![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/1b/6d6b31bdd3b0561ef8cd33c5431e0b76.jpg)
先に紹介した、「妻のトリセツ」の黒川伊保子さんが2012年に発刊した脳科学の本。男女脳の違いを研究してきた筆者によれば、新書版での男女脳論はこれが初めてだといいます。「妻のトリセツ」が2018年の発刊ですから、それより6年古くに世に出たことになります。
脳の取扱説明書(筆者は「トリセツ」とルビを振っている)であると最初に記しています。つまり、トリセツという切り口で脳を取り扱うのはすでに2012年時点で出来上がっていたと考えてよいのではないかと思います。
「妻のトリセツ」を読んだ後、「キレる女 懲りない男」を読むと、6年後に書かれた「妻のトリセツ」には、さほど目新しいことは書かれていないように感じます。本書の中から女性脳に関わる部分だけを抽出して、味付けをマイルドにしたものが、「妻のトリセツ」かなという印象です。ですから、本書を読みながら、内容はだいたい知っているとか、前にも書いてあったという気持ちで読んでいけます。こちら、「キレる女 懲りない男」のほうが、隅々まで丁寧に押さえた男女脳論という印象です。
そして、年を取ることに悲観しないでいいという論調が、私のような年齢にはありがたいところ。
ひとつショックだったこと。こんなシーンがあります。
小中学校のバザーの準備では詳細な段取り書のようなものは存在しない。明確な役割分担もないのに、お母さんたち(=女性脳)はさっさと準備を始めて、破綻なく進んでいく。一方、準備段階から男子が参加すると、計画書を作成するところから始まるのでかなり面倒くさい。お母さんたちなら100名くらいの組織なんかいくらでも円滑に回せる。
そんなシーンがあるのですが、私は、行動する前にみんながペーパーの上で共通理解ができることが先で、どんなに理解しやすい(関係者が共通理解できる)説明書が書けるのかが、イベント対応に必要な力だと思っているのですが、そんな能力はお母さんたちの前ではそもそも役に立たないというところ。ショックでした。
筆者によれば、高校の家庭科の教材にも使えて、職場の人事教育の参考書にも使え、恋愛指南書にも子育て本にも、老いへの備えともなる「人生の虎の巻」なのだそうです。お得な一冊だそうです。筆者の言い分はまんざらウソでもないと思いながら、読み終えたのでした。古本屋で、別の本を探していて買ってしまった一冊ですが、値打ちある108円でした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます