
天龍寺を訪れた前夜は青蓮院門跡のライトアップを見に行きました。この日が夜間拝観の初日でしたが、なかなか大勢のお参り?、観客でした。正直にいうと、連れて行かれるまでこんな名前のお寺があるということも知りませんでした。教養のない私です。場所は知恩院のすぐ北側。その知恩院すらも訪れたことはなく、せいぜい年の終わりに「行く年来る年」のテレビで見るくらいです。
ライトアップされた大くすのきの下をくぐって中へ入ります(もちろん拝観料を払わなければ入れてもらえません)。宸殿の前庭には青色の発光ダイオードが光ったり暗くなったり。イベントや街中で見るイルミネーションと素材は変わらないものの、趣が少々異なります。みんな腰を下ろして静かに庭を眺めています。心が少しずつ洗われているようだというのは多少言いすぎでしょうが、静かな時間が流れます。目が少しずつ慣れてくると、庭に木が2本。「あれが『紺の橘、左近の桜』というものだなと思いました。が、何しろ夜間のこと。その庭が苔で覆われているのか、砂なのかもよくわかりませんし、木の種類まで確認できません。
それから順路にしたがって表に出て、相阿弥の庭、霧島の庭を眺めます。こちらはライトアップです。紅葉にはまだ早かったのですが、それはそれで楽しめました。特に竹がきれいだったと記憶します。そして最後は宸殿の前庭を歩いて、先ほど腰を下ろして眺めた発光ダイオードの庭を、反対側から眺めて出口です。
パンフレットによれば、今回で第31回だとか。夜間拝観やライトアップにはちゃんと理由があるのだそうです。青蓮院門跡のWebによれば、「ご本尊の熾盛光如来は、光そのものであり、その化身の不動明王(国宝青不動明王を祀る)も炎の光を背負っておられ、当院は光との関係が大変深い」のだそうです。なあるほど。
庶民を自認するひがみで、門跡と名のつくお寺のよそよそしさを感じて入りましたが、庭を眺めるうちにすっかりいい気分になったのでありました。
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