右足にギブスをしている身の不便なことのひとつに履けるズボンが制約されることがあります。足首を固定しているその部分が一番太く、イヤホンのコードでぐるっと回してみたら周囲は50cm以上あるように思われます。裾を含めてその足首を通るものでないと履けません。となるとズボンの本数は限られるのです。
ご主人様が面白いものを買ってきてくれました。モンベルレインハイカーパンツ。わかりやすくいえば雨合羽のズボンです。これがよくできているのは裾から膝上までファスナーがついていて、脱ぎ着がしやすくなっていることです。登山靴やトレッキングシューズを履いたまま素早く脱ぎ着ができるように作られているのでしょう。それを2本も買ってきてくれたのですが、山で使う(少なくとも屋外で使う)ウェアを病院着として使えるのだろうか。常識のある人はアウトドアウェアを室内で使うなんて発想を持たないと思うのです。病室で使ってみたインプレッションを記します。
もともとがズボンの上に履くことが前提なのでシルエットもゆったり胴回りはゆるゆる。でも案外室内でも履けるものです。いろんな場所で無理なく素早く脱ぎ着できるように裏面は滑りやすく作られています。素肌に履くのですが肌触りも悪くありません。ギブスの上からスルスル滑るように通っていきます。一番のポイントの膝上から裾までのファスナーは便利。ファスナーを上げるとハーフパンツを履くようなものですからね。車椅子とベッドの上での生活ではほとんど問題はありません。また、太めのシルエットはギブスを隠してしまえるので見た目の痛々しさも軽減されて、病棟の廊下で向こうからやってくる患者からの憐みの視線も減りそうです。膝から下までの大きなギブスをしていると、より大層な怪我に見えてしまいますからね。
ただ、保温性はありません(当たり前だ)。スポーツウェアに比べると寒い。それから衣擦れの音が大きい。もう一点は伸縮性がないということ。
アウトドアウェアをインドア、それも病室で着る。ご主人様は大胆なことを考える人です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます