京都へ行ってみようと思ったのにはもうひとつ理由があります。
先日、「京都市公衆無線LAN整備事業『京都どこでもインターネット』KYOTO Wi-Fiの新たな展開について」というWeb記事をたまたま見ました。概要は次のような内容。
- 現在京都市内で650箇所以上ある公衆無線LANスポット「KYOTO Wi-Fi」を来年3月末までに1400箇所に増やす。
- 「KYOTO Wi-Fi」に入り込むための認証コード取得の手続きを省略し、外国人旅行者に利用しやすいものにする。
- 1回の認証手続きで、無線LANスポットを移動しても24時間利用できる。
これを試してみたいと思ったのでした。長男のお古のiPod touchを持って、出かけたのでありました。
地下鉄の松ヶ崎駅に「KYOTO Wi-Fi」のマークが貼ってあるのを確認して使ってみます。なるほど、認証コードを入力する必要はありませんでした。接続されたら、認証画面が勝手に立ち上がりますから、「認証」するだけ。
今度はそのまま電車に乗ってみる。駅のホームがなくなると電波が来なくなります。でも次の駅では手続きなく復活。これは旅行者、特に外国人旅行者には便利なはずです。これまでは認証コード、つまりパスワードの入力が必要だったわけですから。
ローム本社の帰り。バス停にも「KYOTO Wi-Fi」マークがあるのを確認して、使ってみました。そんなに大きな(主要な)バス停ではありませんし、観光客が乗り降りしそうなところでもありません。そんなところにもちゃんと「KYOTO Wi-Fi」は神経が通っている。「You Tube」を見てみましたが、ちゃんと動画がストレスなく見られました。
なるほど。京都に観光客がたくさんやってくるのは、魅力的な観光資源があるだけではないんだ。外国人観光客にとっては公衆無線LANの有無が魅力的な観光地のひとつの物差しになっている時代。行政がこういう努力を続けている結果としての国際観光都市、京都があるんだと思いました。
滋賀県でも公衆無線LANの整備を計画しているとかの記事もありました。まさに、公衆無線LANは集客ツールのひとつなんですね。
そのバス停では、寒さに震えながら公衆無線LANに納得したのですが、バス停の背後はマンションの入ったビル。このマンションの住人は、部屋によってはタダでインターネットが使えるのではないかという想像をしました。無料である代わりに1日1回は「認証」の儀式を行う。京都市内に1400箇所もスポットができるなら、観光客でもないのに恩恵をこうむる人が相当あるに違いない。羨ましい話です。
バスを待っている時間は15分ほどだったでしょうか。寒いのでバス停の周囲をウロウロしながら、集客ツールといえば、もうひとつ気づいたことがあります。そのマンションに一階は宅配のピザ屋さん。京都の人たちは自分で買いに来るようで、ピザ屋もカウンターが広く取ってあります。次から次へとクルマが店の前の道路に停車をして、ピザを買って帰っていきます。ピザ屋に来る客のクルマで路線バスが左側のレーンに停車できないときもあります。歩道にはプラタナス。葉っぱが青々としたプラタナスと、紅葉してほとんど葉を落としてしまったそれとがあることに気づいたのです。なんでやろうとよく見てみると、そのピザ屋さんの大きな看板の前のプラタナスは紅葉していません。看板の明かりで日が短くなったことをプラタナスくんは実感できないのでしょうか。バス停の隣にあるプラタナスは、写真にも撮れないくらいに暗闇の中にあって、シルエットでほとんど枝ばかりになったいるのがわかります。光害(ひかりがい)と呼ばれるものがあるそうです。人工の明かりのせいで、野菜が実らないとかいう話を聞くことがありますが、ピザ屋さんの集客ツールである看板の明かりで紅葉できない街路樹。プラタナスが青々としている原因が想像の通りだとすれば、かわいそうな話です。
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