ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

ぼくひのとりにのったんだ

2021-03-21 19:39:23 | PiTaPaで歩く

  「ぼくれんらくせんにのったんだ」ずっと昔、そんな絵本がありました。くまたくんが鉄道連絡船に乗って旅行をするお話です。舞台になった青函連絡船が廃止されたので絶版になってしまいましたが、当時、「でっかいどお。北海道」というキャンペーンがあって、それをもじって、「でっかいどお、くまかいどう」となっていました。そのシリーズは何冊かあって、「ぼくれんしんかんせんにのったんだ」というのもありました。

 前置きが長くなりました。その絵本に倣って、「ぼくひのとりにのったんだ」というタイトルにしました。2月のことです。近鉄が誇る名阪特急、「ひのとり」に乗りました。大和八木から名古屋。「ひのとり」は通常の近鉄特急より料金が高いのですが、さらにおごってプレミアムカーに乗りました。通常の特急料金1640円に加えること800円。つまり5割増しの特別料金です。コロナの世の中、1年間もお店で飲んでいない=財布に余裕があると油断しての行動でした。快適でないはずはない。切符はご主人様が彼女のスマホから予約してくれました。いわゆるチケットレスです。自分のスマホからなら画面を見せれば済むのですが、予約者と乗車者が違うので、ご主人様のスマホを持って行くわけにもいきません。画面をプリントして出かけたのですが、このプリントで乗せてもらえるのだろうか?と、おのぼりさんはドキドキ。

 大和八木に向かう急行電車のつり広告には、「まだ知らなかったくつろぎへ 大阪へ!名古屋へ!特急ひのとり」と書かれていました。

 7時29分発、7列車8号車。つまり名古屋に向かって一番後ろの車両がプレミアム(先頭車両もプレミアムです)。座席2A。その列車中の一番後ろのシートから2番目の一人シート。車両に乗り込むとビスタカーの2階席のように階段を何段か上がったデッキ。この8号車には、大和八木を出る時点で私を入れても7人しか乗っていません。休日なのにガラガラ。

 出発。とにかく静かです。足回りのよさと車両の遮音性が高いからでしょう。走るというより、滑ると形容するほうがいいように思われます。ロングレール区間を走っていることもあるのでしょうが、名古屋が近くなってロングレールでない区間でも、ほとんど気にならないくらいの音でしたから、ダテに高い料金を取っているのではないと思いました。その代わりというわけでもありませんが、ハイデッカーになっている分、曲線区間で、横に少し振られるような気がします(素人の感じることです。あまり信用してはいけません)。すれ違う列車の窓は当然見下ろすことになり、ちょっと寂しい気もします。

足が届かない!

 シェル型と呼ばれるシート。目いっぱいリクライニングしても後席の客に影響がない仕組みです。なにしろ8号車のシートは21席。シートピッチも広い。身長170cm少しの私が目いっぱい足を伸ばしても前席の根元に届かない。それに、シートヒーターが付いています。気持ちよくてついつい瞼が…

シートのリクライニングからカーテンの開け閉めまで電動。カーテンくらい自分で操作できるのにね。

 トンネルに入ると、デッキに出る扉の上の案内板に前方の風景が映し出される。飛行機のように。

デッキへのドアの上にある案内用のディスプレイ。2枚を使って情報を提示。

トンネル内では、前方の風景が映されている。

 車掌さんはなんども通路を往復するのに、検察は一度もなし。いつでもプリントが出せるように準備していたのに。

結局出番のなかったプリント。

大阪線を離れて短絡戦線を走る。

 伊勢中川の短絡線。この線路のおかけで上本町-名古屋間の特急は伊勢中川でスイッチバックをする必要がなくなり、時間短縮が実現しました。さらに短絡線完成から遡ること1年半。昭和34年9月にやってきた伊勢湾台風で、この地域は膨大な被害を受けたのですが、近鉄名古屋線の復旧工事に併せて、名古屋線の標準軌を急いだ近鉄。これにより、名阪間の特急が乗り換えなしで走れるようになる。まさに、伊勢湾台風の被害を味方につけた近鉄。コロナ下でも参考にしたい事例です。

 ひのとりは、くつろぐ列車です。ましてプレミアムカーは。テーブルを取り出して仕事をするか、ぼんやり寛ぐか、眠るか。みんなでにぎやかにはしゃいだりするリゾート特急ではないと思ったほうがよいと思いました。津からおじさんが一人乗ってきて8名。津から終点名古屋までは40分強。なかなかの大盤振る舞いです。ビジネスマン風のいでたちでしたが、車内でもひたすらカメラを覗いていました。鉄道好きなのでしょうか。

 

 心地よいシートでウツラウツラしていたら、アナウンス前のメロディで起こされる。このメロディの合成音が安っぽい。それが不満と言えば不満。

 9時8分名古屋着。1時間と39分のくつろぎでした。最後尾の車両ですから、ひのとりの横を歩くわけです。メタリックレッドと呼ぶそうですが、深い色の車両の横を改札口に向かってゆったり歩く。映画のシーンみたいに(おのぼりさんは)歩く。これもまた近鉄の演出かしらんと思います。今まで気づきませんでしたが、名阪特急の始発駅も終着駅も地下駅だったのですね。ホームの向こうに雑多な風景が見えません。(今回乗ったのはひのとりですが、)なるほど、アーバンライナーというネーミングの理屈が分かったような気がします。


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