129円

   私はふだんあまりコンビニに寄る必要がありません。お弁当を買う必要もなければ雑誌の類もあまり読まない。煙草も長らくご無沙汰ですし飲み物を買うこともめったにありません。
   先日の朝、Tポイントがたまる某コンビニでのことです。珍しくパンや飲み物を買うことがあって、しかもこのお店はTポイントがたまる店らしい。どんなふうに使えばいいのだろうと若干緊張していたと思ってください。初めてコンビニでこのカードを使うわけです。ある写真屋さんで勧められてこのカードを作ったのが1年半ほど前。いかにコンビニに無縁な人間かということですね。

  レジで表示された金額が374円。そこでTカードを出して、それから小銭入れの中から504円を出しました。気持ちはカードを上手く使えるかに集中しています。お釣りとカードをもらって、「うん、うまくカードは使えた、めでたしめでたし」と思って駐車場まで出て気づいたことが、「なんで、こんなハンパな釣りがあるんだろう」ということです。タイトルにある129円がお釣りです。私としてはお釣りをキリよくするために504円払ったはず。 思い出してみるに、1円玉4個のうち、偶然にも2個をきれいに重ねて置いていたのです。レジの若い女性は503円受け取ったと思ったんですね。で、その通り打ち込んだらお釣りは129円と表示されたのでしょう。
   でも、待てよ。釣りが129円とは妙だと彼女は思わなかったんでしょうか。想像できることは、計算することまで彼女の意識はないんでしょうね、きっと。釣りの計算はレジがやってくれるもの。自分は買い上げ金額と受け取った金額だけ確認しておけば仕事は足りる。 機械のお陰で、もう少し大きな括りをすれば文明のお陰で人間は考えることをしなくなっている例でしょう。
   決してレジの彼女だけではなく、私も似たようなことがあるかも知れません。これが受け取り損ねた1円で勉強できたことです。