ぶろぐのおけいこ

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郵便と糸電話でわかるインターネットのしくみ

2007-05-10 11:11:52 | 読んだ本
『郵便と糸電話でわかるインターネットのしくみ』
岡嶋裕史 著
集英社新書
  今、この文章を読んでいるあなたは当然コンピュータを使い、インターネットの恩恵に浴している一人であるはずです。職場にもLANが入り、家庭でも小規模とはいえ、LANが構築されているのでしょう。
   しかし、毎日使っているはずなのに、ネットワークのことはよくわからないという人がほとんどではないでしょうか。これはひとつには、コンピュータネットワークなんてものが非常に歴史の浅いものであることが理由として考えられます。10年前にネットワークコンピュータを使っていた人はかなりの少数派であるはずです。歴史の浅さゆえ、一般教養としても誰も知識の持ち合わせがありません。昔、教科書で習ったことがある、というような方面の知識ではないのです。
  もうひとつには、ネットワークなんてものは一旦設定ができてしまえば、後はほとんど意識する必要がないものであることも理由として考えられます。業者に、または誰かよく知っている人に設定してもらえば、後はトラブルがない限り、自分の目の前のコンピュータがどういう仕組みでweb情報に接続するのかを考える必要はありません。Excelの関数をひとつ覚えたというのとは違う理屈がネットワークにはあるのです。「サーバーがダウンしているのか」なんて聞かれて、辿ってみるとハブのコンセントが抜けていただけ、なんて話は結構あることです。それだけ誰も途中経路のことは意識していないのですね。
  そこで、何かの機会に、「よし勉強してやろう」と奮起して本屋に向かうわけですが、「LANがわかる」なんて本はほとんどアルファベットと数字の羅列で、バンザイをしてしまうことになります。どうしても理解しなければネットワークが使えないというものではないわけですから、そんな難しいものは投げ出しても差し当たり困りません。 こうして、私たち一般の人たちにとって、ネットワークはブラックボックスのまま存在するわけです。
  しかし、難しい理屈はわからないままでいいにしても、いくらかは理屈や仕組みを知っていたいと思います。ネットワーク絡みのトラブルで、サポートに電話をしても、先方が言っている言葉がわからないということになってしまうと、対処は大掛かりになります。「こういう理屈で、メールが届いたんだ」とか、「IPアドレスってこういうものだったんだ」とかを知っているつもりになることが大切。知らなくていいんです。知っているつもりになることが、これからのユーザーに必要なことではないでしょうか。
  本書はタイトル通り、郵便や糸電話に喩えて、インターネットという仕組みを説明しています。ここがすばらしい。多くの人にとって、仕組みのわかるものに置き換えて説明されると、これまでわからなかったことが、すっきりわかったつもりになれます。また、なぜ、そういう仕組みが必要になるのかを記してある点がまた親切。 各章のタイトルも、読み手をその気にさせます。例えば、第一章は「通信の基本はのろしと糸電話」、第二章は「インターネットの住所は、郵便未満電話以上」、第三章は「郵便屋さんの仕事は、家のポストまで」といった具合です。挿絵がシンプルで分かりやすいのもgood。
  あなたの身近にあるネット機器が、これまでとは別な見え方がすること間違いなしです。価値ある700円(税別)

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