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さだまさしの小説「眉山」には、つぎのような件があります。
七月の終わりには、もう露地物のすだちが出はじめた。
近くの八百屋で籠盛りになった深緑色のすだちをみつけたとき、この頃めっきり食欲の落ちた母のために一山買うことにした。母が、鳴門の若布にすだちを搾って食べるのが好きなことを思い出したからだ。
徳島育ちの咲子は、年中すだちを食べる。季節の露地物でなくても食卓になくてはならないものだ。とにかく何にでもすだちをかけて食べる。(中略)
そういえば、この前、ビールにすだちを搾って飲むと美味しいことを啓子に教わった。
小説の中の話ですし、毎年必ずそうだと書かれているわけではありませんので作者に責任はないでしょうが、8月上旬に徳島のスーパーですだちを探したところ、まだ温室ものがありました。小説と比べると今年はやや遅いのかもしれません。ちょうど端境期の微妙なところだったのでしょう。少々高いかなという印象でした。
露地物か温室ものかの表記はなかったのですが、Lサイズ1kg入りの紙箱を980円で買いました。こんなにたくさんのすだちをどうやって食べる?と思っいましたが、結局このサイズが一番リーズナブルかなと思って買いました。これだけあれば、毎日使ってもしばらくはあるだろうと安心です。
箱に入っていたチラシによれば、すだちは一年中味わえるのだそうです。8月中旬から10月中旬が露地栽培もの、その後3月いっぱいまでは冷蔵貯蔵物、4月から8月中旬まではハウス栽培物というふうに書かれています。
さて、ビールにすだち。第三のビールにすだち。どちらも結構いけます。柑橘類のさわやかさ、若々しさがビールをフルーティ、ライトな口当たりにして結構なものです。私は自宅ではあまりビール系を飲まないのですが、今年は暑さのせいで9月中旬になっても夜毎にすだちビールを一缶楽しんでいます。どこかの会社で「すだちビール」を販売しないでしょうか。ウケると思うのですが。ビールのあとは焼酎の水割りを飲みますが、これにもすだちをぎゅっと搾る。焼酎の味の中をさわやかさが走ります。安い焼酎をレベルアップしてくれる印象。泡盛とでは両方の個性が喧嘩をし、少し相性が悪いような気がしています。やはり、泡盛はそのままいただきましょう。
小説の中にあった、わかめにすだちだけ搾って食べる。「びんび屋」で買ってきた塩蔵わかめです。これがびっくりするほどうまい。素材が徳島同士、よそ者がないとこんなに相性がいいのでしょうか。そのほか冷や奴にすだちだけをかけてみる。これもびっくりはしないですが、いい感じ。鯵ののタタキにも焼き鯖にもgood。焼き鳥に塩とすだち。これが子どもたちにも好評でした。イカソーメンにすだちという組み合わせはイカのモッチリ感を引き立ててくれるような印象。
ただ、相手の味が濃い、強いものにはおしとやかなすだちが負けてしまうこともあるようです。
まだしばらく、すだちビールを飲みながら、すだちの相棒を捜してみます。
などと書いているうちに、1kgがほぼ空になってしまいました。
http://news.walkerplus.com/2009/1204/24/
やはり、すでに誰かが考えていらっしゃるわけですね。なるほど。
でもこれは現在は売られていないのでしょうね。残念です。