
石切劔箭神社(東大阪市 近鉄奈良線石切駅)
~不思議空間へダイビング~
近鉄奈良線を奈良から大阪へ走ると生駒トンネルを抜けたところが石切駅。生駒山の中腹にあります。何十年か近鉄奈良線を利用しています。もっとも通勤ではほとんど使ったことがありませんから、何百篇というのはオーバーかも知れませんが、何十篇くらいは乗っているでしょう。ところが、石切駅では一度も降りたことがありませんでした。快速急行で通過するときに、「石切神社」と書いた大きな広告塔を眺めるのが精一杯。それに長い間、石切神社はこの駅から坂道を登ったところにあると思っていました。実際は駅から坂道を下っていくのです(上之社はこの駅より上にあるらしい)。ふつう神社は高いところにあるわけですから、登っていくものだとばかり思い込んでいました。神社よりずっと後にできた近鉄線の駅のほうが高いところにできてしまったということなんでしょう。
時折軒先の向こうに見える大阪の街を見下ろしながら、結構な斜度のある細い参道を15分ほど下れば石切劔箭神社に到着です。4日とはいえ、参拝の人たちもそこそこいます。昔、「男はつないよ 浪速の恋の寅次郎」で寅が松坂慶子と歩いたのはこの参道だったでしょうか。
この参道、結構濃い。昔ながらの、それこそ「男はつらいよ」に出てくるような食堂だとか、漬物屋だとか、餅屋、団子屋。それに衣類。占い関係が多いのも不思議なところ。タロット占いや陰陽道占いまであります。ちょっと他の神社とは様相が異なります。日本で三番目の大仏様はどこにある?。この参道沿いにありました。石切大佛というこの仏像、日本で三番目と大書きしてあるのですが、何が三番目なのかはわからずじまい。これも不思議空間を演出するひとつだと思います。
そんなこんなで15分。石切劔箭神社に到着。実は恥ずかしいことですが、この漢字をどう読むのかがわからない。たいがい石切さんとか石切神社で通用しますから、正しい名称を知らなかったのでした。「いしきりつるぎやじんじゃ」と読むそうです。
駅からの距離で考えれば、私が降りた石切駅より近鉄東大阪線の新石切駅のほうがずっと近くて坂もありません。こちらからの参拝者も多いですし、クルマで来る人もい多いようです。
期待するほど大きな本殿ではありませんでした。とりあえずお参りをしたものの効能…、いや御利益を説明した案内がない。誰かを捕まえて尋ねるというのもあんまりでしょうから、帰って調べることにしました。絵馬は見つかりました。それに、絵馬殿の屋根の上に剣と矢が上を向いて鎮座しています。劔箭神社ですからね。
おみくじ授与引換券を出して、おくみじをいただきました。運勢は大吉。次のように書かれていました。
心をかたくもって 一時の不運にあわてさわぎ思いまようてはいけません
本業をよくまもって静かにときの来るのをまちなさい
開運うたがいありません
おみくじを丁寧に折りたたみ、結んで帰りました。
帰りも来たときと同じ不思議空間の参道を登って、石切駅にたどり着いたのでした。行きはよいよい帰りはきつい坂かと覚悟をしていましたが、不思議空間のおかげでしょうか、息が上がる前に到着できてよかった。
帰ってWebで探すと、石切さんはでんぼの神さんだそうです。でんぼというのは腫れ物、でき物のことですね。そこで石切神社のWebサイトでは、願意各種として、一番に病気平癒が書かれているわけですね。
(つづく)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます