」を発病した人は、比較的年齢が若い層の人であり、且つ、前頭葉の機能が正常なレベルに在り、状況の判断も理解も十分に出来て、自分が置かれている状況に対する種々の困難な問題について、的確に言葉で表現できるのです。逆に、アルツハイマー型認知症の発病者で、重い記憶障害の症状が確認される「お年寄り」(発病者は、60歳を超えていて、「第二の人生」を送っているお年寄りに限られるのが特徴)、であれば、自分が置かれている状況を、言葉で的確には表現出来ないのです。

&12 政府大綱が提起する『認知症施策の総合的な推進』(2019.07鉱表)

1.基本的考え方、すなわち、認知症(ここでは、アルツハイマー型認知症のことを言っていることに注意)の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進して行くことを明言している。但し、「予防」についての注釈があり、現在の時点で、「予防」とは、認知症にならないという意味ではなく、認知症になるのを遅らせる、認知症になっても進行を緩やかにするという意味であるとしています。世界中の専門機関や人達の全てが、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、一旦発病すると、治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』としていて、発病の原因については、4つの仮説が提示された儘であり、発病との因果関係を未だに立証できないでいることが理由なのです。その一方で、カロリンスカ研究所やランセット委員会がAI技術を活用したコホート研究により、生活習慣が危険因子ではないかとの見解を発表していることも踏まえた厚労省の見解であり、『運動や交遊が発病を遅らせる効果が期待できるのではとの考え』も提起しているのです。

2.生活上の困難が生じた場合でも、重症化を予防しつつ、周囲や地域の理解と協力の下、本人が希望を持って前を向き、力を活かしていくことで極力それを減らし(実は、「中ボケ」の段階になると、このようなことは無理となってしまうのです。「大ボケ」の段階は、介護の途しか残されていなくて、身体が持つ限り、症状が更に重いものになって行き、家族の負担が重くなっていくのです)、住み慣れた地域の中で尊厳が守られ、自分らしく暮らし続けることが出来る社会を目指すとされているのです

① 予防(高齢者が身近で通える場「通いの場」の拡充)、

② 介護サービス・介護者への支援(早期発見、早期対応体制の質の向上)

&13 アルツハイマー型認知症は、介護と発病の予防が『コインの裏表』

1.国策に因る「介護保険制度」は、要支援要介護に区分されています。両者ともに、身体的な機能条件を理由とする人と脳の機能条件を理由(認知症の発病者)とする人に区分されています。

2.認知症については様々な種類が数あるのですが、その大多数、90%以上は、アルツハイマー型認知症が占めていることが重要なのです。「アルツハイマー型認知症」は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であり、第二の人生を送る上での「脳の使い方」としての生活習慣が、「発病するか/しないか」並びに「症状の重症化が進行するか/しない」を区分ける『唯一の要因である』からなのです。アルツハイマー型認知症というタイプの認知症こそ、発病自体を予防することが出来るし、早期診断により治すことが出来るタイプの認知症であることを、専門家だけでなくて、世の中に広く啓蒙する必要があるのです。

第二の人生」を送る上での、「脳の使い方」としての『生活習慣』について、「前頭葉」が活性化する生活習慣、自分なりの「テーマ」を選択し、自分なりの「目標」を設定して、発想、企画、計画、洞察、推理、シミュレーション、評価、比較、選択、決定、決断、感動、抑制などの『実行機能』の出番が多い生活習慣を構築し、継続して実践することに因り、「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能の出番が多くなることに因り、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」(意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界)における脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』の機能が、活性化することに因り、「前頭葉」の機能レベルを正常なレベルのままに保つことができるので、「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防を達成することができるからなのです。

3.「アルツハイマー型認知症」は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状(「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の症状)が発現して来るのが特徴なのです。小ボケと中ボケの段階で発病を見つければ、「脳のリハビリ」により治すことが出来るのです。末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけていたのでは、最早治すことが出来なくなり、日常の生活面で「介護が不可欠」となるのです。

4.我が国は、既に、世界の先頭をヒタ走る「超高齢社会」に在るのです。65歳以上高齢者の内、「認知症高齢者(その内の大多数、90%以上のお年寄りが、「アルツハイマー型認知症」の発病者であることに注意して下さい)が、この先更に増加していくと予想されているのです。

5.『発病自体の予防と早期診断による回復』という「テーマ」について、国策による全国展開を実施して行かないと、「介護保険制度」自体が財政面から破綻の危機を迎えてしまうことになるのです。この「発病自体の予防というテーマ」を国民的な課題として、出来るだけ早期に、実行する必要があるのです。

6.『発病自体を予防し、早期診断により回復させることが、介護の予防に直結する効果と結果をもたらす』のです。換言すれば、『アルツハイマー型認知症は、介護発病自体の予防が「コインの裏表」の関係に在るという訳なのです。介護も不可欠なのですが、発病自体の予防に手を付けることも、必要不可欠となるのです。

添付図式1

添付図式2

本著作物「F-01」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。 エイジングライフ研究所(エイジングライフ研究所のHP) 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする