霧で見晴らしは悪いものの、雨は降っていません。デイケアサービスの送迎かと思い込んでいたハイエースはすでに到着。クルマはそれだけ。三重ナンバーのハイエースはここでテントを張る様子で、クルマから荷物を下ろしています。二人連れはどうやら親子のようです。ここが陣馬形山キャンプスペース。村が管理しているものの、入場料もクルマの駐車料も不要。標高1400mほどの素敵なキャンプ場です。天気がよければ西に伊那谷を見下ろし、その向こうは中央アルプスの山々。贅沢なロケーションです。小屋らしきものが2棟。1棟はトイレ。この春だったかに改築されて水洗化、建物は内部から見ても外部から見ても山頂にあるトイレとは思えません。手洗いの水は温か(だったと記憶する)。もう一棟は陣馬形山荘と書かれていますが、もともとは避難小屋だったものが改装されています。どちらも無人でした。そうそう、そのサイトには地元の観光協会が設置するライブカメラがあります。
二人のキャンパーは着々とテント周りの準備を進めています。
私はキャンプサイトを横切って山頂に向かいます。木の板で拵えた階段を上っていけば駐車場からほんの2分ほどで1445mの山頂。ここからは西に中央アルプスが、東に南アルプスが見える!…らしい。でも私には西も東も「白い闇」が北から南へ流れているのが見えるだけ。有志が設置したという「COVAC」と書かれた双眼鏡。観光望遠鏡というそうです。子どものころデパートの屋上遊園地にこんなのがよくあったなぁと懐かしく思いながら覗いてみても、見えるのはやはり「白い闇」のみ。
待てば霧が晴れるかもと期待しましたが、期待は期待止まり。あきらめてクルマまで戻り、第二駐車場まで移動しました。
白い闇に一瞬穴が開いて、麓が見えるときがあるものの、穴は穴のまま、それより大きくなりません。そこへやってきたのが和泉ナンバーのデリカ。私よりは少し先輩だろうと思われるご夫婦。山頂を探しているようすだったので、「山頂はすぐですよ。あっちの方。」と教えてあげました。お二人は私なんぞと違って登山経験もたくさんお持ちのようでした。
せっかく1年間あこがれた陣馬形山に来たのに…あきらめきれず再度山頂に戻ったものの、やはり闇は闇。泣きながら下山したのでした。
近いうちにリベンジしたいなと思うのでありました。
(つづく)
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