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先月の金環食に続いて、また太陽を眺めることになりました。
私の生活エリアでは6日の午前中は曇り7割、晴れ3割という感じでした。朝からどんよりしていたこと、太陽に比べて、ほんのホクロくらいの金星の大きさだというので、期待もしていませんでした。むしろ、曇天で太陽が見えないほうが、落ち着いて仕事ができるくらいに考えていました。
ところが、仕事を始めると太陽光が差す時も出てきました。そのうち、観察用レンズを持った同僚たちが中庭に出て、空を見上げ始めました(なんとのんびりしたカイシャなのでしょう)。私は例によってなんの準備もありません。先月の金環食の時も雲に助けられて撮影できただけで、晴天ならお手上げでした。何人かの人がどうぞとレンズを貸してくれました。どれどれとレンズ越しに覗いてみますが、本当に視力のある人にしか見えないくらいの小さなホクロ。私は幸い、自分の目で確認できましたが、視力の具合で「何にも見えない」という人もいました。
さて、ここからが私のズルといころ。デジカメを持って出て、借り物の観察用レンズをカメラの前に置いて撮影を試みました。まず、撮影画素数を最大にする。私が持ち歩いているカメラは最大4000pix×3000pixだったはず。次に露出をマイナス2にする。オートではここまでしかできません。そして、めいっぱい望遠側にして、レンズの前に観察用レンズを重ねる。35mmフィルム換算で300mmくらいの焦点距離になるはず。うまくいくはずと考えたのですが、これが結構大変。望遠側にしていることと、観察用レンズのせいで、肝心の太陽がレンズになかなか収まりません。コンパクトデジカメのピント合わせのシステムではまぶしすぎて合焦がしにくいこともあります。そうしてできあがったのは緑かがったぼんやりとした太陽。金星も黒点も見えはしますが、コンピュータ処理前の天体映像のようです。あきらめました。こちらも観測のために出社しているわけではありません。仕事もしなければなりません。
昼前になって、再び見上げてみます。今度は、別の人のレンズを借りました。メガネのように両目それぞれの部分だけにレンズがついていて、ミラーレンズのようになっています。つまり、表裏を間違えると太陽ではなく、自分の目しか見えないというジョークのようなレンズ。ところがこれがなかなかの働き者です。先のレンズと比べても金星や黒点が見えやすい。つまりこういうことでしょう。一口に太陽観察用レンズといっても、減光率にはバラつきがある。金環食のような見かけ上の対象が大きなものの場合は少々のバラつきがあっても(素人の観察には)同じように観測できるのですが、巨大な発光体の太陽とホクロのような小さな金星では、減光率が適正でないと、強すぎる太陽光に呑まれて金星が見えなくなってしまう。
ズルいついでに、このレンズを使って撮影してみよう。今度はオートではなく、マニュアルで挑戦してみます。実はマニュアルを使ってみるのは初めて。手元にマニュアル(説明書のこと!)もありません。どうにか、絞りとシャッター速度を調整できるようになって、何段階かで撮影です。やはり、金星の見え具合が露出によって違います。1万5千円ほどで買ったカメラで撮影できたのですから、チョー儲けモンですよね。
金環食のときは雲に、今回の金星のときは同僚に助けられて、観察や撮影ができたのでした。
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