ご主人様がファミリーレストランへ行こうと言いました。なにかのモニターに当たったのだそうです。指定されるお店で飲食をしてアンケートに答えると、代金のうちいくらかが返ってくるという仕組み。
モニターと簡単にいうけれど、資格が必要なわけでもなく、事前研修があるわけでもありません。一定の力量をもった人がモニターを務めるのならともかく、まったくの素人が何をモニターし、どんな信憑性のある情報を集めようとするのかが疑問です。
もう少し聞いてみると、それぞれで割引率というか返金率は異なるそうなのですが、今回は3割がペイバックされるといいます。例えば、私たち二人で3000円の食事をしたとして、900円が戻ってくる勘定。モニターを実施する会社も手数料を取るはずですから、このファミリーレストランは私たちのモニターのためにおそらく2000円ほどを支出しなければならないはずです。その金額に見合うだけの情報が得られるのでしょうか。モニター数の上限を決めているそうですから、誰もが3割引で食べているわけではないにせよ、安くはない取り組みです。
できれば、対応したスタッフの名前を控えよという項目もあるそうですから、アルバイトやパートさんの気持ちを引き締める効果、結局はサービスの質を上げる効果もあるのかも知れません。モニターで安く食べてきたという口コミで、知名度を上げようという取り組みかもしれません。また、今日日のことですから、素人さんのブログだSNSだのでの記事に期待しているのかも知れません。
つまりは社員の教育費、広告費としてのモニターということなのでしょうか。会社も大変だなと気の毒に思いながら店を出ました。
そういえば半年ほど前に、このお店で仕事の時間調節をしたときのことを思い出しました。注文を「ドリンクバー」と言い、持っていた荷物の整理に多少モタモタしていると、主婦のパートと思しきスタッフの女性は、「何か飲み物を持ってまいりましょうか」と尋ねてくれました。自分で行くからと断りましたが、随分気の利くことだなぁと感心したことがあります。妙なモニターで客を呼ばなくても、こんな心遣いだけで客は十分嬉しいのに…。
実は私も会社でなんどもモニター募集したことがあるんですよ(^^;) うちは服屋ですけど。
業種は違いますがその経験で言えば、モニターさんは素人だからこそいいってことだと思います。
基本的にはある程度仮説を持っていて、その検証のためにやったりするんですが、食べ物屋さんなら無作為に選んだ100人(客)のうち、30人も不味いって書けばまぁ確実にダメでしょう(笑)
また「シークレットカスタマー」として店に行ってもらって接客応対の抜き打ちテストのようなのもやります。
教育や応対マニュアルがちゃんと機能浸透しているかどうかとかも例えば100客サンプルがあれば十分検証できるってことですね。
他にもいろんな目的でやりますが、ちなみに3割のペイバックはモニターさんへの謝礼ですが、外部に頼んでいたなら実施業者には別途ウン10万から内容によっては100万以上払ってたりします。
詳細な分析レポートとかまで提出してくれますけど。
そういう説明をしていただくと、なぁるほどそうなのかと納得できます。なんにもわからない素人でも、感想がたくさん集まると、それは大きな力になる。なにしろ、お店の繁盛を決めるのは一部の評論家ではなく、大半の素人ユーザーですからね。ちょっと勉強になりました。
ありがとうございます。