ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

貴船神社

2013-10-07 07:29:10 | PiTaPaより遠くへ

 9月の終わり。これからしばらくバイクで走りやすい季節です。
 そうだ京都行こう!とスクーター乗って走りだしました。目的地は貴船神社。天気は上々、若干雲が多いくらいです。走るのは気持ちがよいですが、風が多少強い。煽られないように気をつけながら走りましょう。今日はあちらこちらの小学校で運動会が開かれる模様。道中のいたるところで、家族一緒に大きな荷物(おそらく中身はお弁当や水筒)を、家族によってはアウトドア用の椅子を持って歩道を歩いているところを見かけます。刈り取り直前の田んぼの向こうにグラウンドの万国旗が見えたりして、大変おめでたい気分です。


 早朝で、クルマの通行量もそう多くはありません。国道24号を北上、東大路通を通って貴船を目指します。自宅を出てから2時間20分くらいで貴船口駅を通過しました。ここまで約60km。思うより早く着きました。電車で出かけてもそれくらいの時間は十分にかかるはずです。気温は23度と表示されています。


 貴船に来るのはこれで3度目です。過去2回はどちらも叡山電車鞍馬線で鞍馬まで行き鞍馬寺に参拝、木の根道を通って鞍馬の川床(納涼床)にへたりこむというパターンでした。夏に山登りをしたあとのビールのうまいこと。
 しかし、今日はそういう優雅な話ではありません。一人でスクーターに乗ってやってきたのです。


 貴船口駅を過ぎたら立て札がありました。この道を「和泉式部恋の道」というらしい。その立て札の向こうにあるのが「蛍岩」だそうで、6月中旬頃から蛍が乱舞すると書かれています。和泉式部の歌が書かれていました。
 「もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づる魂かとぞみる」
 「木船川山もと影の夕ぐれに玉ちる波は蛍なりけり」
ということは、和泉式部の時代から蛍が飛んでいたわけですね。
 貴船口駅からは徒歩で貴船に向かう人が何組もいます。へぇ、歩いて貴船神社まで行く人がいるんだと思っていると、自転車でこの道を上る人もいましたよ。サングラスをかけているものの若者ではないみたい。もしかしたら私より年上かもしれません。わざわざこんな坂道だらけところへご苦労さんなことです。こちらは原動機付ですからあっさりと追い越しました。
 狭い狭い谷に料理旅館が何軒も続き、貴船川を覆うように川床が続く道を走ります。涼を求めてというほどの季節でもなく紅葉にはまだ早いですが、観光客はけっこう多い。狭い道路を上る人たち下る人たちの間を縫うようにゆっくりスクーターを走らせます。これまで貴船神社にお参りしたことがなかったので、どんな神社か見てみたいという気持ちもあったのですが、スクーターを停める場所がわかりません。そのまま奥宮まで行ってしまいました。一番奥の料理旅館を過ぎると、消防団の器具庫と公衆トイレのある場所に何台もバイクが停めてあったので、私もそこに置かせてもらいました。


 奥宮まで歩いていく途中にあったのが、「思ひ川」。山の中の小さな川です。水がちょろちょろと流れているような細い川。これにも丁寧な案内板がありました。

  •  奥宮は今でこそ奥宮と呼ばれているが、もともとはこれが本社であったこと。
  •  その本社にお参りするための禊の川がこの小さな川であったこと。
  •  禊の川という意味で「物忌(おものいみ)の川」だったのが、和泉式部の恋の話とこんがらがって、「思ひ川」と呼ばれるようになったこと。

 

 そんな説明でした。また、和泉式部の登場ですね。そんな折、先ほど「蛍岩」のところで追い越した例の自転車氏が到着しました。彼はいったん自転車を降りたものの、水分補給だけして上流に向けて漕ぎ始めました。


 奥宮は想像していたよりもシンプルでした。訪れる人も少ない。途切れない程度に参拝者がやってくるという様子です。


 貴い船とはどういうことだろうと思っていました。その謎が解けました。神武天皇の母、玉依姫が黄色い船に乗って淀川、鴨川、貴船川をさかのぼってこの地へやってきた。これが貴船神社の始まりなんだそうです。境内には船形石と呼ばれる船の形をしたものがあるのですから不思議です。その黄色い船を小石で覆ったのが船形石だというのです。船形石の小石を持ち帰ると航海が安全だとか。勉強になりました。貴船神社は水の神さん、さらには縁結びの神さんだそうです。和泉式部もそれで参拝したわけですね。であれば独身のみなさんは、現在参拝者でごった返す出雲まで出かけなくても京都市左京区で間に合うというわけ。

 

 さて、奥宮を出て貴船川をのぞいてみます。先の台風18号の豪雨を受けて、かなりの大水が流れたであろうことがわかります。まだ、新しい大木が川の真ん中で横たわっている。こんな狭い谷では逃げるところがありませんから、神社関係者も旅館関係者も気が気でなかったでしょう。

 

(つづく)


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