松江に初めてやってきたのは18歳の夏。出雲からの帰り、仲間はみんな松江城を訪れたのに、風邪ひきで熱を出した私は、島根県庁のベンチで休んでいるよう命じられました。そして急行「だいせん」のグリーン車に乗せられて強制送還。次に訪れたのがその8年後、26の年。そして6年前。今回で4回目になります。
松江城天守が国宝に指定されたのを受けて、いわば、28年目のリベンジ。この夏には姫路城に挑戦しました。白鷺城からいえば千鳥城はずっとコンパクトで天守閣へもラクラク行けそう。おさらいしましょう。国宝になっているのは、姫路、彦根、犬山、松本、そして松江でしたね。お城というものはだいたい低層階に甲冑だの食器だのと資料展示がしてあるものですが、残念ながら当方、歴史だの戦だのお城だのというものにあまり興味を持てずにこの年まで来てしまいました。結局煙同様に高いところを目指してしまいます。
ほどほどの広さの最上階。姫路城などと違い、「窓」部分が広い。小窓から覗くように景色を眺めるのではなく、物干しへ出て眺める感じ。西側には宍道湖がよく見えます。湖畔からしか見たことのなかった嫁ケ島が、高いところから見下ろせる。案外小さい島です。その手前には曲線が美しい県立美術館。
一組のカップルから頼まれたので、スマホのシャッター?を押してあげました。背景に宍道湖を選ぶものですから、どうしても二人の顔が真っ黒になってしまいます。うまく撮ってあげられなくてごめんなさい。穏やかでとても仲のよさそうな、端から見ても好感のもてる二人でした。私にもこんな年齢があったはず。些細なことで喧嘩別れしたりせずに、きっと一緒になりなさいよと心の中で願ったのでした。
もっとゆっくり、松江の街や宍道湖を眺めていたかったのですが、実はこの後、宍道湖の夕日を見に行かなければなりません。少し急ぎ足で、興雲閣にも心を惹かれながら、県庁の駐車場を目指したのでした。
でも、急ぎながら考えました。天守の高さ約30m。堀のあたりから天守の建つあたりまでの標高差が約16m。28年前、風邪でダウンしていたとはいえ、これくらいの高さなら自分にもお城は登れたのではないかと。
(つづく)
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