和歌山でラーメンを食べたいと走っていました。国体道路を南へ、紀三井寺あたりを走っていました。ここまで来たらもうお店はないのではないかと心細くなるほど、郊外色が強くなります。紀三井寺公園の横を通りかかったとき、道路沿いのやや古臭そうなお店が目につきました。ここへ入ってみようかと、Uターンをして15時前に暖簾をくぐりました。
実は、ご主人様がなんだかの本を開いて、「ここへ行きたい」と言ったのが、南海電鉄和歌山市駅近くにある山為食堂。並びもない代わりにお盆休みで営業していませんでした。誰も並ぶはずはありませんよね。「では」と、ご主人様が次の候補に挙げたのが、JR和歌山駅近くの井出商店。このお店は通りかかるたびにとんでもない並びで、きっとよほどの気合と根性がなければお店に入れないとかねがね思っていたのですが、やはり、14時を過ぎても立派な列ができていました。ご主人様は恐れをなして、別の店を探して走り出したのでした。
ですから、今回のまる宮中華そばが、15時前に暖簾が掛かっていて、なおかつ並ぶ人もないのはきっと、あまり期待するものではないと思っていました。なにしろ予備知識なんてほとんどないままですから。お店に入ると、不思議なことに3組の客がいました。私たちの隣の男性二人連れは神戸から来たらしい。iPhoneでラーメンを撮影しています。私は中華そばセットを注文しました。中華そばに焼き飯ミニがついているセットです。ご主人様は中華そばにギョーザ。和歌山のラーメン屋さんには早ずしや、ゆで玉子が置かれていて、ラーメンが届くまでそれらを食べるのだとどこかで教わりました。以前に何軒か行ったお店でもそうだったのですが、ここでは早ずしもゆで玉子も置かれていませんでした。
中華そば到着。やたら待たせないのがうれしいですね。醤油のしっかりきいた、私なんぞの想像する和歌山ラーメンのイメージ。どんぶりも小さい。派手さはありません。こういう昭和の昔から変わっていないような一杯を、みんな喜ぶのでしょうね。
多くの客にしり込みすることもなく、おいしいラーメンを食べられて幸せでした。こんなに遅い昼食。晩御飯に難儀することなど想像もできないまま、お店を後にしたのでした。
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